1.25。日本武道館。

 このブログでも散々煽った「音楽と格闘技の対決コラボレーション」というわけわからん(褒め言葉)イベントに行ってまいりましたよ。

 全対決について書きますので、出場者に興味ある人、みんなまとめてかかってこいや!(vo.有田哲平

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 今回は、コメント欄でおなじみ「斜めに見える青空」さんと連番で挑んできました。青空さんは桜井玲香タオルを首に巻き、ペンライトを両手に装備し、イベント前から臨戦態勢。近くのHKTファンに睨みを利かせていたような気がします(ジョークですよ、ジョーク

 そう、このイベントに参加するのは乃木坂ファンだけではありません。HKTファンも大挙して押し寄せていれば、バンドのファン、長州VS藤波のみに興味のあるプロレスファンもたくさんいます。会場の空気はそんな多種多様なファンでごった煮状態。

 こういったFESに参加するのははじめてですが、どこかプロレス会場のような匂いを感じていました。そりゃステージからせり出した形でリングがあるのですから、そう感じてしまうのは無理もないこと。リング越しにライブを見るなんて、なかなかない経験です。

 イベントがはじまると、まず進行役として高橋大輔アナウンサーが登場。

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 沸き立つ乃木坂ファン。「ダイスケー!」という野太い声が響きます。プロレスファンはなんでアナウンサーにと「?」だったと思いますが、和田京平レフェリーに「きょーへー!」と叫ぶようなものです。ん、違うか。

 続いて登場したのが、本イベントの総合プロデューサーのサイモン利根川氏。サイモンと聞くと「あの」サイモンしか思い浮かばないのですが……。とにかくこのサイモン氏が、もうめちゃくちゃうさんくさい。ショーグン・KY・ワカマツもびっくりのうさんくささ。ロッテガム主催とあって、終始ガムをくちゃくちゃ噛んでいるのですが、危ない薬をや(自主規制)

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 サイモン氏の挨拶を聞きながら思いましたよ。これはやっぱりプロレスなんだと。その世界観にどれたけ浸れるかが楽しめるかどうかの鍵。行き過ぎといえるぐらいのサイモン氏の表現もまたプロレスなんでしょう。

 OKOK。それなら全力で乗っかりましょうか。

 サイモン氏の裏返った「ガムロオオオオオオオック」の叫びを聞きながら頭をプロレスモードに切り替えたのでした。


 さて第一試合。

 新進気鋭バンド対決として、Thinking DogsとSilent Sirenの対決です。

 まず登場したのはThinking Dogs。

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 申し訳ないことに彼らの名前も知らなければ、当然、曲もはじめて。なんとなくでリズムをとっていましたが、注目していたのは別なポイント。

 アリーナのお客さんが次々座りだしたんです。自分の見る限り、半分ぐらいは座っていたでしょうか。全部立って見る義務もなければ、座るのは自由です。でも、これまでアリーナは立っているものだと勝手に認識していた自分は衝撃でした。同時にライブの厳しさを知った思いです。管理人はライブ経験値1を手に入れた!(レベルはあがらない

 もちろん彼らのファンは、他団体会場で盛り上がる新日本プロレスファンのように盛り上がっていましたよ。


 続いて対戦相手のSilent Sirenです。

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 もうね、これ今日の個人的メイン。サイサイ好きは方々で公言しているわけですが、生サイサイははじめて。登場時点でテンションが上がり過ぎ、もはや涙目。すぅさん(↑)すてきだったよー、ゆかるん(→)かわいかったよー、ひなんちゅ(↓)かっこよかったよー、あいにゃん(←)好きだよー。

 後からツイートを漁っていたら、ゆかるん(→)を気になった乃木坂ファンが多かったご様子。当ブログ常連さんのひとり「NK46」さんも、「キーボードの子、イイね!」と目を輝かせていました。

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 サイサイの曲は、会場みんなで同じフリをするものが多いのですが、どんなフリかわからない方も多いはず。でも無問題! ゆかるんの動きを真似してればOKです。会場を盛り上げるために動き回って「キーボードだいじょうぶ?」ですって? 安心してください、弾いてます。

 皆さん、Silent Siren、ぜひよろしくお願いします。3月2日、アルバム発売します。


 バンド対決の最後は、両バンドによるコラボ。「リンダリンダ」でおっさんみんなの心を鷲づかみにして終了となりました。

 さて、対決ですから、勝敗を決めなくてはいけません。この勝敗の決め方がまたうさんくさい。観客判定を参考に、サイモン利根川氏がジャッジするとのこと。観客は良かったと思うほうに、ガムロックポーズ(そういうものがあったのです)を掲げます。

 この観客判定。もう見るからにサイサイに手を挙げる人が多かったです。間違いない。うむうむ。サイサイの魅力が伝わって余は嬉しいぞ。Thinking Dogsの諸君、次はがんばるがよろ――


サイモン利根川
「勝者! Thinking Dogs!」


 っざけんなよ!


 こいつ……独断と偏見で決めやがった! 「Thinking Dogsの名前がいいよね」って、あんたが名付け親じゃないか! これがあんたのやり方か! なるほど理解したぜ! あんたはサイモン利根川じゃない! 阿部四郎だ!

 でも覚えておけよ。その強引なレフェリングで乃木坂を裁いたときがあんたの最後だということを。


 興奮冷めやらぬなか、第一試合は終了。そこでとある発表が。今回、メインイベント終了後、長州藤波両選手とリング上で記念撮影できる特典がありました。でもその特典をゲットできるのは抽選で50名。発表はモニターに当選者の席が発表されるので、手持ちのチケットと見比べながらチェックしていきます。

 まあ当たるわけないなと他人事のように見ていたら……あれ、見覚えのある席が表示、って当たってる!?

「おめでとうございます!!」

 隣の青空さんの喝采を浴びながらも、まだ半信半疑。何度も何度も見比べて確認。間違いなくモニターの席と一致しています。

 嬉しいというよりこみ上げる緊張感。リングが神聖な場所だということを、子どもの頃からすりこまれているので、そこに立つ自分をまるで想像できません。

「試合終了後すぐ所定の位置に集まってください」

 そんなアナウンスもどこか上の空で聞きながら、イベントは第二試合に進みました。


 第二試合は、ササダンゴマシンVS南海キャンディーズしずちゃん。

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 勝負の内容は、リング上で「次回開催予定のガムロックフェスでの対決案」を発表するプレゼン対決。リングの無駄遣い極まりない。

 マッスル坂井ササダンゴマシンは場慣れしているというか安定のおもしろさ。アイドルファンが多く集まっている会場の空気をうまくつかっていました。一方しずちゃんは、あれが芸風というのもあるかもしれませんが、なかなか厳しい展開。まちゃまちゃが助っ人でこなかったら大惨事になっていたと思われます。笑いって難しいなぁ。

 しずちゃんの勝利で幕を閉じましたが、司会者、ササダンゴ、サイモン氏みんなでしずちゃんを盛り立てようとしていた空気が逆に痛々しく感じたのは、わたしだけでしょうか?(だいたひかるさんは出場していません


 そしていよいよセミファイナル!

 我らが乃木坂46の登場ですよ!

 東西アイドル対決!

 乃木坂46 VS HKT48!


 まずはHKT48の登場です。


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 HKTも実は今日とても楽しみにしていたグループです。HKTというより、生指原莉乃を見ることに興奮していました。様々な個性が爆発するAKBグループにおいて、現段階でのトップは間違いなくさっしーでしょう。そのスター性を間近に感じたかったのです。

 HKT48は「しぇからしか」、「桜、みんなで食べた」、「ロックだよ、人生は・・・」、「ウィンクは3回」、「メロンジュース」、「12秒」を披露。

 
 結論から言うと、HKT48、指原莉乃、堪能しました。

 具体的には乃木坂46と対比しながら記しましょう。


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 乃木坂46は、「命は美しい」、「ポピパッパパー」、「制服のマネキン」、「君の名は希望」、「おいでシャンプー」。

 全曲終了後、乃木坂46の持ち歌「ダンケシェーン」をHKT48が、HKT48の持ち歌「控えめI Love You」を乃木坂46がパフォーマンスをして対決は終了。

 このコラボも含め、HKT48と乃木坂46を短時間で味わえたのは非常に感慨深いものでした。


 HKT48のパフォーマンスは、実にパワフル。ステージの熱気を会場の隅々まで迸らせていました。「どこ見てるんだ、わたしたちを見ろ!」。そんな気概が遠目からでも伝わってきます。

 その中心核にいたのは、やはりさっしーでした。彼女の盛り上げ方はなんなんでしょう。客の乗せ方がとにかくうまい。振り付けの合間合間の動作や煽りの入れ方がとても心地よい。盛り上げてほしいところ、決めてほしいところ。それをすべて把握している立ち振る舞いでした。とにかくテンポが良いのです。MC回しも含めて、さっしーがいれば問題ないと思わせてくれる。

 やっぱりバケモノ。場慣れしてない自分には刺激的でしたよ、生さっしー。さすがスキャンダル中毒(写真集タイトル)。


 一方、乃木坂46ですが、HKT48と対照的なパフォーマンス。

 もちろん楽曲の違いもありますが、HKTが「見せる」パフォーマンスだとしたら、乃木坂は「魅せる」パフォーマンス。声高に自分たちの存在を主張しない。大上段から見せつけることもしない。それなのに会場はいつしか乃木坂の色になる。

 顕著だったのが「君の名は希望」。

 盛り上がる曲の中で、希望の存在はより際立っていました。誰が指定したわけでも、誰に強制されたわけでもない。でもいつしか会場は紫に包まれ、その色は統一感をもって動き、会場を満たす。ただそこで歌っているだけで、万人の心をつかめる。味付けをすることなく、素材だけで感情を揺さぶれる。そんなグループを応援していることを誇らしく思いました。

 HKTのパフォーマンスもがつんと響きましたが、じんわりと染み渡る乃木坂はやっぱ良いなぁと思った次第。これは個人の感想だから許して! disってない!

 そうそう。

 「ポピパッパパー」で途中、音が途切れるトラブルがありましたが、「指原さんが乗り込んでくるんじゃないかと思って」とプロレス的要素を盛り込んだ発言をしたみさ先輩は見事でした。イベントの趣旨をよく分かってらっしゃる。


 さあ、そして決着をつける時間がやってまいりました。会場のボルテージはマックス。下手な判定をしたらサイモン氏、やられるで。と思っていたら、なんと決着はじゃんけんでつけることに! 日和ってんじゃねーぞ!とプロレス的ノリでブーイングを(心の中で)かますも、このじゃんけんがなかなかの盛り上がりを見せました。

 HKTからは宮脇咲良。乃木坂からは松村沙友理。

 3度のあいこで、なぜか敵方のさっしーに助言を求めるさゆりん。「ぐー」のアドバイスを送ったさっしーの言葉通りに「ぐー」を出して負けるさゆりんが非常にらしくてほのぼの。でもさくらたんも素直に「ぱー」を出してるのよね。ふたりとも純粋無垢という結論でノーサイド。

 平和的決着でセミファイナルは幕を閉じました。


 そしてメインイベント、長州力VS藤波辰爾がいよいよはじまるわけですが、前記した通りこの試合後、リングに上がる特典をゲットしています。緊張をほぐすために、メインイベント前にそそくさとトイレへ。

 そこで会場を後にするたくさんの人を目撃しました。電車や家庭の事情でやむなく帰らなくてはいけない人もいると思いますが、目的のものだけを見てさっさと帰るのはもったいない。払っているお金は一緒です。それに、新しい発見、新たな嗜好の気づきになるかもしれないのをむざむざ捨てなくてもなぁと思うわけですよ。

 というか、帰る人でトイレ込み過ぎてイライラするんだよ!(本音


 気を取り直してメインいきましょう。

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 長州力VS藤波辰爾。

 異様でした。この言葉に尽きます。


 画像を見ても分かる通り、パフォーマンスを終えた面々がずらりとリングの奥で観戦。観客はペンライトで応援します。

 確かにプロレスをしている。でも会場の空気は音楽ライブのそれ。その混ざり合っているようで、混ざり合っていない空気が異様で、そして非常におもしろかった。サイモン利根川やるじゃん。とこの瞬間は感服しました。確かにこの空気はここでしか味わえない。

 試合自体は非常にオーソドックスでクラシカルなレスリングでした。派手な技はほとんどない。はっきりいって内容だけで言えば、非常に「しょっぱい」試合だったと思います。でもプロレスは内容だけじゃない。ふたりの歴史やオーラ、会場の空気すべて込みで成り立っています。

 この時間、この瞬間戦ったふたりには賞賛を送りたいです。プロレス、改めて良いと思えました。



 ……そしてついにきました。このわたしがっ! このプヲタが! いろいろあった管理人が見つかるときがついにきたのです!

 試合後のインタビューを聞きながら、「集合してください」のアナウンスを待ちます。

 でもなかなかそんなアナウンスは流れません。だんだん不安になってきたとき、ようやく会場に響く声。


「まもなく記念撮影を締め切ります」


 ――は!?

 なに、まもなくって?


 でも迷っている暇はありません。すぐさま、前もって案内されていた場所へ向かうも係員の姿なし。同じように右往左往している人が数人います。ひとりがリングのほうへ走り出しました。そう、向かうはそこしかありません。自分も後を追って小走りで向かう途中、


「以上で締め切りました」


 と無慈悲に流れるアナウンス。リング前の最前列につめかけるも、「締め切りです」と係員の強烈な一言でジエンド。反論する人もいましたが、そうこうしているうちに記念撮影は終了。もうどうしようもありません。

 うなだれながら席に戻り、青空さんに一部始終を説明。リング上にあがったファンはどんなに多く見積もっても40名はいなかったようで、10数名が自分と同じように、特典をゲットしながらそれを逃してしまったようです。


 どうやら試合中あるいは試合後すぐ(インタビューの合間)に集まれとの指示だった様子。そんなのわかんねぇよ、インタビューだって試合の一部だろ!と怒ってもあとの祭り。というよりちゃんと撮影できた人のほうが多いわけですから、よく聞かなかった自分が悪いということです。

 あー……残念だったなぁ……リング上から武道館を見渡して見たかったよ。

 そのあとステージ上では大団円を迎えていたようですが、もうそんなのまるで頭に入らなかったですばい。



 そんな自分のミスで後味の悪いイベントになりましたが、イベント自体はとても素敵なものでした。FES初体験。いろいろと吸収できました。これで5,000円は安かった!


 よし!

 イベントも終わったし、最後におもいっきり叫ぶぜ!
 
 答えはこうだ!

 
 イヤァオ!(サイモン氏、素敵な空間をありがとうの意






 なおガムロックフェスのダイジェストが公開されています。これまでのレポートを読んでから見ると、より映像が楽しめるはず。

 ぜひ記事とあわせてご覧ください。

 サイモン氏の裏返った「ガムロオオオオック!」とうさんくささは必見です。










 ……。


 ……。


 ……。



 ――帰り道。

 人を待つ間、武道館を見上げ余韻に浸りながら、ここで過去にあったことを思い出す。

 去年の暮れ。まったく同じ場所に立っていた。


 数十分前に起きたことを消化できず、

 数十分前に起きたことに感情を支配された、あのとき。


 何が起きて、何が去り、何が残ったのか。

 目撃者のひとりとして綴ろう。


 どんなに時間が経過しても色褪せない、

 彼女たちの偉業を。

 彼女たちの輝きを。

 「あの時の彼女たち」を。


 乃木坂46 アンダーライブ at 日本武道館 2daysレポート。

 近日公開。





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