同日、生駒里奈編はこちらから。

同日、斉藤優里編はこちらから。




 この日、最後の握手は、ひめたん。


 実は、ひめたんには一番の期待をしていた。「Theアイドル」の中元日芽香は、どれほどの衝撃を与えてくれるのか。普段ならば話すことも許されない位置に存在しているのがアイドルならば、そのてっぺんに君臨するほどの「アイドルオーラ」を身にまとう存在。それがひめたんへのイメージだった。

 相対するは、まさしく姫。農民の自分が会えるわけはない。でも、手を握るチャンスはつかんだわけだ。姫の姿を一秒でも長く目に焼き付けなくては。


 ひめたんレーンも並びは極端に少なかった。ひめたんだけではなく、人気メンバーを除いて、どのレーンも非常に人が少ない。握手会常連のご存知「ちゃんず」氏も、「今日の1部は過疎ってますねぇ」と感想を述べていた。

 ゆったんの呪縛から開放されるために、会場の隅で深呼吸。 体面なんて気にしていられない。姫と会うための覚悟を決めなくては。下手なことをしたら、家来(剥がし)にばっさりいかれてしまう危険性もある。

 そう考えると服装もこれでいいのか、と疑問になる。受付段階で、「きみ、失格」とならないだろうか。くそー、蝶ネクタイなんて持ってないぞ!

 と、ひとりで妄想しながら、ひめたんレーンへ。こういう前後の妄想も含めて握手会の楽しみだと思うので突っ込まんでくだされ。


 並びは0。ほぼ立ち止まることなく、ひめたんのもとへ。


20150204-16





 実物のひめたんは、ひめたんだった。感想がそれしか出てこない。画面越しで見ていたまま。実物のほうがかわいい! ということも、テレビで見るほうがかわいい! ということもない。そのままのひめたんが笑顔で立っている。

 それは決して悪い意味ではない。むしろすごいことだ。期待通りの、いつも見ているひめたんがそこにいた。

 不思議と緊張はなかった。あまりに、ひめたんがひめたん過ぎて(よく分からない言葉になっているが、こうとしか書けない)、握手をしてなお、目の前にいる実感がわかない。テレビから手が伸びてきて、それと握手をしているようだった。

 とはいえ、繋いだ手から伝わる温もりは現実のもの。ちゃんと言葉を伝えなくてはいけない。

「はじめまして、ひめたんに会いたくてきました」
「あー、ありがとう!」

 ちょっときざな台詞を入れる余裕すらあった。ひめたんは大きな瞳で、まっすぐに顔を見てくれる。恥ずかしかったが、たった数秒間だけ許された至福のとき。目を逸らさないよう、ひめたんの顔をしっかり見る。

 大げさではなく、ひめたんの目は輝いていた。よく大きな瞳をさして、吸い込まれそう、と表現するが、ひめたんの瞳はまさにそれ。心が吸い込まれそうになる。

 でもまだ冷静だった。さすがに通算6人目。多少なりとも慣れてくる。

 ひめたんの全身をぱっと見渡し、

「一目惚れするぐらいのかわいさです!」

 ……結局おまえは、かわいい、しか言えないのか、と自分に突っ込みを入れながらも、ひめたんの様子を観察。1枚なので、「ありがとー」ぐらいで終わるぐらいのことを想定していた。そのぐらいの余裕があったのだ。

 しかし次の瞬間、冷静さは吹っ飛ぶ。


えへへー、そんなことないよー」


 理性、崩壊。


 ぎゃああああああ、ひめたんだあああああああ!

 えへへー!! えへへー!! え、え、え、えへへー!! 

 えへへえええええええええええええええええええええ!!


 心の中でのた打ち回っているうちにお時間。

 「またきてねー、ばいばーい」

 のようなことを言っていた記憶があるが、えへへーの破壊力にノックアウトされてしまい、その後の記憶がない。ほ、ほんとに、えへへーって言うんだ……。やっぱり、ひめたんはひめたんだった。

 いつもなら衝立からはけるときに後ろを振り返って、最後に顔を見るのだが、その余裕もなかった。えへへー、恐るべし。これ、びーむだったら、どうなるんだろ。間違いなく冷静ではいられない。大げさな表現ではなく、本気で「ぐああああああああ」とうめいて、その場に座り込んでしまうかもしれない。それを、冗談でしょと笑えないぐらいの破壊力があるだろう。えへへー、でこんなにもやられているのだから。

 果たして、もう一度ひめたんに会ってもいいのだろうか。びーむの破壊力を身をもって体感する自信がない。でも乃木坂ブログの管理人としては受けざるを得ないだろう。それまで心の修行を積まなくては。

 よし、今日からひめたんビームの練習だ!(おまえがやる気か……)


20150204-09



握手会を終えての総括

 最後にちょこっとだけ。

 ひとりにつき1記事で3名書いてきましたが、いろいろ余談をはさみつつも、使った握手券の枚数はひとり1枚、秒数にすれば5秒前後のお話です。それでも、これだけいろいろと考えられるのが握手会です。握手会ビギナーの自分が言うのもおこがましいですが、握手券を買ったときのドキドキから、握手をし終えた余韻が消えるまでを楽しんでこそ握手会参加の意義があると思います。

 まだ未経験の方は、ぜひその魅力に触れてみてはいかがでしょうか。


 それともうひとつ。


 握手会は非常に残酷な仕組みです。人気のあるなしが一目瞭然になります。推しているメンバーの列が極端に少なかったら、悲しい気持ちになるかもしれません。握手の列が人気のバロメーターのひとつであることは確かな事実です。

 ただ、その事実を目撃したら、この事実にも向き合ってください。

 どんな列が少ないとしても、メンバーはひとりひとりのファンに真剣に向き合っています。笑顔で、全力で、あなたを迎え入れてくれます。

 如実に列の長短が分かる事実と、自分のところにきたファンを笑顔で迎え入れてくれる事実。このふたつを重ねあわせたとき、あなたは推し、メンバーにどのような感情を抱くでしょうか。

 答えは人それぞれ。正解なんてありません。「そんなこと関係なしに楽しんだもん勝ちよ!」それもひとつの答えです。

 自分は自分なりに答えを見出しました。そして、また握手会にいくでしょう。まだまだ握手会の、メンバーの魅力を楽しみたいです。



 目標は全メンバー制覇+認知をもらう! よし、今度こそがんばる!

 ……でも、いくらかかるんだ、この目標。 

 



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