匿名希望様より、妄想小説をいただきました。


 フィクションなのか、ノンフィクションなのか……。登場人物の名前は誰ひとりとして出てきません。あくまで作者様の「妄想」の世界。でも、どこかに感じる「現実」の匂い。


 そんな「妄想」と「現実」の曖昧な境界線をそっとなぞるような物語です。



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『光』と『影』

作者 匿名希望





「逃がした魚は大きかった」
・・・・・・
過去の失敗を取り戻す為に応募者から全身全霊で選考し集められたメンバー。
この時点でグループの将来が決まっていたのだろう。

その中に対称的な2人のメンバーがいた。1人はいつも電話で友達と楽しそうに話しているメンバー。彼女はいつも笑顔で楽しく過ごしていた。もう1人はいつも泣いているメンバー。ホームシックでぬいぐるみを抱え1人で泣いていた。
1stシングル選抜発表。【光の場所】である選抜には泣き虫のメンバーを中心に、【影の場所】であるアンダーには笑顔のメンバーを中心に分けられた。敢えて逆の位置に配置する事で試練を与え成長を促す効果を狙ったのかもしれない。

何度かの変化を繰り返しメンバーも徐々に成長していく。選抜には地上波の「のぎどこ」、アンダーにはネット配信の「のぎここ」「のぎ天」が与えられた。アンダーには光の素養を持つメンバーが多く、苦しい中でも団結力と仲間意識は選抜にも劣らず、仲良しで楽しく笑顔で溢れていた。のぎ天でお世話になっていた楽天さんへの意見具申が通り、アンダラがスタートした。先生は素直に喜び、メッセージを贈った。「比較を辞めた時こそ本当の自分になれるんだ」と。自分らしく成長して欲しいという想いを込めて。

次の曲は誤解から生まれた。何も言わずじっと見る行為は、大人が一方的に説教する時に見られる子供の行為。何を言っても聞いてくれない、こちらの意見を取り入れてくれない、何をしても無駄。だから見つめるだけ。それを大人は理解出来なかった。その誤解から別れが生まれてしまった・・・

そのメンバーは愚直に正直だった。嘘はいけないと言われ教えられ育ち、自身でもそう思い嘘だけはつかない決心をしていた。嘘をつく事で自らを守れるとわかっていても嘘はつかなかった。大人はそこを見抜けず説得する事もせずに謝った処遇をしてしまう・・・たった一つの秘密となった。

その行為により数名のメンバーが自ら去ることになった。そして残ったメンバーにも不必要なプレッシャーを与えてしまう。少しの誤解される行為も許されぬプレッシャー。家に籠るしか方法が無い。友達も作れない。訂正されず今も続く。

先生は初期から注目していたメンバーを鳥に例えて曲を作った。ここからのアンダー曲はそのメンバーへ向けたメッセージと思われる節がある。表題曲と違い自由に制限無くかけるカップリングのアンダー曲。その人への心情の変化を歌詞として表現したのかもしれない。

光の素養を持ったその人はどこでも面白く楽しく仲間想いだった。違う環境になっても周りに人が集まり協力しあいその度に成長していった。自然と人脈が広がっていった。そして一つの幸せを手に入れた。光はいつまでも光だった。
一方、影のメンバーは多少成長したとしても元々が弱い人。無理強いの努力と責任感等で疲弊し光を失っていく。ただ、周りにいい見本のメンバーがたくさんいる。何でも1人でやろうとするのではなく長年一緒に頑張ってきたメンバーと一緒に楽しみながら成長出来るはず。1人で出来ない事でもみんなでやればきっと出来る。先生もきっとそれを期待してる筈。影が光になる日を・・・

いつからか物語は光から影へと移行していった。光の幸せを見届けて安心してからの成り行きなのだろうか。
影が光となり、失敗と成功を繰り返し成長し続けて光のグループとなり、応援してくれる人々に幸せを届け続ける理想のアイドルグループになる為に。物語はまだまだ続いていく。

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