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 タイ東北部スリンの街にあった餃子のお店、その名も「スリ餃子」。なぜ「スリン餃子」ではないのかはわからない。カタカナ表記されているので、日本風の餃子を出すお店だろうか。

 ご存じの方もいらっしゃると思うが、餃子はもともと中国から日本に伝わっているものの、現代では日本の餃子と中国の餃子は別物とも言えるほど異なる。詳細はこちらでは割愛するが、中国では日本の餃子は「日式餃子」と呼ばれ、日本料理の店で食べられているのが通例である。

 前を通りかかった時はそれほどお腹が減っていなかったのだが、日本の餃子を出すお店であるなら珍しいと思うので、入ってみることにした。

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 6個65B(270円程度)、日本と変わらないくらいの値段だ。ドリンクと合わせると100Bは軽く超えるし、トッピングやらディップソースやらつけたり、6個じゃ少ないからと増やしたりすると結構なお値段になる。タイの軽食の値段と量の相場からすると、少し割高かも知れない。

 そう、スリ餃子にはトッピングやディップソースの追加オーダーができる。日本では餃子にトッピングするようなことはあまりない気がするし、餃子のタレの他につけるものと言えば辣油あたりが定番だが、スリ餃子ではチーズ、トビッコ(タラコの代替か?)、麻辣、お好み焼き、の4種のトッピング、あるいはわさびマヨやトビッコマヨのディップの追加が頼めたりする。


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 それほどお腹が減っていなかったこともあるので、トッピングやディップは追加せずに、シンプルな餃子とドリンクだけを注文。タレの他に千切りキャベツが付いてきた。

 タレは少し酢の酸味が強かったが、オーソドックスな和風の餃子のタレに近い。

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 餃子は外側はカリッとして、お手本のような餃子。自宅で作る手作り餃子の味にも近い。しっかりとしたニンニクの味は私の好みだ。

 バンコクから遠く離れたタイの地方都市の日本風餃子店、期待よりも好奇心で入ったのだが、なかなかに美味しくて正直驚いた。絶品とまでは言えないが、日本で普通に餃子店や中華料理店で出て来てもおかしくない。

 こんなのがスリンで食べられるのも、インターネットによる情報化のもたらしたものなのかも知れない。しかし情報化やデジタルのテクノロジーがさらに進化し、世界が画一的になってしまったら、もはや旅をする必要も動機もなくなってしまう日が来るのかも知れない。実際、Webミーティングが普及し、対面での会議をする必要が少なくなっている。餃子をほおばりながら、こんなことを考えてしまう私であった。

【写真】2023年8月
【文章】2023年8月

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