【 NBA】 2012.05.28 (Mon)
NBAプレイオフ2回戦
2011-12年のNBAプレイオフは、東西の計8チームが争う2回戦 「カンファレンス・セミファイナル」が終わりました。その展望から結果までをメモしておきます。
【スパーズ (西1位) vs クリッパーズ (5位)】
スパーズは突貫小僧T・パーカーを筆頭に、若手陣が元気元気。格落ちの8位ジャズをスウィープ(4タテ)で下して休養も十分。選手運営の妙が光るG・ポポヴィッチ監督に、納得の最優秀ヘッドコーチ賞。 今プレイオフ、他が若い監督だらけなのも圧倒的有利だ。
クリッパーズは1回戦初戦、27点差をひっくり返す史上最大の逆転劇。しかしC・ポールとB・グリフィンの二枚看板が負傷し、グリズリーズと第7戦まで競る。スター選手頼みのV・デル・ネグロ監督の采配が物足りない。現役時代の師ポポビッチとの力量差は歴然だ。
⇒スパーズ4-0。
スパーズは若手とベテランの融合にほれぼれ。第3戦は最大24点差を逆転。クリッパーズの面々は悪くはなかったが、サプライズがなかった。
(その他)・・・若いグリズリーズは持ち味のパワーは出せたが、精神的リーダーがおらず随所に未熟さが出た。来季に期待。
【サンダー (西2位) vs レイカーズ (3位)】
新世代の雄サンダーは前年王者マーベリックスを4タテと好発進。主砲K・デュラント&R・ウェストブルックに次ぐ得点源のJ・ハーデンに今季の6thマン賞。
選手層が薄くエース頼みのレイカーズは、6位ナゲッツに最終戦まで粘られた。そろそろ酷使された誰かが負傷して終わりだろう。「名将Ph・ジャクソン後」という重責を背負ったM・ブラウン新監督は、レギュラー・シーズンでの実績作りで満足しているかのようだ。
⇒サンダー4-1。
レイカーズの大エース・コービーもそろそろキャリア晩期。今こそ自立すべきガソールとバイナムが不発・平凡では・・・。この戦力ではどだい無理か。 若いのに好不調のムラがなく、しっかり仕事を果たしたサンダーの3本柱と明暗が分かれた。
・・・西カンファレンス・ファイナルは 【スパーズ vs サンダー】 に決定。
いよいよサンダーの真価が問われるのは次のスパーズ戦。同じ古豪でもマブスやレイカーズのような穴のない、恐るべき百戦錬磨が相手だ。 「もろ刃」 のウェストブルックがいい方向に爆発できるか。
【76ers (東8位) vs セルティックス (4位)】
首位ブルズを倒した大番狂わせシクサーズは、はじめ上位を争っていただけに地力はある。あの頃の勢いを再び。 一方の老練なセルティックスも、若いホークスを難なく手玉に取って好調を維持。あの頃の勢いを再び。
どちらも格落ちではあるが、もっと上に進んでもおかしくはないクセ者同士だ。
⇒セルティックス4-3
ホーム&アウェイに関係なく交互に勝ちを奪い合い、最終戦までもつれる。(あまり見ていなかった)。
(その他)・・・全体首位ブルズは、主将D・ローズの靱帯断裂で万事休す。主力の故障離脱は織り込み済みのはずなのに、今季も大舞台プレイオフでの勝負弱さを露呈した。(仮に万全の戦力で負けていても) 驚きはない。
【ヒート (東2位) vs ペイサーズ (3位)】
両チームとも見かけ倒しの格下を寄せ付けず、順当な勝ち上がり。
ヒートはレブロンが今季の年間MVP。相変わらずあからさまな 「ビッグ3」 頼みだが、その一角ボッシュが負傷離脱 (早くてPe戦後)。
ペイサーズは好守D・グレンジャーのレブロン封じと、R・ヒバート&D・ウェストのインサイド支配に期待。誰もがヒーローになれる充実布陣。総合力なら必ずや勝てる! (球団社長L・バードに最優秀エグゼクティブ賞。選手・監督・経営者のMVP3冠達成。)
⇒ヒート4-2。
ヒートはウェイドの一時不調もあったが、レブロンとのコンビだけで試合を決めた。かたやペイサーズは各人がそこそこの数字を残したが、この大舞台は「そこそこ」では勝てない。 「スターに丸投げ」 の品のなさと、「全員バスケ」 の中途半端がモロに出た、今どきの低レベルなシリーズだった。
・・・東カンファレンス・ファイナルは 【ヒート vs セルティックス】 に決定。
格落ちの「旧ビッグ3」セルティックスに、「新ビッグ3」 ヒートは止められまい。 どちらもスター頼みで選手層が薄く、インサイドがイマイチな似た者同士。 その時の気分や勢いがモノをいう、今どきのシリーズになるだろう。
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【ヒッチコック米時代】 2012.05.26 (Sat)
『断崖 (1941米)』
≪感想≫
男も世間も知らない気弱なお嬢様と、仕事もできずただ散財するだけの遊び人。どっちもどっちのどうしようもないカップルですが、演じた両優がハマリ役なので何とか興味をつなぎとめました。
J・フォンテーンはこういう線の細い役が本当にピッタリ。 アメリカ初期における真の 「ヒッチコック・ヒロイン」 を体現しているのは、I・バーグマンよりむしろ彼女のほうだ (後のヒッチ&バーグマン3部作はそっくり彼女が演ってもいい)。 一方のグラントは軽妙でイヤみがないのが救いですが、 後述の通りあいまいでラストのインパクトに欠けてしまったのが残念。
一長一短のキャスティング。弱いストーリー。
A・ヒッチコック監督第27作 『断崖 (1941米)』
出演/ケイリー・グラント (ジョン・エイガーズ)
ジョーン・フォンテーン (リナ・マクレイドロー)
ナイジェル・ブルース (友人ビーキー・スウェイト)
サー・セドリック・ハードウィック (父マクレイドロー将軍)
≪あらすじ≫
遊び人の名士ジョンに見初められた将軍の令嬢リナ。ジョンの強引さに戸惑いながらも、やがてはその魅力にひかれ、ふたりはめでたく結婚する。しかしジョンの不可解な言動に、彼女は財産目的で殺されるのではないかと疑い始める。
≪解説 (※ラストに言及)≫
暗闇の階段、K・グラントが運ぶミルクの白さが印象的。ヒッチはグラスの中に豆電球を入れ、毒入りミルクを強調したのだという。 しかし当時はスター俳優が殺人犯など演じなかった時代、上層部からの横やりで結末があいまいになってしまった。
(なお、ヒッチ当初の構想によると――妻は毒入りミルクを飲む前に、母あての手紙を投函するよう夫に託す。自分は間もなく殺されるだろうという、夫の恐るべき正体を暴いた手紙だ。そして妻は毒入りミルクを飲んで死ぬ。夫はのんきに口笛を吹きながら、破滅への手紙をポストに投函して終幕――、というものだったそうだ。)
≪裏話≫
J・フォンテーンがアカデミー主演女優賞を受賞。
B・デイヴィス、 G・ガースン、 B・スタンウィック・・・、並みいる大女優を制してのオスカーは、前年の 『レベッカ』 と 「合わせて一本」 という、製作者セルズニックの宣伝工作がうまく働いた。
この新進女優の受賞を一番悔しがったのが、同時ノミネートされていた彼女の実姉オリヴィア・デ・ハヴィランド。
『風と共に去りぬ』 や『レベッカ』 でもそれぞれの役を競り合ったふたり。姉オリヴィアが悲願の初オスカー受賞('46『遥かなる我が子』)時に、祝福する妹ジョーンを無視したことで姉妹の不和が表面化、大きく騒がれた。
≪ヒッチはここだ!≫
45分過ぎ、女流作家の車が本屋に止まるシーンで、ポストに投函している。
一部の情報では 「序盤、駅前で馬をひいている男もそう」 とあるが、ヒッチがわざわざ馬丁の衣装をつけてまで出たとは思えないし、髪もクセ毛に見えない。
『SUSPICION』
監督/アルフレッド・ヒッチコック
脚本/サムソン・ラファエルソン
ジョーン・ハリソン、アルマ・レヴィル
原作/フランシス・アイルズ
撮影/ハリー・ストラドリング
音楽/フランツ・ワックスマン
製作/デヴィッド・O・セルズニック (ノンクレジット)
RKO 109分
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【クラシック音楽】 2012.05.22 (Tue)
フィッシャー・ディースカウと私
(これも代表的名演・マーラー『さすらう若人の歌』)
世に 「C D」 なるものが登場した時、父が買ってきた我が家のC D第1号が、モーツァルトのオペラ 『フィガロの結婚』 でした。 カール・ベーム指揮の名盤中の名盤。
御大F・ディースカウは伯爵の役。 ワガママすぎて懲らしめられるどうしようもないお殿様を尊大に、でもイヤみなく軽やかに。
オペラでは脇役が多い印象ですが、第3幕のアリア 『わしがため息をついている間に』 など、思わずハッと引き締まる存在感。 ここだけ録音サウンドが厚く聞こえたのは気のせいだったか。
それから、ぼくが自分のお小遣いでC Dを買うようになったその3枚目が、彼の代表作でもあるシューベルトの歌曲集 『白鳥の歌』 でした。(ちなみに1、2枚目はリストとワーグナー)
名曲 『セレナーデ』 の、胸かきむしるような青春の情動。 多感な年のころを揺さぶる巧みな歌心。 ぼくにとって 「フィッシャー=ディースカウ」 といえば、思春期の青臭いイメージと共に思い出される声と名前になりました。
ドイツの音楽全史を網羅する膨大なレパートリー。万人を納得させる確かな表現力・説得力。 あれもこれもと、「そこにいて当たり前」 な人だっただけに、あらためて振り返るとかえって言葉に迷ってしまいます。
重厚だけど柔らかい。気高いのに親しみやすい。最高峰なのに偉ぶらない・・・。
不思議な魅力の大巨星でした。
享年86歳。どうぞ安らかに。
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【きょうのごあいさつ】 2012.05.19 (Sat)
ボールはともだち
え/『キャプテン翼』
地域の催しでサッカーをしてきました。
ぼくはキーパーに立候補。
理由はひとつ、目立つからです。
横っ跳びすればかっこいい。敵の足もとに飛び込めばかっこいい。
取れるか取れないかは問題ではありません。
サッカーに必要なのは、勇気と想像力と、ほんの少しの黄色い声援なのです。
けっきょく30分で8点取られました。
女性陣からはキャーキャーを通り越して、ブーブー言われました。 4-10の惨敗。
まぁ今日はこのくらいにしといたる。
Road to 次の次の五輪。
レアルかバルサからのスカウト、募集ちう。
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【ヒッチコック米時代】 2012.05.15 (Tue)
『逃走迷路 (1942米)』
≪感想≫
後の 『北北西…』 のようなスケール感はないが、アイディアに富んだ冒険に次ぐ冒険。 スリルの焦らし・はぐらかし・・・ひとつひとつが上手い。 何と言ってもラスト、「自由の女神」 はヒッチコック作品でも指折りの名シーン。あの生々しい叫び声は、今でも耳にこびりついて離れません。
単純に面白い大好きな娯楽作。
ヒッチほか多くが指摘しているように主演の男女が軽量級ではあるが、それもまたチャーミングに思えてきた。 敵の富豪パーティーに封じ込められたふたりのダンス・シーンは、ヒッチお得意の 「スクリーン・プロセス(背景合成)」 撮影。 ぼやけた背景に浮かび上がるふたりの表情は、たとえば一眼レフ写真のようなみずみずしい効果。
無実の主人公の窮地を救うのは、盲目の老人や無垢な赤ちゃん、荒野をゆく芸人たち。清く正しい心は黙っていても伝わるという、理屈抜きの 「勧善懲悪」 が時代だなあ。また、悪党にとって邪魔な主人公が監禁されるだけでずっと生かされておくのも、古き良き冒険娯楽映画のお約束。それもまたまたチャーミング。
・・・その一方で、悪党の側にも主義主張があり、それぞれ家族や生活、社会貢献を大事にしているという描写は、ただのアメリカ的プロパガンダに終わらないところだ。
A・ヒッチコック監督第28作 『逃走迷路 (1942米)』
出演/ロバート・カミングス (バリー・ケイン)
プリシラ・レイン (パトリシア・マーティン)
ヴォーン・グレイザー (盲目のマーティン翁)
オットー・クルーガー (牧場主トビン)
ノーマン・ロイド (フランク・フライ)
≪あらすじ≫
軍需工場が破壊工作員によって爆破された。犯人と間違われて追われる身となった工員バリーは、逃避行の中でパトリシアという娘に出会う。彼女は戸惑いながらもバリーの無実を信じ、運命を共にすることに。真相を知る男フライを捜して、ふたりの逃走迷路は果てしなく続く・・・。
≪解説≫
イギリス時代の 『第3逃亡者』 を練り直した、「平凡な市民が犯人に間違われ、追われる身になりながら真犯人を捜す」 というヒッチお得意の 「巻き込まれ型」 サスペンス。後の『北北西に進路を取れ』で結実する、このテーマの折り返し地点といえる。ラスト、自由の女神像での攻防が見もの。
製作のフランク・ロイドは、アカデミー賞初期の常連だった監督 (『カヴァルケード ('33)』『戦艦バウンティ号の叛乱 ('35)』)。フライ役の俳優ノーマンはその息子。
≪ヒッチはここだ!≫
65分ごろ、主人公たちの車が夜のN.Y.に着くシーン。通りの向こうで女性とショーウィンドウをのぞいている・・・が、暗いので言われないと気付かない!(スチール写真で確認)
難易度は最高クラス。
『SABOTEUR』
監督・原案/アルフレッド・ヒッチコック
製作/フランク・ロイド、ジャック・H・スカーボール
脚本/ピーター・ヴィアテル
ジョーン・ハリソン、ドロシー・パーカー
撮影/ジョセフ・ヴァレンタイン
音楽/チャールズ・プレヴィン
ユニヴァーサル 108分
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【日本映画】 2012.05.12 (Sat)
小津とおならと 『お早よう』 と
小津安二郎監督の映画 『お早よう』。1959年松竹。
郊外の建て売り住宅地を舞台に、そこに住まう人々の近所づきあいと子供たちの日常を描く、ほのぼのコメディ。
「小津の食わず嫌い」 だったぼくは今回初めて観たのですが、こまかい描写ひとつひとつがププッとおかしくて、やっぱり小津って偉かったんだなあ、と感心させられました。
≪おなら≫
いま子供たちに流行している、自由自在のおなら芸。 わざわざ軽石を砕いて飲んで、日々おなら技を磨きあっているんだそうだ。
中にはおならに失敗して、別の「モノ」が出てしまう少年も! 「お母さん、パンツ出してくれよぅ~」 がせつない。
しかし大人はもっとすごい。
”ブー”
「あんた呼んだ?」 「いいや」 「あ、そう」
”ブー”
「なあに?」 「ああ、こんど亀戸の・・・」
・・・奥さんとオナラで会話ができる名人の域。なにせガス会社に務めているというのだから、もうかなわない。
≪家庭とご近所づきあい≫
うわさと思い込みで人を決めつける奥さん連中や、理屈も説かずに子供を押さえつける父親。 こういう昭和のコミュニティーは息苦しくていやだった。
事実、それに我慢できない劇中の若いカップルは、早々にこの住宅地を離れていく。このごろ昭和という時代が美化されて久しいが、小津映画はそんな昭和的な価値観が疎まれ、すたれ始める時代にこそ生まれた。
ただ当時は、「ご近所」 も 「家庭」 の延長だったのかな。だからお互いノック無しで上がり込んだり、適度に折り合いをつけて水に流す。
「お婆ちゃん、あんたもう"楢山"だよッ!」 なんて物騒なセリフ、今となっては家族でも言えません。
≪「お早よう」「いいお天気ですね」≫
口答えをして叱られたお兄ちゃんが、「"お早よう" ”今日もいい天気ですね” ”そうですね” ・・・大人だって余計な事ばかり言ってるじゃないか!」 と食い下がる。
結局そういう意味のない無駄話が、世の中の潤滑油になっている・・・という話なのですが、そう言って諭した子供たちの先生、当のご本人がその効能をラストで実践してくれます。
モジモジしながら、「お早よう」「いいお天気ですね」「そうですね」
・・・恋のはじまりです。
≪そして「おなら」へ≫
テレビ欲しさに 「だんまりスト」 を始める兄弟。「あいらぶゆー」 の幼い次男坊が最高にかわいい!
ラスト、兄弟がしょんぼり帰宅。哀しげなBGM。しかしカメラのカットが変わると・・・! こういうさりげない見せ方にほんと参りました。見ていて思わず 「わぁ!」 と声をあげてしまった。
・・・そして大団円、いつもの朝のおなら比べ。 晴れやかな青空の下、物干し台になびく堂々パンツ3枚!
すばらしいオチに拍手!
監督/小津安二郎
脚本/野田高梧、小津安二郎
撮影/厚田雄春 (小津作品の「アグファ・カラー」、買っとくれよぅ。)
音楽/黛敏郎
出演/笠智衆、三宅邦子
設楽幸嗣、島津雅彦 (MVPの兄弟。あいらぶゆー!)
佐田啓二、久我美子 (若い恋人たち。ラストの会話がいいんだ。)
杉村春子 (憎まれ口もほんッと上手いんだから。)
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【ナチュラル・ライフ】 2012.05.08 (Tue)
プランターの土づくり
春--
人間は眠たいだけですが、草花にとっては芽生えの季節です。
ベランダのプランター、今年は何を作ろうかな?
まずは昨年ゴーヤを育てた土を、ベランダに広げて日光消毒。
そして冬限定で貯めておいた、「生ごみコンポスト」 の堆肥をまぜまぜ。
ついでにキノコ類の根っこの 「おがくず」 もまぜまぜ。(いい土壌改良になるらしい)
さらにお菓子の袋に入っている、乾燥剤の 「生石灰」 をまぜまぜ。(アルカリ化)
土に良い、と言われているものは全部まぜてみました。
お好み焼き屋さんが開けそうです。
今年は、連作を避けてゴーヤはお休み。(↑このくらいまぜまぜしたら、連作障害は出ないと思うが。)
豆、唐辛子、ハーブの挿し木・・・、簡単なやつをあれこれ混栽してみようかな。
キャベツの芯をメダカ水槽につけておいたら、花が咲きました。
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【ヒッチコック米時代】 2012.05.02 (Wed)
『疑惑の影 (1943米)』
≪感想≫
前半はひたすら明るく平穏な住宅街の描写。 おませな末娘やミステリーおたく青年の物騒な会話が、凡々平和な生活のいいスパイスになっていて楽しい。 そこへ忍び寄る本物の ! 黒い影。・・・うす汚れた路地裏、汽車の黒煙、世の金持ち未亡人への罵り、相席をいやがり始める幼い妹弟・・・、あこがれの叔父への疑惑が少しずつ積み重ねられていく。
そんな、ふたりのチャーリーの心理の戦いがみごと。 「双子のようなテレパシーで結ばれた」 叔父の醜い素顔を合わせ鏡にすることで、少女は不安の青春期を乗り越えていく。・・・と同時に、「それでもまだ叔父を愛している (ヒッチ評)」 という深い傷も刻まれるのだ。
はじめは冒険のない地味な作品だと思っていたが、見直すたびに魅力が分かってきた。
とくに80分過ぎごろ、「レース・カーテン」 にいたる一連の演出が最高に素晴らしい!
・・・「メリーウィドウ事件」 の容疑者逮捕というニュースを聞いたチャーリー叔父の喜びよう。 階段を一足飛びで駆け上がる・・・が、我に返って振り返ると・・・姪チャーリーは、遠く玄関の外で立ちつくしたまま。暗い影に覆われた冷たい視線。そう、彼女は 「これにて一件落着」 などと決して信じていないのだ!
・・・そして不穏な斜めカメラから 「レース・カーテン」 のカットへ。 叔父はそのしぐさで、ついに最後の決断を下す・・・。
しびれた。
A・ヒッチコック監督第29作 『疑惑の影 (1943米)』
出演/ジョセフ・コットン (チャーリー・オークリー)
テレサ・ライト (チャーリー・ニュートン)
マクドナルド・ケリー (ジャック・グレアム刑事)
パトリシア・コリンジ (母エマ)
ヘンリー・トラヴァース (父ジョセフ)
≪あらすじ≫
静かな住宅街サンタローザ。チャーリーおじさんの来訪に、同名の姪チャーリーは大喜び。しかし大好きなおじさんが、世を騒がす未亡人殺しの犯人ではないかと疑い始める。日に日によそよそしくなる姪の態度・・・。それに気づいたチャーリー叔父もまた、ある決断を下すのだった。
≪解説≫
イギリス人のヒッチが、高名な劇作家T・ワイルダーの助力を得て、等身大のアメリカ市民社会をいきいきと描く。ワイルダーは兵役のため最初期だけの脚本参加だったが、ヒッチはその世界観づくりの功に最大級の謝辞を贈った (オープニング)。
善玉イメージのあるJ・コットンが悪役に挑戦、平穏な日常社会にひそむ黒い影を印象づけている。レース・カーテンの窓辺にたたずむ場面の不気味さよ!
対するT・ライトは、W・ワイラー監督 『ミニヴァー夫人('42)』 『我等の生涯の最良の年 ('46)』 などで知られる実力派の娘役。はつらつとした可憐さで、終戦直後の日本でもアイドル的人気を博した。
≪裏話≫
ヒッチは撮影直前の'42年、戦下のイギリスに残した母エマを亡くしている。(父ウィリアムは '14年、ヒッチ15歳のときに死去。)
戦争の混乱とタイトな契約に忙殺され、帰郷もままならなかったヒッチ。親の死に目に会えない罪悪感があったのだろう、作中で語られる登場人物たちの逸話や性格設定には、ヒッチ自身の思いが色濃く投影されている。(年が離れた甘えん坊の末っ子、トラウマによる性格の急変、古き良き父母の時代など・・・。そして、母役「エマ」は実母と同名で、父役「ジョセフ」はヒッチ自身のミドルネーム。)
≪ヒッチはここだ!≫
17分、列車の中でカードに興じる後ろ姿。持ち札がすごい手! (医師「君も顔色が悪いぞ」)
『SHADOW OF DOUBT』
監督/アルフレッド・ヒッチコック
製作/ジャック・H・スカーボール
脚本/ソートン・ワイルダー
アルマ・レヴィル、サリー・ベンソン
原作/ゴードン・マクダニエル
撮影/ジョセフ・ヴァレンタイン
音楽/ディミトリ・ティオムキン
ユニヴァーサル 108分
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