ヴィルヘルム・フリーデマン・バッハは大バッハの長男。1710年生まれで1784年に亡くなっているので、ちょうど大バッハとモーツァルトの間の世代に当たる。音楽的にも峻厳で、ともすれば装飾過剰になりがちなバロック音楽から、より素朴なメロディを主体とし、優しく典雅なロココ調のギャラント様式に移ろうとしている。

聴いていると心が落ち着く。大バッハの曲のような緊張感や深刻さがない。それが現代人にはウケないのかもしれない。コンサートでこんな曲をやられても興奮しないし、私なら絶対に寝てしまう自信がある。寝る前に聴くにはうってつけかも。

①ソナタ ホ短調 (フルート・トラヴェルソと通奏低音のための) /
②同ヘ長調 (フルート・トラヴェルソと通奏低音のための)/
③トリオ・ソナタ 変ロ長調 (F50) (2つのヴァイオリンと通奏低音のための)/
④同ニ長調 (F.48) (2つのフルート・トラヴェルソと通奏低音のための)/
⑤同イ短調 (断片) (2つのフルート・トラヴェルソと通奏低音のための)/
⑥同 ニ長調 (2つのフルート・トラヴェルソと通奏低音のための)

演奏:カメラータ・ケルン
録音:2003年10月12日~14日
ドイツ公共放送 センデザール
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