September 2007

September 28, 2007

みつむしが嫉妬しなかった(BlogPet)

みつむしが嫉妬しなかった。
それでぶんこやの奈良時代は信仰したいです。
だけど、きのうぶんこやの、裏表紙とか流行♪

*このエントリは、ブログペットの「みつむし」が書きました。

bunkoya at 08:08|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!みつむし 

September 27, 2007

『枕詞の暗号』 藤村由加 【by HANA】2

枕詞の暗号 (新潮文庫)



 もう15,6年くらい前だったろうか、『人麻呂の暗号』を読んだときに「はい??」と思ったのを覚えている。そのくらい突飛な解釈で、当時はとても話題性のあった作品だった。それから古代韓国語や中国語、易などを使って上代文を読み解いていこうという著者の考え方がシリーズになっていったが、今回取り上げた本もその一つだ。
 「あをによし」は「奈良」に「あしひきの」は「山」に、といった有名な枕詞から、ちょっとマイナーなものまで、文字通り語義未詳意味不明が「枕詞」の枕詞を、「枕詞=被枕詞」という論理に基づいて、易の考え方を取り入れ、読み解いていく。
 確かに、色々な側面から検証したり、時には発想の転換も必要だとは思うが、あいかわらず論理の持っていきかたが強引で驚いた。このくらい強い信念を貫いて主張が出来るというのは素晴らしいことだも感じた。楽しそうだし。歴史好きで、連想ゲーム好きで、謎が好きという好奇心旺盛な著者集団が想像できる。
 内容は、正統派研究が「日本書紀」だとすると「竹内文書」みたいな(どういう例えなのか自分でもよくわからないけれど)印象だ。(←かなり本能的というか直感的な個人的な感じ方で、論理は全く介在しない)
 本来、言語の成り立ち好き、語源好きなので、新しい知識を得るという側面からするととてもためになった。ただ、枕詞のナゾについては相変わらず???だった。


【HANAレビューも応援してね!】
人気ランキングHANA にほんブログ村 本ブログへ

 
 

 

September 25, 2007

『穢土荘厳』 杉本苑子 【by ぶんこや】5

杉本苑子全集 (15)


 (文春文庫の表紙がとてもいいのに・・・画像がなかった)

 一般的に歴史小説や時代といえば、その出版数からも戦国物(武士が活躍するもの)ということになるのだろうか。でもぶんこやにとって歴史小説といえば、奈良時代を中心とした飛鳥から平安初期くらいまでのもの、なのである。
 初めて手にしてから15〜17年にもなるだろうか。何度読み返したかわからない。何度読み返してもおもしろい。そして、「歴史小説=奈良時代がおもしろい」の構図を確固のものとして植えつけられてしまった作品である。
 ストーリーは、歴史でいうところの”長屋王の変”から”大仏開眼”まで。聖武天皇の時代だ。聖武天皇といえば、大仏を建立(開眼)したことからも、「聖武」という名前からも、たいへん信仰が篤く優れた天皇として、歴史の勉強で学ぶ(学ばされる?)ような気がする。しかし実際この時代は、蘇我馬子以来つづいた”蘇我系”天皇が、藤原鎌足が築き不比等とその息子らによって発展した”藤原系”へと権力が移っていき、それによるすさまじい権力争いや陰謀が渦巻く、まさに激動の時代だったのである。それに加えて疫病(裳瘡=天然痘)の流行、飢饉などで政治はガタガタに崩れる中、聖武天皇は”藤原系”が押し上げた、お飾りに近い天皇でしかなかった。(もっともこの時代以降の天皇は、ほとんど氏族の権力の道具となってしまったわけだけど)
 そんなすごい時代のお話を、長屋王に仕えていたのにはからずも命拾いして生き延びてしまった、手代夏雄という男を主人公に描いている。史料からの出典をはさみながらでも、その歴史のかたさや小難しさを全然感じさせない、まるで自分もその時代に生きているかのような錯覚を与えられるような、躍動感あふれる作品だ。
 歴史や仏教のこと、遣唐使のこと、いろいろなことを知らないうちに学んでしまうような一冊。奈良時代になじみのない人もきっと楽しめる。

【今日のレビューは杉本「苑子」さんですよ♪ ぶんこや】
人気らんきんぐBunkoya にほんブログ村 本ブログへ

bunkoya at 23:59|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!杉本苑子 

September 23, 2007

『約束』 石田衣良 【by ぶんこや】4

約束 (角川文庫 い 60-1)


 この世に奇跡は、きっとある。
 そんなことを本気で信じたくなるような、優しい、あたたかい小説。
 今まで、奇跡などというものにはお目にかかったこともないし、これから先も起こるかどうかなんてわからない。でも、この世の中にはきっと、ある。それは、「こうなったらいいな」的な希望とか夢とかではなく、人の生死や、心に直接関わるようなものなんだろう、と、そう思う。
 本書には、どうしようもない状況から起こる奇跡、またはそのようなものに、ほんの少し心や体をもちあげられて、このさきを生きてどうにかやっていくことの理由や意味を見出すことができるようになった人々のお話が収められている。ものすごく劇的なまさに奇跡のようなこともあれば、背中をほんのちょっと押しただけのようなものもある。でも、人の魂を救うことができれば、ほんのちょっとのことでも、奇跡と呼ぶに値する。
 石田衣良さんの小説は、いつも優しい。人柄なのだろうか。ミステリーでも恋愛小説でも、なにか、オブラートでつつんだようなぼんやりとした優しさや暖かさがある。この『約束』は、石田さんの優しさの魅力が最大限に表された作品だと思う。
 読んで良かった、と思える一冊でもある。

【いつも応援ありがとう★ ぶんこや】
人気らんきんぐBunkoya にほんブログ村 本ブログへ

bunkoya at 22:23|PermalinkComments(2)TrackBack(0)clip!石田衣良 

September 21, 2007

『南総里見八犬伝』 平岩弓枝 【by HANA】4

南総里見八犬伝 (中公文庫)

 
 スクリーンの中で「し〜んべぇ〜!」と薬師丸ひろこ氏が叫んでから、はや20数年。HANAがはじめて里見八犬伝にふれたのは、真田ヒロユキ氏が犬江親兵衛役の娯楽映画でした。まだ、中学生のころでしたので、恋愛ものだと信じていました。(そして、夏木マリ氏が本気でコワかった)
 あれから何年たったのでしょう。久しぶりに楽しみだけのために、ライトな感覚で(だって、ほんとはとてもじゃないけど長いから)美味しいところだけわかりやすく(だって、人物関係がややこしすぎるんだもん)八犬伝したいなぁと思い、平岩作品を手にとりました。大正解でしたね。
 良い者と悪い者がはっきりしていて、八犬士は絶対に死なないし、良いオトコなので、安心して読めました。あっさりなのも、気分にぴったりでした。
 八犬伝の悪女はマジでしつこくて、船虫(名前もすごい!)の生命力には○○ブリに通じるものを感じますね。そのパワーは、善良な女性があっさり命を落とすのと対照的で、逆に大活躍ともいえるわけです。悪女あっての物語です。
 そして、女装の美男子犬塚信乃、犬坂毛野の存在も当時の読者の心をガッツリつかんだでしょうね。
 これからも、ずっと読まれ、楽しまれる伝奇小説でしょう。平岩さんの文章、ほんと読みやすかったです。


【HANAレビューも応援してね!】
人気ランキングHANA にほんブログ村 本ブログへ


bunkoya at 23:58|PermalinkComments(3)TrackBack(0)clip!平岩弓枝 

September 20, 2007

『東京新大橋雨中図』 杉本章子 【by ぶんこや】5

東京新大橋雨中図 (文春文庫)

 (画像がなかった・・・)
 久しぶりに再読してみて、こんなにおもしろい本だったかと驚いた。
 ”日本最後の木版浮世絵師の物語”としても、”江戸から明治への移り変わりの物語”としても、”小林清親という一人の男の物語”としても、どのような角度から読んでもおもしろい。丹念に調査された時代考証の中で、小林清親という人物を一番手前に置いて、そのすぐ後ろに大きな絵画(版画)の世界を置き、ぐるりには清親に近しい人物を置き、全体の背景には文明開化という大きな流れを置く、という、まるで遠近法を小説にしたような、いくつも層が重なって様々な色を織りなすような、すばらしい作品だ。
 江戸の社会では武士であった清親は、明治への遷移の波にもまれるように、年老いた母を抱え苦労を重ねる。地方を回って凌ぎをするが、けっきょく江戸+=東京に戻ってくる。やっと戻った東京で母を亡くし、もてあます時間の中で手すさびに描いた絵が、たまたま下宿先だった版元の目に留まり、この世に小林清親という絵師が誕生する運びとなった。
 サクセス・ストーリーのようでもあり、苦労話のようでもある。でも、どっちかに転びすぎないところもまたいい。どんなに素晴らしい絵を描いても、儲けるのは版元ばかりで、絵師は描いた絵の画料をもらうのみ。今では信じられないような横暴な話だ。世が世なら・・・と思わずにはいられない。厳密にいえば浮世絵とは違う、”光線画”という風景画をこの世に産出した清親だが、木版画そのものが廃れていく時代に、止むなく”ポンチ絵”という風刺絵を描くようになる。これが後に”清親ポンチ”と呼ばれるようになる。
 ストーリーは、清親がポンチ絵を描き始めるころまでの、全盛期までで終わる。
 絵師としての清親の物語だけでなく、様々な人物との関わり合いもまた、この作品のいいところである。多くの人に支えられ、助けられて清親がのぼりつめていく様子が、この物語をただのサクセス・ストーリー的なもので終わらせないようになっている。
  
  手が届かない程の値段ではない・・・
  ちょっと欲しい。

 ↓小林清親の「東京新大橋雨中図」(版画)

小林清親  「東京新大橋雨中図」小林清親  「東京新大橋雨中図」


【いつも応援ありがとう★ ぶんこや】
人気らんきんぐBunkoya にほんブログ村 本ブログへ

bunkoya at 22:51|PermalinkComments(5)TrackBack(1)clip!杉本章子 

September 19, 2007

『女龍王 神功皇后』 (上)(下) 黒岩重吾 【by HANA】3

女龍王神功皇后〈上〉 (新潮文庫)
女龍王神功皇后〈下〉 (新潮文庫)


 ロマンだ〜!黒岩ロマンの世界だ〜!・・・と叫びたくなるのを誰が抑えることが出来ようか。しかも、長い!文献も資料も乏しい中、神功皇后でこんなに長い物語が書けるなんて、感動だ。
 こんなに大作なんだけど、この本売れるんだろうか、と心配になるのは、戦時中ならいざ知らず、イマドキ一体何人の人が神功皇后に興味があるのだろうと思うから。いや、街角インタビューならまず知っている人のほうが珍しいと思う。国文学、考古学を専攻している人なら知っているのだろうか・・・HANAはそうは思えないのだけれど。
 神功皇后は、『日本書紀』『古事記』に出てくる謎の人物(笑)だ。実在は怪しい、というか、何もかもが怪しい。自ら船に乗って新羅討伐に行っちゃう、夫である仲哀天皇かたなしの強い奥様でもある。
 そんな神功皇后(オキナガタラシヒメ)の誕生前夜から倭国を平定するまでのずーっと昔の物語を、史実にとらわれず、黒岩氏独自の世界で作り上げた力作です。タケウチノスクネ、カツラギ氏、ワニ氏、クマソ、もちろんタラシナカツヒコ(仲哀天皇)などなど記紀おなじみのメンバーが生き生きと描かれています。
 HANA的には自分のイメージとだいぶ違ったキャラクターもいて、複雑な思いもしたが、一時期寝ても覚めても彼らのことばかり考えていた何年かがあったため、遠い親戚の話のような親近感もあり、全く違和感なく入れる世界でした!
 実は童話は怖かった・・・みたいな本をちょくちょく見かけますが、日本の神話も記紀も残酷さでは負けてないと思う。しかもちょっとお下品な公的文書だったりもして・・・


【HANAレビューも応援してね!】
人気ランキングHANA にほんブログ村 本ブログへ


bunkoya at 23:20|PermalinkComments(2)TrackBack(0)clip!黒岩重吾 

September 18, 2007

『パレット』 前川麻子 【by ぶんこや】4


パレット (光文社文庫)
パレット (光文社文庫)
クチコミを見る



 素直でピュアで、そこいらの大人よりもずっと大人な、二人の14歳の少女が描かれている。
 日本人形のような清楚な魅力を放つ尚美は、30歳ワタルくんという恋人がいる。二人で歩いていると周りの人をドキッとさせ、「エンコー?」などという言葉が二人を目撃した人の頭をよぎる。実際、そういういわゆる”世間の目”からいろいろな攻撃を受ける。
 フランス人形のようなゴージャス美人の絵麻は、元シンガーソングライターの母と二人暮し。出会い系サイトで恋人を探す母のことをクラスで攻撃されても、怒ることも落ち込むこともせず、おどけた言葉でかわし、女の子たちの嫉妬の目をユルユルと潜り抜ける。
 そんなとびっきり魅力的な二人は、小さいころからずっと渋谷のど真ん中で育った、仲良しの幼馴染だ。
 もちろん中学生は子供で、まだまだ未熟な心と体をもっているけれど、今思うと、ある意味ではあのころのほうが大人だったなあ、と思うこともある。大勢の中での自分の位置の確認とか、その中でどうやって自分らしく、時には自分を殺しながらうまくやっていくか、とか、大人たちの心ない決めつけや抑制に、どうやって自分の心を合わせていくか。それがうまくいかずに、子供っぽい言動に走ってしまうことも多々あるけれど、ずるさや逃げ道が少ない分、大人な判断をしてきたことも多かったと思う。
 言い換えればそれは、正義感、なんていう言葉になるのかもしれない。そもそも正義感なんて、青臭いというか子供っぽいものでもあるのだけど、それを必死に守ろうと考えることができる子供は、見ぬふりができる大人より、ある部分ではずっと大人である、という考え方もできるのではないか?
 そんなことを考えて、じわじわとはまってしまった小説だった。

【いつも応援ありがとう★ ぶんこや】
人気らんきんぐBunkoya にほんブログ村 本ブログへ



September 15, 2007

『水に眠る』 北村薫 【by ぶんこや】3

水に眠る (文春文庫)


 なんとも不思議テイストな12粒入りの短編集。
 それぞれがすべて、味が違っておもしろい。ビターなものあり、頭がぐらっとするものあり、背筋がぞわっとするものあり、ほんわかやわらかいものあり。
 でも全体的に漂う雰囲気は、「不思議」そして「奇妙」。
 裏表紙のブックデータに「様々な愛の形を描いた」とあるが、北村氏が愛を描くとこういう味になるのか・・・ふむふむ。というかんじだ。恋愛小説ファンにはあまりオススメできないタイプの小説である。
 北村薫さんの作品は、時空を超えるようなSFっぽいミステリーをいくつか読んだが、この短編集は、そういうのともちょっと違う。なんというか、とても、”文学的”だ。これまでずっと、北村氏は大衆的な作家だと信じていたが、その見方を改めなければ、と感じるような一冊だった。
 好き嫌いはかなり分かれると思う。
 ぶんこやは、嫌いじゃないな。

【いつも応援ありがとう★ ぶんこや】
人気らんきんぐBunkoya にほんブログ村 本ブログへ

bunkoya at 06:22|PermalinkComments(2)TrackBack(0)clip!北村薫 

September 14, 2007

行動(BlogPet)

きょう、行動したかも。

*このエントリは、ブログペットの「みつむし」が書きました。

bunkoya at 07:37|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!
アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

Categories
Recent Comments
本ブログ検索
本ぶろ
別室
ぶんこやゴハン
ごはん中心の日記です。
※現在更新をお休みしています。
QRコード
QRコード


  膺肢鐚