2023.09.12 Tuesday
近年の夏冬に耐えうる住まいにしていかないと…。 2
長年、この国の「断熱」は、冬の寒さを凌ぐためのものでした。みなさんの感覚も防寒具を着る感覚に近い方も多いのではないかと思います。その「断熱」が今回初めて国の基準として加減が決められていく改正が行われます。省エネの観点から、建物の性能を上げなければ、エネルギー資源がないこの国の今後を考えると必至ですし、必要な進化ということはできるのです。ただこの基準も下限ですから、この基準をクリアしたからといって威張れた性能であるということはできないのです。ましてや、、近年のこの猛暑ですが、私は冬目線のこの基準が、本当に省エネに貢献していくかという懸念があります。いい意味でも悪い意味でも、スカスカで外部とあまり変わらなかった日本の住まいの室内環境が、いきなり熱を溜めやすくなる、逃げにくい空間に変わっていくのです。
室内の環境は、内部発熱と、外部からの影響をどれくらい受けるかという要素を踏まえて、人間が暮らす環境に最適な温湿度に「空調」で調整していくというプロセスを経て整えていきます。今まではあまりこの調整ができずに、外部に追随する室内環境だった。これがコントロールする空間に変わっていくのです。基準は歓迎するべきことですが、認識と運用をしっかり考える必要があります。熱を溜めやすくなる空間で何が起こるかということです。(つづく)
JUGEMテーマ:建築
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