最果志向 ~放浪家坂木さんの足跡~

この数十年の放浪履歴を元に思ったこと・感じたことなどを訪問者の目線で綴る『旅エッセイ』ブログ。たまに自作の音楽の紹介。

新竹

【坂木より】
2016年6月2日開設。現状一日1~2記事の更新です。皆様と『最果(さいはて)志向』と『漂泊の思い』を共有できれば幸いです。たまに昔作った音楽も公開しています。

台湾・新竹駅のプラットフォームと中国大陸との表記の違い

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 台湾の新竹駅は、以前の記事にも紹介した通り、日本統治時代に建てられた台湾最古の駅舎を持っている。
 
 そのプラットフォームも古びているというわけではないのだが、なんともレトロ感が混じったような、旅情を感じさせる雰囲気だった。

 だが、新竹駅と同じ建築家・松崎万長(まつがさきつむなが)による台中駅の駅舎も新しくなったと聞く。古い駅舎も保存はされるらしいが。

 おそらく新竹駅もそのうち近代化されていくのだろう。しかし、やはり建物や橋などの建造物は、実用されているところで、その圧倒的とも言える雰囲気に包まれる感触を楽しめるのなら、それに越したことはないかと思ったりする。

 ちなみに余談だが、写真の通り、台湾では駅のプラットフォームのことは『月台(ユエタイ)』と言う。月見の為の台から名付けられていると聞いたことがあるが、本当かどうかは確かめていない。


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 中国大陸では、駅のプラットフォームは『站台(ヂァンタイ)』と言う。写真は中国の浙江省杭州の駅のものだ。『站』が駅のことを指すので、こちらは特にヒネリもなく普通の感じだ。

 ただし、日本では『駅』とだけ言うと鉄道の駅を思い浮かべるが、中国語で『站』は鉄道だけでなくバスの停留所やバスターミナルにも使う。鉄道の駅を言いたい場合、火車站、つまりきちんと鉄道駅と言わないと、大抵理解してもらえなかった。

【写真】2008年12月(新竹) 2007年8月(杭州)
【文章】2017年2月

新竹駅のすぐ前のロータリーに残る古城の門

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 台湾北部の新竹は、近代では台湾のシリコンバレーとして名を馳せているが、今より300年程前には清王朝の重要な拠点となっており、城が築かれた。その昔、新竹がまだ竹塹と呼ばれていた頃の話である。

 新竹の駅のすぐ近くに大きなロータリーがあり、放射状に道路が伸びているのであるが、そのロータリーの中に、昔の新竹城の東門が残っている。

 地名が示す通り、昔は周囲に竹がたくさん生えていたので、お城は竹を資材として作られ、別名竹子城とも呼ばれたのだそうだ。後に東西南北に門が作られ、竹塹も新竹へと改名し、お城も新竹城と改名している。アヘン戦争の頃まで、お城・門ともに増改築され、門は最終的には8門追加されているとの記述も見られた。

 その後、日清戦争の結果により台湾は日本統治下に置かれた。東西南北にあったメインの門については、北門は火事で焼失、西門と南門は都市計画による道路整備で取り壊されたとのことだ。現在残っているのは修復された東門のみである。

 東門は別名迎曦門と呼ばれている。門の真ん中にも『迎曦』と大きく記されている。曦とは太陽の光のことであるが、明るく射し込む希望の光を暗喩することもある。東から登る希望の太陽を迎え入れる門、なんとも粋というか、センスの良いネーミングではないだろうか。

【写真】2008年12月
【文章】2017年1月

日本人の手による台湾最古の駅舎 新竹駅

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 台北から鉄道に乗って西部幹線を南方面へ約1時間で新竹駅に辿り着く。新幹線ではなく在来線のほうだ。新幹線の駅は少し離れた位置にある。

 この新竹駅の駅舎も台中駅と同様、日本の統治時代に建てられたもので、台湾で現存する最古の駅舎である。建築も台中駅と同じ松崎万長(まつがさきつむなが)によるものである。現在では台湾の重要文化財にも指定されているとのことだ。

 台中駅とは違って赤レンガではないが、こちらの新竹駅が日本の東京駅と姉妹駅になっている。こういったものが大切に残せる世の中であって欲しいものだと思う。

 この写真ではわからないが、2008年の訪問当時は六家線の工事をしていた。この六家線はこの在来線の新竹駅から、新幹線の新竹駅と接続する六家駅までを結ぶ支線で、2011年に開通している。


【写真】2008年12月
【文章】2016年7月
  
プロフィール
管理人:坂木
ただ行けるところまで行ってみたい。何もなくても構わない。何もないことを見に行く。そんな性癖を勝手に最果(さいはて)志向と名付けた。
職業は会社員。休みのたびにあてもなくフラリ旅に出てしまう。



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    2016/6/2開設

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