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2017年7月24日月曜日

【161冊目】Saint-Exupéry, The Little Prince(LS Level2)

やさしい英語の本、通算161冊目は、
IBCパブリッシング・ラダーシリーズの
レベル2(1300語レベル)の1冊目として、

フランスの作家
サン=テグジュペリ
(Antoine de Saint-Exupéry, 1900年6月-1944年7月)の
小説『星の王子さま Le Petit Princeを読みました。

著者42歳の時(1943年4月)に刊行された作品です


Antoine de Saint-Exupéry
The Little Prince

Retold by Miki Terasawa(寺沢美紀)
〔Ladder Series Level2〕
IBC Publishing,Inc. 2007年7月
14,600語


『星の王子さま』の名は小さなころから知っていましたが、
最近までちゃんと読まないで来ました。

何度か、内藤濯(ないとうあろう)氏の
有名な翻訳を手に取ることはありましたが、
独特の世界観に共鳴できなかったからなのか、
訳文の読みにくさに違和感があったからなのか、
最後まで読み切ることはありませんでした。

2005年以降、
新訳がたくさん出始めたのを受けて、
もう一度読んでみようと思っていたころに、
倉橋由美子(くらはしゆみこ)氏の翻訳に出会いました。



倉橋由美子訳
『新訳 星の王子さま』
(宝島社文庫、2006年6月)
 ※初出の単行本は宝島社、2005年7月。  

どこもよくわかるように、
曖昧さのない現代の日本語に翻訳されてあって、
納得しながら最後まで読み進めることができました(2014年8月読了)。

今回、
倉橋訳をもう一度読み返してみたところ、
わかりやすくはあるのですが、
多少詩情に乏しいようにも感じました。

最近これは良いのではと思って、
読みかけで手元に置いてあるのが
野崎歓(のざきかん)氏の翻訳です。

まだざっと目を通しただけですが、
元から日本語で書かれたかのような、
洗練されたセンス溢れる訳文に仕上っていると思います。


野崎歓(のざきかん)訳
『小さな王子』
(光文社古典新訳文庫、2006年9月)


  ***

今回やさしい英語で読んでみると、

倉橋訳で読んだ時よりも一層、
作品の深みが伝わって来て、
大きな感銘を受けました。

思っていたよりもずっと
哲学的な含みのある作品で、

生きること、死ぬことの意味、
愛する喜びと、失う哀しみなど、
奥深いテーマが筆者のやわらかな心で、
みずみずしく捉えられていました。

元はフランス語なので、
原文に取り組む機会は今のところなさそうですが、

今後いろいろな翻訳を手に取って、
度々読み返していきたい作品になりました。


※第161冊目。総計1,526,773語。

2014年8月15日金曜日

【読了】サン=テグジュペリ著(倉橋由美子 訳)『新訳 星の王子さま』

フランスの作家
アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ(1900.6-1944.7)の
小説『星の王子さま』を読みました。

テグジュペリが亡くなる前年、
43歳の時(1943)に刊行された作品です。


アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ著
倉橋由美子(くらはしゆみこ)訳
『新訳 星の王子さま』
(宝島社文庫、平成18年6月。初出の単行本は宝島社、平成17年7月)

書名だけ知っていて、
読まずにいた1冊です。

ふと手にした
倉橋由美子(くらはしゆみこ)氏の翻訳を気に入り、
いずれ読もうと思いつつ、しばらく積んでありました。

夏に入り、
何となく手にして読みはじめたところ、
そのまま一気に読み終えていました。


1度読んだだけで、
まだ何かがわかったといえる段階では全然ないのですが、

くりかえし読むに足る、
不思議な魅力のある繊細な作品であることは良くわかりました。


子供時代の
豊かな感受性をなくしつつある
大人の自分との対話であるようにも感じました。


美しい詩を読むような、
ふわりとしたつかみどころのない、
でも全体として十分なまとまりをもった
不思議な魅力のある小説でした。


   ***

翻訳はざっと調べただけでも
たくさん見つかりました。


内藤濯(ないとうあろう)訳
『星の王子さま』
(岩波少年文庫、昭和28年3月)

小島俊明 訳
『新訳 星の王子さま』
(中央公論新社、平成17年6月)
 ※中公文庫、平成18年3月に再録。

三野博司 訳
『星の王子さま』
(論創社 RONSO fantasy collection、平成17年6月)

倉橋由美子(くらはしゆみこ)訳
『新訳 星の王子さま』
(宝島社、平成17年7月)
 ※宝島社文庫、平成18年6月に再録。


山崎庸一郎 訳
『小さな王子さま』
(みすず書房、平成17年8月)

 ※山崎庸一郎著『『星の王子さま』のひと』(新潮文庫、平成12年5月)。初出は『サン=テグジュペリの生涯』(新潮選書、昭和46年)に興味がありますが、未見。

池澤夏樹 訳
『星の王子さま』
(集英社文庫、平成17年8月)

藤田尊潮 訳
『小さな王子 ―新訳『星の王子さま』』
(八坂書房、平成17年10月)

川上勉・甘樂美登利 訳
『プチ・プランス ―新訳 星の王子さま』
(グラフ社、平成17年10月)

石井洋二郎 訳
『星の王子さま』
(ちくま文庫、平成17年12月)

稲垣直樹 訳
『星の王子さま』
(平凡社ライブラリー、平成18年1月)

河野万里子 訳
『星の王子さま』
(新潮文庫、平成18年3月)

河原泰則 訳
『小さな星の王子さま』
(春秋社、平成18年5月)

谷川かおる訳
『星の王子さま』
(ポプラポケット文庫、平成18年7月)


野崎歓 訳
『小さな王子』
(光文社古典新訳文庫、平成18年9月)

三田誠広 訳
『星の王子さま』
(講談社青い鳥文庫、平成18年11月)

浅岡夢二 訳/葉祥明 絵
『星の王子さま』
(ゴマブックス、平成20年11月)

管啓次郎 訳
『星の王子さま』
(角川文庫、平成23年6月)


管啓次郎 訳/西原理恵子 絵
『星の王子さま』
(角川つばさ文庫、平成23年6月)

内藤あいさ訳
『星の王子さま』
(文芸社文庫、平成25年9月)


このうち山崎庸一郎氏のお仕事に興味がありますが、未見です。

ざっと目を通した中では、

野崎歓(のざきかん)訳の光文社古典新訳文庫 は、
今回の倉橋訳と双璧で、近々読んでみるつもりです。


もう一つ、
西原理恵子氏の絵が強烈ですが、
訳文もかなり斬新な、

管啓次郎(すがせいじろう)訳の角川つばさ文庫 も、
興味があります。


最初の感想としてはこれくらいでしょうか。


※Wikipediaの「アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ」「星の王子さま」を参照。

  翻译: