最近、農業のフランチャイズ本部が加盟者募集の広告を見かけることが多くなりました。大半が地方での事業展開で全国版はほとんどありません。過去にも何度か不況になるたびに農業ブームは起こり、そのたびにフランチャイズ本部が生まれています。 

 

 ただほとんど長続きしている本部がないようで、フランチャイズとして農業は難しいビジネスのようです。本部の広告を見ますと、農地の提供から農機具、農業技術、農産物の販路まで一切を面倒みてくれる、至れり尽くせりのサポートです。 

 

 ただ問題のは、農業は始動から生産物の出荷まで生産サイクルが長いこと。ほぼ半年近い時間がかかりますから、直ぐに資金化するわけにはいきません。しかも大雨や干ばつ、害虫の発生など想像以上にリスクの高いビジネスが農業です。 

 

 そのうえせっかく育った農産物価格は、手間や時間がかかった割には安いことです。もし高額で取引される作物なら収入も増えるはずと考えがちですが、そのような貴重な農作物は技術の高いレベルの人でないと、生産をはじめて1年、2年の人には難しい話。 

 

 最近は農業を始めて日の浅い人の場合は、ほとんどの人がYouTubeを見ることによって経験者の話を参考に農業に取り組んでいます。また農業技術の特性として、近隣に住んでいる農業経験者から話を聞いて農業や人間関係を築いていくことも大事なことです。  

 

 早い話、農業とフランチャイズとは相性が悪いと思った方がよいです。ビジネスなら何でもフランチャイズに向くわけではありません。よく奇をてらうようなビジネスでフランチャイズ本部を立ち上げる人がいますが、5年と続かないところをみると元々無理筋の話のようです。 

 

【ひとり言】 

 元々農業は、人類が一定の場所に定着したときから古いビジネスですから、農業をはじめようとする人には手厚い支援が用意されています。わたしのような東京に住んでいても、市には農業委員会があってフランチャイズ本部よりも経験と協力体制が整っています。生産量が増えますと、農協への加盟を求められるほどです。 

  


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