生成的な行程

流れの向きはいつも決まってはいない

2016年12月

2014年 46冊/ 52週 (1年) = 3.8冊(月) = 0.9冊 (週)
2015年 68冊/ 52週 (1年) = 5.6冊(月) = 1.3冊 (週)
2016年 35冊/ 52週 (1年) = 2.9冊(月) = 0.7冊 (週)

過去3年はこんな感じ。
読書メーターをつけているので、簡単に算出できた。
2015年は読書に集中できる時間があったので、特別だった。

年間100冊ってのはかなり高いハードルなんだな。

もともと遅読の方なので、2週間に1冊くらいがちょうどいいペースかなと思う。
そうすると、年間26冊。
まあ30冊くらいが無理のない目標かな。
月、2.5冊。

50代はあと5年なので、150冊くらいいけそう。
読む本を精選することで、中味のある読書人生にしたい。

銀漢の賦 (文春文庫)
葉室 麟
文藝春秋
2010-02-10



家老にまで登り詰めた将監、
いつも自分が何者でもないと中途半端感を持っているが、実は一本気の源五、
一揆を率いて刑死した百姓の十蔵、
幼いころの出会いから友情が芽生え、育まれた。

友とは何か?

時を経て、それぞれの道を歩み、お互い立場が違っていても、人生を通して気持ちが通じ合っている。
時に片方向の時期があったとしても。

水面下で動く心の動きと水面に出て来る行動に、あとでその関連性に気づく。
心が震える瞬間だ。
そんな友情を見事に描き切っている。

銀漢とは天の川のこと。
夜空を見上げれば、天空にある一筋の流れが、個ならず形作っているのが見つけられる。
とても詩情あふれるタイトルだ。

さわやかな人生の余韻を残す。

松本清張賞受賞作品。

蜩ノ記 (祥伝社文庫)
葉室麟
祥伝社
2013-12-20



葉室さんの直木賞受賞作品(2012)。

江戸時代の小国の社会状況に託して
不条理に命を限られた武士の”武士としての全うな生き様”を描く。

日常の武士とはどんなものだったか?
全うな武士の姿とは?

当時のお家維持には、

・武士と百姓の関係(階級社会)
・年貢をベースとした経済状況
・台頭してくる商人の階級矛盾
・藩内の権力闘争

さまざまな思惑が交錯しながら政治が行われている。

凛とした主人公の生き方が配役にも影響を与えざるを得ない。

感動的な作品でした。

山桜記 (文春文庫)
葉室 麟
文藝春秋
2016-07-08



戦国および江戸初期、九州ゆかりの武将に嫁いだ女性たちの凛とした生き方を描く。

短編七作。

信じるキリシタンの道や自分の里の藩、さまざまな想いが嫁ぎ先で夫とは別人格で醸成されていく。

くのないように(加藤清正の娘、八十姫)、牡丹咲くころ(伊達騒動の時代、立花家に縁組した鍋姫)が良かった。

この時代、江戸時代といいながらも今の東京一極集中と違い、
徳川治世による参勤交代や転封(国替、移封)、外様大名の改易(家光治世:浪人の発生)といった政策により、
今よりダイナミックな国のシャッフルが行われていたんですね。

そんな点も改めて気づかされた。

OI000189R

今年、海外の締めくくりは、ブラックフライデーで街はセールス中のアメリカ。
NYに滞在。
11/26(土)〜12/2(金)の5泊7日。

ロングアイランド・MelvilleのHuntingtonとFarmingdaleの中間にある
Marriotto(1泊)、Hilton(4泊)ホテルをベースに
マンハッタン、ニュージャージ(NJ)州、コネチカット(CT)州の3箇所に足を延ばした。
DSC_4257

DSC_4258

足はロングアイランド鉄道で
Farmingdale駅からマンハッタン(Penstation駅)へ出る(所要1H)こともあれば、
在米50年のTさんのベンツでホテルからNJ, CTへ顧客訪問を行ったりした。

やはりアメリカは大きい。
摩天楼のマンハッタンから少し出れば、もう牧歌的な街並みで田舎の風景だ。
DSC_4224

DSC_4225

NY州の中ですら、数時間かけてハイウエイで移動する。
途中、渋滞もところどころある。

1480428278929
ハイウエイのHOV(High Occupancy Vehicle)というシステムは、
2人以上乗っている車の専用レーンだが、大半は1人乗りのようで、
一般のレーンは乗用車、トラック問わず行列を作ってしまっている。
スペースを消費する感覚が小国の我々とは違うのだろうな。

以下、久しぶりのアメリカ滞在で改めて感じたことなど。

1. 星条旗の掲揚をよく見かける
1480348850972
国内向けに積極的なUnitedの意思表示か?
日本が同じことしたらアジア諸国からクレームが来そう。。

2. チップの文化について
タクシー、レストランの請求書に必ず、金額を記入する欄が用意されている。
tipと同義のgratuityという単語にはじめ戸惑った。
ご親切にも、15%, 18%, 20%の参照が印字されていたりする。
(自分的にはせいぜい10%くらいが妥当な気がするのだが)
サービスに対する昨今のビジネス動向を考えると、
文化的に根付いているアメリカと、そこは可視化させず内包化させる日本と
今後も形を変えることがあろうとも本質は変わることのない彼我の差を感じる。
額は支払う側に決定権があるのも消費活動に関する意識の違いかな。

3. 移民の国
DSC_4241
在米50年のTさん。
日本が強いカメラの用品業界で当初20人いた日本人も最後に残ったのは、自分だけだった。
一時はユダヤ人など20人雇った時期もあったという。
機に敏な対応をしてきた成功体験ということだろう。
また、Tさんの話によると最近では、日本人が居住してきたエりアを韓国人が塗り替えてきているようだ。
Farmingdaleで夕飯に行った日本料理屋は、おかしなことに韓国人がやっていた。
文化のトランスフュージョンの表れか?
冷やの日本酒にきゅうりのスライススティックが入れられいたのには参った。
フレイバーがいいでしょ、とのことだったが。

カメラ量販店のB&HもAdoramaもユダヤ人がやっている店とのこと。
金曜の日没(4pm)から土曜日を閉店するというのは、なんで?と日本人の自分は思うのだけど、
これも移民を受けいれてきた国が作った文化ということだろう。

4. マンハッタンの摩天楼
DSC_4244

100年近く経ってもランドマークとなっているエムパイヤ・ステイトビルに歴史を感じる。
とてもざっくりいうと新宿と銀座が一緒になったような街風景と同じイメージなのだけど、
日本と違うのは、高層ビルに年輪が出来てきているような佇まいがあるところ。
地震がない土地柄がうらやましい。

ビル全体を景観の中でデコレーションしてしまう発想がまたマンハッタンらしさなのかな、
と思ったりもした。

1480202352904

1480202815195

5. ディナー@Frankie & Johnnie's
1480550341513R

1480551681728R

1480551788780R

活動最終日、とても愉快なアメリカ人とマンハッタンで会食。
前の会社を引退して、自分で好きな「光」を研究するラボのオフィスをマンハッタンのマンションに持つ。
とても理想的な生活を送っているよう。


今回お会いしたアメリカ人たちは親切でとても明るい人たちと、
更に我々を楽しませようとしてくれるホスピタリティを気性にもった人たちに二分されたように思う。

このページのトップヘ

  膺肢鐚