先日、AKB48のドキュメンタリー映画「存在する理由 DOCUMENTARY of AKB48」を見てきました。

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 AKBのドキュメンタリー映画として、本作は5作目になります。これまでの4作はすべて見てきましたが、毎回、見るのが本当にしんどい。特に前作「DOCUMENTARY of AKB48 The time has come」は、鑑賞中に怒りと切なさがマックスになり、ひどい吐き気を催しながら見た記憶があります。

 そんな辛い思いをしてまでなんで見るのだろうと自分でも疑問に思いますが、当時のわたしはおかしな強迫観念に苛まれていました。AKB、とくに横山由依(※)さんに関することは全部目を通しておかないといけない気になっていたのです。今はちょうど良い距離感をつかめましたが、そのときは追いかけるのに必死でした。

※説明しよう! 管理人はAKB48の現総監督、横山由依さんを奥さんよりも愛しているのである!


 なので、今回のドキュメンタリー映画が発表されたとき、「ついにきたか」とは思いましたが、劇場で見ようとは思いませんでした。あとからDVDで、つらいところは早送りで見ればいいやと。しかし映画の概要が発表されていくうちに、「こいつは見にゃいかん」と久々に奮い立つものがありました。

 そう思った一番大きな理由は、今作の監督が「石原真」氏だからです。AKBとは古くから付き合いがあり、「AKB SHOW!」を立ち上げた方です。2015年公開のSKE48のドキュメンタリー映画「アイドルの涙 DOCUMENTARY of SKE48」でも監督を務めました。

 石原氏が、「AKB48の10年」をどのように切り取るか。その興味が、わたしの重い腰をあげさせました。


 結論として、見てよかった。その一言に尽きます。

 「AKB48はなぜ10年続いたのか? AKB48はあと10年続くのか?」

 このキャッチコピーが現しているグループの過去と未来。それが凝縮されています。未来のことは誰にも分かりません。けど未来を思い描くことは誰にもできます。あと10年、AKBは続くのか。その疑問に対する答えが、映画を見たひとりひとりの胸によぎるような内容でした。

 AKBのドキュメンタリーを見て、清々しい気持ちになったのははじめてです。そういう意味で鑑賞後の後味は、乃木坂のドキュメンタリーと非常に近いものがありました。「ああ、これを映画館で見れてよかったなぁ」という満足感プライスレス。


 10年。長いですよね。手を変え品を変えではありますが、いまだトップアイドルとして君臨しているAKB48はバケモノなんだと、改めて感じました。でも、その年月と人気にあぐらをかいているようでは、このアイドル戦国時代、あっという間にその地位を奪われてしまいます。

 今年の「第8回AKB48選抜総選挙」で渡辺麻友が発した言葉。

「今、AKB48はピンチだと思います」

 多くの人から見向かれもしなかった時期、必死でがんばったメンバー。そのメンバーたちから直接教えを受けたメンバー。そして今、AKB創世記を伝聞でしか知らないメンバーが中心となる、まったく新しいAKBが生まれつつあります。

 その変化はピンチなのかもしれません。しかし、よく言われるようにピンチはチャンスでもあります。10年の節目を迎えたAKB48が迎える転換点。一ファンとして、楽しみながら、その推移を見守っていきたいと思います。



 でも本当に大変なときにバトンを渡されたよなぁ。おいしいものを食べてニコニコ笑ってる姿が一番好きです。がんばり過ぎずにがんばってほしい……なんて言ったら、

「あなたにわたしの何が分かるんですか? がんばらないと何もできないですよね? 謝ってください。謝ってくださーい」と真顔で言われそう。

 でもそんなきみが好き。

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 最後に強引に乃木坂の話題をからめてみます。

 5年目に突入した乃木坂は今、飛ぶ鳥を落とす勢い(センター飛鳥だけにね、ぷぷぷ)で躍進を続けていますが、AKBの5年目はどうだったんだろう、とちょっと調べてみました。


 まず「ポニーテールとシュシュ」が発売され、これが女性アーティストとして9年3か月ぶりの初動売上50万枚突破を記録したそうです。確かに自分もAKBの曲をはじめて意識したのがこれかもしれません。それまでは正直、「色物」と思って、ちゃんと聞こうともしていませんでした。

 そのあとに発売した「ヘビーローテーション」が爆発的ヒット。そこから先はご存知の通り、AKB48は誰もが知るグループへと成長を遂げていきます。そういう意味でAKBの5年目とは、国民的アイドルグループへの加速度をつけた一年とも言えるでしょう。


 翻って今の乃木坂ですが、AKBの5年目と比較しても、あまり意味はないと思います。自分で書いておいてなんですが……。アイドル業界の土壌、ファンの意識など、AKBの頃とはまるで違っています。ただひとつの参考として、5年目というのは大きな変化が訪れる節目なのかもしれませんね。3期生も入ることですし。

 乃木坂が10年目を迎えたとき、そこには何があるのか。考えても無駄ですし、考えること自体を避ける方も多いと思いますが、そのときのことを考えて、ちょっぴりセンチメンタルナイト(もう夜明けだけど)を過ごした管理人でございました。


 それにしてもAKBと乃木坂の歴史を見ていると、欅坂46というのは、本当に異端なんだなぁとつくづく思いました。地道に人気を獲得する過程を一足飛びで越えている。だからこそ、今の欅坂を支える人気は、とてももろく、崩れやすい代物だと思っています。この人気を根付かせるための一手は、どのように打ってくるんでしょうかね。

 いや、もうすでに打たれているのかな。


 俺とお前と、大五郎~♪

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