ラベル ◇小川高義 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル ◇小川高義 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2019年3月31日日曜日

【202冊目】Nathaniel Hawthorne, The Scarlet Letter (Oxford Bookworms Stage 4)

やさしい英語の本、通算202冊目は、
オックスフォード・ブックワームズの
レベル4(1,400語レベル)の15冊目として、

アメリカ合衆国の小説家
ナサニエル・ホーソーン
(Nathaniel Hawthorne, 1804年7月4日-64年5月19日)
の小説『緋文字 The Scarlet Letterを読みました。

著者45歳の時(1850年3月)に出版された小説です


Nathaniel Hawthorne
The Scarlet Letter

Retold by Jennifer Bassett
〔Oxford Bookworms Stage 4〕
This simplified edition (c) Oxford University Press 2008
First published in Oxford Bookworms 2002
15,965語


2013年12月に
ペンギン・リーダーズのレベル2
(600語レベル/7,411語)
で読んで以来、2回目の挑戦になりました。

前回は、
大体のあらすじを掴むのがやっとで、
物語を楽しむ暇がありませんでした。

翻訳を参照しても、
最初にまわりくどく分かりにくい文章が続いて、
読む気が削がれていたのですが、

あとで振り返ると、
ストーリーはかなり変化に富んでいて、
映画や漫画にしたら面白そうな内容だったな、
と思い直していました。

今回より詳しい英文で読んでみて、
二人で犯した罪を男の方だけが隠して、
相手が断罪されるのをただ見ているという卑怯な行動が、
男の内面をじわじわ壊していく葛藤の様子がうまく描かれていて、
前回よりもずっと良くできた作品に思えて来ました。


  ***

翻訳は前回、光文社古典新訳文庫の
小川高義(おがわたかよし)を手に入れてみたところ、
訳文はまずまずわかりやすいものの、
だらだらと続く長大な序文にうんざりし、
読了するには至りませんでした。

その後、岩波文庫の
八木敏雄(やぎとしお)を手に入れて、
一見格調高くは感じられたのですが、
やはり読みやすいとは言いかねる訳文で、
途中で挫折してしまいました。

ホーソーンの英文に難渋なところがあるのか、
忠実に訳そうと思えば思うほど、
物語の面白さを伝え切れなくなるようで、
翻訳で面白さを味わうのは難しいのかもと思いかけていました。


小川高義(おがわたかよし)訳
『緋文字』
(光文社古典新訳文庫、2013年2月◇460頁)


八木敏雄(やぎとしお)訳
『完訳 緋文字』
(岩波文庫、1992年12月◇429頁)


今回改めて調べてみると、2015年に
青山義孝(あおやまよしたか)による新訳が出ていたことを知り、
購入してみることにしました。


青山義孝(あおやまよしたか)訳
『緋文字』
(デザインエッグ株式会社、2015年6月◇174頁)
 ※Amazon オンデマンド(ペーパーバック)

Amazonの注文出版によるもので、
少し心配しましたが、上記2名と比べると、
明らかにわかりやすい訳文だったので嬉しい驚きでした。

青山氏は、甲南大学でホーソーンを専門に研究され、
本書の解題に当たる研究書を上梓されている方なので、
今後はまず青山訳を紐解くことになりそうです。


青山義孝(あおやまよしたか)著
『改訂版『緋文字』入門』
(デザインエッグ株式会社、2017年5月◇234頁)
 ※Amazon オンデマンド(ペーパーバック)
 ※初出はeブックランド社、2010年

ただし、
Amazon による注文出版だからなのか、
40半ばを過ぎた身にとっては活字がかなり小さく、
最後まで読み続けるのは厳しいなと思っていたところ、

電子書籍(Kindle)版でも刊行されていることを知り、
早速購入してみました。

値段も手頃ですし、
電子版は活字の大きさを任意に変えられるので、
小さな活字が厳しい場合は、電子版のほうをお薦めします。


青山義孝(あおやまよしたか)訳
『緋文字』(Kindle版)

ただ青山訳で読むにしても、
それなりに難渋な作品であることは変わりないので、
今後は何度かリメイクされている映画に手を出してみようかと思っているところです。


※第202冊目。総計2,153,405語。


にほんブログ村 本ブログ 洋書へ

2018年2月26日月曜日

【176冊目】O.Henry's American Scenes (Ladder Series Level 2)

やさしい英語の本、通算176冊目は、
IBCパブリッシング・ラダーシリーズの
レベル2(1300語レベル)の14冊目として、

アメリカの小説家
オー・ヘンリー(O.Henry, 1862年9月-1910年6月)の短編集
『オー・ヘンリー傑作短編集』を読みました。


O.Henry's American Scenes

Retold by Elinor Chamberlain

〔Ladder Series Level 2〕
IBC Publishing,Inc. 2005年8月
13,210語

前作から引き続き、
やさしい英語で5冊目のオー・ヘンリー短編集となります。

収録作品は、
1) The Gift of the Magi
2) The Last Leaf
3) The Cop and the Anthem
4) A Retrieved Reformation
5) After Twenty Years
6) Transients in Arcadia
7) The Green Door
の7編です。どれも原題そのままです。


  ***

1) The Gift of the Magi は、
オー・ヘンリーが44歳の時(1906)に刊行された
第2短編集『The Four Million (四百万)』に収録されました。

邦訳は「賢者の贈りもの」という題で、


 大久保康雄(おおくぼやすお)訳
 『O・ヘンリ短編集(二)』
 (新潮文庫、1969年3月。39刷改版、1987年12月)

に収録。そのほか同じ題名で、


 小川高義(おがわたかよし)訳
 『O・ヘンリー傑作選Ⅰ 賢者の贈りもの』
 (新潮文庫、2014年12月)

にも収録されています。


2) The Last Leaf は、
著者が45歳の時(1907)に刊行された
第3短編集『The Trimmed Lamp (手入れのよいランプ)』に収録されました。

邦訳は「最後の一葉」という題で、


 大久保康雄(おおくぼやすお)訳
 『O・ヘンリ短編集(三)』
 (新潮文庫、1969年4月。42刷改版、1988年7月)

に収録。そのほか「最後のひと葉」という題で、


 小川高義(おがわたかよし)訳
 『O・ヘンリー傑作選Ⅱ 最後のひと葉』
 (新潮文庫、2015年11月)

にも収録されています。


3) The Cop and the Anthem は、
著者が44歳の時(1906)に刊行された
第2短編集『The Four Million (四百万)』に収録されました。

邦訳は「警官と讃美歌」という題で、


 大久保康雄(おおくぼやすお)訳
 『O・ヘンリ短編集(一)』
 (新潮文庫、1969年3月。40刷改版、1987年5月)

に収録。そのほか「巡査と讃美歌」という題で、

 小川高義(おがわたかよし)訳
 『O・ヘンリー傑作選Ⅰ 賢者の贈りもの』
 (新潮文庫、2014年12月)

にも収録されています。


4) A Retrieved Reformation は、
著者が47歳の時(1909)に刊行された
第7短編集『Roads of Destiny (運命の道)』に収録されました。

邦訳は「よみがえった改心」という題で、

 大久保康雄(おおくぼやすお)訳
 『O・ヘンリ短編集(一)』
 (新潮文庫、1969年3月。40刷改版、1987年5月)

に収録。そのほか「再生の再生」という題で、

 小川高義(おがわたかよし)訳
 『O・ヘンリー傑作選Ⅱ 最後のひと葉』
 (新潮文庫、2015年11月)

にも収録されています。


5) After Twenty Years は、
著者が44歳の時(1906)に刊行された
第2短編集『The Four Million (四百万)』に収録されました。

邦訳は「二十年後」という題で、

 大久保康雄(おおくぼやすお)訳
 『O・ヘンリ短編集(二)』
 (新潮文庫、1969年3月。39刷改版、1987年12月)

に収録。そのほか同じ題名で、

 小川高義(おがわたかよし)訳
 『O・ヘンリー傑作選Ⅰ 賢者の贈りもの』
 (新潮文庫、2014年12月)

にも収録されています。


6) Transients in Arcadia は、
著者が46歳の時(1908)に刊行された
第5短編集『The Voice of the City (都会の声)』に収録されました。

邦訳は「桃源境の短期滞在客」という題で、

 大久保康雄(おおくぼやすお)訳
 『O・ヘンリ短編集(一)』
 (新潮文庫、1969年3月。40刷改版、1987年5月)

に収録。そのほか「理想郷の短期滞在客」という題で、

 小川高義(おがわたかよし)訳
 『O・ヘンリー傑作選Ⅰ 賢者の贈りもの』
 (新潮文庫、2014年12月)

にも収録されています。


7) The Green Door は、
著者が44歳の時(1906)に刊行された
第2短編集『The Four Million (四百万)』に収録されました。

邦訳は「緑の扉」という題で、

 大久保康雄(おおくぼやすお)訳
 『O・ヘンリ短編集(一)』
 (新潮文庫、1969年3月。40刷改版、1987年5月)

に収録。そのほか「緑のドア」という題で、

 小川高義(おがわたかよし)訳
 『O・ヘンリー傑作選Ⅰ 賢者の贈りもの』
 (新潮文庫、2014年12月)

にも収録されています。


もう一点、光文社古典新訳文庫の
芹澤恵(せりざわめぐみ)訳との対応も示しておきます。
7編中6編が収録されています。


 芹澤恵(せりざわめぐみ)訳
 『1ドルの価値/賢者の贈り物 他21編』
 (光文社古典新訳文庫、2007年10月)

4)「甦った改心」(164頁~)
6)「楽園の短期滞在客」(205頁~)
5)「二十年後」(316頁~)
2)「最後の一葉」(325頁~)
3)「警官と賛美歌」(340頁~)
1)「賢者の贈り物」(356頁~)


  ***

同じラダー・シリーズで、
2冊目のオー・ヘンリーでした。

どちらかというと、
こちらの方が前に読んだ記憶のある
作品がたくさんあって読みやすかったです。

変化球で技巧を凝らした作品は、
あまり好きでないはずなのですが、
扱うテーマが直球だからか、
それなりに記憶に残って、
また読んでみたいなと思えます。

少し時間を置いてから、
もう少しレベルを上げて、
また挑戦しようと思います。


※第176冊目。総計1,760,533語。


にほんブログ村 本ブログ 洋書へ

2017年6月5日月曜日

【読了】ヘミングウェイ著(小川高義訳)『老人と海』(2014年9月刊行)

アメリカの小説家
アーネスト・ヘミングウェイ
(Ernest Hemingway, 1899年7月-1961年7月)の
小説『老人と海 The Old Man and the Seaを、
小川高義(おがわたかよし, 1956年2月- )氏の翻訳で読みました。

ヘミングウェイ53歳の時
アメリカの週刊誌『ライフ』1952年9月1日号に掲載された作品です。

小川氏58歳の時に刊行された翻訳です。


アーネスト・ヘミングウェイ著
/小川高義訳
『老人と海』
(光文社古典新訳文庫、2014年9月)

ゴールデンウィーク中に、前から読もうと思いつつ、
本棚に積んであった1冊『老人と海』を読みました。

以前は福田恆存(ふくだつねあり)氏の
新潮文庫を手元に置いてあったのですが、

福田氏の訳文は、
私には格調が高過ぎるのか、
ヘミングウェイ自体が私に合わないのか、

少し読みかけては違和感を感じ、
挫折することの繰り返しでした。


福田恆存(ふくだつねあり)訳
『老人と海』
(チャールズ・イー・タトル商会、1953年3月)
 ※三笠書房〔ヘミングウェイ全集10〕1956年2月に再録。◆196頁
 ※河出書房新社〔世界文学全集Ⅱ-18〕1963年に再録。
 ※中央公論社〔世界の文学44〕1964年4月に再録。
 ※三笠書房〔ヘミングウェイ全集7〕1964年12月に再録。◆356頁
 ※新潮文庫(1966年6月)に再録
 ※河出書房〔世界の文学 ポケット版 14〕1967年に再録。
 ※三笠書房〔ヘミングウェイ全集10〕1969年9月に再録。◆244頁
 ※新潮社〔新潮世界文学44〕1970年に再録。
 ※三笠書房〔ヘミングウェイ全集7〕1973年12月に再録。◆432頁
 ※河出書房新社〔河出世界文学大系89〕1980年11月に再録。
 ※文藝春秋〔福田恆存翻譯全集3〕1992年12月に再録。


訳者を変えたらどうだろうと、
小川高義(おがわたかよし)氏の翻訳を手に取ってみると、

よりわかりやすい訳文で、
楽しみながら読み進めることができました。

それでも、
一気に心をつかまれたかといえば
そうではなくて、

釣りをテーマにした小説を読み慣れていないせいか、
新訳でもやはり独特の読みにくさがあって、

時折立ち止まりながら、日を空けて読みついでいるうちに、
いつの間にか読み終わっていました。

硬派な男らしいカッコよさに彩られた
ヘミングウェイ独特の世界に惹き込まれ、
それなりに楽しめたのですが、

私がふだん生きている世界とはずいぶん距離もあって、
まだヘミングウェイのファンになったとは言えません。

恐らく釣り好きかどうかで、
まったく違った評価になる作品だと思うので、
もう少しほかの分野の作品も読んでみたいと思いました。


  ***

ふと思い出したのが、小学校の頃に読んだ
矢口高雄(やぐちたかお, 1939年10月- )氏の
漫画『釣りキチ三平』でした。

確かよく似た作品があったはずだと思い、
調べてみると、

矢口高雄(やぐちたかお)著
『釣りキチ三平(第37-42巻)
 ハワイのブルーマーリン1-6』
 (講談社コミックス、1979年9月-80年9月)

が該当することがわかりました。
2001年に再刊した版がまだ手に入るようなので、
近々手に入れてみようと思います。


矢口高雄著
『釣りキチ三平(海釣りselection 7・8・9)
 ブルーマーリン編Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ』
 (講談社漫画文庫、2001年6・6・7月)

細かな内容はすっかり忘れているのですが、
強く感銘を受けたことだけはしっかり記憶に残っていたので、
この機会に読み返してみたくなりました。

2013年12月14日土曜日

【読了】Nathaniel Hawthorne, The Scarlet Letter (PR Level2)

やさしい英語の本、通算59冊目、
Penguin Readers の Level2の13冊目は、

アメリカ合衆国の小説家
ナサニエル・ホーソーン(1804.7-1864.5)が執筆した
小説『緋文字(ひもんじ)』を読みました。

ホーソーン45歳の時(1850.3)に出版された作品です。


Nathaniel Hawthorne
The Scarlet Letter

Retold by Chris Rice
(Penguin Readers Level2)
First published by Penguin Books 2000
This edition published 2008
7,411語


『緋文字』という作品は、
これまで全く知らなかたのですが、
ペンギン・リーダーズのホームページを見て気になって、
購入してみました。


まずは翻訳をと思い、


ホーソーン著/小川高義(おがわたかよし)訳
『緋文字』〔光文社古典新訳文庫、平成25年2月〕

を手に取ってみました。

読みやすい訳文だと思うのですが、
延々と80頁も続く

「税関―『緋文字』序」

のつまらなさにうんざりし、

肝心の本文に入ってからも
言いまわしにまどろっこしい所があって、
それほど惹き込まれることもなかったので、
読むのをやめてしまいました。

結局初めから、
やさしい英語で読んでみることになりましたが、

わずか7000語にまとめてありますので、
どこも滞ることはなく、すらすら読み通すことができました。

ざっとあらすじを知ってみると、
悲劇を含んだ一種の恋愛小説として、
興味深い内容の作品であることがわかりました。

ただし、
キリスト教的な考え方を背景としているので、
深いところは完訳でじっくり向き合わないと
わからないようにも感じました。


恐らく、
古典的な格調高さを多少残した訳文のほうが
内容的に似合っているような気がしましたので、
もう少し時間を置いてから、


ホーソーン著/八木敏雄(やぎとしお)訳
『完訳 緋文字』〔岩波文庫、平成4年12月〕

に挑戦しようと思っています。



※通算59冊目。計468,117語。

※Wikipedia の「ナサニエル・ホーソーン」「緋文字」を参照。
  翻译: