今回も今回とて、乃木坂とは一切合財、問答無用で関係ない、いつものひとりごとな感じなので興味のない方はすっとばしてください。次回の更新からはしっかり乃木坂に戻ります。


 先日行われたAKB48「41stシングル」選抜総選挙は、さっしーこと指原莉乃さんが見事返り咲きを果たしました。

20150608-01



 ここからは完全な主観です。それぞれの推しの方からすると不快な発言もあるかもしれません。でも、そう思ったんだからしかたない、これもひとつの意見としてご理解ください。


 総選挙は自室にこもり、ひとり静かに鑑賞しました。奥さんにも、この時間だけは話しかけないでほしい、と念押しをしていました。まったく厄介な旦那です。しかたないなぁと苦笑しながらも、そのわがままを聞いてくれた奥さんには本当に感謝。


 ひとりで静かに見た理由は、本気な彼女たちに、こちらも本気で応えるためです。常軌を逸した大舞台に立つ少女の心の叫びを真剣に受け止めるためには、こちらも相応の覚悟をすべきと思った……というのは建前で、本心は他人に流されたくなかったということです。

 AKBの総選挙は様々な感情が飛び交います。好意的な意見ばかりではありません。揶揄や嘲笑、無関心の主張、あるいは乃木坂と比べてどうこうといった意見も生まれるでしょう。それは自然なことで、どんな感情が生まれようと、その人の勝手です。なので総選挙を悪く言うな、というつもりはまるでありません。その点は強調させてください。

 でもこのときばかりは、そんな他人の思想に触れたくはありませんでした。自分は弱い人間ですので、誰かの意見に簡単に流されてしまいます。それはもはや自分の目で見た、自分の意見ではありません。きっちりと「自分がどう思ったか」。このことを判断するために、あえてひとりっきりで見ました。


 そんな中で見た今回の総選挙。印象に残った選抜のスピーチの感想を書きます。


 まず上位陣。下位メンバーのスピーチの長さと放送時間の煽りをくらってか、上位3名はやや巻きのスピーチでしたが、逆にそれが功を奏したように感じました。さっしーのスピーチは彼女のスピーチで過去最高だったように思います。このあとに放送された「AKBSHOW」で、今回の総選挙を振り返り、「完全燃焼」と発言していました。まさにそれがあふれた、清々しさに満ちたスピーチだったと思います。あと、同番組できたりえに触れてたのは嬉しかった。りのりえはガチ。ふたりの友情、そして地方組の絆がAKBの未来を照らすことにドラマを感じます。

 まゆゆのスピーチでは、内容に重みが感じられず、さばさばした様子が、逆に悲壮感を演出していました。負けず嫌いな彼女ですから、この順位に納得せざるを得ない現状に歯がゆさと苛立ちを感じているはずです。それをあれだけコンパクトな内容にまとめたところにプロ根性を見ました。

20150608-02

 
 たかみなは圧巻。総選挙最後のスピーチが、ファンに、というよりかは、メンバーに向けてのメッセージなところに、彼女のアイドル道を見た気がします。彼女の存在はアイドルの希望です。希望は最後に、これからの希望へ、可能性というきらめきを置いていきました。その可能性を、誰が、どのようにつかんでいくのか。それはAKBグループではなく、ほかのグループから現れるかもしれません。たかみなのスピーチは、AKBだけではなく、アイドル界すべてに光をさしたのです。ほんとすごい人でした、あと半年でいなくなるなんて信じられません。

 おつかれさま、その言葉はまだとっておきましょう。彼女にはやるべきことがたくさん残っています。

20150608-03



 そしてそんなたかみなよりも、最も印象に残り、かつ感動したのが、このメンバーです。

20150608-04


 つい最近まで、ぱるるが嫌いでした。塩対応。その言葉に甘え、ファン対応をおろそかにしているように見えました。自分に正直なのは良いことかもしれません。でもアイドルとして成り立っているのは自分だけの力ではなく、ファンの力も多分にあります。そこへの感謝を「塩」という言葉でおざなりにする態度に腹がたっていました。

 今までのスピーチも、どこかファンを舐めたような、そんな態度に感じてしまっていました。おまえら、なにこんなのにムキになってるの?と。

 しかし、そんなぱるるへの見方が一変しました。それは「僕たちは戦わない」において、センターで踊る彼女を見たときです。なんて神々しい、なんて美しいんだろう。覚悟を背負った彼女の表情に言葉を失いました。今まで自分は彼女の何を見てきたのか。何を見て、知ったような口を聞いていたのか。

 その答えは今回のスピーチにすべて凝縮されていました。島崎遥香の過去と現在と未来。すべて詰まった名スピーチでした。

 今までのダメな自分を認め、それでも応援してくれたファンを認め、AKBの第二章を自分たちの手でつかみとる覚悟を決め、感情を露わにしない彼女が、感情を露わに放った決意の一言。


「どうか、わたしたち世代に力を貸してください」


 次の瞬間、画面に映ったのは、同期の島田晴香。ぱるるを支え、ぱるるが素を見せられる仲間のひとり。このシーンで彼女を映したフジテレビは、今回の総選挙で一番の仕事をしたと思います。

 しかし、バラエティ番組の性というか、ぱるるのスピーチ後、やたら徳光さんVSぱるるを煽っていましたが、あれは完全な蛇足。事前番組からこの対決にスポットをあてていたのは知っていますが、ぱるるにあれだけの名スピーチをぶたれて、何を質問しろというのか。

 彼女はすべてを言葉にだしました。あとはその言葉を行動で見せるのみです。余計な言葉は、文字通り余計。徳光さんはきっとそれを感じたのでしょう。潔く引いた徳光さんの進行もまた、ぱるるのスピーチを名場面に演出してくれました。

 
 アイドルに向いていないのではないか。そう思っていた少女が歩くのは、アイドル界のど真ん中。これまではその道を、嫌々歩いてきたのかもしれません。でも、「背負う」覚悟を決めた彼女が、ふと立ち止まり、後ろを向いたとき、そこにたくさんの仲間とファンがいることに「気づき」ました。

 背負い、気づいた彼女が開く新時代。その扉が開く音のような、すばらしいスピーチでした。



 さて、最後にワーストスピーチ。


 これはもう決まりきってます。


20150608-05


 もう一メンバーじゃないんです。次期総監督なんです。あのスピーチで何を見せたかったんですか。あなたが見せるのはAKBの未来なんです。何百人と在籍する日本を代表するアイドルグループの未来なんです。それが最後笑いで、いや、笑われて終わるなんて。

 がっかりしました、心底がっかりしました。

 なにもたかみなみたいに話せなくもいいんです。たかみなが築いた総監督のモデルは、あくまでたかみなのイメージ。由依さんらしい総監督像をこれから作り上げていけばいい。

 でもそれって、周りすべてに助けられるものなんですか。人から笑われるものなんですか。

 
スピーチの途中、たかみながでてきて、カメラワーク、スタジオの雰囲気がバラエティ寄りになっていくことがイライラしてしかたありませんでした。それでも、途中までなら笑われてもいいんです、最後締められれば。でも最後まで笑われて、強制的に終わるって、そもそもスピーチとして最低です。

 去年は、途中ぐだぐだになるも、最後はきっちりと締めました。話しながら落ち着きを取り戻す様子に、むしろ肝っ玉の強さを感じ、「由依さんすげーや」とさらに惚れ直しました。今回もそれを期待してました。途中まではそうなりつつありました。

 しかし、最後の一言ですべてが台無しになる。その瞬間を感じ、身体から一気に力が抜けました。


 情けない、周りから助けられるだけの総監督。そんなピエロになるあなたを見たくありません。

 これはエゴです、わがままです、でも言わせてください。

 あなたは笑わせたんじゃない、笑われたんです。

 あなたが笑われることがどういうことか。そのことをしっかり考えてもらいたいです。


 わたしは由依さんが総監督になるのは反対です。その理由は、それこそ最大のエゴですが、余計な重責で伸び伸びと活躍する姿を見れなくなるのが嫌だからです。でも次期総監督に任命され、引き受けた。だったらわたしたちも、辛くても、そういう目で見なくてはいけません。

 周りもまた次期総監督として見ています。かわいいからすべてよし!なんて贔屓の引き倒しで綴る感想など意味がありません。だからあえて辛らつに書かせてもらいました。


 次期総監督、横山由依。半年後、総監督、横山由依になります。

 有能なメンバーがたくさんいます。スタッフも支えてくれるでしょう。懐の深いファンも大勢ついてきてくれます。でも決してそれに甘んじてはいけません。

 与えられた立場を、与えられた意味を、自身の想いを見定める半年間になることを祈っています。





 最後に、メンバーの皆さん、本当におつかれさまでした。

 常識では考えられないぐらいの緊張感の中、グループへの想いやファンへの感謝を述べる姿は、とても美しかったです。その緊張感を微塵も感じられない空間で好き勝手書くことにためらいもありましたが、一ファンの気持ちとして受け止めていただければ幸いです。


 とくに由依さん。


 愛してますよ(真顔