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    【このアート!】 2022.05.22 (Sun)

    メトロポリタン美術館展、最終盤

    メトロポリタン美術館展

     東京・国立新美術館で開催中の、ニューヨーク美の殿堂 『メトロポリタン美術館展』 も最終盤です。かんたんにその感想を・・・。前編。


     ヴーエ 『ギターを弾く女性』 (※以下、リンクはDuckDuckGo画像検索ページへ)
     日本でいう江戸初期の人、シモン・ヴーエ(仏)はイタリアで学び、バロック絵画をフランスに伝えた人だそうだ。陰影を強調した輪郭の力強さと生々しい肉感。バロックの先駆者カラヴァッジョのもろ影響が分かる。本展の売りとされた本家カラヴァッジョ作品(上のポスター)より、品が良くて好き。
     (追記…上野の国立西洋美に同じモデルの作がある。でもこのメット蔵のほうがよく出来ていた。)


     ゴヤ 『ホセ・コスタ・イ・ボネルス、通称ペピート』
     筆の跡を残した即興性、寒々と省略された背景・・・といえばマネの 『笛を吹く少年』(オルセー蔵)が有名ですが、元祖はこっち。真似したのはマネのほうでした(ダジャレじゃないよ)。でも一瞬マネかと思った。
     「スペインの北斎」 「絵画界のベートーヴェン」 とでもいうべき、長寿の最期までギラギラと芸に生き、混とんの時代と闘ったゴヤ先生。こんなかわいい子供をかわいく描かれると、まわりまわって何だか新鮮でした。


     セザンヌ 『ガルダンヌ』
     セザンヌが暮らしたガルダンヌ村(仏エクサン・プロヴァンス)の連なる屋根の波。その立体的平面の重なりは、ぱっと見ジョルジュ・ブラックのキュビズム画を思わせた。セザンヌが「キュビズムの元祖」とも呼ばれるのがよく分かる。
     小さくて目立たない作品ですが、本展の近代編の中ではいちばん印象に残りました。



    【続き・・・】

     
     いずれも西洋絵画史のビッグネームばかり。聞けば、“メット”の常設展コーナーが改装中とあって借りてきただけの催しだとか。おんぶにだっこじゃなくて、プラスアルファの企画・演出力がほしかったな、日本側には。
     ただ、カラヴァッジョがいたからレンブラントがいて、レンブラントがいたからゴヤがいて。ゴヤがいたからマネがいて、マネがいたから印象派が生まれて・・・。唯一無二の巨匠たちも道に迷い、模倣しあい、影響されてのち生まれた。そんな西洋絵画の系譜がよく分かる「総合力」はさすが天下のメット、と言うべきか。
     このN.Y.メトロポリタン美術館には行ったことがないので、いい目標ができました。

     
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