斜めに見える青空様から、「Mr.カミナリ」の、これぞ決定版ともいえるすばらしいレポートをいただきました。乃木坂から出演した桜井キャプとみさ先輩は、確実なレベルアップを果たしたようです。ふたりの活躍はますます加速していきそうですね。

 ネタバレを大いに含んでおりますので、閲覧にはご注意ください。


「Mr.カミナリ」公演情報サイト

20141105-07


Mr.カミナリ・桜井玲香バージョン観劇記(10月31日及び11月5日)


まず初めに。

今回の舞台、SETの35周年記念第52回本公演と謳うだけあり、乃木坂抜きで考えても、とても面白い舞台に仕上がっています。さすがSET、腹を抱えて笑える良質のコメディを届けてくれます。何と言っても三宅さんと小倉さんが最高のコンビ。加えて劇団員の息のあったパフォーマンス・演技が観る者を一切飽きさせません。また、特筆すべきはSETの皆さんの歌の上手さ。ミュージカルアクションコメディの看板は伊達じゃありません。なぜ乃木坂でこの二人が選ばれたのか、有無を言わさず納得させられます。

普通にコメディとして観劇しても面白い。まして、乃木坂が好きなら、玲香かみさみさが好きなら見ない手はありません。きっと帰りには満足で心が暖かくなっていること間違いありません。この舞台に立てる二人は、とても大きな経験をさせていただけていると思います。


さて、ここからはネタバレを含みますので、ご注意ください。
ただし、筋書きがわかっていても面白い。ご興味をお持ちの方は、是非行動を起こしてみてください。当日券も現地で購入できます。


ご存知の通り、Mr.カミナリは近未来を舞台としたライトSFストーリー。
一貫したテーマは、人と人との心のふれあいの大切さ。ネット上の擬似的なつながりではなく、生命を持った存在としてつながることの大切さが描かれてゆきます。
昭和の時代、地域の子供を「叱る」という心のつながりの機能を果たしていた、カミナリ親父達。心の支えを失って多発する少年犯罪抑制の切り札として、カミナリ親父の再来を期して、Mr.カミナリ達は志願者がサイボーグになる形で、永遠の生命とともに教育現場に投入されました。しかし、ずる賢くなった子供達にほどなくその効力を失い、新たに懲罰機能が搭載された「ワイフ」(要はおばちゃん)にその座を追われ、社会的に窓際族となってしまいます。

のっけから悲哀を帯びたMr.カミナリ。その一人のKANDA(三宅さん)を狂言回しに、相棒のASAKUSA(小倉さん)との掛け合いで物語が進行します。二人は学校の教師と職員をしておりますが、「和よりも個」の教育を受けた子供達には相手にされていません。

とある日、日本で唯一Mr.カミナリを拒否した地域である、九州から新任音楽教師・臼杵七音(ドレミ)がやってきます。誰もいないと思った七音は、国が法律で禁ずるコーラス曲「Stand By Me」を鼻歌で歌っています。
このシーンが乃木坂メンバーの初登場シーンになります。玲香が歌うこの歌が最高!私は一瞬で溶けました。

七音の歌に惚れ込んだKANDAとASAKUSAは、Mr.カミナリ達が往時の楽しいハーモーニーを歌う、地下の隠し部屋に七音を案内します。
みんなで声を合わせる楽しい日々。玲香の歌声が素晴らしい。「Calendar Girl」は絶品です。SETの中でもしっかりと歌で主張しています。

しかし、そんな楽しい日々は長続きしませんでした。
実は隠し部屋こそ、国の禁じたコーラス曲をMr.カミナリFUKAGAWAが放送する非合法ラジオ局だったのでした。
突如始まった、七音とカミナリ達の逃避行。この下りは、乃木坂メンバーのギャグの見せ場となります。舞台最前で幕の前で物語を進行させる大役です。とりあえず玲香は、31日も5日もしっかりと笑いが取れていました。

下関で追っ手に追い詰められた一行。ドタバタの中で笑いを交えつつ、七音とKANDAの意外な縁と隠された陰謀が判明し…、しんみりさせつつも最後歌の力、コーラスの素晴らしさ、和と個を重ねることの大切さを感じさせる大団円となります。

そして語られる後日譚。国の教育方針は改められ、TVで音楽番組も放映されることとなり、敵役もみんなハッピーでめでたしめでたしです。
ドレス姿で出てきた玲香がまた美しい…!ソロ歌唱もたっぷりで、目がハートになりそう。5日の公演では目線も貰えた…気がします。美声を満喫して満たされた気持ちの中、幕がおりました。

客演として呼び込まれる、カーテンコールでの立ち姿も可憐で素晴らしい。思わず「玲香!」とコールしちゃいました。三宅さんが「SETの公演で、こんな野太い声援が飛ぶなんて…w」と述べ、場内から笑いが。31日公演では、「慣れてきて落ち着いてセリフが回せるようになってきた」、5日公演では、「貴重な経験をさせてもらって有難い、あと少しで終わりなのが寂しい、終わりたくない」と玲香。一際華のある姿で、舞台上で強い光を放っています。これを糧として、もっともっと芝居で活躍できることでしょう。

舞台の中で印象に残ったセリフ(言い回しは正確じゃありませんが)。みんなで声を合わせて歌う時、重ね合わせているのは声だけではなく、心も重ね合わせていたんだね、と。音楽は記憶の栞なんだ、と。声を合わせて歌う、グループアイドルを推す身として、そうだ!そうなんだ!と心の中で叫びました。
アンダーライブのあの何ものにも替え難い充実感は、正にこれだな、と思った瞬間でした。

大きな声でお腹からたっぷり笑って、ちょっとしんみりして、玲香の魅力を満喫して、最後に楽しい気持ちでまた笑って。2度観劇しても、まだまだ観れる。いやぁ、歌って音楽って素晴らしい。人と人とが心を交えるって素晴らしい。繰り返しになりますが、本当に見事な舞台でした。

最後に、乃木坂46を客演として招聘して下さった、劇団スーパーエキセントリックシアターの皆さんに感謝したいと思います。素晴らしい経験は二人にとって、何ものにも替え難い財産となるでしょう。いつかまた共演することがあったら、必ず観劇したいと思います。いや、その前に観に行くかもしれません。なぜなら、すっかりSETのファンになりましたから(笑)。





 

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