生成的な行程

流れの向きはいつも決まってはいない

2020年11月

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勤労感謝の日、娘とランチ。

オレはトマトソースオムライス
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娘はミートソースオムライス
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オムレツの真ん中にナイフを入れて切り開き、現れた黄色い層の平原にソースをかけて食べる。
ふわっトロ!
なんてまろやか。

極上のオムライスでした。

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ご近所の名店にエントリ!

千思万考
黒鉄ヒロシ
幻冬舎
2011-02-24



一幅の肖像画(漫画?)と原稿用紙1枚分くらいの人物評。
どちらに比重があるのか。
どちらも黒鉄さんの個性が生きている。
読み進めるうちに本書の味わい方は両方を同じ比重で鑑賞するもの、と得心した。

文章は黒鉄さん一流の分析と洞察がよく出ていて、表現する言葉やフレーズが独特。
やや難解なところがあり、歴史初学者にはなかなかハードルが高いのではないか。
以前、自分が挫折したのは、そんなところに要因があったのかなと今回読み終えてそう思った。
(10年近く放置していた)

36人の英傑
それぞれ人物の凡そのことは知っていたつもりだったけど、
ところどころ初めて知る英傑たちのエピソードも多くあり、
まだまだ自分は書生クラスだなあと思った次第。

黒鉄さんの価値判断として頻出のリーダーの条件は次の通り。

〕渋性に富み
⇒ダ莉膂未里弔永に過ちがなく
7菽芭呂塙堝偉呂魴鵑揚え
で鵬力と建設力に優れ
ゴ浜・維持能力に長けている

この5つの共通分母として「自己犠牲」の特質がある。

一般論で終わらせない。
織田信長や徳川家康の見方が少し変わった。

他、唸らせられたところ。

真田幸村:「欲」は一代で蒸発するが、「義」は末代にまで遺って作用し続ける。

坂本竜馬:偏見がなかった。シニカルな視座。土佐の本家は質屋を営んでいたから、武士の表と裏を知っている。

大久保利通:リーダーの条件を全ての項目で満点。
竜馬が乗り越えた価値観の垣根。信長が解いたであろう不条理の難問。大久保はこの二者とは違った方法で向こう側へと降り立った。

新渡戸稲造:欧州滞在のとき聞かれた質問「貴国には宗教教育のありやなしや」に「ない」。
しばらくして出した答え『武士道』が日露戦争の講和にアメリカのルーズベルトを動かした。
日本は盆踊りの代わりにコサックダンスを踊るのを免れた?

福沢諭吉:「精神」の維新を受け持った。富国強兵にも、個の独立があってこその国家の独立であるとして反対した。

勝海舟:型を持たない型。一貫して恐怖がない。諭吉の『痩我慢の説』の中の〈変節〉を無視。「無刀取り」の海舟と諭吉の攻防が双方を引き立てる。

宮本武蔵:武蔵(634)―小次郎(526)=108(煩悩の数)

人間は深遠だ。

まずは、三渓わんで腹ごしらえ(汁物の椀で蕎麦3つ)
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特別公開の聴秋閣へ
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聴秋閣、1623年家光の上洛に際し二条城内に建立→春日局→移築
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まだ六分あたりといったところかな
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月華殿、1603年家康が伏見城内に諸大名の控えの間として建立→移築
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出口さんの「還暦からの底力」に続き、個人的に、教養=リベラル・アーツのテーマが続く。
「人を自由に(自由解放)する学問」
私の大学時代は3年から専門課程に入る前の2年間に一般教養とかいう課程があり、
実はそれがリベラルアーツに近いものだったらしい。今はどうなっているのでしょう?
もう一つ印象に残っている個人的体験。
1980年代後半、20代の頃、営業でアメリカの大学を幾つか廻ったことがあった。そこで”Faculty of Liberal Arts”という学部名らしき看板をよくみかけ、当時、自由?芸術?えっ何?とその意味がよくつかめなかったものだ。
残念ながら英語の語彙力に限界があったのですね。

ところでリベラルアーツの重要性については、日本でも戦後、色々と変遷があったらしい。
日本では産学の協力関係がどうも形式的で、企業側からは、即戦力を求めるなどというものの、
特に文系ではその具体性に欠けていたように思う。
そんなところも要因となり過去30年、国際的な地位が落ち続きてきた側面もあったのではないか。
今のアメリカのGAFAなどのIT企業の圧倒的な勢いを思うと双方の教育の制度設計の違いを思わざるを得ない。

実際、池上さんも知ってびっくりしたそうだが、アメリカでは経済学は学べても、経営学は学べない大学があるらしい。大学はじっくり教養を学ぶべきところで、すぐに役立ちすぎて、すぐに役立たなくなるものは、卒業後ビジネススクールで学べばいいという思想のようだ。

ギリシア時代のヨーロッパに源流を持つリベラ―ルアーツとは何か?
7科目ある。

1. 文法
2. 修辞学
3. 論理学
4. 算術
5. 幾何学
6. 天文学
7. 音楽

そこで池上さんか編みだした現代の7科目は次の7科。

1. 宗教
2. 宇宙
3. 人類の旅路
4. 人間と病気
5. 経済学
6. 歴史
7. 日本と日本人

テーマは”わたしたちはどこから来て、どこに行くのか”

自分の中で出口さんが先日の著作で言っていた「世界経営計画」と考え方は重なってきた。

池上先生がすごいなあと思うところは、テーマの本質を見出し、分かりやすく解説してくれるところ。
知ってるつもりだったけど、全然知らなかったんだなあと気づかされること多く、とても勉強になります。
例えば、4. 人間と病気に関しては、紙面の大半をウイルスについて割いている。
なぜなら、遺伝子研究で、ウイルスによって、人間が進化してきたことが分かっているから。
まさに人間はどこから来て、どこに行くのか”
本書は新型コロナの前に上梓されているけれど、すでに観念的?な答えを提示している。

知ることが安心につながる。知は力なり。

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ランチで、田端から2駅で3分の日暮里に遠征。
サクッと行ける距離がいい。
昔から評判は聞いていて、いつかはと思っていたが、ようやく実現。

店内は町中華の雰囲気があり、地元に根付いている感じ。
元気な姑娘が店内を行き来し、おやじさんやおかみさんが奥の厨房側で料理人たちとの間を仕切っていた。
料理はすぐ出てきた。
お客の回転もいい。

ときおり、バン、バンという音が鳴り響く。
お店で麺を打ち、餃子の皮も作っている。

担々麺 ¥900
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手打餃子 ¥500
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坦坦麵は個性的で、中国由来を感じる味だった。
麺は しこしこ 細めのうどんのよう。
餃子は皮も餡も重量級で食べごたえがありました。
箸で持ち上げるのが少々大変(笑)。
くせになりそうな味ですね。

日暮里の昼の風景。




本書から実に多くのことが学べた。
出口さんの人生哲学が泉のように湧き出ている。
凡人がいかに「誤った常識」や「思い込み」に支配されているか。
リベラル・アーツとは、真の”人間解放”を指す。
彼が体得していった教養や そこから掴んだ自身の哲学はそんなリベラル・アーツだ。
だからこそ言説は確かなものに思えるし、力強い。

まず第一に定年(日本社会独自)や敬老(される側の心構えとして)など不要、年齢フリーの発想がある。
勝手に作られたパターンに自らわざわざハマりにいく必要はない。
健康年齢が大事。それには”仕事”は、サボれない仕組みがあり、規則正しい健康ライフを後押ししてくれる。
行動しなければ世界は1mmたりとも変わらない。
60は折り返し地点。(自立20+人生100)÷2 = 60. 「本番」はこれから。
今が一番若い。答えが出ないのに迷うのは無駄。「迷ったらやる。迷ったら買う。迷ったら行く」

出口さんの話で感心するのは、たとえ話や例の挙げ方がとても上手いところ。
分かりやすさと物事の「見える化」を信条としている賜物かな。

■冒険や思い切った決断の勧めとして
「清水の舞台から飛び降りる」といいますが、清水寺の舞台の高さが約12mとわかれば、12mのロープを用意すれば、降りられるでしょう。
リスクの内容(12m)がわかればそれはコスト(12mのコスト代)として計算できます。
要するに、飛び降りる怖さは12mのロープ代に転化できるのです。
(さすが、生保の経験が生きている!)
(因みにネットで調べたら、ロープの相場価格は3~4,000円だった)

■教養は「おいしい人生」を楽しむためにある(人生おいしくてなんぼ)
「教養 = 知識 x 考える力」
おいしい人生における食材とは「知識」であり、上手に料理する力は「考える力」です。
*知識は時に陳腐化するから、考える力で知識をUpdateしていく面も忘れてはならない
人生は喜怒哀楽のプラスマイナスではなく、絶対値の総量で決まる

■人間はそれほど賢くないという視点
人間は勉強したところで所詮アホな存在である。
保守主義の神髄、伝統と慣習は長い時間をかけて生き残ったもの。
もしまずい部分があれば、そこだけを一所懸命考えて、直していけばいい。
一方の革新主義は、賢人が考えた通りやれば、世界はうまくいく。理念的。
全世界を再設計しようとして共産主義は失敗し、フランス革命ではほころびが生じた。
人間の脳は一万年、進化していない。
過去の指導者の在り方や言動を見ることが重要。

■運と適応
運はアトランダムにやってきて、そこに個人の適応がうまくミートしたときにチャンスが生まれる。
よくできる人は、自分自身をごまかしてやる気にさせる仕掛けづくりが上手。

■無意識の活用
脳の全活動の9割以上は無意識の領域。
活用しない手はない → ボーっとしている時間の意味と向き合い方
この辺は敬愛する作家、遠藤周作も同様のことを言っていたなあ。
敢えて違いをいうと、「知的なやさしさ」と「情的なやさしさ」というアプローチの違いかな。
双方、オーバーラップする部分はあるけれど。

■「自己投資」で自分にできることを増やす
「人・本・旅」
「タテヨコ算数」で整理する物事の味方。
 タテ:時間軸、歴史軸
 ヨコ:空間軸、世界軸
 算数:データ、ファクト、ロジック
エピソードではなく、エビデンス(証拠)で世界を見る。

還暦を意味化しないことに還暦の意味があると、人生の先達に教わった。

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調べてみたら1年半ぶりだった。
コロナ禍で地元パトロールの使命感(笑)も入っている。
心のふるさとは、ひろの佇まい、空気感に合っている。
昭和があるんだよなあ。

残念なのは、隣のひもの屋が閉店したこと。
公園坂の方に海鮮の店を始めたらしいと聞いた。
そのうち、確認しに行かないと。

楽園のカンヴァス(新潮文庫)
原田 マハ
新潮社
2015-05-01



原田さんは「構造」の作家だと思った。
まだ2作目だけど、思い起こせば「本日は、お日柄もよく」もそうだった。

物語中物語、つまり、作中作の入れ子構造が物語構成の中心にある。
さらに、判明している史実を中心に置き、史実のない空白部分を独自の想像力で緻密に埋めていく。
その「工法」は自分の得意分野の美術、キュレーターの仕事を活かしている。
文学的に文章を紡いでいくというよりも合理的な面で、工業製品の作りに近い気がした。

とはいえ、ドワニエ(税関史)や日曜画家と揶揄されろくに評価されなかったアンリ・ルソーに光を当て、
評価を上げようとする情熱が原田さんの創作魂を突き動かしただろことは、十分感じられた。

20世紀初頭のパリで生まれた前衛芸術の息吹が「今」に再生され伝わってくる。
同時代のピカソ、アポリネール、ローランサン・・・
何かを創造するためには何かを破壊しなければ、できない。
永遠を生きる、それが芸術の真性ということかな。

一つのカンヴァスに二重作品。
ルソーかピカソか、その両方か。

カンヴァスに懸けた情熱は、本物であれば人に伝染していく力がある。
「夢」と「夢を見た」
美術と文学のコラボ―レーションはやはり、作家ならではの構造の賜物と感じた。

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在宅勤務中の時間のメリハリはランチの外出で作られる。

とんこつ醤油ラーメン 600円
替え玉 100円

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チャーシューの燻りに個性が感じられます。
替え玉にも切れ端と玉ねぎがたっぷり入っていてお得感あり。
そういえば、ちょっと前に朝日新聞の夕刊で業界人が紹介していた。
そこでは、とんこつみそを押していたが、気分でそっちに行くときもある。

帰りに、綱島で「琥珀」をのぞいたら、
店の中が真っ暗で厨房が解体されている様子。
もう閉店!?
地元で久しぶりにあっさり系ができて、気に入っていたのに。
持たなかったかっ。残念。

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  膺肢鐚