ドライレイヤー の鍵は「ポリプロピレン」
一部の高山を除き、すっかり雪山シーズンは終了です。
ところで、このGWは天候の急変による遭難が相次ぎました。白馬岳での遭難事故は、しっかりした装備を持っていたにもかかわらず、防寒着を着るタイミングを逸したことに原因があったようですが、実際問題、天候の急変時に着替えるという作業はかなり難しいと感じます。特に、晴天から突然雨になり、風が吹いたり気温が急激に下がった場合が問題です。
晴天時の登山は、当然汗をかくので薄着になります。そういうときに突然雨に降られると、行動着の上に直接レインウェアを着ることになります。その後雨が降りながら気温が下がるか、または雨とともに風が強くなった場合、レインウェアを脱いでフリースなどを着るということがなかなかできません。なぜなら、レインウェアを脱いだ瞬間に体はびしょ濡れになり、その上風に吹かれて一気に体温が下がることになってしまうからです。風が強いと、着替えの間にレインウェアなどが飛ばされてしまうかもしれないという恐怖感もあります。もしも山小屋までの距離がそれほどでもない場合は、多少無理してもそのまま山小屋まで行ってしまおうと考える人が多いと思われます。しかし、その結果、低体温症になり命を落としてしまってはどうしようもありません。
であれば、やはり行動着としてある程度保温性のあるミドルウェアを着ておく必要があります。万一、突然雨に降られた場合、レインウェアが雨と風を防ぎ、ミドルウェアで体温を維持できれば、遭難の可能性はぐっと低くなります。しかし、そのためにはベースレイヤー(ドライレイヤー)が汗をためにくく、汗冷えを起こさないドライ性能が不可欠です。
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雪山を始めて以来、何種類かのアンダーウェアを試してみましたが、もっとも優れていると感じたのはポリプロピレン100%のアンダーウェアでした。購入したのは、THE NORTH FACEのアンダーウェア 「NT30153 PARAMOUNT TANK」です。この商品は、すでにWEBの商品ラインナップから消えているので、おそらく昨シーズンのものだと思われます。ポリプロピレン100%の繊維をメッシュ状にした生地で、これ自体は保温性能はほぼないと思います。しかし、汗をかいたという感覚をほとんど感じることがないため、寒いと感じることはありませんでした。
<訂正>ラインナップから落ちていると思ったのは間違いで、アンダーウェアのカテゴリではなく、シャツ・カットソーのカテゴリーに掲載されていました。なので、2013年時点でも販売中の商品です。
PARAMOUNT TANKをドライレイヤーとして、ベースレイヤーにマーモットのHYBRID PP L/S ZIPというシャツを合わせました。このシャツもポリプロピレンを35%使用しています。単に混紡しているというのではなく、汗をかく内側にポリプロピレンを使っているという凝った生地です。メーカーの説明によると、疎水性に優れたポリプロピレンを体に接する内側に使い、外側にポリプロピレンよりもやや水分を含みやすいポリエステルを配することで、体がかいた汗を衣服の外側に効果的に排出することができるとのことです。
ポリプロピレンは、化学繊維の中でももっとも水を含みにくい性質があるそうなので、直接肌に触れる部分に使うとドライ感が持続するらしく、ドライ感が重要な登山用のアンダーウェアに適した素材のようです。かつては、染色しにくいなどの欠点があってあまり利用されていなかったようですが、最近そのあたりの欠点が克服されて使われるようになってきたようです。
2012年5月の立山ではこの組み合わせで行動していましたが、すこぶる快適でした。立山を縦走した日でも、テント場を出発した時点で、PARAMOUNT TANK+HYBRID PP L/S ZIP+フリースという服装で大走りを登りましたが、途中でフリースを脱ぐこともなく、しかし決して暑さを我慢しながらというわけでもなく稜線まで登りきりました。気温はそれほど低くはなかったのですが、大汗をかいてべたべたに濡れるということはありませんでした。
その後、富士ノ折立への登り途中でアラレに降られて、フリースの上からハードシェルを着て、そのまま登り続けました。今までだと、そんな格好で登ると大汗をかいて大変だったのですが、このときは不思議なほど汗をかいた感覚がないままでした。その後、一ノ越に下りるまでそのままでしたが、汗や暑さで不快感を感じることはありませんでした。手袋はいつも0度ぐらいまでしか使えない薄手の組み合わせのままだったので、気温も氷点下にはなっていなかったはずです。
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ところで、このGWは天候の急変による遭難が相次ぎました。白馬岳での遭難事故は、しっかりした装備を持っていたにもかかわらず、防寒着を着るタイミングを逸したことに原因があったようですが、実際問題、天候の急変時に着替えるという作業はかなり難しいと感じます。特に、晴天から突然雨になり、風が吹いたり気温が急激に下がった場合が問題です。
晴天時の登山は、当然汗をかくので薄着になります。そういうときに突然雨に降られると、行動着の上に直接レインウェアを着ることになります。その後雨が降りながら気温が下がるか、または雨とともに風が強くなった場合、レインウェアを脱いでフリースなどを着るということがなかなかできません。なぜなら、レインウェアを脱いだ瞬間に体はびしょ濡れになり、その上風に吹かれて一気に体温が下がることになってしまうからです。風が強いと、着替えの間にレインウェアなどが飛ばされてしまうかもしれないという恐怖感もあります。もしも山小屋までの距離がそれほどでもない場合は、多少無理してもそのまま山小屋まで行ってしまおうと考える人が多いと思われます。しかし、その結果、低体温症になり命を落としてしまってはどうしようもありません。
であれば、やはり行動着としてある程度保温性のあるミドルウェアを着ておく必要があります。万一、突然雨に降られた場合、レインウェアが雨と風を防ぎ、ミドルウェアで体温を維持できれば、遭難の可能性はぐっと低くなります。しかし、そのためにはベースレイヤー(ドライレイヤー)が汗をためにくく、汗冷えを起こさないドライ性能が不可欠です。
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雪山を始めて以来、何種類かのアンダーウェアを試してみましたが、もっとも優れていると感じたのはポリプロピレン100%のアンダーウェアでした。購入したのは、THE NORTH FACEのアンダーウェア 「NT30153 PARAMOUNT TANK」です。
<訂正>ラインナップから落ちていると思ったのは間違いで、アンダーウェアのカテゴリではなく、シャツ・カットソーのカテゴリーに掲載されていました。なので、2013年時点でも販売中の商品です。
PARAMOUNT TANKをドライレイヤーとして、ベースレイヤーにマーモットのHYBRID PP L/S ZIPというシャツを合わせました。このシャツもポリプロピレンを35%使用しています。単に混紡しているというのではなく、汗をかく内側にポリプロピレンを使っているという凝った生地です。メーカーの説明によると、疎水性に優れたポリプロピレンを体に接する内側に使い、外側にポリプロピレンよりもやや水分を含みやすいポリエステルを配することで、体がかいた汗を衣服の外側に効果的に排出することができるとのことです。
ポリプロピレンは、化学繊維の中でももっとも水を含みにくい性質があるそうなので、直接肌に触れる部分に使うとドライ感が持続するらしく、ドライ感が重要な登山用のアンダーウェアに適した素材のようです。かつては、染色しにくいなどの欠点があってあまり利用されていなかったようですが、最近そのあたりの欠点が克服されて使われるようになってきたようです。
2012年5月の立山ではこの組み合わせで行動していましたが、すこぶる快適でした。立山を縦走した日でも、テント場を出発した時点で、PARAMOUNT TANK+HYBRID PP L/S ZIP+フリースという服装で大走りを登りましたが、途中でフリースを脱ぐこともなく、しかし決して暑さを我慢しながらというわけでもなく稜線まで登りきりました。気温はそれほど低くはなかったのですが、大汗をかいてべたべたに濡れるということはありませんでした。
その後、富士ノ折立への登り途中でアラレに降られて、フリースの上からハードシェルを着て、そのまま登り続けました。今までだと、そんな格好で登ると大汗をかいて大変だったのですが、このときは不思議なほど汗をかいた感覚がないままでした。その後、一ノ越に下りるまでそのままでしたが、汗や暑さで不快感を感じることはありませんでした。手袋はいつも0度ぐらいまでしか使えない薄手の組み合わせのままだったので、気温も氷点下にはなっていなかったはずです。
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