現代の日本の人口構成を考えると、高齢者向けビジネスはとても魅力的です。今後は団塊世代が高齢化するため、市場はますます拡大します。そのうえ起業を目指す中年層にとっては、身内に高齢者を抱えている人が多いため、お客さん心理がよく分かってマーケティングには都合がよいからです。そんなこともあって、高齢者向け宅配弁当ビジネスで起業を目指す人が増えています。

 調査会社によりますと、2010年の高齢者食宅配事業は、前年比で4.5%増の607億円が見込まれいます。デフレによる不況が続くわが国で、4%台の成長事業は魅力的があります。これまで高齢者向け宅配弁当は、フランチャイズの「宅配クィック ワン ツゥ スリー」や「ニコニコキッチン」など専業事業者が高いシェアを占めてきました。高齢者向けビジネスは手間が掛かると言うことで、多くの弁当業者からは敬遠されていました。

 ところが飲食ビジネスの不況が深刻なこともあり、多くの需要が見込めるビジネスを、見過ごすわけには行かないようです。まずコンビニ店が、周辺に住む高齢者向けに弁当の宅配を始めています。続いて、居酒屋のワタミも、宅配弁当事業に参入しています。ワタミの場合、老人ホームの運営を行なっているため、高齢者向け弁当にはノウハウの蓄積があります。

 そのほか、大庄やチムニーなども参入に向け、準備を進めているようです。これらは大手企業なので情報を知ることができます。このほかの飲食関連の企業も、高齢者向け宅配弁当には着手するところが多そうです。今後、大変な競争が予想されます。フランチャイズの場合、今までは競争が少なく有利な事業展開が可能でした。ただ、これから加盟する人は注意が必要です。

 独自に、高齢者向け宅配弁当を計画している人も同じですが、出店予定地でのキメの細かいマーケティングは絶対に必要です。介護のディ・サービスなどと同じで、どんどん参入企業は増えそうです。そこに負けないノウハウはあるのか、ヒト、モノ、カネは大丈夫か、慎重に起業は進めることです。

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