最果志向 ~放浪家坂木さんの足跡~

この数十年の放浪履歴を元に思ったこと・感じたことなどを訪問者の目線で綴る『旅エッセイ』ブログ。たまに自作の音楽の紹介。

Massachusetts マサチューセッツ

【坂木より】
2016年6月2日開設。現状一日1~2記事の更新です。皆様と『最果(さいはて)志向』と『漂泊の思い』を共有できれば幸いです。たまに昔作った音楽も公開しています。

ボストンのオールドサウス集会場

P1070135

 ボストンには仕事で一度行ったきりだ。ほとんど自由な時間もなかったのだが、少しばかり空いた時間に街を散歩した際に撮った写真があった。

 ガイドブックも持ち合わせておらず、ブラリ歩きをしていただけだったので、事前情報もなにもない。しかし、なにか由緒正しき建物らしいと感じて撮ったものだったと思う。やはり歴史的建造物というのは、それだけ存在感があるものなのだろうと納得させられる。

P1070134

 ボストンは早い時期に欧州からの入植が行われた地である。ここでは入植当初の1630年代から集会が行われていて、1670年に最初の礼拝用の建物ができたらしい。現在の尖塔をもつ教会は1729年にできたそうだ。これらはもちろん後に知った情報である。

 ボストン虐殺事件の追悼や、ボストン茶会事件の際にも集会が行われたそうで、創生期のボストンの歴史を間近で見てきた建物である。その後も独立運動など様々な歴史のページの中で抗議集会などが開かれ、アメリカの『表現の自由』の象徴にもなっていて、国の歴史的建造物にも指定されている。

 写真はあまりまともなのが残っていなくて恐縮なので、全容などが気になる方は以下のGoogleストリートビューでご覧頂きたい。



【写真】2009年9月
【文章】2018年4月

ボストンのダウンタウン・チャールズ川・マサチューセッツ工科大学を鳥瞰

P1070143

 ボストンはアメリカの中ではかなり古い街である。その中心部付近のダウンタウンは、古くからの建物も多く残る。写真の手前側一帯だ。もしかしたら歴史的建造物保存地域、とかもあるのかも知れない。比較的新しい建物も散見されたので、正確にはわからないが。

 向こうに見える川はチャールズ川。ボストンはアメリカ東海岸にある港町であるが、古い街を取り囲むようにチャールズ川とミスティック川の二本の川が合流しながら大西洋にそそぐ。

 河口近くでもこの程度の川幅であるので、大河の多いアメリカの中では決して大きな川とは言えないが、ボストンの発展や繁栄の一助となり、見届けてきた川である。その歴史については、ここで話すと長くなるので割愛させて頂く。

 沿岸にはハーバード大、ボストン大、マサチューセッツ工科大などの名門大学が並んでいる。私の記憶違いでなければ、確か川の向こう岸一帯がマサチューセッツ工科大学だったと思う。

【写真】2009年10月
【文章】2017年11月

ボストンの市内で見かけた消防署

P1070131

 ボストンに行ったのは仕事で一度っきりだ。月曜日に来て金曜日に帰ったので、週末はなかった。そのためほとんど街を見て回る時間もなかったのだが、最終日に少々の時間ができたのでホテルの近くを少しだけ散歩してみた。

 写真の前の煉瓦作りの建物は、古い建物が残されているのだなぁ、と街の風景として撮っておいただけだが、近付いてみると消防署だった。右下に木の柵がある穴のような部分があるが、そこに消防車が収められている。

 アメリカの歴史は浅い。先住民たちが住んでいた時代があるので、一言でそういうと語弊があるのかも知れないが、少なくとも現代でいうところのアメリカという国家の歴史は長くはない。とはいえ、ボストンは欧州からの入植が始まった時代より栄えており、アメリカの中では古い歴史を持つ都市の一つである。

 そんなボストンの街中には、随所にこのような古い建物が街並みを彩っている。しかもそれらは観光資源として保存されているだけではなく、この消防署のように現役で使用されているのも多数見かけた。私は別にオールドアメリカンに憧れも郷愁も抱いていないのだが、なぜか懐かしい香りがするように思うのだ。

 記憶を辿ってGoogle Mapで場所を探してみた。正直のところボストンのどこだったかはあまり覚えていなかったが、数十分後のタイムスタンプでトリニティ教会の写真(過去記事掲載)があったので、そこから時間と歩くスピードを鑑みて逆算した円の周辺を探して特定できた。

 数年で随分様相が変わっているように見えるが、消防署は変わっていないのですぐにわかる。

【写真】2009年10月
【文章】2017年9月

ボストンの市内観光バスと『350年の歴史』

P1070129

 ボストンの街を散策していると、ヒルトンホテルの前で市内観光バスが止まっていた。やはり有名な都市では、どこでもこういったバスがあるものなんだなぁと思ったものだ。

P1070130

 横から見ると、屋根はあるものの後部は開放的なオープンデッキ(というの?)になっていて、いかにもな感じだ。少しレトロなデザインが良い雰囲気だ。

 だが、見ていると、側面に書いてある文字が少々気になった(以下拡大)

P1070130 (2)

 ボストンはアメリカでもかなり歴史の古い都市である。ただしこの言い回しは欧州を中心とした考え方で、古来から住んでいたアメリカインディアンの歴史は含まれておらず、あくまで欧州人が入植して以来の有史である。

 それはともかく、アメリカでは歴史の長いボストンでも350年程度である。日本では東京に幕府が置かれてから400年、京都に平安京ができてから1200年、ということを考えると、日本の感覚からしても新しい国である。日本よりも更に歴史のある欧州や中国からすると、非常に若い国なのだ。

 ん?350年?
 ちょっと待てよ・・・と昔に世界史で習った内容を思い出す。

 確か最初の入植者の清教徒たち、ピルグリムファーザーズがメイフラワー号に乗ってアメリカに入植したのが1620年。周辺地域(ニューイングランド、ボストン含む)に入植がすすんだのも、それから十年くらいの間だったはずだ。

 となると、年が合わない。この写真は2009年のものだが、当時で350歳ということはボストンは1659年に誕生したことになる。実際よりも30年ほど差があると思われるのだ。

 後に調べてみたが、やはりボストンを中心都市とするマサチューセッツ湾植民地が設立されたのは1629年だった。1659年前後にボストンの成り立ちに関わる象徴的な何らかの出来事があったのかと思ったが、私が調べた限りではわからなかった。

 まぁ『中国四千年の歴史』『1200年の歴史の古都・京都』みたいな感じで、厳密な年数である必要はないと思うが、350年と380年では誤差範囲というには大雑把すぎるような気がしないでもない。もしかしたら、これも良くも悪くもアメリカらしい、と言えるのかも知れないが。

【写真】2009年10月
【文章】2017年4月

ボストンのチャイナタウン

P1070141

 写真はアメリカ・マサチューセッツ州のボストンのチャイナタウン。中華料理店や雑貨店などが軒を並べている。


P1070141 (2)
上の写真の拡大

 通りの端は廟の門のように見えたが、通りの入口の門だけだった。日本の三大中華街、横浜、神戸、長崎の中華街の入口にも見られるものだ。

 この写真から見える側には、三国志の中で諸葛亮も引用している菅子の言葉『礼義廉恥』が書かれていた。簡単に言うと、礼節を大事にし、正しく正直に、という意味だ。

 写真は撮っていないが、この裏側には『天下為公』が書かれていたと思う。天下は公(つまり民)のためにある、という意味の言葉で、確か礼記が出典だったはず。儒教の根幹とも言える考え方である。


 話は変わるが、世界中どこでも、そこそこ大きな都市に行けば、必ずと言っていいほど中華街(チャイナタウン)はあるし、中華風の廟なんかもいたるところにある。20世紀以降、中国は欧州諸国や日本に食い物にされ、戦後においても経済面などで西側諸国の後塵を拝してきた感もあるが、長い歴史から見れば日本よりもはるかにグローバル化が進んでいると感じる。中華系の様々な足がかりは既に世界中にあるということだ。日本でもグローバル化が叫ばれるようになって久しいが、『和僑』が世界に根を張り巡らせるまでには、色々な面でまだ時間がかかるのだろうと思う。

 まぁそんな小難しい話はともかく、我々日本人にとっても、チャイナタウンはありがたいものだ。長期出張などで現地の食事に疲れた時は、やっぱり米食を中心としたアジア系の料理がなんだかホッとする。

【写真】2009年9月
【文章】2017年1月
  
プロフィール
管理人:坂木
ただ行けるところまで行ってみたい。何もなくても構わない。何もないことを見に行く。そんな性癖を勝手に最果(さいはて)志向と名付けた。
職業は会社員。休みのたびにあてもなくフラリ旅に出てしまう。



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