2016年06月03日

シロウト漢方を模索する前に、重大な疾患が隠れてないか、先ずは早急に病院で受診すべき問題

2009年06月03日の茶トラのボクチン(5歳)
2009年06月03日の茶トラのボクチン(5歳) posted by (C)ヒゲジジイ

 「病院受診する」と表現するのが通常らしいが、論理的に考えると絶対におかしい。
 「病院受診する」という方が、絶対に正しいだろう。
 その根拠は

 「病院受診する」=病院を診察を受ける 
 「病院受診する」=病院で診察を受ける

 以上で、明々白々!!!

 ともあれ、昨日、お問合せフォームを通じて、失礼ながら些か安易な問い合わせを受信したが、以下に敢えて掲載するのは、シロウト漢方を考える前に、まずは病院で受診すべき内容だったからである。

【 ブログへ掲載の可否 】:転載応諾(ブログへ転載させて頂く場合があります。)
【 年 代 】:50〜59歳の女性
【 地 域 】:中国地方(地元)
【 お問い合せ内容 】:

 2か月ほど足のむくみがひどくて悩んでいます。

 ドラッグストアで漢方薬を購入して飲んでいましたが、改善される良い方法があればお願いいたします。

お返事メール:

 お返事不能な(お気軽過ぎる)ご質問内容ですが、もしもまだ病院で診てもらってないのであれば、腎臓病など、重大な疾患が原因になっていたらまずいので、まずは病院で受診されるべきかと存じます。

 取り急ぎ、お返事まで。

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2010年06月03日の茶トラのボクチン(6歳)
2010年06月03日の茶トラのボクチン(6歳) posted by (C)ヒゲジジイ

2012年06月03日の茶トラのボクチン(8歳)
2012年06月03日の茶トラのボクチン(8歳) posted by (C)ヒゲジジイ

2012年06月03日の茶トラのボクチン(8歳)
2012年06月03日の茶トラのボクチン(8歳) posted by (C)ヒゲジジイ

2012年06月03日の茶トラのボクチン(8歳)
2012年06月03日の茶トラのボクチン(8歳) posted by (C)ヒゲジジイ
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2015年08月27日

下半身(とくに両足)の浮腫(むくみ)に防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)

2010年8月27日の茶トラのボクチン(6歳)
2010年8月27日の茶トラのボクチン(6歳) posted by (C)ボクチンの母

 過去には胃弱な女性の下半身の浮腫には、半夏白朮天麻湯と参苓白朮散の併用で即治した例や、附子を抜いた牛車腎気丸加減方の製剤で即治したり、様々な例に遭遇しているが、今年はどうしたことか、やたらに防已黄耆湯を追加することで即効を得る人が目立つ。

 といっても、昨今は単純に下半身の浮腫だけの悩みという人は滅多になく、複雑に多種類の疾患が合併している人の相談を受けるケースばかりだが、そのような多病が合併している人達でありながら、牛車腎気丸加減方の製剤に防已黄耆湯を併用することで、下半身の浮腫に比較的即効が得られ、合併症が少ない人では、防已黄耆湯だけでも即効が得られている。

 いずれも病院では原因不明であり、西洋医学治療や、あるいはまツムラ漢方の投与を受けても治らない人達である。

 同様な例がまたまた重なるので、なんだか奇妙な気分に襲われる。
 今年に限っては、あまりにも防已黄耆湯がフィットする人達がやたらに多いので、実に不思議な年なのである。

 中には常連さんの父上や、あるいは常連さんの御主人などで、長年、病院では原因不明とて、どんな治療にも抵抗していたのが、いずれも牛車腎気丸加減方の製剤に防已黄耆湯の併用で、長年の持病が短期間で、驚くほど解消している。

 使用している防已黄耆湯の品質が優秀であることにも無関係はないにしても、下半身の浮腫は、元来はそんなに単純なものではないはずなのだが・・・。

 なかには舌が小さく引き締まっている人で、舌証とはまったく一致しない人もいるので、舌証は絶対的ではないということだろう。

 それで思い出したのだが、同様に舌が引き締まって苔も少ない女性が、どうみても気虚にも見えないし、ましてや湿邪の存在なんて、まるで想像できない舌証であるのに、加味逍遥散と当帰芍薬散がしっかりフィットして即効が得られ、さらには補中丸の如きは、即効で疲労感が解消するという、舌証がまるでアテにならないケースに遭遇している。

 この女性の場合、数ヶ月で体重が7Kgも減量できたということからも、体中に水毒が蔓延していた証拠でもあるが、舌証からは、まるで想像がつかないケースだった。

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2012年8月27日の茶トラのボクチン(8歳)
2012年8月27日の茶トラのボクチン(8歳) posted by (C)ボクチンの母


posted by ヒゲジジイ at 00:00| 山口 ☁| 浮腫(むくみ)・腹水 | 更新情報をチェックする

2014年07月31日

「下半身の浮腫」に対する即効を得た3例の異なった配合

2010年7月31日のボクチン(6歳)
2010年7月31日のボクチン(6歳) posted by (C)ボクチンの母

今週はもうバテばてで、ようやく昨日の水曜日は相談客も少なく、午前中は関西から日帰りの定期便の相談者にゆっくりと時間が取れた。

 午後からは各メーカーさんの訪問が続いたが、発送業務は相変わらず一定数の荷造りの重労働?に老婆が励んでいる。

 昨今、バテ気味になった理由は、単なる夏バテというよりも、今月はどうしたことか、例月以上に老体に鞭打って、一人ひとりの相談に、全身全霊の集中力を発揮せざるを得ない時間が長く続いたことが原因である。

 といっても、ブログにはやや大袈裟に書いて、鬱憤を晴らしているに過ぎないのかも(苦笑。

 実際のところ、心身ともに疲れ、さらにはいくらブログを毎日更新しても、上掲の「健康・ダイエットランキング」のバナーのクリックをしてくれる奇特な人は、超マレだから、ますますモチベーションは、下がりっぱなし。

 そのような不義理?な連中は無視して、ボクチンの写真を継続する口実に、下半身の浮腫に即効を得た最近の3例を簡単に記して、お茶を濁す。

 脾虚水滞による浮腫の女性では、あまりに胃弱度が強いので、参苓白朮散に半夏白朮天麻湯を併用してもらったところ、意外にあっさりと10日以内に超即効を得て、文字通り劇的!

 関東から最近来られているアトピーの女性に合併する下半身の浮腫では、知柏地黄丸製剤の少量に猪苓湯、玉屏風散製剤に茵蔯蒿湯では効果は出ず、すかさず茵蔯蒿湯の濃度を上げると、覿面即効を得た。

 長年、下半身の浮腫で午後から足が重くパンパンに浮腫んで、易疲労の女性では、明らかに脾虚水滞に肝胆の湿熱が合併し、腎陽虚もあるので、これらを最初からすべて配合していたら、四種類の方剤を必要とするので、初回は遠慮して脾虚水滞のみにターゲットを絞り込んで、半夏白朮天麻湯に猪苓湯だけを併用してもらうと、明らかに効果は弱い。
 そこで、10日後には茵蔯蒿湯を追加併用してもらうと、明らかな即効を得た。

 本当に何年ぶりかで足が軽くなって、おまけに肌の色艶も急に改善し、とても喜んでもらえた。
 しかしながら、排尿が夜間に集中する傾向があるので、やはり海馬補腎丸など腎陽虚の方剤を少量加える必要があるかもしれないが、経費面を考えるとやや躊躇(苦笑。

2010年7月31日のボクチン(6歳)
2010年7月31日のボクチン(6歳) posted by (C)ボクチンの母

2010年7月31日のボクチン(6歳)
2010年7月31日のボクチン(6歳) posted by (C)ボクチンの母


 
posted by ヒゲジジイ at 00:14| 山口 ☁| 浮腫(むくみ)・腹水 | 更新情報をチェックする

2014年06月01日

単独服用では浮腫を生じる場合がある朝鮮人参が、腹水などを得意とする補気建中湯に配合される理由

2011年6月1日のボクチン(7歳)
2011年6月1日のボクチン(7歳) posted by (C)ボクチンの母

 前回は朝鮮人参で浮腫(むく)むことがあると書いたが、体内に水分を保持させる作用があるからである。
 この水分保持作用は、大いなる利点でもある反面、体質によっては単独で長期使用すれば、浮腫んでしまうことがある。
 日本漢方で言う「水毒」があるような体質の人に多い。

 このような「水毒」体質であっても、朝鮮人参単独ではなく、滲湿利水の沢瀉や淡滲利湿の茯苓、燥湿健脾の白朮、あるいは袪風除湿の蒼朮などを配合すればよい。
 朝鮮人参の内臓機能を賦活する作用という利点だけを発揮させて、単独で使用するときのような弊害は出にくい。

 典型的な例が、補気建中湯という癌の末期患者さんの腹水を軽減するのに有利なことが多い方剤である。
 内臓の機能低下の極限に近いことからくる腹水であるから、朝鮮人参の内臓賦活作用が必要になるからである。
 この場合、他薬の配合が優れているから、朝鮮人参の水分保持作用は、大事な細胞内の水分保持のために働くようで、溜まっては困る腹水などは、速やかに軽減するのである。

 といっても、その人その人によって体質と病状が違うのだから、正確な弁証論治によって方剤を決めなければならない。
 あくまで補気建中湯がフィットした場合の話である。

 いずれにせよ、朝鮮人参単独では使用しないほうが無難だろうということ。

2010年5月29日のボクちん(6歳)
2010年5月29日のボクちん(6歳) posted by (C)ボクチンの母

2010年5月29日のボクちん(6歳)
2010年5月29日のボクちん(6歳) posted by (C)ボクチンの母


ラベル:補気建中湯
posted by ヒゲジジイ at 06:33| 山口 | 浮腫(むくみ)・腹水 | 更新情報をチェックする

2007年07月17日

両足の浮腫と下腹膨満に対する漢方薬

性別 : 女性
年齢 : 40歳〜49歳
簡単なご住所 : 関西地区
具体的な御職業:臨床検査技師
お問い合わせ内容 : 初めまして、現在私自身が持ついくつかの症状に関してご相談申し上げます。
 @両足の浮腫(左右差殆ど無く上下腿通してあります。去年の6月初めに東京での5日間に渡る研修会出席時に発症、少々ハードに行動し帰宅後両足のだるさと両踵がまるで象の足の様に肥大していることに気づき、これは単なるむくみではないことを自覚し、自分の勤める病院にて血管エコーをはじめいくつかの検査を行ってもらうも、腎性、心性、静脈性は否定され、残るはリンパ浮腫...しかしその原因となる骨盤内病変はないし両足に最初から左右差無く発症していることより原発性リンパ浮腫も考えにくいが、とりあえず重大病変ではないので弾性ストッキングとリンパマッサージするくらいしかないと言われ、それを実行してきました。しばらくはそれでしのいでいたのですが、昨年暮れ頃より急に浮腫の状態がひどくなり体重増加もあり現在に至っています。)

 A腹部膨満(浮腫発症よりかなり前からありましたが痛みはなく、最初はそれほどひどくなかったので放置していました。元来便秘気味ではありましたが排便直後でも膨満しているし、食後明らかに食べた量に比して下腹部の膨満がひどいことを自覚しており、この膨満の原因が何なのか気になっていたところ、浮腫が急にひどくなったのと時期を同じくして膨満も明らかに異常にひどくなり、また回盲部付近にも少し圧痛を感じていたためエコーと大腸内視鏡を施行してもらいましたが、腸管内部はポリープもなく問題なしと言われ、回盲部は高校生の頃虫垂炎を抗生剤でちらしていることより若干の癒着があるだろうけどそれは便秘や膨満とは関係ないということでした。)

 B便秘(子供の時から毎朝排便する習慣はなく便意を感じた時にトイレに行く状態でしたがそれほど不都合を感じたことはなく排便後は膨満感もなかったのですが、ここ数年間は乳酸菌や食物繊維を意識的にとることにより毎朝あるいは1日おきに便意を感じほぼ便秘は解消されたと思っていたのですが先に述べた腹部膨満がひどくなる少し前から便秘状態が現れだんだんひどくなり、便意自体を全く感じない、これほどひどい便秘はいまだかつて経験したことがないというほどひどくなりました。)

 C冷え(ここ数年夏場の冷房と冬場の過暖房が辛い状態でしたが、今年の夏においては明らかにそれがひどく、扇風機の風があたっても神経痛のような鈍い痛みを感じたりします。だからといって汗をかかないわけではなく暑い屋外に出るとそれなりに暑さは感じます。汗はかいていても冷風にあたりたくない感じです。)

 D口渇(口のかわきやのどのつかえを感じますが、水を沢山飲みたくはない、少しの水を口にふくむと満足するけどすぐにまた口がかわく感じです。)

 E不眠(今年にはいって急に夜寝つけなくなり、夜中2時3時やっと眠れても5時頃目が覚めたり...)

 Fコレステロール値上昇(今年初め220位だったのが4月250、5月270と短期間に上昇しています。元々HDLの割合が高くLDLは基準値内におさまっていたのがLDL値も異常値になってしまいました。) 以上が主な症状です。

 更年期障害も疑いましたが、今のところ女性ホルモン量低下はなく、生理も元々順調なほうで、現在も特に乱れてはおりません。消化器内科、循環器内科、婦人科を受診しましたが、症状の改善はみられません。そこで漢方外来を受診し、これまでに桂枝茯苓丸、半夏厚朴湯、六君子湯、桃核承気湯、五苓散、柴苓湯を出してもらいましたが、桃核承気湯で便秘は解消されましたが、他の症状には効いていません。
 今は柴苓湯のみを1週間飲んだところですが特に変わりありません。6月より鍼にも通っているのですが、それにより寝つきが少し良くなりましたが以前のような熟睡はできません。それと口の渇きが少しましになりました。尿量は症状がひどくなる前と比べると若干少なくなっています。
 食欲は以前より旺盛になり逆にコントロールできない感じです。体重も今年にはいって4キロほど増えてしまいました。食事量はそれほど増えていないと思うのですが・・・。
 現在1?0cm00Kgで、体格は日々のダンベル体操により筋肉質になっています。腹筋もかなりついています。また毎日通勤に片道30分は歩いており、結構体力はあります。血圧は100くらいです。アレルギー性鼻炎(特に杉やひのき)があり、風邪をひく時はまずのどの痛みからきますが、熱が出ることはあまりありません。

これらの自分の症状と仕事上の過大なストレスにより、毎日を楽しく過ごせず、週一回カウンセリングを受けているような状況ですが、まだ仕事に対する責任感や意欲は保っていると自分では思っております。今飲んでいる漢方薬や、これから試してみるべき漢方薬がありましたらぜひとも教えていただきたく思っております。宜しくお願いいたします。


お返事メール: 瘀血(おけつ)が介在していても桃核承気湯では下肢の浮腫に効く可能性は殆んどあり得ません。
 もしも下腹部に圧痛などがあればむしろ大黄牡丹皮湯の方が、多少とも浮腫に効果を示す可能性があるものです。

 現在、柴苓湯を使用されているそうですが、貴女のようなケースに小柴胡湯を配合するなんて、実にナンセンスです。

 下腹部の膨満と便秘に下肢の浮腫を伴えば、シンプルに大黄牡丹皮湯証なのではないでしょうか?
 これ以上のことは、もっとも重要な舌象と合わせて考慮しなければならず、文面だけでは大黄牡丹皮湯証を類推する以外には推測不可能です。
 まずは医療用漢方ででもお試し下さい。

【編集後記】 大黄牡丹皮湯に午車腎気丸を併用するケースも大いにあり得ることだが、あとはやはり舌象次第ということになるだろう。
 仕事上のストレス等による肝鬱気滞の並存は十分に考えられることだから、微量の四逆散を加えることも大いにあり得る。(こういう小細工は中医漢方薬学派の特徴である・・・笑

 なお、大黄牡丹皮湯には浮腫に逆行する甘草の配合はなく、処方中の冬瓜子(とうかし)には清肺化痰・消癰排膿・清熱利湿の効能がある。
posted by ヒゲジジイ at 00:43| 山口 ☁| 浮腫(むくみ)・腹水 | 更新情報をチェックする
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