小牧太騎手のNAR(地方競馬全国協会)騎手免許試験合格を、長男でJRA障害ジョッキーの小牧加矢太騎手(27=音無)も喜んだ。

加矢太騎手は「無事に受かってよかったです。父から(NARの試験を受けると)聞いて“いいね”と思っていましたが、正直少しさみしいですね。毎朝(栗東で)顔を合わせていましたから。これから平日は、時間があれば(園田、姫路へ)応援に行きたいと思っています」と胸中を明かした。

幼少期から父の背中を見て育った。加矢太騎手が8歳だった04年に、父は兵庫からJRAに移籍。08年桜花賞(レジネッタ)、09年朝日杯FS(ローズキングダム)など、大レースを勝利する姿を間近で見てきた。

「移籍したのが、確か僕が小学2年生の時だったと思いますが、小さかったこともあり、当時のことはあまり覚えていません。ただ、父の乗っていた馬で好きだったのはシルポート(11、12年マイラーズC連覇などコンビで重賞3勝)。ワンダースピード(中央、地方で重賞計5勝)も印象深いです」と振り返る。

加矢太騎手は、父の勧めで馬術の世界から障害騎手を志した。何度も気持ちが折れかけたが、父の励ましを後押しに、22年にJRA騎手試験に合格。デビュー2年目の昨年は障害リーディング2位の12勝をマークし、今年はすでに10勝を挙げ、同3位につける活躍を見せている。

「今の自分があるのも、新たな道を切り開く父の力のおかげですし、今回の挑戦(NAR復帰)も父らしいなと思いました。今まで通り変わらずに、自分の道を歩んでいってほしいです」とエールを送った。【藤本真育】