※この記事は乃木坂及びアイドルとはまるで関係ありません。管理人の日記のようなものです。興味のない方は他の記事でお楽しみください。なおネタバレは極力伏せますが、気になる方は閲覧をご遠慮ください。



 元乃木坂46の畠中清羅さん主演の舞台「従軍看護婦」を見て、すっかり舞台の虜になったわたくし。
(その際のレポートはこちら→結・畠中清羅主演「従軍看護婦~女たちの戦場~」を見て。-"彼女"たちに贈りたいたったひとつの言葉-

 「もうなんでもいい!なんでもいいから舞台を見せてくれ!」と若干失礼な気持ちとともに、本日、「かまいたちとなれ!この夜に」という舞台を見てきました。

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 この舞台に決めたきっかけは、前述した「従軍看護婦」で、非常に心に残るお芝居だった烏丸ルナさんが出演していたからです。なので話の中身とかは正直あまり気にしていませんでした。烏丸さん繋がりで新たな舞台が見れればそれで良かったからです。

 でも話の筋を見てびっくり。これ、めちゃわたし好みですやん!


 皆さま、サウンドノベルゲームをご存知でしょうか。「弟切草」「かまいたちの夜」「街〜運命の交差点〜」などで一世を風靡したジャンルで、基本的に文字のみで進行し、特定の場面で選択肢が現れ、選んだ選択によって物語が大きく変わっていくゲームです。今でもアプリでは根強い人気を誇っています。

 これを生の舞台でやっちゃった(褒め言葉)のが、「かまいたちとなれ!この夜に」。ゲームと同様、観客の選択でその後の物語が変わってくるわけです。ギャルゲーでありとあらゆる選択肢を試すわたしにとって、これを逃す手はありません!


 会場は「花まる学習会王子小劇場」。受付を済ませ会場に入ると、失礼ながらその狭さにびっくり。案内の方が、「上のほうが見やすい」と話していたので、最後列を陣取りました。席は先着順で早いもの勝ちなのです。

 で、その最後列はなんと7列目。つまり7列しか席がありません。しかも席はパイプ椅子です。ただし段差が設けられていて、前の方の頭が気にならないよう配慮されていました。演者さんの息遣いどころか、鼓動の音まで聞こえてきそうなぐらいの距離ははじめてです。


 さて肝心要の「ゲーム」の説明ですが、本番前に「黒子役」のおふたりが丁寧に説明してくれるので、はじめての方も安心です。

 観客は受付時に「コントローラー」という名の紙をもらいます。その紙は見開きになっていて、片方が赤、片方が青になっています。舞台中、ルート選択の指示がでたとき、Aルートなら赤、Bルートなら青を掲げ、多かった方の選択肢に進む流れです。

 まさに、そのときその場にいる観客によって変わるストーリー。これは演者さんたちも緊張感があると思います。どちらのルート、つまりどちらの芝居をするかは、その瞬間までわからないわけですから。

 余談になりますが、ノベルタイプのゲームを作成するにあたって、一番大変なのは「フラグ管理」です。

 例えば、「わたし"くさや"が好きなの。今度お弁当に入れていい?」という選択肢に対して「はい」を選んだなら、その後の会話で矛盾が生じないように注意しなくてはいけません。「"くさや"入れるなんて聞いてねぇよ!くせぇ!」なんて言わせちゃだめです。この管理をするのがひたすらに面倒で、しっかり整理しないとすぐ混乱します。

 それを舞台で矛盾なくやる演者さんは、"マジリスペクト"です。


 まだ公演途中なので、物語の内容は省略。

 一言で言えば、「かまいたちの夜に」+「金田一少年の事件簿」+αの印象でした。パロディ部分も数多くあり、独断と偏見ですが、きっとこの脚本を書いた方は、自分と同じ世代、もしくは同じものを通っているのではと思いました。演出の節々からすごくシンパシーを感じます。

 選択肢を迫る場面は、どれも緊迫感があって良かったです。ただ、シングルゲームとは違って、自分の選択したものとは違う方が選ばれることもあります。今回も何度か「そっちはダメ!ゼッタイにダメなやつ!危険フラグたってるから!」と思う方向に進んでしまい案の定……という結果がありました。なかには、あえてバッドの選択をしている人もいるでしょうから、なかなか思い通りにはいきません。そのもどかしさ込みで楽しめれば、最高におもしろいと思います。

 あとコミカルな場面は本当におもしろいです。何度吹き出してしまったことか。言葉の選び方やテンポがいいんでしょうね。勉強になりました。


 公演後は、演者さんたちと面会コーナー。さすがに全員というわけにはいきませんでしたが、この舞台を見るきっかけになった烏丸さんとは無事お話できました。あいかわらずおキレイ。今回も非常に良い味をだす人物を演じられています。もうすっかりファン。

 他にも、ご挨拶できずでしたが、楠浩子さんは本当に良い声。さらにかわいらしいときたもんだ。プロマイド買わなくちゃ。いわゆる"怖い役"の笠羽翔悟さんとは今日一番話せました。良い人過ぎる!舞台を降りれば普通の人なんだなぁ(当たり前


 同舞台は今週日曜日までの公演で、演者さんのツイートを見ると、まだ席に余裕がある日があるようです。


 興味をもたれた方はぜひ。2,500円という安さも魅力! 何度も行きたくなります。


 舞台終了後、仕事中の奥さんに電話をかけ、「すごくおもしろかった!一緒に行こう!まだいけるから!ね!ね!」とゴリ押しして、土曜の昼にふたりで予約しました。それとは別に明日金曜日の昼もいきます。


 良いゲームは何度もクリアしたくなりますよね。何度クリアしても、もう一度最初からプレイしたくなる。そして同じ場面で笑い、同じ場面で泣きます。1回目は何も感じなかったのに、2回目は泣けたという場面もでてくるでしょう。周回プレイによって物語の質感が変わってくる。だからどこまでも掘り下げたくなる。それが良いゲームであり、良い物語だと思います。

 この舞台はそんな舞台です。

 生のサウンドノベルをぜひ体験してください。



 ……回し者っぽいですか?

 でも、回し者になりたいと思うぐらいに良い舞台だったんだってばよ!


 舞台の詳細はこちら。