NadegataPapaのクラシック音楽試聴記

クラシック音楽の試聴記です。オーケストラ、オペラ、室内楽、音楽史から現代音楽まで何でも聴きます。 カテゴリーに作曲家を年代順に並べていますが、外国の現代作曲家は五十音順にして、日本人作曲家は一番下に年代順に並べています。

2022年04月

ドビュッシー (ノット編) 『ペレアスとメリザンド』 / ジョナサン・ノット、スイス・ロマンド管弦楽団

ドビュッシー (ノット編) &シェーンベルク : 『ペレアスとメリザンド』 / ジョナサン・ノット、スイス・ロマンド管弦楽団 (Debussy (arr. Nott) & Schoenberg : Pelléas & Mélisande / Jonathan Nott & Orchestre de La Suisse Romande) [2SACD Hybrid] [Import] [日本語帯・解説付き]
スイス・ロマンド管弦楽団
PENTATONE / King international
2021-11-17

ドビュッシーのオペラ「ペレアスとメリザンド」をジョナサン・ノットが組曲にしたもの。こうした編曲はラインドルフ版もあり30分弱の長さだが、ノット盤は15曲47分あるので、より多くの楽曲を入れているのだろう。残念ながらアマゾンにはなく、スポティファイで聴いている。

無料のスポティファイで聴いているので、突然ポピュラー音楽のCMが入るのが煩わしい。ポピュラーを聴いているなら気にならないかもしれないが、クラシックが突然中断してポピュラーが流れ出すのは心臓に悪い。金を払わない私はもっと悪いのだが。

ペレアスとメリザンドは、一時期ワーグナーに心酔していたドビュッシーがワーグナーの影響から抜け出て、そのアンチテーゼとしての性格と持たせているので、分かり易いメロディやアリアがない。会話が音楽に乗って淡々と進んでいくが、音楽の響きが非常に魅力的で、映像で見るといつも感動する。

これまで映像でしか見てなかったペレアスとメリザンドだが、こうした音楽だけ抜き出したCDがあるのはありがたい。映像なしに音楽だけ聴くと、会話が何を言っているか気になって音楽に集中しきれないのだ。

順序が逆かもしれないが、組曲版に親しんだ後で、ペレアスとメリザンドのCDを聴いたら頭に入り易いのではなかろうか。

Disc1
● ドビュッシー/ノット編:交響的組曲『ペレアスとメリザンド』(1902/2020)
Disc2
● シェーンベルク:交響詩『ペレアスとメリザンド』(1905)
スイス・ロマンド管弦楽団
ジョナサン・ノット(指揮)
録音時期:2019年6月(Disc2)、2020年11月(Disc1)
録音場所:ジュネーヴ、ヴィクトリア・ホール
録音方式:ステレオ(DSD/セッション)

ラインドルフ版には本人の録音の他に、アバド指揮ベルリン・フィルのCDもある。

ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲、夜想曲、「ペレアスとメリザンド」組曲
ベルリン放送合唱団員
ユニバーサル ミュージック クラシック
2013-09-18



フォーレ:レクイエム(フル・オーケストラ版)、フランク「交響曲」ヘレヴェッヘ指揮シャンゼリゼオーケストラ/ゾマー(S)/ゲンツ(Br)

フォーレ:レクイエム(フル・オーケストラ版)、フランク:交響曲
オーケストラ新定番名盤50
キングレコード
2018-10-24

ヘレヴェッヘは1893年稿のフォーレのレクイエム(HMC901292)を録音して高い評価を得たが、今回はフル・オーケストラ版(1901年稿)を録音した。

しなやかな音楽づくりが魅力的で、オケの歌い方がたゆたう様な印象を与えてとても気持ちいい。音楽の揺らぎに体も心も同調していくようだ。

フォーレの研究家として世界的に名高いジャン=ミシェル・ネクトゥー氏が、最新の研究成果を反映して校訂した、1998年出版の楽譜(通称アメル新版)を使用し、さらにピリオド楽器の使用して19世紀末~20世紀初頭当時のパリで話されていた発音を考慮して録音したらしい。

フォーレのレクイエムには稿が3つあり、第1稿、第2稿はヴァイオリンと木管を欠く特殊な楽器編成のために書かれ、第3稿はフルオーケストラのために書かれている。

構成曲数にも違いがあり、第1稿は5曲、第2稿が第1稿に2曲が加わった7曲で構成されている。第1稿としての出版楽譜がないのは、共通している部分が第2稿と同じため。第2稿はラター版とネクトゥー/ドラージュ版(ロジェ・ドラージュは指揮者)の2種類の楽譜が出版されている。

この2版の最大の違いは、第3稿に近い立場をとる(ラッター版)か、より細かい復元に意を置いた(ネクトゥー/ドラージュ版)かという点で、例えば、歌や伴奏のリズムが細かい点で違っている。

最も一般的な第3稿にはすでに4種類の楽譜があります。もともと使われていたアメル社の旧版、1978年にオイレンブルク社から出版された版、1995年にペータース社から出版された版、そして、今度の録音に使用された1998年にアメル社から出版された新版というラインナップ。

この最新版が今までのものとどう違うかというと、まず、第2稿の校訂もしたネクトゥー氏が校訂しており、レクイエムの変遷及び、第2稿についての充分な知識を踏まえた作業をおこなっていること。オイレンブルク版のように間違いが多いアメル旧版に依拠していないことが重要な点である。

具体的には、第2稿と同じように細かい点でのリズムや音高などの相違となって表れてきており、今回のヘレヴェッヘの新録音がクリティカルな意味でも高い価値を持ったものであることは間違いないところ。

【収録情報】
・フォーレ:レクイエムOp.48(1998年出版新校訂譜使用)
・フランク:交響曲ニ短調
ヨハネッテ・ゾマー(S)
シュテファン・ゲンツ(Br)
ラ・シャペル・ロワイヤル
コレギウム・ヴォカーレ、シャンゼリゼ管弦楽団
フィリップ・ヘレヴェッヘ(指揮)
録音時期:2001年11月
録音場所:グランデ・サル・ド・アルスナル、メッツ
録音方式:デジタル(セッション)

フォーレ:レクイエム(1893年稿)
ヘレヴェッヘ/シャペル・ロワイヤル
キングレコード
2017-10-25


モーツァルト「レクイエム」ドビュッシー四重奏団

Mozart: Requiem
Quatuor Debussy
Imports
2009-03-10

モーツァルトのレクイエムを弦楽四重奏曲に編曲する試みは、オーストリアの医学博士で役人。アマチュアの音楽家でもあったペーター・リヒテンタール(1780-1853)が1802年に行ったのが最初だと思う。

彼はモーツァルトの熱烈な支持者で息子のカールとも親交があったということだが、編曲は大胆なもので、合唱パートの旋律をまるまる削除したり、『ラクリモサ』8小節目への思い入れや、ジュスマイヤー補筆箇所での小節の間引きなど、やりたい放題やっているらしい。

ドビュッシー四重奏団の演奏は、それとは別に、自身による編曲を行っている。リヒテンタール編曲はクイケン盤やストリングフィッツStringfizzなど数種類出ているが、そっちの方は聴いたことがないので、編曲がどう違っているのかは分からない。

声楽は全く入ってないので、最初はちょっと戸惑ったが、聴き続けると慣れ親しんだメロディが弦の音色で聴こえてきて、室内楽的な美しさを楽しむことができる。

ヴィヴァルディ「四季」マリナー指揮アカデミー室内管

ヴィヴァルディ:協奏曲集「四季」、管楽器のための協奏曲集
サー・ネヴィル・マリナー
ユニバーサル ミュージック
2019-02-20

中学生の時初めて買ってもらったクラシック音楽のレコードがヴィヴァルディの「四季」だった。演奏はネヴィル・マリナー指揮アカデミー室内管弦楽団のもの。

母に頼んで買ってきてもらったもので、母がレコード店の店員からこれを勧められたらしい。昔はどれを買ったらいいか分からなかったら、店員が勧めてくれたりしていて、それを買うのが当り前にあった。

当時ヴィヴァルディの「四季」は、クラシック音楽の中でも最も人気のある曲で、中でもイ・ムジチ合奏団のレコードは非常によく売れていた。そのイ・ムジチ盤を押さずにマリナー盤をお勧めしたところにレコード店員のこだわりがあったのだろう。

この「四季」は、音楽学者・鍵盤楽器奏者のサーストン・ダートが校訂しており、それまでの演奏に見られない新解釈を示し、当時の音楽界で話題を呼んだ。


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ヘンデル「合奏協奏曲集Op.3&6」ベルリン古楽アカデミー

Handel Concerti Grossi..
Akademie Fur Alte Musik B
Pentatone
2021-03-12

もともとは英国のオラトリオ公演の合間に演奏される間奏曲として作曲されたヘンデルの合奏協奏曲。バロック時代の最も魅力的なオーケストラ音楽としてすぐに有名になった。当時非常に人気のあったコレッリのコンチェルトグロッシに敬意を表すると同時に、彼の時代のすべての音楽スタイルを作品に取り入れながら、彼のこの分野での高い習熟度を証明して見せた。

以前はピノックとイングリッシュ・コンサートの名盤をずっと聴いたが、ベルリン古楽アカデミーによる最新盤は爽やかで颯爽としたピノック盤より、テンポを含めて落ち着きがあって、じっくりと音楽に取り組んだ味わいがある。

ヘンデル
ベルリン古楽アカデミー
①6つの合奏協奏曲 Op.3
 ベルリン古楽アカデミー
 ゲオルク・カルヴァイト(ヴァイオリン/コンサートマスター)
 録音時期:Op.3:2019年5月
 録音場所:ベルリン、ニコデマス教会
②合奏協奏曲Op.6(Nos.1~12)
 ベルンハルト・フォルク(ヴァイオリン/コンサートマスター)
 セッション録音:2018年9月、2019年2月/ニコデマス教会(ベルリン)
 録音方式:ステレオ(DSD/セッション)
 SACD Hybrid
 CD STEREO/ SACD STEREO/ SACD SURROUND

 エグゼクティヴ・プロデューサー:ルノー・ロランジェ(ペンタトーン)
 レコーディング・プロデューサー&編集:カレル・ブリュッゲマン(ポリヒムニア・インターナショナル)
 バランス&レコーディング・エンジニア:ジャン=マリー・ヘイセン(ポリヒムニア・インターナショナル)

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バッハ「ロ短調ミサ曲」マクラウド指揮リ・アンジェリ・ジュネーヴ

Bach: h-moll Messe, BWV 232
Claves Records
2021-03-26


実力派バス歌手ステファン・マクラウドが2005年に結成した「リ・アンジェリ・ジュネーヴ」。新型コロナウィルス感染拡大により演奏活動が制限される中、2020年10月に『ロ短調ミサ』の録音が実現しました。

古楽アンサンブルの名団体として知られるリ・アンジェリ・ジュネーヴ。可変アンサンブルでオリジナル楽器を用いて演奏する当団の特徴は、レパートリーに問わず声楽メンバーを舞台上の前列に配置しており、これは声楽がもつ詞のパワーそして豊かなアンサンブルを全面に押し出すことを目的としています。当セッションでは舞台上に円を形成し、中心のマイクを取り囲む形で録音されました。とりわけバッハ作品を中心としたレパートリーで高い評価を得ており、「Claves」レーベルからリリースしている『マタイ受難曲』は各誌で絶賛された当団の代表的な録音です。

バッハの最後の完成作である『ロ短調ミサ』。当演奏での注目は6人のソロと4人のリピエーノ、計10人の最小編成による声楽陣です。バッハのほとんどのカンタータやヨハネ受難曲では8人、マタイ受難曲では2つの合唱パート16人で構成され、『ロ短調ミサ』でも12人を編成するのがより理にかなっていますが、マクラウドはこの状況下で10人での演奏を実現させました。適切な人数の合唱とオーケストラのメンバー、そして独唱者たちによって、より親密なアンサンブルが醸成されており、コロナ禍の厳しい状況のなかでも常に新しいアプローチに挑戦する当団が、溢れでる音楽への悦びを全身全霊で表現した注目録音です。

今回も豪華歌手陣に注目です。メゾ・ソプラノのマリアンネ・ベアーテ・キーラントはバッハ・コレギウム・ジャパンの『第九』の録音でも高い歌唱力で評価された実力派。この他、ソプラノのアレクサンドラ・レヴァンドフスカ、アルトのアレックス・ポッター、テノールのヴァレリーオ・コンタルドは『マタイ受難曲』の録音でも存在感を示した注目の歌手です。マクラウドが練り上げてきた密度の濃いアンサンブルそして豊かな表現で挑んだ心温まる『ロ短調ミサ』の録音です!(輸入元情報)

【収録情報】
● J.S.バッハ:ミサ曲ロ短調 BWV.232

【ソロ】
アレクサンドラ・レヴァンドフスカ(ソプラノI/『キリストよ、憐れみをお与えください」「われは信ず」)
ゾーエ・ブルックショウ(ソプラノII/「神なる主」)
マリアンネ・ベアーテ・キーラント(メゾ・ソプラノ)
アレックス・ポッター(アルト)
ヴァレリーオ・コンタルド(テノール)
ステファン・マクラウド(バス)

【リピエーノ】
アンネ=キャスリン・オルセン(ソプラノ)
クリステル・ムーニー(アルト)
オリヴィエ・クワッフェ(テノール)
ヤロミル・ノセク(バス)

アレクシス・コセンコ(トラヴェルソ)
エマニュエル・ラポルト(オーボエ)
オリヴィエ・ピコン(ホルン)
ギイ・フェルベ(トランペット)
リーラ・スケイフ(ヴァイオリン)
ロエル・ディールティエンス(チェロ)
フランソワ・ゲリエ(チェンバロ)
フランシス・ヤコブ(オルガン)

リ・アンジェリ・ジュネーヴ(管弦楽・声楽アンサンブル)
ステファン・マクラウド(指揮)

録音時期:2020年10月
録音場所:ジュネーヴ、エルネスト・アンセルメ・スタジオ
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
サウンド・エンジニア、エディティング、マスタリング:マルクス・ハイラント(Tritonus Musikproduktion)



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バッハ オルガン全集がSACD5枚組みに
ダウランドのリュート全集がSACD1枚に
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ヴィヴァルディ10枚組み
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