昨年4月、日本が徐々に春めいてコロナ禍のなか行楽の季節が始まろうとした時期に、北海道知床では遊覧船カズワンの転覆事故が発生しました。知床観光の春の始まりを告げる半島巡りの観光船の営業開始その日の遊覧で転覆し、船長を含め26全員が亡くなっています。 

 

 コロナ感染も収まり感染症の5類移行が始まった今年7月には、中古車販売の大手ビッグモーターで車両事故保険金の不正行為が公になりました。ビッグに持ち込まれた事故車両に対し、社員が故意に車体を傷つけ保険金の水増しをしていることが発端です。 

 

 この2つの企業不祥事ですが、その裏でつながっているのは両社の経営指導を行っていた「武蔵野」というコンサルタント会社です。東京・小金井市に本社のある会社で清掃器具レンタルダスキンのフランチャイズ加盟店であり、中小企業向けコンサルティングをしています。 

 

 問題は、このような利益至上主義の会社が決して少なくないことです。人の迷惑など完全に無視して、自社の利益のためだけに業務を行っている会社があり、それを指導している支援会社もあることです。もし加盟した本部がこのような会社だったら、加盟店もたいへんなことになります。 

 

 同じような意味で、今の時代はワンマン経営の会社も利益至上主義に走りがちです。加盟店オーナーが必死に頑張って売上げを伸ばしても、本部経営者がとんでもない経営をしていると、それだけで本部も加盟店も一発退場なるのが今の時代。 

 

 これまで加盟する時の本部のチェックポイントというと、一にも二にも売上げが予定通りに上がるかどうかでした。今は本部の身体検査をすることも必要になります。事業の持続性は、利益以上にビジネスにとって重要なことですから。 

 

【ひとり言】 

今この国で苦しんでいる典型的な例の一つに、リーマンショック以降の大不況時に急場しのぎで作った会社や仕事をしている人たちです。リーマン、東北大震災、コロナ感染など大型不況で慌てて起業や就職をした人は、現在正常に戻って深刻な人手不足の状況にかかわらず、まったく別の窮屈な世界で苦労している人が少なくないです。今の宅配ビジネスなどはよい例です。コロナも収まり宅配需要は急速に減っているのに、宅配を柱にビジネスを続けるのはおかしくなりました 

 


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