間もなく不況になると云われながら株価だけは上昇が続いています。特に米国NY市場の上昇圧力が強く、7月26日までの13営業日連続上昇が続き、36年半ぶりの快挙となりました。その36年半前を振り返りますと1987年1月以来のことです。
この時期、米国は国の挙げての株高で湧いていました。しかしその9カ月後10月19日(月)には、史上最大規模の株価大暴落であるブラックマンデーが起きています。株式相場はバブル経済と背中合わせと云われますが、大きく上げてはその後に暴落が起きがちです。
このとき日本経済はバブル絶頂期の直前のころ。日本にはほとんど米国の大暴落の影響はありませんでした。逆に日本のマスコミは、日本経済の成長がこのまま進むとGDPで米国を抜くことも、そう遠くないとはしゃいでいた時期です。
株式相場がいつまでも上がり続けることはありません。また下がり続けることもありませんから、上がったり下がったりの連続です。ブラックマンデー以前のように、上がり続けるのは危険な兆候ともいえます。現在の米国の株価高騰はこの先の暴落の前触れかもしれません。
不況の前兆とされる長短国債金利の逆転現象、逆イールドは現在も2年物金利が4.87%10年物は3.95%です。短期国債の方が1%弱も高いままの状態が続いています。過去の教訓を考えると、この先不況が起こることはほぼ確実と思った方がよさそうです。
ただ不況と云っても具体的にどのような状態になるか、事前予測することは無理です。現在の日本の人手不足は、政府の人口問題への反応の鈍さが幸いして大量の失業者をだすことはなさそうです。ただ日常生活はますます厳しくなります。
また不況に陥ってからの脱出も、日本の場合は財政的余裕がほとんどないため簡単に不況対策の資金をばら撒くとはいかないはずです。下手をすると、一人ひとりが不況対策を考える必要がでてきそうです。国がいよいよ頼りにならない事態もあり得ます。
【ひとり言】
これまで日本国民は明治維新と敗戦後の2度、政権と仕事とを失い何をするとよいのか将来を見失った時がありました。以前から3度目の難局が近いと云われてきましたが、わたしはそろそろ近づいているような気がします。多分時代が急速に変わろうとする大きな波の到来です。とはいえ人間の営みが全て変わるわけではなく、食べて寝ての営みは続きます。変わるもの、変わらないものを選択する目が必要なときです。
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