乃木坂46にあふれる「お嬢様感」。深窓の令嬢の集まり。男子禁制の女性の花園で、可憐に、清楚に咲き誇る乙女たち。俗世界で汚れきった人間に、その世界はあまりにまぶしく、そして、憧れを感じる――。


 こんな印象を世間に与えた乃木坂46の初動戦略は偉大だ。AKB48が身近に感じるアイドルならば、乃木坂46は決して手の届かない世界にいるアイドル。だからこそ直接目にしたときの感動はひとしお。別世界のお嬢様たちが、わざわざこんな世界に降りてきているのだ。感動しないわけがない。


 そしてそんな存在だからこそ、彼女たちにしか産み出せない世界観を大事にしてほしい。彼女たちはもはや唯一無二の存在。他と同じことをやるにしても、彼女たちにしかできない、独自の方法がきっとあるはず。


 穢れのない、静謐に満ちた美しい世界で微笑む少女たち――。


 それがいつまでも続きますように、と儚い願いをかけた午後のひととき。雨、やまないなぁ。