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中学受験・幸せな合格|幸せな合格研究所

幸せな合格研究所が幸せな合格を実現するためにお役に立つ情報をご提供します。たまには、脱線もありますが…。

単位換算

 単位換算が苦手なお子さんが多いですね。単位換算が絡んだ問題は極特定の一部の中学を除いて確実に出題されます。算数は1問大体5点程度ですから捨てるわけにはいきません。確実に得点したい問題です。6年生の夏休みまでには確実に身に付けるよう指示し、授業の中でも、機会がある毎に子どもたちに単位換算に関する問題を質問して意識付けもしています。それでも、できません。なぜでしょう?一言で言えば、覚える気がないからです。「面倒臭い。覚えられない。」ふざけるんじゃありませんよ!本気で受かりたいのなら、そのくらいのことは覚えなきゃダメです。とは言っても、指導する方にも問題があることは否定できません。

 塾のテキストの問題に出てきたときだけ、一つづつ教える講師が多いのでしょう。それじゃあ、覚えられるわけないじゃありませんか。計算尺のような定規を使う子もいますが、機動力はないですね。
覚えるべきことは限られています。

 出題される単位は5種類。①長さ、②広さ、③嵩(かさ)、④重さ、⑤時間です。 基本は長さです。

 km(キロ=×1000)
 hm(ヘクト=×100)
dam(デカ=×10)
  m
 dm(デシ=×1/10)
 cm(センチ=×1/100)
 mm(ミリ=×1/1000)


キロキロ と ヘクト デカ けて メートル が デシ に追われて センチ ミリミリ

 まず、メートルの前に着く言葉を覚えてしまいましょう。他の単位でも使えますよ。「キロキロと…」はどこかの小学校の先生が考えたらしいんですが、結構使えますよ。子どもたちはすぐ覚えます。

 長さを覚えたら、他の単位もまとめて覚えさせましょう。覚える量をなるべく少なくするのがコツです。

できなくてもいい…?

 某掲示板の某スレッドで、間違えた問題について先生に「解答解説を見れば納得できるけれども、自分で解こうとするとできない」という相談をしたら、先生から「気にしなくても良い」と言われたということで、他の方からも「カリキュラムはスパイラル方式でできているのだからそれでよい」と賛成する意見が書かれ、それで安心したお母さまがいらっしゃいました。

 どのような考え、勉強方法でも、それが正しいと信じてやれば、後悔はしないでしょうから、幸せな合格につながるかもしれません。ただ、この点については私は違った考えをもっているので、ちょっと一言…。

 正答率が1%程度の問題であれば、その問題が(色々な意味で)悪いということが多いので、そんな問題は放置しても良いと思います。しかし、そうでなければ、「できなくても気にしなくて良い」ということにはならないと思います。確かにどの塾もスパイラル方式のカリキュラム設定をしてはいるのですが、同じレベルの問題をスパイラルしているわけではなく、入試が近付くに従ってだんだん問題のレベルが上がっていくのが通常です。そうだとすれば、今、放置した問題は、のちに再び学習したときにできるようになっている可能性は低く、結局、できない問題が増え続けていくことになるのです。人間(ましてや子ども)ですから、全部できるとは限りませんし、できないのがあっても当然です。でも、全力を尽くしたけれども、結果的にできなかった問題がいつくか残ったというならいざ知らず、初めから「できなくても気にしなくて良い」という考え方では上位校は狙えず、それなりの学校に落ち着くことになります。(勿論、全部の子どもが上位校を狙っているわけではないので、これは極論かもしれません。)

 幸せな合格とは無理をして勝ち取った合格ではありません。でも、全力を尽くさないで得る合格でもないと思います。幸せな合格を勝ち取るために全力を尽くすというのがあるべき姿なのではないでしょうか?

 余計なことを言ったかもしれません。失礼いたしました。

続・続・算数の成績を上げるためには

 前に書いたことがちょっと抽象的で自分でも不満だったので、もう少し具体的に書いてみようと思います。

①分かる
 これは塾の授業中、家庭教師の指導中の話です。
 先生が説明をしてくれますよね。5年生、4年生であれば、先生がひとまず説明してから、数値替えの類題を解いてみるように指示する場合が多いと思います。その先生の話が分かるかどうかが重要です。分からないときにはその理由を明らかにすることが大切です。先生の説明がうまくないのかもしれませんが、塾は総合成績でクラス編成をしますので、算数に関してはお子さんのレベルと合っていないということも十分考えられます。
 ところで、私は、子どもたちに「教科書には、問題番号に○、×、△の印しかつけてはいけない」と指示していますが、先生の話を聞いただけの段階では、分かってもできたわけではありません。だから、教科書の問題番号に○をつけてはいけません。
 子どもの中には、先生が黒板に板書したものを写して○をつける子、先生の話を聞かずに勝手に問題を解いて答えがあっていた場合に○をつける子もいます。でもこれは、決して望ましい姿ではありません。本人は分かっている(できる)つもりでも、実際にできるかどうかは分かりませんし、先生の話を聞くことによって新しい発見があるかもしれません。とにかく聞くべき時にはきちんと話を聞きましょう。先生が説明してくれた問題には印はつけず、帰ってからもう一度自分で解いてみて、できたら○をつければ良いのです。
 学年によって違いますが、6年生などでは、一通り学習が終わっているはずですから、とりあえず解いてみるように指示し、それに解説を加えるっていう先生が多いでしょう。その場合は、先生が説明を始める前に正解が出せたのなら、教科書に○をつけても良いでしょう。でも、先生の説明は聞いてください。あなたの解法がベストであるとは限りません。分かっていると思った問題からも新しい発見があるかもしれないのです。
 先生が説明を始めるまでには答えが出なかったんだけど、先生が解説を終わるまでに正解が出た場合に○をつける子もいますが、それもアウトです。説明を聞く時間を失っているでしょう?そんなことでは将来成績を伸ばすことは困難であると言わざるを得ません。

②できる
 先生の説明を聞いて、数値替えの類題を練習するでしょう。それができたら、○をつけましょう。ただし、説明を聞いた直後ですから、できて当然ですから、あとでまたもう一度チャレンジする必要はありますよね。○○になるまで練習する必要があるということです。そういう意味ではこういった数字替えの問題ができたときは、△をつける方が良いのかもしれません。
 また、他の問題についても、○になったから良いというのではなく、○○になるまで練習した方が良いと思います。
 授業ではその後で、例題を一捻りした練習問題や応用問題を練習することになると思います。先生が指定した時間内に正解に辿り着けた場合のみ番号に○をつけましょう。中には「もうちょっと待って!」って粘ったり、先生の解説が終わる前に正解に辿り着いたり、ひょっとすると、間違っていたのに、先生の説明を聞く途中でそれに気づいて、慌てて自分の答えを直して、先生が答えを出す前に正解を出したら「合ってた!」とか言って○をつける子もいますが、これはもう単なる自己満足でしかありません。ひょっとすると、間違えた答えを鉛筆で書きなおして○をつける子も結構多いのです(お母さま方くれぐれもだまされませぬように…)。一旦○が付いたって、またあとで同じ問題をやることになるんですから、○、×、△(△はやり方は正しかったのだけど計算ミスで答えが違った場合などですね)は正直につけましょう。できなかったものをできなかったと認めなければ、それを正そうとする努力はしないのが多くの場合ですから、成績の伸びは期待できませんよ。
 ただ、「できる」レベルにまで達しなければテストで点数にはなりません。ですから、「できる」レベルまでは進んでください。
 えっ?「どの問題について「できる」レベルにまでもっていく必要があるのか?」ですって?それは志望校、及びお子さんの現在の成長度により異なります。一般的に言えることは、塾のベースになる教科書(sapixであればサポート、日能研であれば本科教室(除、オプション)、四谷大塚であれば予習シリーズでしょうか)についてはそのレベルにまでしておく必要があるのではありませんか?いくら成績が芳しくないお子さんでも、最低限、塾の授業で扱った問題くらいは「できる」レベルにしておきたいですね。

③慣れる
 「できる」レベルに達したからといって点数が取れるようになるわけではありません。何事も一度できたからといって、あとは練習の必要がないということはないでしょう?勉強も同じです。一度できたら、繰り返し練習して慣れることにより、使えるレベルにまでもっていく必要があるのです。
 「慣れる」とは同じ問題を何度も繰り返し、短時間で解ける状態にすることです。手を広げる必要はありません。というより、一つのことが完璧にできるまで、原則として新しいことに手を出してはいけません。同じ問題をいやってほど繰り返し練習してください。そこまで体に染みつかせないと、テストで確実に得点することはできないのです。「もう、いい加減飽きた」っていうレベルになったら、別の教材に手を出しましょう。
 しかし、どこの塾でも、テキスト、家庭学習用補助教材、テストなど多くの教材があり、これらを完璧にするには相当な努力が必要になります。ましてや、9月になれば、過去問の演習も始まります。手を広げすぎないようにしないと消化不良を起こします。
 ただし、トップ校を狙うお子さんであればこれくらいは当たり前にできるはずですから、東京出版の「中学への算数」「わくわく100題」はやった方がいいですよ。

続・算数の成績を上げるには

 前に、算数の成績を上げるには、覚えるのではなく、きちんと理解すること、そのために、きちんと考える練習をすることを提案しました。一つ一つの文を読んで、その文から読み取れる情報を整理することにより、答えに近づける、と。しかし、それでも解けるとは限りません。そこで、それを自分でできるようになるまで、誰かに補助してもらう必要がある。こんな内容でした。

 ところで、成績を上げるには、3つのステップが必要になります
① 分かる
② できる
③ 慣れる

です。

 前回示したのは、そのうちの、①と②です。答えに辿り着けても、誰かに助けてもらったり、解説を読んで分かるという段階は①です。自分の力だけで答えに辿り着けたら②のレベルに進めたことになります。しかし、それだけでは成績はそれほど上がりません。小さな努力をコツコツ続ければ、成績は少しずつなら上がります。でも、6年生(特に2学期以降)になると、ほとんど成績は上がりません。その時期になれば、流石に他の子もがんばり始めるからです。志望校に十分に成績が足りているのならそれでも良いのかもしれません。しかし、志望校のレベルまで離れているのであれば、それでは合格は困難です。成績を一気に引き上げるためには、③が必要になります。

 ③「慣れる」とは短時間で答えにまで辿り着くことができる状態です。算数に限りませんが、入試に出題される問題にはそれほど多くのパターンはありません。多くの問題にあたり、一つでも多くのパターンを身につけ、少しでも速く答えに辿り着ける練習をしましょう。

 教科書、問題集には、○、×、△などの印をつけるだけにして、繰り返しできるようにしましょう。全部の問題を○にすることは最低限しなければならないことです。それができればよいのではありません。それができなければ話にならないのです。○になっても、折に触れて同じ問題を練習しましょう。そして、その問題を見るや否や解法が頭に思い浮かび、「もういいよ!」って飽きるレベルになるまで問題演習を繰り返すのです。そのためには、手を広げすぎないことも大切です。

 お宅のお子さんは「慣れる」レベルになるまで演習を繰り返していますか?

今日も面談

 今日も面談がありました。相談内容をまとめると、
「5年生のときはテストまでに2回ずつ回していた勉強が、6年生になってからは1回か1.5回しか回せない。その結果、5年生のときには何とか他の子についてこられた算数の成績が、6年生になってから急激に落ち込んでいる。原因は何で、何をやったらこの状況を打開できるのか?」
といったことでした。

 本来なら、前回書いた内容を話せば良いのでしょうが、なかなかそうもいきません。やる回数が減ったのは、授業の曜日が変わって、テストまでの期間が短くなったこと、やるべき教材が増えたことが原因であることは明らかです。でも、他の子がとっている講座をとっていない(突然の面談でしたから、その情報は入っていませんでした)彼には、他の子よりも使える時間は多いはずです。結局、本気で受験する覚悟がないため、モチベーションが(高く)ない。逃げたい。集中して学習ができない。仕方がないので、使うべき教材を限定して、一つを完璧にすること、次の教材はそれができてからにすること、を指示しました。これくらいならできるだろうと最大限に譲歩した内容でした。もし、それすらできないのなら、クラスを代わってもらうほかはありません(そこまでは言えませんでしたが…)。

 講師が指名されて面談するときでも、講師も塾の職員として話すしかありません。家庭教師として話すのとは、やっぱり内容が変わってきます。家庭教師として話すときは、全部自分に責任が帰ってきてしまいますから、サックバランに話すことが多くなります。

 塾に相談にみえる方は、10必要だからといって10やってくださいと言うと引いてしまうケースが多いですね。10やらなければならないことは分かっているのに、5や8でいいですよって言ってもらいたくて塾に相談に来ているからです。

 相談に来る前に、やるべきことをやっているのか?少なくとも他の子と同じくらいの学習量はこなしているのか?やることは決まっているのだから、やり方を変えて色々試してみたか?などを確認してください。それが一番分かっているのは保護者の方です。勿論、相談する前にきちんと人間関係を築いておく必要があることは言うまでもありません。原則として講師が保護者の方と直接面談しない塾では、講師は保護者の方と会っても、どの子の保護者の方か分からないことの方が多いのです。担当講師に会ったら、一応挨拶くらいはしましょうね。大人ですから…。

算数の成績を上げるには…

 塾関係のある保護者の方と面談しました。

 保護者の方と面談をすると、多くの方は「何をやらせればよいのですか?」という質問をされるのですが、今回の面談では「どのようにやらせたらよいのですか?」と質問されました。

 「何をやらせたら良いのですか?」と質問される保護者の方は「とりあえずできるようにしたい。点をとらせたい。」という方が多く、結局、記憶重視の学習を目指される場合は多いといえます。しかし、そんな学習をしていては、パターン問題は解けても、応用問題はほとんど対応できない子を作ってしまうことにもなりかねません。

 やるべきことは決まっています。塾のテキストをやるべきです。それが全部できてしまったら、「じゃあ、次に何をしたら良いのですが?」という質問になるのですが、「何をやらせたら良いのですか?」と質問されるご家庭のお子さんはテキストの内容すら満足に身についていない場合が多いのです。

 「何を優先してやらせたら良いのですか?」という質問される方も同じです。全部やらないで点数をとらせたいというスケベ根性が丸見えです。やらないで点数が取れたら世話はありません。点数をとるためには、やるべきことをしっかりやるしかないんです。「うちの子は体力がないので…」と言われる方もいらっしゃいますが、それならば、如何にして効率的にやるか、それとも目標を下げるしかないのです。やるべきことは分かっているのですから、重要なのは「どのようにやるか?」なのです

 算数ができないお子さんは、結局、勉強が足りないんです。「否、うちの子はやっています。」という声が聞こえてきそうですが、やっているかどうかではないんです。できるようになっているかどうかが重要なのです。算数ができないお子さんは、「どうしたらできるようになるか?」ではなく、「どうしたら点数がとれるようになるのか?」にばかり関心が向かいがちで、「どれだけできるようになったか?」ではなく、「どれだけやったか?」ばかりを気にしています。できるようになることが重要です。そして、できるようになるためには、きちんと理解できているかどうかが重要です。焦る必要はありません。焦ったって、不確かな知識が増えるだけで、使えない知識、解法だけがたまっていくばかりです。でも、それは使えない知識なんです。使えない知識はためたってほとんど無意味なんです。

 重要なのは、「どうしてそう解くか」なんです。算数は難しいという印象があるようですが、算数はほんの一部の問題を除いて、日本語が正確に読めて、四則計算ができれば解けるんです。算数ができない子のほとんどは、問題の意味を正確に把握しようとしない子なんです。問題を読む途中で、何を問われているかとは無関係に、一文毎にその文から分かることを確認してみましょう。分かったことは図や表にまとめてみましょう。どんな図、表を描くかも大切です。問題文を最後まで読むころには何を問われているのか、どうやったら答えに辿り着くことができるのかの分かることも多いと思います。最初のうちは一人ではできないかもしれません。そんなときは、親(家庭教師)が少し助けてあげましょう。大切なのは助けてあげること!教えちゃダメです!いくら教えても、その子の学ぶ力、考える力はできません。集団対面授業ではこれができません。必要な補助の内容が一人一人違うからです。

 もし、この子が新6年生だったとしても、慌てずゆっくりやっていきましょう。夏休みになるまでに「勉強の仕方が何となくわかったかな?」という程度でも良いのです。そうなれば、夏期講習で集中的に大量に学習を進めることにより、正しい勉強のスタイルができ、9月からの過去問演習にスムーズに入っていけるはずです。

 正当な努力を続ければ、1年で成績は飛躍的に伸びます。SAPIXであれば、現在45程度の偏差値があれば御三家の合格をあきらめることはありません。日能研であれば、50台前半でしょうか。そのくらいあればまだ御三家は狙えます。また、その子の持っている偏差値にもよりますが、一般的に言えば、1年間あれば偏差値は20~25は伸ばすことができるでしょう。勿論、最初からその子の偏差値より25も高い学校を目標にしたのでは子どもにプレッシャーをかけることが多いので、当面は5~10程度上の学校を目標にして、顔晴らせるのが良いでしょう。高い崖は登れなくても、小さな階段ならば楽に登れて、気付くと高い崖も登り切ってしまっているということはよくあることです。

 夢が夢であるうちは現実にはなりませんが、夢を目標にすれば、それは現実にすることができるのです。

平面図形の移動

 平面図形にどうといっても何種類かあり、大雑把に言って、①回転移動、②転がり移動、③平行移動、④点の移動と図形、⑤糸を巻きつける、などが考えられます。

 今回は、その中の①②⑤について。

 ①と②は通常、ともに回転移動と呼ばれますが、動きを区別するために、ある塾のテキストにならって言葉を区別してみました。
 私がこの分野について指導するときに強調するのは、
 回転と言われたら、扇形!
 移動といわれたら、かどに注目!
 図形はできるだけ正確に!(問題演習時には定規、コンパスを使おう!)
ということです。

 半円、三角形などをある頂点を中心に1回転するとき、その図形、及びその一部が通過する図形は、円、ドーナツ型となります。そして求める面積は、その一部となります。よって図形の回転については、扇形、あるいはドーナツ型の一部となるのです。実際に描いてみましょう。イメージがわくてくるはずです。最初はコンパスを使って正確に描くことが大切です。回転の中心となる点から一番遠い点と一番近い点を考えながら解くといいですね。
コンパスは高価なものは必要ありません。町の文房具屋さんで350円くらいで売っている鉛筆を挟んで使うものがお勧めです。4Bなどの柔らかい鉛筆を挟んで使いましょう。

 転がり移動は、特定の図形の周りを円や三角形が転がって進んでいく問題です。今回は円が転がる問題について考えます。

 円が直線の上を転がっていくときは、円の中心は平行に移動します。問題はかどです。角ではどんな動きをするのかを考えながら最初は定規コンパスを使って作図してみましょう。答えがあっているかどうかもさることながら、正しくイメージできたかどうかも大切です。円が通過した部分の面積は「円の中心の移動距離×幅」で求められる問題もあります。その公式が使える問題かどうかを区別できるようにしてください。

 図形に糸を巻きつける、ほどく問題は可能な限り相似形を利用しましょう。弧の長さも面積も相似形を利用し、分配法則が使えるといいですね。

 また、3.14の計算は、余程のことがない限り分配法則を利用し、最後に計算しましょう。当然、3.14の逆算は3.14を最初に計算します。3.14で割れば、きれいな数字になることが多いのです。

塾にどこまで期待できますか?

 私が塾の講師を始めたころは、四谷大塚が中心の時期で、「予習シリーズ」という教材の名前からもわかるように、予習中心の授業がスタンダードでした。しかし、その後、TAP、日能研、そしてTAPから独立したSAPIXが伸びてくるに従って、復習中心の授業がスタンダードになってきました。子どもたちは、原則として、予備知識なしに授業に臨み、授業では、子どもたちに新しい知識を与え、演習をさせるという授業が行われています。

 しかし、算数に関しては、4年生の場合は週に1~2時間、5年生でも2~3時間程度の授業で、子どもたちはどれだけのことを身につけて帰ることができるのでしょうか?まして、思考力を鍛えるということまでやろうとすれば、塾の授業でできる内容はごく限られたものになると言わざるをえません。

 勿論、勉強は基本的に一人でやるもので、塾で、基本的な思考方法を習って、家に帰って、その思考方法を利用して問題演習をするという学習パターンは、ある意味正しいものがあると思います。しかし、小学生にそれを要求できるのでしょうか?6年生ですら、5年生の学習内容が十分身についていない子が多いだけでなく、6年生になると問題のレベルが急激に難しくなりますから、授業内では理解できるのですが、家に帰って解こうとすると、授業で扱った問題ですらほとんど解けないという状態になっているのが現状です。

 20~30年程前は、子どもたちは、母親が(またはその一部を家庭教師が補助する形で)つきっきりで勉強していました。今も、そういう家庭は存在しますが、多数の家庭は、母親も働いていて子どもの勉強を見てあげられないだとか、働いていなくても子どもの勉強にかかわらないという状態のようです。それで、子どもたちの学力が付くと思いますか?塾は授業を売っていますが、学力を高めるために必要にして十分な学力別の教材(本、プリント、ドリル)を提供するか、紹介すべきなのではないでしょうか?

 ある塾は、大量の教材を渡し、買わせ、授業ではほんの一部を説明し、チェックとして小テストをやり、あとは家庭に任せっぱなしです。がんばって成果を出した子は、成績を上げていくのでしょうが、結果が出ない子(ほとんどがこちらです)は、あきらめムードから教材を集めるだけで、その内容はほとんど身につかないという状態になっています。

 また、ある塾は、限られた教材だけを渡し、子どもには思考することを要求、もっと練習したいという子どもにも塾の教材だけで十分で、その使い方を考えるように指示するのみ、補充プリントすら渡しません。

 多くの塾は、授業に関しては講師の先生にお任せのくせに、教材に関しては、オフィシャルの教材以外は勝手に渡せないというシステムになっています。塾の先生もその点ではかなりストレスをためているのではないでしょうか?少なくとも私はテキストの説明だけで子どもの学力を挙げることは困難であると考えています。

 さて、このような状況の中で子どもたちの学力を高めるためにはどうしたらいいのでしょう?

 結論から言えば、家庭学習を充実させる以外にはありません。塾の自習室に来て勉強するように指示する塾も多いようです。しかし、そこは単なる空き教室で、見張りや質問対応する先生がいるわけでもありません。おしゃべりをしている子もいます。事務所、受付には教室運営スタッフや授業のない講師がいますが、子どもが自ら質問にいかない限りほったらかしですし、質問に行っても質問に答えることができる人がいないことの方が多いのが現状です。

 できれば、親が横について一緒に勉強するのが良いと思います。自立した学習者を目指し、子どもに一人で勉強させるように指示する人もいますが、小学生で自立した学習者になれる子はごく限られた子で、自立できないのが通常です。学力の高い子なら、母親が夕飯を作っている横で勉強させておけば勝手に勉強してくれるでしょうし、子どもに分からないところがでてきたら、そのときに一緒に考えるということでも良いのでしょう。しかし、子どもと一緒に勉強を続けてきた親でなければ子どもの質問には答えられないというのが通常ですし、親子だと甘えが生じて、つい喧嘩のようになってしまうことが多いようです

 こんな状態になったら、家庭教師をご検討ください。子どもが勉強の仕方が分かり、一人で勉強できるようになるまでで良いのです。

 私が今まで話をいただいたり、実際に指導をさせていただいた子どもたちをみると、SAPIXではαクラスの一部最上位のお子さん以外とアルファベットクラスの上位のご家庭あるいは最下位クラスからの依頼が多いようです。日能研とWアカデミーでは上位と下位のクラスのお子さんのご家庭からの依頼が多いようです。その塾も中間層のご家庭からの依頼は多くはないようですね。そして、早い時期に依頼してくださるご家庭のお子さんは概ね成績上位者が多いですね。現状を正しく認識できているからでしょうか?そして、それだからこそ満足いく結果を得ることができるのかもしれません。

 あなたは、お子さんの学力を正確に把握していますか?お子さんが今塾でどんな勉強をしているのか、塾の教材はどんなものがあるのか、それは十分なものか、そしてお子さんがそれをどれだけ身につけているのか分かっていますか?秋に受験校を決定する時期になると急に焦り始めるご家庭が多いようです。塾にまかせっきりで後悔することがないことをお祈りしております。

新4年生の割り算(筆算)

 この時期、どこの塾でも新4年生は割り算を学習します。

 割り算の筆算の手順を覚えれば、1桁の数でわる割り算は比較的簡単にできるようになります。(1桁の数でわる割り算がなかなかできるようにならないお子さんは、まず手順をしっかり身につける努力をしましょう。)

 しかし、2桁以上の数でわる割り算になると突然できなくなるお子さんも多くいます。当然桁数が増えれば増えるほどできなくなる率は高まります。

 もっとも2桁であれば全然できないのかというと、そうでもないのです。例えば、21や29で割るのは比較的楽にできるのですが、24、25、26で割るのはできないのです。そう、数を丸められないのです。というより20にしたらよいのか、30にしたらよいのか判断できないと言った方がいいかもしれません。でも、本当は判断なんかしなくていいんです。「これくらいかな?」と思ったら、どんどん試せばいいんです。でも、4年生はなぜか試せないんです。一発で正解できないといやなのでしょうか?もしそうなら、その気持ちを変えない限り、算数はできるようになりません。どんどん試しましょう。失敗したっていいんです間違いは直せます。間違えないと直せません。当たり前のことが分かっていない子が多すぎます。算数は基本的に消しゴムは使わず、間違えたときは鉛筆で×(バツ)をつけて、書き直せばいいんです。(ただし、ノートを無駄に使ってもよいということではありませんから、そこのところははっきりさせておきましょう。)

 塾では、ノートの提出を義務付けているところもありますので、子どもたちは教材ごとにノートを使い分けているようです。でも、もし、ノートを使い分けず、1冊のノートに全部書くのだとしたら、1~2週分の学習でノートが1冊終わるのが普通だと思いますし、それくらいは勉強させてください。そのくらいの学習を続けないと、一部の天才的な子どもでなければ、上位の成績をとることはできないはずです。

 ただ、塾の教材は計算問題が多くはないですよね。間違えた問題はできるようになるまで何回も繰り返しましょうとは言いますが、それでも問題が足りないことがあります。塾の教材が全部できてしまった子がもっとやりたいと思ったときは、なおさら問題が足りません。「やりたい」という気持ちはどんどん伸ばしたいですからね。そんなときは、市販のドリル(学研や公文など)を利用しましょう。そんなに高いものでもないので、気楽に子どもに与えることができるはずです。もう少し勉強が進んだら、他塾の教材で外部に販売されているもの(例えば四谷大塚の教材)を購入して利用したり、他塾が外部向けに公開している教材(日能研やサピックスが出版しています)を利用しましょう。塾に言われたことすらやらないのは論外ですが、塾に言われたことをやっているだけだったり、待っているだけでは何も変わりません。進化できません。

 結局、どれだけ顔晴れるかが勝負です。

 こう書くと、子どもにとっては幸せとはいえないのではないかと思われそうですが、顔晴ることと幸せになることは両立します。いや、顔晴って勝ち取った幸せだけが本当の幸せであり、決して裏切らない幸せなんです

ことばの重要性

 前の記事を書いていて、言葉の重要性を強調しておく必要があると感じたので、一言。

 A+B AとBをたす、AにBをたす
 A-B AからBをひく
 A×B AとBをかける、AにBをかける
 A÷B AをBでわる

 これが正しい読み方のはずです。
 
 かなりの数の小学生は、これが正確に使えません。「AからBをわる」なんてことばは当たり前です。困るのはそのように言っている子どもが、それを変だとは感じていないということです。私からすれば、言っていて気持ち悪くないんだろうかって思ってしまうんですが…。

 また、すべてのことばの語尾に「~し」をつけたり、「ら」抜きことばを使うのは当たり前です。

 つまらないことかもしれませんが、このような細かいことに注意をはらえない子は、問題文を読むときも不正確ですし、文章を書くときも意味不明の文を書くことが多いようです。もしかしたら、字が乱暴なこととも関係あるかもしれません。いずれその相関関係についても調べてみたいと思います。

 お宅のお子さんはいかがですか?

数の性質(2)

数の性質に関する問題の最大のポイントは、問題が何を要求しているのかを正確に把握できるかどうかです。

 以下、具体的にポイントとなる問題を挙げながら説明します。

①50を割ると2余る数
 50を割ると2余るってことは、50-2=48なら割り切れるってことだって分かりますか?しかもその数は、余りである2より大きくないとダメなんですよね。

②26を割っても38を割っても2余る数
 26-2=24、38-2=36なら割り切れるってことですね。もちろん割る数は余りである2より大きい数ですよ。

③40を割ると4余り、57を割ると3余る数
 40-4=36、57-3=54なら割り切れる、つまり36と54の公約数で余りである4より大きい数です。

 子どもたちの多くは、公約数と最大公約数の区別がつきません。公約数がらみの問題については、何でもかんでも最大公約数って言います。そういう子は何となく雰囲気で問題を解こうとしているだけで、何を求めたらよいのか、先生が何を聞いているのかを全く考えていません。質問に対して正確に答えられるかどうかが大切です。

④6で割ると2余る数
 6で割れる数よりも2だけ大きいってことですから、6の倍数+2ですね。ただ、6の倍数+2を8の倍数と勘違いする子が多いので要注意!

⑤3で割っても4で割っても2余る数
 3の倍数+2で、4の倍数+2ですから、3と4の公倍数+2すなわち3と4の公倍数である12の倍数+2です。こういったことが子どもの口からすらすら説明できるといいですね。

⑥4で割ると3余り、5で割ると4余る数
 4の倍数+3で、5の倍数+4で余りが異なります。余りが異なるときは、不足を考えます。
 4の倍数+3はあと1あれば4の倍数になるのですから、次の4の倍数-1といえます。また、5の倍数+4はあと1あれば5の倍数になるのですから、次の5の倍数-1といえます。つまり、4で割ると3余り、5で割ると4余る数とは、4の倍数に1不足し、5の倍数に1不足する数、即ち、4と5の公倍数ー1=20の倍数ー1となります。

⑦5で割ると3余り8で割ると1余る数
 5の倍数+3で、8の倍数+1と余りが異なる。そこで不足を調べると、5の倍数-2で、8の倍数-7と、不足も異なる。この問題は、通常、数直線上で、5の倍数+3に2を加え、その後、順に5を加え続け(5の倍数にチェックを入れる)、その一方で、8の倍数+1に7を加え、その後、順に8を加え続ける(8の倍数にチェックを入れる)。いずれ2つが一致するところ(5と8の公倍数)が見つかるから、その数を基準にして、その数から加えた数を引いたものが求める数となる、という考え方で説明されます。しかし、実際には、2種類の数について小さい方から書き出しながら、一致するところを見つけ、あとは5と8の最小公倍数である40を加え続けることにより見つけるという方法の方が実戦的です。この例であれば、5の倍数+3は一の位が必ず3か8ですから、8の倍数+1を書き出していき、一の位が3か8のものを見つければよいでしょう。

 子どもたちは「○を割れる数」と「○で割れる数」の区別がつかないことが多いようです。もしかしたら、「を」と「で」が違っていることにすら気づいていないかもしれません。普段の話言葉から、正しい言葉を話すことができるように注意してあげるといいのかもしれません。特に助詞の使い方です。
 

⑧あとは、これが文章題になったパターン
 例えば、ミカンが50個、リンゴが21個あり、何人かの子供に平等に分けたらミカンは2個余り、リンゴは3個不足したとすると、子どもは何人いるか?
 ミカンは50-2=48個を分けたから子どもの人数は48の約数、リンゴは21+3=24あればいいのになあということで子どもの人数は24の約数、結局、子どもの人数は48と24の公約数のうち3より多いものということになります。必ずしも最大公約数になるわけではないことに注意してください。

⑨N進法(N進数)
 N進法(N進数)は規則性の問題として考えるのが子どもには分かりやすい。このマスはいくつを表しているかっていう感じですね。
 都内であれば、偏差値60以上の男子校、共学校、女子については桜蔭、豊島岡といった学校を予定している子についてだけ、10進法→N進法、N進法→10進法のやり方を身につけておけばよいでしょう。

 数の性質についてはこんなところでしょうか。書き忘れたものがありましたら、別の機会に書くことにしますね。

 疑問などありましたら、お気軽にお尋ねください。

過去の指導例(8)

 H君はSAPIX生で、α2~α3のレベルでした。11月の終わりに依頼があり、12月から2か月間の指導になりました。それまでは、国語の家庭教師をつけていましたが、算数に不安を感じたので、最後は算数の指導を受けたいとのことでした。

 志望校の開成の過去問を解いてもらうと、12月なのに正答率は50%というところだったでしょうか。しかも、その中にはSSでやったことがある問題も含まれていてです。まずいなと感じながらも、過去問を使って、開成の問題の聞き方、目の付けどころなどを焦らず指導しました。1月のお試しも全く練習しないわけにはいかないので、開成については、使った過去問は10本ちょっとだったかと思います。

 H君は直前は小学校も休んで、開成の過去問をやり続けました。その結果正答率は徐々に上がり始め、私の中では合格は五分五分という印象で本番突入となりました。結果は開成以外は全部合格。しかし、一生懸命やった子を神様は見放しませんでした。その後、開成も繰り上がり、H君は、結局、全勝で入試を終えました。

 私は子どもたちに、「トップで合格するつもりで受験しなさい。それでやっとぎりぎり合格です。『ぎりぎりでいいや』って言っていると到底受かりませんよ」といつも言っているのですが、H君も危ないところでした。もう少し早くから指導できていれば、繰り上がりではなく、余裕で正規合格できたと思います。終わりよければすべてよしですが、できれば余裕をもって合格したいですね。

過去の指導例(7)

 今まで書いてきた指導例は、ほとんどが成功した事例ばかりですが、それは選んで書いているわけではなく、ほとんどのお子さんが第1志望に合格してきたからなのです。でも、失敗した事例もないわけではなく、このあたりでそれも書く必要があると思いましたので、今日は、失敗した事例の話をしたいと思います。

 G君はSAPIX生で、4月ごろから指導が始まりました。G君はアルファベットクラスの生徒さんで、志望校は麻布でした。

 一緒に勉強をしていく中で、私が説明を加え、次の問題に移ろうとすると、「ちょっと待ってください」と言って、何かぶつぶつ言っていました。今、学習した問題がちゃんと理解できているかどうかを確認しているのかと思い、感心して見ていましたが、振り返ってみると、それは理解度を確認しているのではなく、記憶しているかどうかを確認していたのです。記憶に頼る勉強はなかなか成績が上がっていきませんが、彼の勉強方法はそれだったのです(勿論理解が大切であることは伝えてありました)。その理由はあとでわかるのですが…。

 あとは、宿題の出来が妙に良いことが気がかりでした。「まさか答え見ながらやっていないよね?」なんて冗談めかして聞いたりしましたが、「そんなことはありません」と応えるので、それ以上突っ込むことができませんでした。

 あるときは、間違っている答えに○がしてあり、そのことを指摘し、模範解答を確認すると、模範解答が間違っていました。G君の答えは模範解答そのままで、それに○がしてありましたので、「これは間違いない」と思い、問い質しましたが、それでも「インチキはしていません。たまたま僕の答えと模範解答のやり方が同じだっただけです」という答えでした。10月ごろのことだったかと記憶しています。このあたりの経緯は、家庭教師センターにも伝えてありました。

 その後も、できているはずの問題が全く説明できない状態が続いたので、「本当にインチキしていない?」って確認しましたら、ついに「ずっとインチキしていました」と正直に話してくれました。12月だったと思います。もう時間もないということで本人も追い詰められていたのでしょう。その理由を確認すると「お母さんが怖かったから…」でした。G君は、ただお母さんが怖いから答えを覚えようとし、良い成績をとろうとしていたのでした。

 初めてG君宅を訪問し、ご両親とお話ししたとき、お父様が話そうとすると、お母さまは「あなたは黙ってらっしゃい!」と私の前で言ってしまうような激しい人でした。このことはセンターの担当者から聞いてはいましたが、それがこのような影響を及ぼすとは予想外でした。

 G君に「このことはお母さんには言わない方がいい?」と聞くと、「絶対にやめてください」と下を向いて言うので、私も「じゃあ、これからは絶対インチキはしないで一生懸命勉強しようね」と話をし、その旨約束させました。しかし、残りは1か月、偏差値ははるかに離れていました。

 G君は第3志望の学校に合格、そこに進学しました(それでも良く合格できたと思います)。

 この事例から学ぶべきことは、
子どもには極力ストレスをかけないで勉強させたいということ
②そのためには成績についてのプレッシャーをかけないようにすること(G君のお父様はそれができているようでした)、
そして、その前提として、
両親の夫婦仲を良くすること(子どもは敏感に感じ取ります)、
家庭内で笑顔を絶やさないこと
などが必要になるということでしょうか。

 お宅は大丈夫ですか?親が子どもを指導しようすると、お互いの甘えから、つい大きな声を出してしまうということがあります。絶対に避けたいことです。

過去の指導例(6)

 F君は日能研生で、ご家族から依頼があったのは、7月の終わりで、夏休みから指導を開始しました。志望校は麻布です。

 夏休み中の指導は、夏期講習の補充でしたが、授業で扱っていない問題はほとんど手つかずでした。やっていない問題と、やった問題の中で重要だと思われる問題を選んで、演習をしていきましたが、ほとんど完答できない状態でしたので、大部分の時間を説明に費やしたことを覚えています。

 9月以降は入試問題の演習。1年分を宿題とし、その解説と、塾の授業の補充をしていきました。麻布の入試問題の正答率は大体5割程度でした。麻布を志望する生徒さんは頭の良い子が多いのですが、そこそこ頭の良い子は一般的に、ある程度難度の高い問題も解けるのですが、それは感覚的にできるようで、説明を求めると、論理的な説明ができないということが多いようです。F君も同様でした。でも、説明をしてあげると、それを自分の中できちんと消化して応用ができるようになるようでした。

 振り返って考えると、F君が夏期講習で授業で扱った問題すら完答できなかったのは、授業の流れの中で分かったつもりになってはいても、実はきちんと理解できていなかったのではないか。重要なのは、集団対面授業の中では、本当にその問題が理解できて身についているかどうかは本人ですらはっきりしないことがあるということです。本人はきちんと理解できていなくても、分かったつもりでいるので、質問もしないわけです。しっかり家庭学習ができなければ学力が身につかないのも当たり前なのです。

 F君の指導は、日曜日でしたが、公開模試の日はF君自身が疲れているという理由で、指導はお休みということで、大体月3回のペースで進みました。月3回ですから、指導できた麻布の入試問題も他のお子さんより少なく10年分ちょっと(1月のお試しもありましたので)でした。多少不安の残るケースでしたが、結果は全勝でした。

 理解する力、理解したことを直ぐに実戦に応用できる力の卓越したお子さんであれば、通常よりも少ない回数でちゃんと結果が出せるという例でした。

過去の指導例(5)

 E君も麻布志望でした。保護者の方から依頼があったのは、2月だったと記憶しています。

 SAPIXのα1~α3を上下する生徒さんでした。基礎知識の不足は否めませんでしたが、「分かる=できる」となっており、解き方は覚えているけれど、その意味は分からないという状態はなく、指導する側からすれば、やればやるほど力をつけていく子だったので、指導も楽しく、ある意味楽な子でした。

 私の指導の定石通り、8月までは塾の勉強の補充、9月以降は入試問題演習の指導を行いました。

 塾の補充はSAPIXの教材だけでは高難度の問題の不足を感じたので、該当分野から高難度の入試問題を補充しました。Eくんは「先生の持ってくる問題は塾の問題よりはるかに難しいよ」って言っていましたが、それでも楽しそうに解いていました。問題を解くこと自体を楽しいと感じてくれる子だったのがとてもありがたかったです。

 9月からは入試問題。この時点で、麻布のほかに4校ほど受験予定だと聞いていたので、併願校を含めて学習計画を立てました。千葉のお試しはまだはっきりしなかったし、他の学校が重かったので、麻布+2校に重点を置くことにしました。特に、第1志望である麻布だけは絶対落とさないというシフトを敷きました。結局、麻布を含む3校については、それぞれ20年分ずつ問題を解いてもらいました。麻布については2回まわしているので、その3校だけで、のべ80本程度の問題を解いたことになります。どの学校も9割を超える正答率となり(麻布はほぼ10割)算数で失敗することはないというレベルにまで達していました。

 しかし、入試は算数だけではありません。結果は、1月のお試しと麻布に合格。あとは残念でした。

 後でお母さまから伺ったところでは、1日の麻布が終わって帰宅した時には疲れきってふらふらの状態だったから、2日以降の合格は無理だと思っていたということでした。とりあえず第1志望には合格したので結果オーライなのですが、やはり入試には知力だけではなく、体力と、時の運も必要だと感じたケースでした。

過去の指導例(4)

 D君のケースは12月後半の依頼でした。D君もSAPIX生で、この時点で、志望校の開成に偏差値で10不足しているという状況でした。

 「正直に言うと難しいと思いますが、全く可能性がないとも言い切れない」と申し上げると、「やってくれ」ということでしたので、お引き受けしました。

 D君は具合が悪い時も、「時間がないから」ということで起きてきて、通常2時間のところ1時間だけでもがんばるというがんばり屋さんでした。しかし、以前からの習慣なのでしょうが、勉強するときにも、風船にスライムだかゼリーのようなものをいれた玩具を左手から離さず(D君は右利きです)、いつもそれを握りながら勉強するという状態が続きました。入試までの時間が短く、信頼関係もできていない状態で、それを取り上げたときにD君がどう変わるかということが予想できず、その玩具については離すように指示することはできませんでした。

 そうこうするうちに直ぐ本番はやってきました。過去問も4年分ほどしかできなかったと記憶しています。

 結果は不合格。

 第2志望の海城2次には合格した(一般的には、あの成績でこの結果はすごいことといえます)ものの、あのときおもちゃを取り上げた方が良かったのではないか、もう少し時間があれば違った結果が得られたのではないか、など悔しさが残ったケースでした。

 確実に第1志望に合格させるためには、しっかりとした過去問対策が必要です。そのためには、いわゆる難関校であれば、最低でも9月から指導を開始する必要があります。自分で過去問をやってもなかなか点数が上昇しない子の場合、過去問のやり方が間違っているわけで、それに費やした時間は、過去問を演習していないのと同じであるということをお忘れなく。

過去の指導例(3)

 C君のご家族から依頼があったのは2月の終わりでした。

 C君はSAPIXに通う生徒さんで、麻布志望なのですが、算数に関しては、分かる問題はすぐに取り掛かれるのですが、分からない問題は全く何も書けないという状態、つまり問題の情報を図や表に整理することすらできないという状態でした。引き受けた当時の偏差値は50そこそこという感じ。試しに、流水算の問題を解いてもらったら、状況図は描けない、ダイヤグラム(進行グラフ)も描けない、さらには上り、静水時、下りの速さの関係の線分図すら描けないという状態でした。

 仕方がないので、ひとつひとつ「こう描くんだよ」というふうに教え続けました。こういう場合はこちらがどこまで我慢できるかが勝負です。しばらくは「わかりません。どう描いたらいいか分かりません」が続きました。

 少しづつですが、彼が描こうとし始めたのは夏休みあたりだったでしょうか。初めに描き始めたのは、速さの問題の状況図でした。

 9月になると自分が描いた図を使って問題にアプローチできるようになり始めました。

 図を描けるようになるまでに実に半年という時間が必要でした。そこまで我慢してくれたC君のご両親には感謝しております。

 図が描けるようになると、C君の算数の得点はどんどん伸びて行きました。初めの半年が嘘のようでした。

 四谷大塚の最後の合不合判定テストでは総合点では全体(麻布志望者中ではありません)の4位という結果を残し、自信を以て受験することができました。

 結果は見事合格!

 正しい方法であきらめることなく努力を続ければ、確実に合格を勝ち取ることができるという良い例だと思います。

お悩み相談クリニック開設のお知らせ

 こちらのブログでは、一人でも多くの人が幸せな合格を勝ち取ることができることを願って記事を掲載しています。

 でも、所詮一人が過去に相談受けたこと、気付いたことしか書くことができません。だから、このブログを読んでくださっている方にも十分な情報をお伝えできないこともあるかと思います。

 そこで、私が気付かないことで、皆さんが困っていることについて、私が少しでもお力になれたらと思い、このブログ内にお悩み相談クリニックを開設しようと思います。勿論秘密は厳守しますし、それを題材に記事を書かせていただくときにも、個人が特定されないようにいたします。

 お困り、お悩みがある方は、メールフォームからご相談ください。できるだけ早くメールにて返事を差し上げます。お気軽にご相談ください。

過去の指導例(2)

 B君は夏休みの終わりに依頼があり、9月から指導を開始しました。B君は日能研に通う生徒さんで、指導は週1回、1回2時間で行いました。

 依頼のきっかけは、一生懸命算数の勉強をしているにもかかわらず、算数の成績が下降線を辿り、ついには偏差値60を切ってしまったことでした。原因を探るべく話を聞いてみると、塾の算数の教材を全部やるために毎晩1時~2時まで勉強しているということでした。当然、昼間は学校でも睡眠不足でボーッとしているということでした。身体が出来上がった大人で、要領よく睡眠をとることができる人であればいざ知らず、小学校6年生がその状態では満足な成績を残せるわけがありません。

 そこで、私が最初に出した指示は、算数の教材を全部やるのは止め、自分の志望校と偏差値的に(出題傾向を自分で判断することは困難であると考えました)類似する学校の問題に限定しなさいということでした。

 B君の第1志望は開成、第2志望は筑駒でした。私の指導は9月以降は過去問演習が中心となりますので、開成を1本宿題とし、筑駒をその場で1本解いてもらい、都合2本を解説し、余った時間で塾の教材の補充をするという内容で進行しました。それぞれ15年分くらいづつはやったでしょうか。B君はこちらが説明することはどんどん理解してくれるし、出題意図が分からないときでも、力づくで問題を解いてしまうパワーを持っていました。しかし、要領は悪く、基礎点部分はできて当然だから決して落としてはいけないと指示をすれば、基本問題は満点なのに、応用問題は0点になったり、逆に、応用である程度得点したときは、基本問題でボロボロ間違えるという状態が続きました。それでも、調子は徐々に上向きになり、10月以降は公開模試で2回も全国4位の成績を取ることができました。

 1月のお試し校の過去問はあまりできがよろしくありませんでしたので、せっかくついた自信をなくさないように2年分で切り上げて、あとは2月に集中しました。結果は、1月校は特待合格、2月は開成、筑駒ともに合格で、結局、自宅から近い筑駒に進学することになりました。

 B君の指導でありがたかったのは、B君のお父様が算数の指導ができるくらい知識をお持ちであるのに、私を尊重してくださったことです。
 家庭教師(個人指導)を依頼したからには、先生の指示に従ってください。先生に「今日は○○をやってください」という指示をする家庭は大抵失敗します。家庭教師であれ塾であれ、それぞれの先生は、どの問題をどの順番で解くかまで、計画を練っています。やれば良いというのではなく、どの順番でやるのが効果的かということまで考えているのです。そして、それは最も効果があると考えられる方法です。

 指導方法や教務内容につき疑問が生じたときは、先生と話し合いの場を持ちましょう。信頼感が無いところには良い結果は生まれません。遠慮はなくし、お互いに思ったことを伝え合うのが大切です。良い先生なら、保護者の方の話に耳を傾けてくれるはずですし、また、保護者の疑問にもちゃんと納得のいく答えを返してくれるものです。

 重要なのは幸せな合格の実現です。

過去の指導例

過去の指導例として、まず思い出すのはAさんです。
Aさんは私が塾の講師を始めて間もないころに指導させていただいたお子さんです。

Aさんと初めて会ったのは彼女が新6年生の2月半ばだったかと思います。
だから、Aさんの指導は、ほぼ1年間続いたことになります。
Aさんは2科生(当時は2教科受験ができる学校が多く、2教科生が多く存在しました)で、
指導を開始した時の偏差値は2科で54でした。
Aさんは日能研に通う生徒さんで、
指導は、1回2時間、週2回、
指導教科は算国2教科で行いました。
指導内容は、算国ともに塾の復習と補充で、
指導時間の関係で、国語は読解のみで、
語句などの知識は保護者の方とやってもらうことにしました。
毎週行われるテストの正答率を目安に、
とりあえず正答率70%以上の問題を全部○にするようにがんばろうということで指導開始です。
この目標は、それがクリアされると、
次は60%以上、次は50%以上というふうにハードルが高くなって行きました。
Aさんはとてもがんばり屋さんで、
私がやっておくように指示したことは、どんなときでも確実にこなしてくれましたので、
とてもやりやすかったことを覚えています。
9月からは塾の授業の復習から過去問の指導に重点を移し、
塾の復習は余った時間でやる程度になりました。
塾の成績は秋以降グングン伸びて、
最後の合格判定模試では偏差値は72まで上がり、
第1志望校の志望順位は、全志望者中2位となりました。
しかし、本番は何があるか分かりません。
過去問を演習しているときは算数は確実に90%、国語も80%をクリアしていた彼女ですが、
それでも第1志望は算数ができずに失敗。
第2志望の学校に進学することになりました。
中学に進学した彼女は中学では学年2位を、
高校に進学してからは学年1位をキープしたといいます。
彼女が高3のときに再び彼女に会う機会があり、
楽しく学校に通っているという話を聞き安心したことを覚えています。

彼女の指導から言えることは、
①偏差値は1年で20くらいは上がる
 (勿論、偏差値60以上の子の場合は困難ではあることは言うまでもありません)。
②過去問ができるかどうかと、その実力を本番で発揮できるかどうかは別である。
 特に算数は点数の読みが難しく、相当できるのでなければ点数を読むことができない。
ということでしょうか。

そこで結論!
偏差値が少々離れているからといって、簡単に志望校をあきらめる必要はないが、
多少算数ができるからといって安心してはいけない。
算数は天井を決めずにがんばり続けなければならない。
こんなところでしょう。

他の指導例についてはまたの機会に。では…。

家庭教師を依頼する時期

 今年度の入試も終了しました。
 そこで、家庭教師と合格の関係について思うことです。

 家庭教師をつければ合格の可能性は高まるのでしょうか?
 その答えは、YESです。
 しかし、間違えないでいただきたいのは、あくまでも可能性が高まるだけであって、合格が約束されるわけではないということです。
 私の経験では、できるだけ早い時期から指導を始めた場合の方が合格の可能性は高まります。
 それはなぜでしょうか?
 家庭教師を依頼していらっしゃるお子様は、ほとんどの場合、成績に問題があります。
 成績に問題があるのは、学習方法、学習内容に問題があるからです。
 学習方法、学習内容に問題がある状態が長ければ長いほど、それを矯正するのに必要な時間は長くなるのです。
 とすれば、入試直前まで問題のある状態を長く引きずってしまった場合、その間違った状態が体に染み付いてしまっていますから、残された時間では矯正が難しいということです。
 ですから、できれば間違った習慣がつく前に、もし間違った習慣がついてしまったとしたら、できるだけ早い時期に、その状態から子どもを救いだしてあげる必要があるのです。

 お宅のお子さんは一人でお勉強ができますか?
 ご家庭でサポートできますか?
 
 塾にまかせっきりでは第1志望の合格は難しいというのが現状です。
 できるだけ早く行動しましょう!

4年生の勉強

4年生の学習の目標は「算数が好きになること」。
5年生、6年生で、算数ができないために全体の成績が伸びず、
その結果、受験校の選択の幅が狭まるという子が多くいます。
でも、算数が好きであれば、
ちょっとつまづいても踏みとどまれるものです。
また、算数が武器になる子は、
ここ一番っていうときに力を発揮することができ、
合格をとってくることが多いですね。
そして、好きになる最も手っ取り早い方法は成績を上げること!
そのためには、毎回、毎回のカリキュラムをきちんと身につけることです。
その中で一番大切なのが、計算力!
新4年生(新5年生も)の授業は、計算から始まります。
ここは特にしっかりやりましょう。
ポイントは割り算!
塾の授業は概ね学校に対して先取りの学習になるのですが、
この時期の新4年生の学校の学習進度は様々で、
割り算については、既習の子もいれば、未習の子もいるという状態です。
それだけに成績についても差がつきやすいのです。
未習の子は授業について行くのが大変かもしれませんが、
家庭学習を充実させて何とか付いてきてください。
これさえ乗り切れば、あとはみんな同じ条件です。
何事もスタートが肝心です。
顔晴りましょう!

合格のための授業への参加の仕方

「授業を受ける」っていう言葉がありますが、
授業は「受け」てはだめです。
授業は「参加する」ものです。
先生は子どもたちの反応を見ながら授業の方向を決めます。
子どもたちが受け身で何の反応もないのでは
先生もうまく授業を進められないのです。

授業に参加するといっても、
別に発言しなければならないわけではありません。

例えば、先生が規則性に関するある問題の解説をします。
その問題は小問(1)から(3)までありますが、
出題者が聞きたいのは(3)であり、
(1)と(2)は(3)を導くためのヒントです。
つまり、(1)で実際に作業をさせることで規則の推理をさせ、
(2)でその推理が正しいことを確認させ、
発見した規則を利用して(3)を解くというわけです。
根拠は分からないけれども正解した子どももいましたが、
出題意図をきちんと把握して正解した子どもが多くなかったため、
次も同じような思考過程を経て解く問題を選んでやってみるように指示しました。
授業にきちんと参加している子どもは、
一つ一つの問題から何かを獲得しようとして講義を聞きます。
そうすると、同じような問題が来ればそれに気づき、
前の問題から得たものを試そうとするはずです。
受け身でいる子どもは、
せいぜい帰ってから復習はしても、
その場ではとにかく知識を持って帰る努力をするだけなので、
類題を指示されてもそれに気づきません。
だから、そんな子どもにとっては、
一つ一つの問題が独立していて関連性がなく、
一つ一つバラバラに解こうとするのです。
もっとも、それを指摘すれば、
その時点で変わり始める子どもたちも多いのですがね…。

先生の伝え方も様々です。
プロの先生ですから、どの先生も能力を持っているはずですが、
冷静に論理的に伝える先生もいれば、
子どもが自分で気づくのをじっと待ち続ける先生もいるでしょう。
ひょっとしたら伝わらない(子どもたちが自分の想定通り動かない)と
大声を出す先生もいるかもしれません。
でも、どんな先生の授業でも、
自ら積極的に授業に参加しないと何も得るものはありません。
とりあえず、子どもの授業に臨む態度をチェックしましょう。
正しく授業に参加すれば、
それだけで幸せな合格への道を歩きはじめることができるのですから。

数の性質(1)

今日は、数の性質のポイントです。

1.基本概念の定義は自分の言葉で言えますか?
 約数、公約数、最大公約数、倍数、公倍数、最小公倍数、素数、合成数など
2.最大公約数、最小公倍数の求め方(連除法)は身についていますか?
 また、その意味も理解されていますか?
 男子上位校予定者については、
 さらに、約数の個数、約数の和の求め方も必要ですね。
3.倍数の個数を求めるときは割り算を使いますが、
 どうしてあまりは無視するのか説明できますか?
 例えば、「1から100までの整数のうち、6の倍数は何個ありますか?」と聞かれたとき、
 100÷6=16あまり4で16個としますが、どうして4は無視してよいのか分かりますか?
4.数の性質に関する問題に出合ったとき、
 何(例えば最大公約数や最小公倍数など)を求めたらよいのか直ぐに判断できますか?
5.分数の大小関係の比較の方法は身についていますか?
 ①分母をそろえる、②分子をそろえる、③小数に直す、④その応用(これはちょっと難しいかな)
6.分母を同じくする既約分数の個数と和は求められますか?
7.1×2×3×…×nの積の末尾につく0の個数の求め方とその意味は説明できますか?
8.2、3、4、5、6、8、9、11、12、15、18、36などの倍数の判別法は分かりますか?
 その意味は理解できていますか?

思いつくままに書いてみましたので、足りないところは多いかと思いますが、
参考にしてください。

塾にまかせっきりにしていては子どもの成績は上がらないのが通常です。
経験から推理すると、子どもと塾だけにまかせっきりにして成績が上がるケースは
10%もないのではないかと思います。
多くの子どもは正解が得られれば、その問題は身についたと判断しがちですが、
そのとき方の意味が理解されていなければ、応用問題には全く歯が立ちません。
ちゃんと学習内容が身についているかどうかの確認は、
親(含、家庭教師)の役目です。
小生が常々、「中学受験は親と子の受験」だと言っているのはそういうことです。
毎回が無理でも、たまには親がチェックしないと、
子ども自身も学習内容が身についていないことに気付かないということにもなりかねません。
お気を付けください。
早め早めに手を打つことが大切です。

数列のポイント

お子さんの勉強がどのくらい身についているかチェックしていますか?
個々の問題の解き方だけを覚えて帰っていませんか?
(きちんと理解していなければ応用問題には対応できません。)
正確に覚えて帰っていますか?
(うろ覚えでは使えません。塾の先生の解き方は解答、解説と同じとは限りませんよ。)
その回に学習した内容の中で、どうしても外せないポイントをきちんと把握していますか?
(ポイントさえきちんと把握していれば、やる気さえあれば1人で家庭学習をすることも可能です。)

そこで、いくつかの学習内容についての超基本のポイントを書いてみようと思います。

今回は、数列のポイント!
① 数列はまず差を確認しよう!→数列の種類を確定しよう!
② 基本的な種類の数列を身につけよう!(等差数列、等比数列、階差数列、フィボナッチ数列など)
③ 等差数列の和の公式は覚えておこう!
④ 図形と数列の問題は、それが数列であることに気づけるようにしておこう!
⑤ 場合によっては調べつくすことも必要。調べている途中でルールが分かれば、そこから計算をすれば良い。

これだけのことを身につけて、あとは四則計算ができれば数列の問題はほぼ解けます。
意外とポイントって少ないでしょ?

4年生の授業

今日は新4年生の授業。
半分くらいは3年生からの持ち上がりの子でしょうか。
みんな緊張して静かで真剣(いいぞ)。
3年生の時うるさかった子もすぐ静かになり真剣に授業に参加していました(さらにいいぞ)。

ただ、「○番をやりましょう」っていうと、
できた子が「終わったけどどうすればいい?」みたいな質問をするんです。
新4年生だから仕方ないかなとも思い、
いちいち答えていましたが、5、6年生なら
「自分で考えな」っていうところです。
だんだん教えていかないといけませんね。

6年生はそろそろ挨拶に来てくれる子が現れはじめました。
その一方で、3回目でやっと合格できたとか、
繰り上がったとか、うれしいニュースがいっぱいです。

明日も良いことがあるといいな…。

2つの世界

新年度の授業が始まりました。
1か月ほど前に冬期講習で担当した子どもたちの授業でした。
そのときは、いくら注意してもおしゃべりを止めず、
最後は怒鳴ってしまいましたが、
今日からは新6年生ということで少し顔つきが違っていました。
みんな1年後には良い結果が出ますように(祈)。

ただ、別の部屋には、まだ受験が終了できない現6年生の姿が…。

何人かいましたが、みんな、過去問を提出しなかったり、
実力に見合っていないテスト、授業を無理して受け続けたり、
本番2週間前に過去問の点数が取れないと泣きついてきたり、
といった子ども(保護者)ばかりでした。
本音を言えば「今さら慌てたって遅いのに…」なのですが、
そうも言えず勉強につきあってしまいました。
でも、本当は、仮に今現在実力が不足していたとしても、
いつまでも塾で勉強なんかしていないで、ゆっくり体を休めて
明日に備えた方がいいんです。
頑張れば何とかなるって思っている人が多すぎます。
今は、その子どもに、何とかして、少しでも100%に近い実力を
発揮することができるようにさせてあげることができるかが大切です。
この時期は、みんな疲れがたまっており、
実力を発揮することができず自滅していくことが多いのです。
ミスしない者が勝つんです。
ミスしないようにゆっくり休んで、スッキリした頭で出かけた方が良いのです。

とにかく早く手を打ちましょう!
たかが中学受験です。
合理的な勉強をすれば、誰だって合格できます。
難しいことはほとんど聞かれていないんですし、
満点をとらなくても合格できるんですから。
日本語を正しく理解できて、当たり前のことが当たり前にできれば、
ほぼ確実に合格できます。
ただ、「すべてに時あり」です。
チャンスを逃さないでください。

まだ終わってはいませんが…

東京入試も大きな山を越え、
半分くらいの数の子どもたちが、すでに進学を決定している
という状況になってきました。
まだ、終わってはいませんが、ちょっと気になったことがあります。

それは、うまくいった子もいかなかった子も、ほぼ予想通りだということです。

うまくいった子は、1年を通して、または遅くとも11月位までには、
授業中の態度が真剣になった子たちです。
うまくいかなかった子は、直前まで、
注意されても授業中のおしゃべりがやめられなかった子たちですね。
授業中のおしゃべりは一切禁止というわけではありませんが、
注意されても止められないのは、自己管理ができなかったということでしょう。
勿論、まじめにやっていても、うまくいかなかった子はいます。
でも、ちゃらんぽらんにやっていてうまくいった子はいないということの方が重要です。
人生はそう甘いものではありません。
子どもの頃から真剣に取り組むということを学ばせたいですね。

また、9月以降の過去問についても、
全然見せに来なかった子、
あるいは見せに来ても全然問題が改善されなかった子は
やっぱりうまくいっていないことが多いようです。
学習内容が身につかなかったということでしょうか。
一人で学習できなければ、補助が必要となります。
塾の授業だけで十分かどうか確認しましょう。

いよいよ新学年の授業が始まります。
うまくスタートダッシュをして、良い流れが作れるといいですね。

今年の入試問題(3)

【桜蔭】
Ⅰ計算、数の性質
 平易。確実に得点したい問題。
Ⅱ立体図形(回転体)
 ありきたりの平易な問題。間違えようがない問題。
Ⅲニュートン算
 昨年の開成の問題が頭をよぎる。
 どこかに落とし穴があるかもしれないと身構えたが、ごく普通の問題。
 確実に得点したい。
Ⅳ数列
 1から順にならべた自然数をバラバラにして並べるという問題の
 並べる数字を偶数に変えただけ。
 (3)も、どのあたりの数字を答えとして要求しているのかが見え見えの問題。
 平易。
Ⅴ立体図形上の点の移動
 かつてどこかで出たのと同じような問題。
 桜蔭受験者なら塾の授業で確実に練習している問題。
 (3)も本来なら使えないはずの断頭四角柱が使える問題。
 平易。

桜蔭がこんなに簡単な出題で良いのでしょうか?
また、何年か前のように、新中一生に
1年間、毎朝、計算テストをやらせることにならなければよいのですが…。

今年の入試問題(2)

【開成】
大問1は面倒だけれども難度は高くありません。
「割引運賃」という言葉が、
その金額を割り引くのか、それともその金額で乗れるのかを、
一瞬迷わせる問題です。
大問2はBDの長さは(2)につながりますが、
AFの長さは(2)につながりません。?です。
大問3は争いのある問題のようですね。
「ツルの数をカメの数とし」を、
ツルの数だった数字をカメの数にするのか、
ツルの数の代わりにカメの数に使われた数字を代入するのか、
つまり、ツル、カメ、トンボの数それぞれ1、2、3だとすると、
それを3、1、2とするのか、それとも2、3、1とするのかの争いです。
でも、「ツルの数をカメの数とし」と言ったら、
「ツルの数を以てカメの数とし」と読むのが自然であり、
そうだとすると、
前者が正しいはずであり、
争いがあると考えるのは日本語のセンスがないと思うのですが、いかがでしょうか?
大問4は美しいですね。
(4)を出すために(1)~(3)がある問題で、
かつて、「例えば」で解答のためのヒントを与えていた開成ならではの問題です。
小問間の関係に気付けば間違えようがない問題で、解き終わるとスッキリする良問です。

【武蔵】
大問1(1)は割合、(2)は平面図形のパターン問題。易。
大問2は(1)が仕事算、(2)がニュートン算。やはりパターン問題。易。
大問3は相似形を利用した平面図形。易。
大問4は約束算。
(1)で約束を経験させ、その中に(2)へのヒントをしのばせる。
(3)で操作を一般化し、あてはまる数字を探させる。
そして、(3)までやることによりルールを発見させ正解に至るという問題。中。

【雙葉】
大問1は平易な計算と一行題。
大問2は仕事算。易。
大問3は比と割合に関する文章題。易。
大問4はこれぞ雙葉という面倒な速さの計算。中。
大問5は問題の指示通りにやれば、自然と答えが出る文章題。中。
大問6再び速さの問題。面倒臭さに負けずに最後まで到達できるかどうかがポイント。易。

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新鮮太郎

Author:新鮮太郎
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