集中力はいらない (SB新書)
森 博嗣
SBクリエイティブ
2018-03-05



固定観念から解き放とう。
自分を縛っているのは自分だ。

「集中」とは即ち、機械力であり、そこから「発想」は生まれない。
集中とは作業のためのもので、思考とは分けて考える方がいい。

「分散」、「発散」をうまく使おう。
対象だけでなく、時間にも当てはまる。
人間が本来持つ 気質に合っている。
理屈だ。
それを利用して潜在能力を引き出し、可能性を広げるかどうかが人生の極意ともいえそうだ。

森先生は日本語に特徴的なオノマトペを使った表現でメッセージを伝えている。

「ばらばら」「ちりぢり」と分散させて、
「こつこつ」「ちまちま」と、時に緩急つけて、
「じわじわ」「だんだん」と進めていく。

やる気なんてどうだっていい。
実体がない。
今日、これだけやろう、ということだけ。
やり始めれば、案外楽しくなるものだ。

お金は取り戻せるけど、時間は取り戻せない。
分散型の仕事術は時間を貯金していくようなもの。

材料 (情報)を加工することが思考。加工しないでアウトプットするのは反応しているだけ。
考えるというのは、自分の仮説をつくること。
考え方が個性になる。

思考するのが人間であり、思考しているから自分が存在する。
→考えないほど人間から遠ざかり、機械に近づく。
 戦争してしまうのも、集中思考の結果だろう。

こうやって書いていくと言葉の定義もだんだんミックスしてきたな、と気づく。
言葉の定義に縛られないようにするのも、ある意味、集中で視野が狭まる恐れを考えると大事かもしれない。

(言葉というのは、人類最大の発明品だが、言葉によって人類が失ったものもある。
 いかにも森先生らしい発想だ。)

「お金の減らし方」に続き、またまた目から鱗のオンパレードだった。