「ふたり」様より、 2018年5月20日に富士市文化会館で開催された「乃木坂46 アンダーライブ全国ツアー2018 中部シリーズ in静岡 ~夜公演(千穐楽)~」のレポートをいただきました。 


 この日、斎藤ちはるさんと相楽伊織さんが卒業を発表しました。

 そのときの会場の雰囲気、そしてアンダーライブの熱が丸ごと詰まったレポートです。



 読み終わったとき、きっとライブに参加したときと同じ充実感に満たされるはずです。

 どうぞごゆっくりご覧ください。


ふたり様の過去の投稿記事) 

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【乃木坂46】2018/5/20「乃木坂46 アンダーライブ全国ツアー2018 中部シリーズ in静岡 ~夜公演(千穐楽)~」レポート


 乃木坂46 アンダーライブ全国ツアー2018 中部シリーズ in静岡、520日(日)の夜公演(千穐楽)に行ってきました。


 新潟から始まった中部シリーズも、この日が最終日。私自身、おとといの名古屋公演に続く参戦で、セットリストやライブの流れも理解した上での参加となります。おとといは、ひたすら楽しいライブでしたので、その集大成である千穐楽。期待が高まります。

最終日は昼・夜の2公演で、私が会場に着いた時には、すでに昼公演が終わった後でしたが、会場前にたむろするファンの姿に、その楽しさの余韻を感じました。


 まいやんを中心とした箱推しの私ですが、この中部シリーズは、相楽伊織さんの推しメンタオルとサイリウムカラー(黄緑・オレンジ)だけを持っての参戦となります。最近の握手会、アンダーメンバーでは伊織ちゃんを中心に動いていまして、少しでも後押しできればと思います。


 座席は、1階13列の、ステージに向かって右寄り。ちょうど伊織ちゃんが頻繁に来るポジションの正面あたりとなりました。肉眼で、なんとか表情が見える距離ですが、双眼鏡がほしい微妙なところですね。

後方には関係者席もあり、千穐楽には北野日奈子さんや、元乃木坂の矢田里沙子さんも来ていたそうですが、例によってまったく気づきませんでした…。


 17時55分。予定どおりに影ナレが入ります。今日の当番は、阪口珠美、伊藤純奈、鈴木絢音の3人。

 ちょっとスウィートでかわいらしいたまちゃんの声。

会場の反応を待ちきれずに、自分で「はーい」と返事してしまう純奈さん。

そして「よっしゃー、千穐楽だぞー!もっともっと騒げんのかー!」と、自信満々に客席を煽る絢音ちゃん。数年前には想像もつかなかったその姿に、絢音ちゃんの成長を実感しました。


 そして会場に流れるOVERTURE。映像はありませんので、真っ暗なステージに向けて、ペンライトを振り上げる形になります。徐々に増えていくその灯火。OVERTURE の最後の方で、ようやくメンバーが左右から登場する影が見え、客席も沸き立ちました。

メンバーが左右に分かれて整列し、真ん中に道ができている感じのフォーメーション。

舞台中央に配された扉が開き、そこから出てくる一人の人影。

今回の座長・鈴木絢音さんがゆっくりと前進し始めたところで、1曲目の美しい旋律が流れます。



1「新しい世界」 センター:鈴木絢音 フロント:優里、山崎、岩本、純奈


 オープニングとしては静かめの曲ですが、違和感はありません。歌詞としては、これまでの乃木坂では異質な感じですが、美しいメロディと静謐な世界観が、読書家である絢音ちゃんの雰囲気にピッタリですね。絢音ちゃんがこの歌詞をどう咀嚼して、表現しているのか、興味深いところです。

1番の歌詞で、両手を胸の前でクロスし続ける振り付けがあるのですが、全握で披露された初期には、手をクロスさせずに、反対側の腰に当てる感じだったような…。フリについても、細かく修正が入っているようですね。

正面をまっすぐに指さす、絢音ちゃんの振り付けがかっこいいです。



2「世界で一番 孤独なLover センター:山崎怜奈 フロント:鈴木、優里


 続いてセンターに立ったのは、山崎怜奈さん。ソロダンスでの見せ場があるのですが、手足の長さを活かしたダンスが美しく、安心して見ていられます。

 3期生が合流した16人のフォーメーションは、見ていても新鮮で、新しいアンダーライブを感じさせるに十分でした。



3「自由の彼方」 センター:斉藤優里 フロント:鈴木、山崎


 続いてセンターに立ったのはゆったん。最近の傾向だと、座長である絢音ちゃんが、しばらくセンターに立つ形になると思うのですが、直前まで絢音ちゃんが舞台に出演していた影響でしょうか。あえてセンターを固定せず、めまぐるしく変わる展開になります。これはこれで、見応えがあってよかったです。



4「転がった鐘を鳴らせ」 センター:なし


 ここで一転、メンバーがステージの各所に散らばり、客席にどんどんレスを飛ばしていくモードに入ります。

私の数列後ろの通路には、左右から絢音ちゃんとれなちのゴンドラも登場し、1階席後方や、2階席を盛り上げていました。身近にメンバーが来てくれて、リアクションしてくれると、ほんとにうれしいですね。基本的にペンライトを振るだけの私は、レスをもらえたことがありませんが(^^;)



5「ダンケシェーン」 センター:なし


 ゴンドラで移動していた絢音ちゃんとれなちも、急いでステージに戻ってきて、メンバーに合流してのダンケシェーン。お決まりのコールで、客席も盛り上がります。

 最後の「らーらーらー」は、今回短めで、「アンダーライブ最高だな!」(だなー!)って感じの締めだったような…。このへん、名古屋公演で見たのと、記憶が混濁しています…。



MC 1回目>

 ここで最初のMC。絢音ちゃんの主導で、いつもの「のぎざかフォーティーシックスです」の挨拶。

 その後のMCは、「今日は私がやります!」と手を挙げた、川後陽菜さんが引き継ぎます。

この中部シリーズでは、「日替わりMC」という制度が設けられていて、その日のMCをメンバーが交代で務めています。

舞台等で激務となっていた絢音ちゃんの負担を減らす意味もあるかもしれませんが、座長以外のメンバーにもスポットが当たるのはうれしいことですし、いろんな経験を積むという意味でも、いいことだと思います。

川後さんも、滑舌よく流ちょうに話していて、周りにもしっかり目を配れていたので、好感度が高かったです。



6「春のメロディー」 センター:鈴木絢音 フロント:優里、山崎


 再び絢音ちゃんがセンターへ。この曲では、ちょうど二列目あたりにいた、阪口珠美さんが印象的でした。サビの、腰をぐいっぐいっと回す振り付けの時に、低く腰の入った回し方をしていて、キレがあって美しかったです。



7「涙がまだ悲しみだった頃」 センター:鈴木絢音 フロント:阪口、中村


 センターは絢音ちゃん固定ですが、ここで三期生のたまちゃんや、中村麗乃ちゃんもフロントに入ってきて、変化があって楽しいです。この二人は、どちらもダンスがうまいメンバーなのですが、それぞれのダンスに個性があるので、ついつい目で追ってしまいますね。



8「憂鬱と風船ガム」 川後、佐々木、向井、佐藤、優里


 川後さんをフィーチャーした曲で、センターではないものの、センターと言っていい扱いでした。一人だけソロダンスをするパートもあり、見せ場となりましたね。

川後さんのダンスは、どこか控えめな感じがあって、見ていて微笑ましいというか、かわいいという印象です。

 また、佐々木琴子さんがそれに次ぐ扱いで、最初の歌い出しも担当していました。今日は全開のでこ出しで、まさに川後さんが言うところの「美の暴力」でした。



9「誰かは味方」 かりん、純奈、ちはる


 かりんちゃんが一人、動く扉とともに出てきて、ソロパートを歌唱。続いて純奈さんが同じように扉とともに出てきてのソロパート。最後に、満を持したちはるさんの登場。

この三人の歌声が、サビのところで合わさって、見事なハーモニーに! サビに入った瞬間、音量と音域が数段階上がるような、爆発的な感覚がありました。

落ちサビを歌い終えたところで、客席から待ちきれずに万雷の拍手が。

うれしそうにしている三人。後にアップされたかりんちゃんのブログでは、うれし泣きしたことが綴られていましたね。自ら企画して実現したユニットなので、いろんな想いが込み上げてきたのでしょうね…。



0Rewindあの日」 和田、中村、山崎、阪口、相楽、吉田


 続いてのユニット曲。和田まあやさんをフューチャーした印象。

 まあや、麗乃、たまちゃんという斜めの並びが、私の位置からよく見えたのですが、この三人のダンスの動きがすばらしかった。思わず見とれてしまいました。

 反対側のれなち、伊織ちゃん、あやてぃーの姿は、残念ながら角度が悪くあまり見えず…。れのちゃんとあやてぃーのボーカルは、よく声が通っていて好印象ですね。



11「行くあてのない僕たち」 鈴木、岩本


 イントロでどよめく会場。そして左右から登場する、絢音ちゃんとれんたん。

 絢音ちゃんはさゆのポジションで、れんたんは、なんと万理華ポジション!

 ダンスで定評のあった万理華ポジを引き継ぐのは、相当のプレッシャーがあったと思いますが、そんなプレッシャーを感じさせない、表情豊かなれんたんのダンス。また一段とギアが入って堂々とした感じで、よかったです。

 絢音ちゃんにとっては、生駒ちゃん卒コンで披露された「てもでもの涙」に続いての二人組ユニットですね。

 オリジナルメンバーである「さゆまり」のパフォーマンスの魅力のひとつに、息の合ったコンビネーションがありますが、絢音ちゃんとれんたんの連携もよかったです。

 絢音ちゃんは、直前まで舞台に出ていたため、ほとんどそろっての練習はできなかったと思うのですが、二人とも仕上げてきて素晴らしいですね。



MC 2回目>

 ここで、半分くらいのメンバーが登場してのMC。川後さんの進行で、「3期生をもっと知りたい!」コーナー。

 今日は誰かなー?と盛り上がり、吉田綾乃クリスティが一歩前に出たところで、川後さんが、「今日は、「よしの」でーす!」と豪快に言い間違ってしまい、メンバーから総ツッコミ(笑)。「省略しすぎちゃったんだよねー」という優里さんのツッコミが優しい(笑)。

 「質問があるひとー!」の問いかけに、一斉に手を挙げるメンバーと客席。その中で、ひとり手を挙げないれんたん(笑)。

 最初は純奈さんが指名され、「呼び方がたくさんあるけど、どれがいい?」との質問。

 「どれでもいいけど、よっしーとか、吉田君は、ダメかなー。公式のあやてぃーでも、よしだでもいいです」との回答。

 再び「質問があるひとー!」の問いかけに、当てられた絢音ちゃん。そして、相変わらず手を挙げないれんたん(笑)。両手を腰に当てて、唇をとがらせながら、とぼけた表情で周りを見ています。

手を挙げない理由はよくわかりませんが、その前の「行くあてのない僕たち」ですべてを出し切って、プレッシャーから解き放たれ、安心&放心状態になっていたのではと推測しています。

 絢音ちゃんの「餃子が好きか、シュウマイが好きか」の質問は不発に終わり(笑)、「はい、次!」と絢音ちゃん自身がうながしたため、ゆったんが次の質問を急に振られることに。

ゆったんも用意していなかったのか、「人魚がいいか、天女がいいか」というよくわからない質問を投げかけ、ぐだぐた楽しい感じでMCコーナーが終わりました。(ちなみにあやてぃーの選択は、餃子と天女でした)

 そして、今までのセットリストは春を感じさせるもので、これからはみんな大好きな夏の曲です!と川後さんが紹介した後、メンバーがステージからはけていきます。



12「扇風機」 センター:佐藤楓(扇風機の神様) フロント:優里、岩本


 曲の前に、葉月、まあや、佐藤楓さんによる寸劇がありました(笑)。

ステージの端から、なぜか這いつくばるように登場する葉月。暑すぎて倒れそうになりながら(実際に何度か倒れながら)、ステージの反対側にある扉のところまでたどり着きます。

扉を抜け、自宅へ帰りついて、そのまま部屋に倒れこんだところに、なぜか欽ちゃん走りで、まあやが登場。葉月を助けようと、部屋に置いてある扇風機のスイッチを入れます。

最初に入れた時に、「スリー」という音声が。2回目に「ツー」、3回目に「ワン」で、最後に爆発音という展開。そこに純白衣装で、扇風機の神様に扮したでんちゃんが登場します。

「どうして壊したりするの?」「いや、最初から壊れてたし」というやり取りの後、「扇風機よりクーラーの方がいい」というセリフを、まあやが逆に言ってしまい、3回もやり直すことに(^^;)

でんちゃんは、「クーラーを使ってるから、ハゲるのよ」と葉月をいじったり、まあやに未公開のモノマネを無茶ブリしたり、Sな感じが意外と良かったです。

ちなみに、まあやのモノマネは、ダンケシェーンの時の葉月のダンスで、二人で競演してました(笑)。

最後に、注文していたクーラーが家に届いて、扇風機の神様も「がーん」というオチで、寸劇は終了。


 ようやく曲に入りましたが、曲の前半は、登場した他のメンバーがクーラーにあたって涼んだりする無音の寸劇が続いていて、後半になってフォーメーションを組む感じです。

 この時の衣装が、わりと私服っぽい感じでみんなバラバラでした。露出度も高めで、ショートパンツで登場した琴子さんの破壊力がもう…。そういえばこんな感じの服を着ている姿は、あまり見たことないですね。

 伊織ちゃんとれのちゃんも、素晴らしかったです、はい(汗)。



13「君が扇いでくれた」 鈴木、相楽、ちはる、かりん、吉田


 ここで、浴衣姿の5人が登場。見慣れない姿に、おおっとなります(笑)。

 絢音ちゃんが中心で、最初のパートをソロで歌うのですが、かわいらしい歌声に癒されました。

 絢音ちゃんの左右には、伊織ちゃんとかりんちゃんの二人。伊織ちゃんの浴衣姿が特に素晴らしい。ちはるさんとあやてぃーが一歩下がって、ボーカルで支えます。

 かりんちゃんやちはるさんの歌のうまさは周知のとおりですが、ここでもあやてぃーの声がよく通って、好印象でした。そこに、絢音ちゃんと伊織ちゃんのかわいらしい感じが合わさって、この組み合わせは好きですね。なぜか郷愁を感じながら聴いていました。



14「夏のFree&Easy センター:斉藤優里 フロント:川後、吉田


 ここで、ゆったんセンターの夏フリ! 全員が浴衣姿で登場!

フロントにも、川後さんとあやてぃーが出てきて、メンバー全員、まんべんなく見せ場を作ろうという演出の意図が見えて、うれしいですね。



15「ロマンティックイカ焼き」 センター:なし


 夏のゾーンを締めくくるのは、ロマいか。

イントロで、「私たちとロマンティックな時間を過ごしましょう!」というれんたんの煽りがあり、言った後にゆったん達と、ちゃんと言えたと合図を送り合っていて、ほっこり。そういえばおとといの名古屋では、ロマンス…と言い間違えてましたね(笑)。

 今回のロマンティックイカ焼きは、いつもと違って、盆踊りバージョン。全員で輪になって踊る振り付けが斬新でした。最後は輪と解いてペアになり、いつものイカ焼きポーズの連続で終了。



MC 3回目>

 夏曲のゾーンが終わり、ここで「胸キュン選手権」のコーナー。指名されたメンバーが、胸キュンなセリフを言うという、シンプルですがお得なコーナーです。


 最初はゆったんで、「自信あるよー」の言葉どおり、海辺の設定で、相手が飲んだジュースを「ひと口ちょうだい」と甘く言うセリフ。さすがです。


 次に佐藤楓さん。「せっかくなので、おもしろいの考えてきましたー」と言った直後から、「やっぱりハードル上がるのでおもしろくないです」と否定する、でんちゃんワールド全開。

 設定も「虫取り」。よくやるの?の質問に、「よくやります。あ、でも、小学校の時の話で、今はやりませんけど」と否定しつつ、演技へ。

 虫取り網を大きく振りかぶって、振り下ろすも、2回失敗。3回目にようやく成功して、「やっと、つかまえた。……もう、離さないから」

 歓声の客席と、「個性的だねー」とつぶやくメンバー。でんちゃん、やっぱりなんかおもしろい子です。



<ダンスコーナー>


続いてダンスコーナー。ステージ中央にれなちが出てきて、激しく踊ります。

後のブログで「苦手だったダンスが、いつからこんな楽しくなったのだろう」と書いているとおり、躍動的で、安心感のあるダンスです。衣装も、回ると綺麗な円を描くスカートにチェンジしていました。

れなちに続いて、ソロで、あるいはペアでと、メンバーが次々に登場し、ダンスを披露。琴子さんもがんばって、大きめに踊っていましたね。

ここで目を引きつけられたのも、3期生の中村麗乃さんと阪口珠美さん。ダイナミックなれのちゃんと、所作が流麗なたまちゃん。これからが楽しみです。



16「あの日 僕は咄嗟に嘘をついた」 センター:岩本蓮加 フロント:阪口、佐藤


 イントロで沸く会場。この曲のイントロは、いつ聞いても心を沸き立たせるものがありますね。

そしてそのセンターは、れんたん。今回の3期生曲のセンターということでの抜擢です。たまちゃん、でんちゃんとのフロントも新鮮。



17「嫉妬の権利」 センター:伊藤かりん、山崎怜奈 フロント:岩本、中村


 かりんちゃんとれなちのWセンター。回転したときに、美しい円を描くスカートがフルに活かされていて、メンバー全員でくるっと回った時の美しさに感動。

そして客席も赤一色に染まっていました。

最近のライブでは、ペンライトを揃えないといけない曲が多くて、なかなかたいへんですが、このアンダーライブではこの曲と、乃木坂の詩の2曲だけで、ライブに集中することができました。



18「ここにいる理由」 センター:鈴木絢音 フロント:和田、吉田、向井、川後


 再び絢音ちゃんがセンターの位置に。ライブが終盤戦に入ったことを意識させます。

先ほども書きましたが、期生の関係なく、メンバーが代わる代わるフロントの位置に入って、見せ場を作ってくれるのはいいですね。絢音ちゃんが作りたいライブ、まさにそんな感じがします。

そしてここまで、ひたすら楽しいばかりのライブであることも、これまでのアンダーライブとは一線を画するところだと感じました。エモーショナルなアンダーライブも好きですが、3期生が入り、4期生も入ってくるので、今後はこういった前を向いた雰囲気になっていくのかなと、そう思います。



19「誰よりそばにいたい」 センター:鈴木絢音


 秋の曲の最後を締めくくるのは、乃木坂では希少な、女性目線でのラブソング。

絢音ちゃんを中心に、16人が横一線で三列に並んで、直立のままのパフォーマンス。みんなの歌声をとことん聴かせる演出です。

途中、メンバーによる美しいコーラスも入り、こんなこともできるんだと感動。ただただ聞き惚れました。客席では、じわりと涙を流す観客も…。



MC 4回目>


 本編最後のMC。「静岡県の印象」を、メンバーに聞いていきます。

最初に指名されたのは、佐々木琴子さん。名古屋、そして今日の昼公演の胸キュン選手権と、トークが冴え渡っています。

静岡といえば掛川茶と答えた琴子さん。客席に知ってるかどうか尋ね、「知ってるー!」という大きな返事に、「今の8割くらいウソだと思うんですけど」と一蹴し、笑いを誘っていました。

続いては中村麗乃さん。差し入れの話を始めて、「ふじ…さん焼きそば?」と答えるも、富士宮焼きそばだよ!と総ツッコミ(笑)。ダンスの華麗さとは一転、ふにゃふにゃしたトークがおもしろいです。富士宮焼きそば以外では、桜エビを挙げていました。


 そしてここから、声出しタイム。

 会場を左右の半分ずつに分けて、向かって右手をかりんチーム、左手を葉月チームと名付け、コール&レスポンスでの声の大きさを競います。ワードは、定番の「のーぎーざーか」「フォーティーシックス」や、静岡の名物など。

 安定のかりんちゃんの煽りに対して、ぎこちない葉月ちゃんの煽りがかわいらしかった。名古屋でもそうでしたが、相手側チームの声の方が大きく聞こえるのは、そういうものなんでしょうか?(笑)

 最後は全員でステージに向かってレスポンスし、次の曲へ。



20「シークレットグラフィティー」 センター:鈴木絢音 フロント:純奈、かりん


 アンダーライブでは定番の盛り上げ曲。センターは絢音ちゃんで、さゆまりポジには、純奈さんとかりんちゃんがそれぞれ入ります。

 この曲では、楽しそうに終始ニコニコ笑いながらパフォーマンスする、たまちゃんが印象的でした。

 オーディション時から一貫して「ひなちま推し」を公言。いつか、ひなちまとシークレットグラフィティをいっしょに歌いたいとインタビューでも答えていたたまちゃん。そこに樋口日奈さんはいなかったけど、この曲をやれるだけでも嬉しいんでしょうね。見ていて幸せになる光景でした。



21「狼に口笛を」 センター:斎藤ちはる フロント:和田、川後、中村


 ここでちはるさんがセンターに。1期生の二人が、その左右を固めます。

 バナナマンのお二人も大好きなこの曲。否応なく盛り上がります。



22「13日の金曜日」 センター:斉藤優里


 続いて、ゆったんセンターの13金! お決まりの煽り、そして中盤での「いきますよー」。アンダーライブだけでなく、乃木坂全体ライブでも欠かせない曲ですね。

 名古屋では、盛大にスカートの裾が引っかかってしまったゆったん。今回は大丈夫でした(笑)。



23「自惚れビーチ」 センター:鈴木絢音 フロント:和田、岩本、純奈、中村


 本編ラストは、今後、乃木坂屈指の盛り上げ曲になりそうな、絢音ちゃんセンターのこの曲。最初の「wow wow wow」で、会場一体となって声を合わせるところは、しびれますねー。

 コールもしやすいし、サザエさん的な振り付けもかわいいし、言うことなしです。


 そして、会場のボルテージの高さや楽しさもピークのまま、本編が終了しました。


みんなで「ありがとうございました!」と言って、メンバーは舞台袖へ。最後に残った絢音ちゃんが、深々とお辞儀をするのが印象的でした。


 暗転する会場。いったん座って、ゆっくりしようとした瞬間。ひと息つく間もなく、会場からはアンコールの声が。早い(^^;)

会場がせまい分、アンコールもしっかり声が揃っていて、アンダーライブはやっぱりいいですね。



EN1「シンクロニシティ」 センター:鈴木絢音 フロント:優里、山崎


 イントロがかかって、どよめく会場。アンダーメンバーによるシンクロニシティです。

 センターの絢音ちゃんは、泣く演技のところも含めて、忠実にまいやんの動きを再現していて、美しかったですね。そしてここでも目についたのは、たまちゃん。流麗な動きが、この曲にピッタリはまっていました。



MC 5回目>

 日替わりMCの川後さんが、メンバーに今日の感想を尋ねます。最初は、和田まあやさん。

「このツアーを通して、ファンやスタッフのみなさんにどれだけ支えられているか、実感しました。みなさんがいてくれるから、自分たちが居られるのだなと」と、いつになくマジメなトーン。

川後さんから、楽屋では「裏リーダー」と呼ばれていると、絶妙なツッコミを受けていましたが、まあやさんの成長も感じさせるひとコマでした。


続いて、かりんちゃん。絢音ちゃんを気遣ったメッセージが、泣かせます。

「絢音ちゃんは自分の殻にこもってしまうタイプなので、座長として失敗した時に、自分を責めてしまわないか心配していました。だけど、ぜんぜんそんなことなくて、円陣の時にも、みんなの体調を気遣って、ライブについても自分の意見を出していて」

そんな絢音ちゃんに、みんなで感謝を伝えようと提案するかりんちゃん。「絢音ちゃん、ありがとう!」と、客席も一体になって、みんなで声を合わせました。照れくさそうな絢音ちゃん。


かりんちゃんによると、絢音ちゃんが全体練習に参加できたのは、わずか2日だけ。そんな中で、座長を立派に務め上げたのですから、すごいですね。

そしてなにより、その期間のモバメなどでは、不安な言葉を一切口にせず、楽しさや自信さえ漂わせていたことを思い出して、自分が思っている以上に、絢音ちゃんが大きく成長していることを感じました。



EN2「ロマンスのスタート」 センター:なし


 メンバーが各所に散らばっての披露。ゴンドラには、ゆったんとれんたんが乗って、レスを飛ばしまくっています(笑)。

パフォーマンスをしっかり見せるところと、楽しそうにステージを歩いて、レスを飛ばすところ。メリハリがついていてよかったですね。



EN3「太陽ノック」 センター:なし


間髪入れずの太陽ノック。ゴンドラは中間地点まで到達して、ゆったんとれんたんが入れ替わり、それぞれのサイドに戻っていきます。

ステージ上では、散らばっていたメンバーがステージ中央に一列に並んでいき、徐々にフリをつけていきます。そこに、ゴンドラから戻ったゆったんとれんたんが合流して、パフォーマンスという流れでした。



<座長挨拶:鈴木絢音>


ここで、座長の絢音ちゃんからの挨拶。毎公演、大まかな筋だけ前の夜に考えて、後はその場の雰囲気で話していたという絢音ちゃん。千穐楽の挨拶も、すばらしいものでした。


「今回から3期生が参加しましたが、これまでのアンダーライブの型に、3期生をはめ込むようなことは、したくありませんでした。無理にはめ込むのではなくて、1期生・2期生・3期生が融合した、そんなライブが楽しいんじゃないかと思ったからです。

今までのアンダーライブとは違った形になったかもしれませんが、これが私がやりたかったアンダーライブの形です」

そう言い切った絢音ちゃん。自身に満ち溢れていて、本当にカッコよかった。そして最後に、こう言いました。

「近い将来、3期生がセンターになって、アンダーライブを引っ張っていく時が来ると思います。その時に、3期生がつらい思いをしないように。そのために、今回のライブがあったんじゃないかと思います。……まだまだ、譲る気はありませんけどね(笑)」


私には想像もつかない、いろいろな深い想いを抱いて、取り組んでいたのだなと、改めて感じました。絢音ちゃん、すばらしい座長ぶりでした。

 そして最後の曲。みんなが紫色のペンライトを用意します。



EN4「乃木坂の詩」 センター:鈴木絢音


 最後は乃木坂の詩。いつもと同じように、みんなで踊り、歌う。そんな時間が、今日も尊く愛おしいです。

 Wow wow の時、絢音ちゃんの手がひとり、ピンとまっすぐ伸びているのに気づいて、ああ、そういうところも絢音ちゃんだなと感心しながら、ぼんやり見ていました。

 そしてこの時、何人かのメンバーが泣いていることにも、気づきました。その時は、ライブが無事に終わったことへの、安堵の涙かなと思っていたのですが…。

 曲が終わった瞬間、泣きながら後ろを向いてしまう伊織ちゃんの姿も、視界に入ってきます。


 そして、乃木坂の詩が終わり…。違和感を感じつつも、まだまだダブルアンコールも行くぞ!という会場の雰囲気の中、絢音ちゃんから発せられたのは、意外な言葉でした。


「ここで、みなさんにお話をしたいというメンバーがいます」


 一転して静まる会場。この展開は…。


 嫌な予感が頭をよぎります。ライブの高揚感に満たされている中での、不意打ちのような発表でした。


「ちはるさんと……伊織ちゃん」


 声もない客席。そして私は、「伊織ちゃん」という言葉に衝撃を受け、茫然としていました。

ちはるさんは、風のうわさで聞いていた話もあって、ついに決心したか、という前向きな受け止め方でしたが、伊織ちゃんはまったく想像もしていませんでした。


 そんな戸惑いをよそに、ちはるさんがステージ中央に立って、一瞬涙をこらえるように間を置き、意を決してから、しっかりと話し始めました。


「私、斎藤ちはるは、乃木坂46を卒業します(会場からは、「えー!」という声)。

14歳で乃木坂に入って、7年半の活動でいろいろな出会いがあり、嬉しいこと、悔しいこと、つらいこともありました。でもそれは乃木坂にいたから、経験できたことです。

乃木坂に入っていなかったら、メンバーやスタッフさん、そしてたくさんのファンのみなさんに出会うこともなかったし、みなさんに出会えたことが、私の財産です。

活動をする中で、新しく挑戦したいことも見えてきました。その道は簡単な道ではないけれど、これまでの経験を活かして、前向きに挑戦したいです」


 立派な挨拶でした。が、私はその挨拶を聞きつつも、目線は伊織ちゃんから離れませんでした。

 ちはるさんが卒業の挨拶をする中、自分の順番を待つ伊織ちゃんの姿。うつむきがちなその表情。


この展開。

伊織ちゃんの卒業は、もはや決定的ですが、違ってくれと祈るような数分間。

卒業なんて、まさか早すぎる、でも…。なんで今、卒業…。


エンディングで、胸の高さに掲げようと、右手に持っていた伊織ちゃんの推しタオル。腕を下げたまま、握りしめることしかできませんでした。


 千々に乱れる感情の中、ちはるさんの挨拶が終わり、伊織ちゃんの順番がやってきます。そして、涙をこらえながら、それでも一言一言しっかりと、立派に語っていきました。


「私も同じく、20枚目シングルで乃木坂46を卒業します(静まり返る会場)。

5年間の活動で、たくさんの方に応援していただき、ありがとうございました。

二十歳になって、将来のことを考えた時、まだやってないこと、やりたいことがたくさんあるなって。乃木坂を離れて、一からまたやりたいと思ったことがあります。

苦楽を共にしたメンバーに送ってもらえるのが嬉しいです。スタッフの皆さんも、ありがとうございました。私は乃木坂が大好きだし、アンダーメンバーも大好きだし、曲も大好きです。こんな私を受け入れてくれたメンバーが本当に支えでした。

私はこれからも、芸能界で活動するので、またみなさんにお目にかかれるよう頑張ります。

乃木坂46の相楽伊織を、最後までよろしくお願いします。」



 ふたりの挨拶が終わり、拍手に包まれる会場。しんみりした雰囲気を、絢音ちゃんが引き取って、締めくくります。

「卒業してしまうのは正直寂しいけれど、活動していけばまた新しい出会いがあります。私たちは、みんなに必要とされているから、ここにいます。2人も必要とされて新しい道に進むので、寂しいけれど、応援してあげないといけませんよね!」

泣きながら、みんなを鼓舞するように言った言葉。その場では、ショックが大きすぎて受け止めきれませんでしたが、今になって、その言葉にどれだけ救われているか。絢音ちゃん、ありがとう…


 会場全体に動揺が残るまま、最後の曲として、この曲が紹介されました。



EN5「羽根の記憶」 センター:斎藤ちはる、相楽伊織


 メンバー全員が、ちはるさんと伊織ちゃんの背中を押して、二人をステージの中央へ導きます。

そして、センターで歌い始める二人の元に、3期生メンバー、2期生メンバー、1期生メンバーの順に左右から駆け寄り、向かって右のちはるさん、左の伊織ちゃんのそれぞれ近い方を抱きしめたり、頭をたたいたり、肩に手をおいたりして、別れを惜しんでいきます。

 1期生が最初に駆け寄った時、位置の関係で、ゆったんとまあやさんが伊織ちゃんに、そして川後さんがちはるさんの方へ行って抱き合いました。

普段の川後さんと伊織ちゃんの仲の良さを知っていたので、逆の位置だったら良かったなーとぼんやり考えていたところで、それまでの流れを破り、川後さんがちはるさんから離れ、大好きな伊織ちゃんの元に。そしてゆったんとまあやさんは、同期であるちはるさんの元に。

 ゆっくりと手をつないでから、抱き合う川後さんと伊織ちゃん。そして深く抱擁する1期生3人の姿に、涙が溢れました。

 羽根の記憶、誰が選曲したのかわかりませんが、反則です。二人を送り出すのに、これほどピッタリな曲はないじゃないですか…。

(後日、かりんちゃんがラジオで、全員で相談して決めたと話していましたね…)


曲が終わり、最後に一列になって、「ありがとうございました」の挨拶。感動と茫然が交差する中で、アンコールは幕を閉じました。

 絢音ちゃんが最後までステージに残って、再び深々とお辞儀をして去っていきました。


 今度は会場の照明も点灯されて、終了のアナウンスも入ります。

 そんな中でも、しんみりした会場を鼓舞するように、ダブルアンコールの声がかかります。帰ろうとする人は、見わたす限りは見当たりません。

 カラ元気気味のダブルアンコールではありましたが、このままでは帰れない。そんな想いを、多くの人が感じていたのだと思います。



ダブルEN1「ハウス!」


 ダブルアンコールの声に応えて、ふたたび登場するメンバー。

 そこで流れた曲は、ハウス!でした。


 コール&レスポンスが楽しく、いつもは最高に盛り上がるこの曲ですが、この時ほどコールしていて悲しいハウス!は、初めてでした。

 いつもは、客席に向けてのレスが飛び交う曲ですが、ちはるさんと伊織ちゃんの元に、自然とメンバーが集まってくる感じで、また涙。

 私は見られませんでしたが、そんな中でもかりんちゃんは、客席に応えていこうとステージを駆け回り、メンバーにも声をかけていたらしく、さすがですね。

最後になってようやく、メンバーにも笑顔が見られるようになりました。


ダブルアンコールも終わり、最後にもう一度一列になって、「ありがとうございました」の挨拶。

最後に残ったちはるさんと伊織ちゃんが、ステージから去っていき、激動のライブは終了となりました…。


 その後、トリプルアンコールの声は上がらず、代わりに万雷の拍手が客席を包みました。その音は、ちはるさんや伊織ちゃんにも届いたはずです。この引き際の良さも、アンダーライブのいいところですね。


 会場から出てくるみなさんの足取りは、いつになく重く感じました。ふと誰かがつぶやいた、「こんな急に来るんだな」という言葉が、妙に頭に残りました。


 私も足早に会場を出て、駐車場に向かいました。

 混乱していて、気持ちの整理もできていませんが、とにかく伝えなきゃ。書かなきゃという使命感だけで動いていた気がします。


 そして駐車場に止めた車の中で、「乃木坂の詩」の後に起こった出来事を、思い出せる限りツイッターにアップしてから、帰途につきました。

 その後の、帰りの行程の3時間半は、ゆっくりぼんやりと、伊織ちゃんのこと、ちはるさんのことを考えていました。気持ちの整理はなかなかつかないけれど、前を向かないと。そう思いながらのドライブとなりました。


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