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2023/05/25

なめてかかると大変: 三原山(マッコウ)その2  

2023年5月21日(木) 鳥取県佐治町 三原山(標高1115m) 日帰り単独行 


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12:28 谷筋から尾根上に出てきました。広くて平坦な尾根です。ここが八本越のはずですが、道標らしきものは何もありません。


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そのまままっすぐに奥へと進んで行くと、立木に道標が設置してありましたが、苔の生えかけた木片状態です。八本越と書かれていたのか、それとも左が鳥取方面、右が岡山方面の地名がかかれてあったのか、何も読み取ることはできませんでした。


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とりあえず、三原山山頂方向に向けて歩きはじめると、すぐに別の道標を見つけました。今度はかすかに「マッコウ→」と書かれているのが読み取れました。


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ところが、矢印の示す方向は笹薮が広がるだけで、トレースらしいものはありません。


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左手方向には、トレースではないものの歩きやすそうなスペースが続いていて、その奥にトレースらしい黒土もわずかに見えていました。獣道のようにも思えるものの、とりあえず一番トレースらしいので、左手方向に行ってみることにしました。ところが、100mも進まないうちに笹薮に突き当たってしまいました。藪漕ぎしながら中に入ってみましたが、まったく人が歩いた雰囲気がなく、これは違うなと確信して道標まで戻りました。


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改めて周囲を観察してみると、右斜め方向に行けば笹薮が広がっていなくて、笹薮の縁に沿って登って行けそうな雰囲気がありました。そこで、今度は右手方向に行ってみることにしました。


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標高1050mを越えたところでとうとう笹薮の中に入らざるを得なくなりました。はじめのうちこそまだ笹の高さも低く歩きやすい状態でした。


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ところが、すぐに笹が背丈を越える高さになり、密集度も増して無理やりかき分けながら登る羽目になりました。


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13:27 その後、笹ではなく根曲竹の藪となり、傾斜もきつくなってこれ以上藪漕ぎで強行突破するのは厳しい状態になってしまいました。


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GPSで現在位置を確認すると、山頂まであと標高差で40mのところまで来ていました。もう少しだけ強行突破を試みようかとも思いましたが、この40mを上がるためにどれだけの時間と労力を必要とするか考えるととても行く気になれません。それだけでなく、下るときに果たしてこの視界の効かない根曲竹の藪の中をちゃんと八本越に下れるのか確信が持てません。GPSの画面では左に少し行けば県境があり、もしかしたらそのあたりにトレースが残っているかもしないので、左に平行移動してみることも考えました。しかし、斜面上から下に向けて生えている根曲竹に対して横方向に移動するとなると、無限に連なるハードルを乗り越えていくのと同じで、上に行くよりもさらに時間と体力を消耗しそうです。


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結局、あきらめて八本越に戻りました。この時点でもう山頂を踏むのはあきらめたので、八本越でランチにすることにしました。



ここで一息。ぽちっと押したら、引き続きブログ「ヤマふぉと」をお楽しみ下さい。






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13:42 すっかり遅くなりましたが、ハイキングチェアを出して座り、持ってきたおにぎりをほおばりました。飲み物は、薄暗く展望のない森の中で、のんびりとカフェオレを作って飲む気にはなれず、行動中に飲むスポーツ飲料ですませました。


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食事を終えて、さあ帰ろうかと荷物を背負って立ち上がった時、念のためもう一度だけトレースを探してみようかという気になりました。食事休憩で冷静さをとりもどしたのか、はたまた右も左もだめなら真ん中しかないという確信めいたものを感じたのかよくわかりませんが、道標の矢印が示す方向にまっすぐに進んでみました。すぐに笹藪が迫ってきましたが、かまわず進みました。


笹薮が濃くなり始めたところでやっぱりトレースはないなと思ってふと右手を見ると、苔むして緑色になった倒木がありました。こんなに苔むしているぐらいだから、だれもここを歩いていないということだろうと思いながら倒木の奥に目を向けた時、わずかにトレースのようなものがあるのを見つけました。まさかと思いながら倒木を越えて先に進むと、どうやら本当にトレースのようです。左右から笹が覆うように生えていますが、地面にはあきらかに一人分程度の幅の地面が見えていて、笹薮の奥へと続いていました。


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腰をかがめ、トンネルのような笹をかき分けて登って行くと、どんどん笹薮は濃くなってきましたが、地面のトレースはかえってはっきりしてきました。なので、そのままどんどん進んで行きました。


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14:04 ようやく笹薮を抜けて、低木の生えた場所に出てきました。


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降りかえれば、八本越の先にある1088標点のピークが見えていました。どうやら山頂まであと少しのようです。


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14:10 三角点のある山頂に着きました。


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マッコウと彫られた山名表示板もぶら下がっています。


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展望はあまり良くありませんが、東方向だけはそれなりに見晴らすことができました。


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先ほど見た1088標点は、東南東方向になります。


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こちらは北西方面で、見えているのは三国山あたりではないかと思います。


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山頂から反対方向に下るトレースも残っていましたが、だいぶん藪化してかすかな痕跡が残るだけといった状況でした。


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14:17 立ったまま短時間風景を眺めただけでしたが、とりあえず登頂できたので満足です。時間も遅くなってきたので、さっさと下山することにしました。


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新緑がまぶしい八本越に向けて下って行きます。八本越から1088標点に向けてトレースを辿るときは、鳥取側の植林帯に沿って登って行けばわかりやすそうです。


下りは根曲竹や笹の生えている方向に歩くので、登りよりも断然楽に早く進むことができ、わずか10分で八本越まで下りてきました。


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GPSのログを見ると、八本越から山頂に着くまでに右往左往していたのがよくわかります。真ん中の赤線が正しいルートですが、登るときはGPSの電源を入れ忘れていたので、下りのログだけしか取れていません。右から回って行ったとき、正しいルートのすぐ近くまで行っていたのに、惜しいことをしました。


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14:30 八本越から谷筋へと下ります。降り口は、笹に結ばれたビニール袋が目印です。


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ロープを掴みながら慎重に下りました。


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谷筋まで下りると、あとは流れに沿って下るだけです。登ってくるときよりも、下るときの方がテープが見つけやすく感じましたが、やはり視線が自然に遠くの方を見るからなのでしょう。とはいえ、もともと少ないので、それで道がわかりやすくなったというほどの違いはありませんでした。


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途中にあったトチの巨樹で記念写真も撮っておきました。木の手前にしか立ち位置がなかったので、幹の太さがいまいちわかりにくいのですが、なかなか立派な木でした。


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15:19 やっと三原台地に出ました。下ってくる途中で左膝が痛み始めたので、のんびりゆっくり下ってきたものの、三原台地に出るころにはチクチクと痛み始めたので、サポーターを装着することにしました。


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誰もいないので、恥ずかしげもなく登山パンツをずり下ろしてサポーターを装着しました。膝の左右に樹脂製のステーが入っているため、膝の曲げ伸ばしをサポートしてくれるようで、装着後は少し痛みの出方が和らいだように感じました。もっとも、すでに痛みが出た膝は劇的に変わるものではなく、本当は下山開始前につけておくべきでした。




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簡単に登って下りてこられると思っていた三原山でしたが、三原台地から先の道がわかりにくく、廃道かバリエーションルートと見まがうばかりの状態でやたら時間がかかってしまいました。特に八本越から山頂に向かうルートを見つけるのにかれこれ30分以上も無駄な時間を費やしてしまったのが情けないやら悔しいやらといったところです。それでも、この時期に登ったおかげで暑さにも虫にも悩まされることが無く、快適な山行になりました。


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16:22 左膝をかばいながらゆっくりと下ったのでちょっと時間がかかりましたが、登山口まで戻ってきました。この日山中で出会ったのは、ソロの男性1人だけで、静かな山旅となりました。

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