★前置き

亡くなった人の「魂」は見えない。「あの世」や「死後の世界」も見えない。だから、そんなものは存在しない。そう考えるのが常識というものだろう。

臨死体験の事例を見ても、単なる脳内現象だと思われるケースもあるし、脳内現象なのか、実際に「魂」が体験した現実なのか、判別できないケースが大半だ。

だが、肉体とは別に「魂」というものがある…と考えなければ納得できないケースもある。とりわけマリアの臨死体験事例アラン・サリバンの臨死体験事例などは、単なる脳内現象だと言い切ってしまうわけにはいかない。

こういう事例を見ていると、やはり肉体とは別の何か、「魂」と呼ぶしかないモノがあるのではないか、「あの世」や「死後の世界」はあるのではないかと感じてしまう。

事実、この世界には、見えなくても「ある」ものがたくさん存在する。「あるはずだ」と考えられるのに、それが見えない。理論上はあるはずなのに、実験や観測では発見できない。だが、何十年、何百年もかけて探索していると、突然それが見えてしまうということがあるのだ。

だとすれば、「魂」だって、「死後の世界」だって、今から何十年、何百年も経つと見えるようになる…ということだってあるのかもしれない。

・・・

アインシュタインの「一般相対性理論」の帰結、「重力場の方程式(アインシュタイン方程式」については以前の記事でも触れた。
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この方程式から、アインシュタインは「重力波」の存在を予言した。
だが、「重力波」はいつまで経っても見つからず、「アインシュタイン最後の宿題」と言われていた。

1916年、アインシュタインは「一般相対性理論」によって、質量(エネルギー)があれば時空(時間と空間)が歪む(伸びたり縮んだりする)ことを発見した。また、その歪みこそが「重力」の正体であることを明らかにした。
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その質量を持った物体が特定の運動をした場合、時空の歪みは海や川の波のように、宇宙全体に伝わっていく。その伝わる速度は光速(毎秒299,792,458m)であり、決して減衰することはない。それがアインシュタインの予想した「重力波」だ。

この「重力波」は、質量を持つ物体が、加速度運動をすることで放出される。したがって、誰かが自分の腕を振り回すだけで「重力波」は発生するのだが、観測できるほどに大きな振幅を持つ「重力波」が発生するのは、高密度で巨大な質量を持つ物体が、加速度運動をする場合だろうと予想されていた。

たとえば、ブラックホールの連星(連星というのは、2つの星がお互いの周りを公転している天体のことをいう)や中性子星の連星が、インスパイラル運動をしているとき、それらの連星が最終的に合体するとき、中性子星や白色矮星のような、コンパクトなくせに巨大な質量を持つ高密度の天体が振動するとき、超新星が爆発するときなど、時空を大きく伸び縮みさせるような激しい高エネルギー現象でなければ、検出できるほどの「重力波」は発生しないと考えられていたのだ。

アインシュタインが予想したとおり、本当に「重力波」なんてあるんだろうか。

「重力波」なんて実在しない、単なる数学上のまやかしだ…と主張する学者も多かった。皆既日食を観測し、重力レンズ効果の実在を確認することで、アインシュタインの「一般相対性理論」の正しさを証明したアーサー・エディントン(イギリスの天文学者、天体物理学者)。彼でさえ、「重力波」は思考上の産物にすぎないと批判していたらしい。

だが、アインシュタイン自身は「重力波」は絶対にある!と主張していた。それにもかかわらず、「重力波」を「検出することはできないだろう」とも言っていた。これは「あるけれど、絶対に見えない」という意味だ。ズルい言い方だと思う。

だが、それは仕方のないことだったんだろう。2人の人間が1km離れて立っているところに「重力波」が通過したとする。「重力波」によって空間が歪み、2人の間の距離が変化するのだが、その変化の大きさは10のマイナス18乗mから10のマイナス21乗m程度。これは「原子核」の中の「陽子」や「中性子」の半径よりもはるかに小さい(3ケタから6ケタも小さい)。そんなわずかな空間の伸び縮みを人類が検出できるはずはない。アインシュタインはそう考えたのだろう。

アインシュタインは、「重力波」が「見えなくても『ある』もの」だと主張した。一方、多くの学者たちが「重力波」なんて実在しないと言っていた。

だが、中には奇特な学者もいるものだ。
実際に「重力波」を検出してやるぞ!「見えなくても『ある』かもしれないもの」を「何が何でも見てやるぞ!」と考えた人たちがいたのだ。

(続く)

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