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2016年2月2日火曜日

【読了】Mary Shelley, Frankenstein (MMR Level 3)

やさしい英語の本、通算125冊目は、

マクミラン・リーダーズの
レベル3(1100語レベル)の12冊目として、

イギリスの女性小説家、
メアリー・シェリー(1797.8-1851.2)の
小説『フランケンシュタイン』を読みました。

著者20歳の時(1818.1)に出版された作品です


Mary Shelley
Frankenstein

〔Macmillan Readers Level 3〕
This retold version of Margaret Tarner for for Macmillan Readers
First published 1986
This edition first published 2010
6,879語

昨年8月に、
オックスフォード・ブックワームズの
ステージ3(1,000語レベル)で読んで以来(総語数9,685語)、
2度目の『フランケンシュタイン』です。

語彙レベルは多少上がっていますが、
総語数が3,000語少なくなっているからか、
苦労なくすらすら読み進めることができました。

なお前回は、
原作の内容がほぼそのまま要約されていたのに対して、

今回のはわずかですが、
原作にアレンジが加えてありました。

編者の創意によるものなのか、
映画などの典拠があるのかは定かでありません。

原作にこめられていた
行き場ない強い負の感情が多少弱められて、
その分読みやすく仕上がっているように感じました。

個人的には、
マイナスの感情が立ち込める
暗い雰囲気の悲しいお話なので、
積極的に読みたいとは思いません。

ただし、
人から愛されることを拒絶された若者が抱える
心の闇、苦しさ、切なさ、醜さを、深く掘り下げた作品として、
それなりに読むべきところはあると思いました。

落ち込んでいる時だと
自分も一緒に引きずり込まれそうな
強い負の力があるので、

少し距離を置いてから、
また忘れたころに読み返そうと思います。


翻訳は、
読みやすさ重視であれば、
芹澤恵(せりざわめぐみ)氏の新潮文庫がお勧めです。


芹澤恵訳
『フランケンシュタイン』
(新潮文庫、2014年12月)

他に手に入れた
以下の翻訳の中では一番滞りなく、
最後まで読み通すことができました。

田内志文訳
『新訳 フランケンシュタイン』
(角川文庫、2015年2月)

小林章夫訳
『フランケンシュタイン』
(光文社古典新訳文庫、2010年10月)

森下弓子訳
『フランケンシュタイン』
(創元推理文庫、1984年2月)

山本政喜訳
『フランケンシュタイン』
(角川文庫、1994年11月)


※通算125冊目。計1,034,702語。

※Wikipediaの「メアリー・シェリー」「フランケンシュタイン」を参照。

2015年8月10日月曜日

【読了】Mary Shelley, Frankenstein(OBW Stage3)

やさしい英語の本、通算111冊目は、

オックスフォード・ブックワームズの
ステージ3(1,000語レベル)の13冊目として、

イギリスの女性小説家、
メアリー・シェリー(1797.8-1851.2)の
小説『フランケンシュタイン』を読みました。

著者20歳の時(1818.1)に出版された作品です。


Mary Shelley
Frankenstein

Retold by Prtrick Nobes
〔Oxford Bookworms Stage3〕
This simplified edition (c) Oxford University Press 2008
First published in Oxford Bookwarms 1989
9,685語


最近、
翻訳を読み終えたばかりだったので、

その印象が残っているうちに、
やさしい英語で読み終えました。

1万語に満たない分量に要約してありますが、

内容の大きな省略はなく、

重要な場面を選んで、
うまくまとめ上げられていました。


翻訳を読んで、
原作の重すぎる内容に
多少うんざりしていたのですが、

要約なら深みにはまる前に
先へ先へと進んでいくので、

嫌になる間もなく読み終えていました。


どこにも救いのない内容なので、
やはり積極的に読みたい作品ではありませんが、

愛情に満たされた平凡な生活を
最善のものと考えた上で、

人間の負の感情を
真正面からとらえて描きぬいている点、

一概に捨て去るのもどうかと思いました。


ある程度、
元気な時にしか読めないと思うので、

少し時間を置いてから、
また読んでみたいと思います。


  ***

翻訳はいろいろでていますが、

最近でた
芹澤恵(せりざわめぐみ)氏の翻訳が、
よくこなれた読みやすい訳文でお薦めです。


芹澤恵訳
『フランケンシュタイン』
(新潮文庫、2015年1月)

女性の作品だからでしょうか、
女性の翻訳のほうがしっくりするものが多いようです。

芹沢氏の翻訳が出る前は、
森下弓子(もりしたゆみこ)氏の翻訳で読むつもりでした。


森下弓子訳
『フランケンシュタイン』
(創元推理文庫、1984年2月)

森下氏のも、
今でも十分に「読める」訳です。

ただ読みやすさを重視するのであれば、
芹澤訳を選ぶのが無難でしょう。


※通算111冊目。計902,022語。

2015年7月6日月曜日

【読了】メアリー・シェリー著(芹澤恵訳)『フランケンシュタイン』(新潮文庫)

イギリスの女性小説家、
メアリー・シェリー(1797.8-1851.2)の
小説『フランケンシュタイン』を読みました。

著者20歳の時(1818.1)に出版された作品です。


メアリー・シェリー著
芹澤恵(せりざわめぐみ)訳
『フランケンシュタイン』
(新潮文庫、2015年1月)


ホラーには興味がないと言いながら、
食わず嫌いにはならぬようにと、

先にブラム・ストーカーの
小説『吸血鬼ドラキュラ』を読みました。

ただ恐いだけでなく、
恋愛あり、冒険ありの
思いのほか娯楽性に富んだ内容で、
充実した時間を起こることができました。

もう1冊気になっていたのが、
『フランケンシュタイン』です。

まだ若く19歳の時に書かれた作品なので、
『吸血鬼ドラキュラ』よりも新しいように感じますが、

実際はドラキュラのほうが
80年ほど後に出版されています
(ブラム・ストーカー49歳の時の作品)。


今回、
新潮文庫から芹澤恵(せりざわめぐみ)氏の
新訳が出たのをきっかけに読んでみることにしました。

ほぼ同時期に、ドラキュラと同じ
田内志文(たうちしもん)氏の翻訳も出たので、

まずは田内氏の訳で読み始めたのですが、
こちらはドラキュラより推敲不足のようで、
今一つわかりづらい文章だったので読むのを止めました。

田内志文(たうちしもん)訳
『新訳 フランケンシュタイン』
(角川文庫、2015年2月)

ほかに3冊手に入れてみましたが、
芹澤訳より読みやすいとは思えませんでした。

小林章夫(こばやしあきお)訳
『フランケンシュタイン』
(光文社古典新訳文庫、2010年10月)

森下弓子(もりしたゆみこ)訳
『フランケンシュタイン』
(創元推理文庫、1984年2月)

山本政喜(やまもとまさき)訳
『フランケンシュタイン』
(角川文庫、1953年。改版、1994年11月)
 ※初出は新人社 世界大衆文学全集11、1948年。


  ***

さてこの作品、
『吸血鬼ドラキュラ』と比べて、
悲しみ、苦しみ、怒り、絶望感といった負の感情が、

ふつうに想像される範囲をこえて、
作品中にところせましと敷き詰められていて、
読んでいて胸が苦しくなってきました。

19歳の女性が書いた作品なので、
10代後半の若者特有の増幅された負の感情が、
作品中に反映されているように思われました。


読んでいて、
若書きならではの荒削りなところ、
とくに感情の描き方に無理があるように感じましたが、
そこが独特の魅力につながっているのかもしれません。

どちらかというと、10代20代くらいの
心に色々なわだかまりを抱えているうちに読んだほうが、
強い共鳴を受けるようにも思いました。


望まれずして生まれてきた子供が、
親に対して抱く負の感情。

生まれると同時に見捨てられ、
周りから忌み嫌われてきた子供が、
親から自分の存在を消し去ろうとされた時に、
どんな負の感情を抱くのか。

読後感はあまりよろしいものでなく、

必ずしもここまで
人間の負の感情と向きあう必要はないようにも思われるのですが、

まだ一度通読しただけなので、
また少し時間を置いて、忘れたころに再読してみようと思います。


※「メアリー・シェリー年譜」(小林章夫訳『フランケンシュタイン』光文社古典新訳文庫、2010年10月所収)参照。

  翻译: