台湾の新竹駅は、以前の記事にも紹介した通り、日本統治時代に建てられた台湾最古の駅舎を持っている。
そのプラットフォームも古びているというわけではないのだが、なんともレトロ感が混じったような、旅情を感じさせる雰囲気だった。
だが、新竹駅と同じ建築家・松崎万長(まつがさきつむなが)による台中駅の駅舎も新しくなったと聞く。古い駅舎も保存はされるらしいが。
おそらく新竹駅もそのうち近代化されていくのだろう。しかし、やはり建物や橋などの建造物は、実用されているところで、その圧倒的とも言える雰囲気に包まれる感触を楽しめるのなら、それに越したことはないかと思ったりする。
ちなみに余談だが、写真の通り、台湾では駅のプラットフォームのことは『月台(ユエタイ)』と言う。月見の為の台から名付けられていると聞いたことがあるが、本当かどうかは確かめていない。
中国大陸では、駅のプラットフォームは『站台(ヂァンタイ)』と言う。写真は中国の浙江省杭州の駅のものだ。『站』が駅のことを指すので、こちらは特にヒネリもなく普通の感じだ。
ただし、日本では『駅』とだけ言うと鉄道の駅を思い浮かべるが、中国語で『站』は鉄道だけでなくバスの停留所やバスターミナルにも使う。鉄道の駅を言いたい場合、火車站、つまりきちんと鉄道駅と言わないと、大抵理解してもらえなかった。
【写真】2008年12月(新竹) 2007年8月(杭州)
【文章】2017年2月