昨夏、過疎で「祭りじまい」した珠洲の祭り 能登地震を縁に復活

有料記事能登半島地震

朝倉義統
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 能登半島地震で大きな被害を受けた珠洲市馬緤(まつなぎ)町。お盆に毎年開催してきた「砂取節(すなとりぶし)まつり」は昨年、過疎化のため、「祭りじまい」をして今年は行われないはずだった。だが、残った住民が、複数のボランティア団体などの力を借り、2次避難先などから帰省した住民らとの絆を深めようと、復活させた。

 馬緤地区は、揚げ浜式塩田があり、祭りの砂取節は、揚げ浜式塩田に敷き詰める砂を運ぶ際に労働者たちが歌った作業唄だという。唄は江戸時代から受け継がれ、1963年ごろにレコード化もされた。

 50年以上続いた祭りだったが、過疎化で若者が激減。現在、18歳未満は高校生1人だけとなった。そのため、昨夏を最後に「祭りじまい」をした。今年は開催しないはずだったが、皮肉にも、元日の地震が復活のきっかけとなった。

 同地区でも孤立集落が出るな…

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    杉田菜穂
    (俳人・大阪公立大学教授=社会政策)
    2024年8月25日15時19分 投稿
    【視点】

    人がいないと地域の活力が生まれない。   風にあおられて転覆の危険もあるような小舟を操るなど、過酷な塩田の作業から生まれた歴史的な地域の民謡としての砂取節。それを披露する砂取節まつりを「続けることに意味がある」と考える地域の人々が、祭りの復

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