ツグミ(鶫) ~日脚伸ぶ~
- 2020/01/31(Fri) -
鶫021

キューッ、キュッキュッ、キュッキュッ。
鶫が染井吉野にいた。

首を回してあたりを見渡している。
暖かな陽射しを受け、そこはいい眺めだろうなあ。

「3月並みの陽気です」とラジオの声。

ロウバイ、スノードロップ、クリスマスローズも少しずつ咲き出している。

   こころまづ動きて日脚伸びにけり (綾部仁喜)

鶫022
この記事のURL | 草と花と鳥と | CM(0) | ▲ top
ツチグリ(土栗) ~勘違い?~
- 2020/01/30(Thu) -
ツチグリ212

ツチグリに気づいたのは数日前。
シャクヤクの枯れ株の中から出ていた。
10片のひび割れた花萼のようなものに囲まれて袋が乗る。
その中央には胞子が放出される穴が開く。
日中にはその形を保持するが、午後3時過ぎ頃には袋はつぶれたようにくしゃっとなる。
併せて広げた外皮も反るように丸くなる。
そしてまた翌日にはその特徴的な姿にすべてを戻す。
それがしばらく繰り返されている。

キノコは基本的には夏から秋に生まれ成長するもの。
今の真冬とは思えない暖かさを彼らも秋と勘違いして出てきたのか。
いつもと変わった様相が見られる事が多い今冬である。

    これよりの予定を胸にたゝむ冬 (稲畑汀子)

ツチグリ211

ツチグリ213

ツチグリ214
この記事のURL | 自然・菜園・風景 | CM(0) | ▲ top
フユシラズ(冬知らず・Calendula) ~寒中休み~
- 2020/01/29(Wed) -
冬知らず211

先日テレビで「一年で最も寒い日はいつか」ということについて取り上げていた。
気象予報士が、過去の統計を元に解説する。
それは1月28日と29日(この両日がピーク)を挟んだ前後1週間に集中しているという。
つまり今がその時期にあたる。
今年の場合は今朝も雨で外れだが。

ところで“寒中休み”という言葉を聞いたことがあるだろうか。
今ではそれは死語となっているかもしれないが、信州の50代以上の人なら小中学校での生活の中で経験しているはず。
つまり、“夏休み”や“冬休み”と同様に、最も寒い頃の数日から1週間程度が“寒中休み”だった。
それが1月下旬から2月初旬にかけてのちょうど今頃だ。
私が3年間過ごした標高の高い山村ではこの時期に最高気温が-7℃、最低気温が-23.5℃という年があったのを覚えている。
あの頃はほんとに寒かった。
テレビを見ていて“寒中休み”のことが連想され、全面結氷した湖でスケートしたことなど、当時が懐かしく思い出された。

庭の周りの土手ではフユシラズの黄色い花が咲いている。

   年とつて冷たき土堤に遊びけり (永田耕衣)

冬知らず212

冬知らず213
この記事のURL | 日常・おはなし・他 | CM(1) | ▲ top
メジロ (目白) ~替えよう~
- 2020/01/28(Tue) -
目白024

火災と自然災害(風水害と地震)保険の資料が届いたので見ていた。
このところ各地で起きる大災害は決して遠いところの出来事ではなく、ここでもあり得るのではないか…。
過去に死者99名、行方不明者25名を出した「三六災害」(さぶろくさいがい・昭和36年)の地域でもあるのだから。
現在の契約でいいのか、他社のがいいのかと見直しを検討するために見積もりを依頼してあった。

外から小鳥の声が届く。
聞き慣れた“ピチュピチュピチュ”は目白。
椅子に腰掛けたまま顔だけを右に振る。
すぐそばの楓に止まっていた。

察知されないようにそっと席を立ち、棚からカメラを取り出す。
窓ガラス越しにシャッターを切る。
フィルターを一枚つけた感じだ。
数枚撮ったところで、枝を離れた。
“ピチュピチュピチュ”はまだ聞こえている。
3羽に増えて染井吉野にいた。

補償内容や補償額の細部を見る。
その他の補償も含め、新しいところの方が充実している。
替えよう。

   楚々と来し目白にゆるる枝の先 (河合笑子)

目白021

目白022

目白023
この記事のURL | 日常・おはなし・他 | CM(0) | ▲ top
オオイヌノフグリ (大犬の陰嚢) ~小さくハミング~
- 2020/01/27(Mon) -
大犬の陰嚢21261

ぽっかぽか。
冬はどこへやら。

ユキヤナギの下でオオイヌノフグリが青い花を咲かせている。
そこへテントウムシがやってきた。
楽しそうに次々と花を渡り歩く。

 ねえ、テントウムシってさあ、漢字では天道虫って書くんだよね。
 ねえねえ、天道って太陽のことなんだよね。
 ねえねえねえ、君の名前はナナホシテントウっていうんだよね。
 お日様とお星様を一緒に名前に持っているなんてすてきだね。
 そうそう、『てんとう虫のサンバ』って歌、しってる?
 歌ってあげようか。

小さな花が咲いて、小さな虫が出てきて。
春もそこらで小さくハミングしているようだ。

   ふさぎの虫てんたう虫の出でにけり (藤田湘子)

大犬の陰嚢21262

大犬の陰嚢21263

大犬の陰嚢とテントウ虫21261

大犬の陰嚢とテントウ虫21262

大犬の陰嚢とテントウ虫21263
この記事のURL | 草と花と鳥と | CM(1) | ▲ top
フキノトウ(蕗の薹) ~綻ぶのを待つ~
- 2020/01/26(Sun) -
フキノトウ201

スーパーに行きお米を買った。
ひょんな事から、この3年近くは私が買うことになっている。
それでその時々で並ぶいろいろな銘柄を替えて食べ比べを楽しむ。
中には安かったが一度だけでやめた地元ブランドもある。
今回はこれまで何度も手にしている北海道の“ゆめぴりか”。
今のところ、それを含めての4種類が多い。

家人は重いものを持つのがえらくなってきた。

畑の端の方ではフキノトウも頭を出している。
全体にまだ固く、濃赤紫色に丸まっている。
萌黄色になって、綻び開くのを待つことにしよう。

    土こぼし香をこぼしけり蕗の薹 (稲畑汀子)

フキノトウ202

フキノトウ203

フキノトウ204
この記事のURL | 日常・おはなし・他 | CM(0) | ▲ top
ホトトギス(杜鵑草の蕾) ~落とし物~
- 2020/01/25(Sat) -
杜鵑草の蕾201

警察署から電話があった。
家人の落とし物についての連絡だった。
電話を替わった。

町の商工会が発行しているポイントカードだった。
カードに記載されている氏名と登録ナンバーから住所と電話番号がわかったらしい。
所有者本人であることが確認されたので受け取りに来るようにとのことだった。

町のスーパーで拾得物として届けられていたという。
自身では落としたことには気づいていなかった。
近くの交番でなく、隣の市にある本署で保管されている。

「これから、乗せて行ってくれる?」というので、ちょうど作業も一段落したところだったのでOKした。
ほんとのことを言うと、一人ではそこまで運転して行けないのだと思った。
なにせ方向音痴なのだ。
何度も訪ねている、叔父さんのお宅まで運転できないのだから。

家人の車を20分ほど走らせて着く。
駐車場の車の中で待つ。
事前確認ができていたこともあって、数分で戻ってきた。
「お礼を言いたいと思ったけど、お店ではカードを受け取っただけで拾った人の名前を把握していなかったんだって」

帰路につきながら内心、クレジットカードなどの貴重品でなくてよかったと思った。
“落とし物を見つけたら届ける(ほとんど戻ってくる)”という日本では当たり前の道徳心に外国から訪れた方は驚くという。
こんな小さなポイントカードもちゃんと戻ってくる。
幼い頃からの教育により身についた善悪への正しい判断力と失くし困っている人への優しい想像力…。

春を思わせる暖かな日だった。
庭を歩いていて杜鵑草も顔を出しているのを見つけた。

   冬の芽に初学のこころありにけり (後藤立夫)

杜鵑草の蕾202

杜鵑草の蕾203

杜鵑草の蕾204
この記事のURL | 日常・おはなし・他 | CM(0) | ▲ top
ウメ(梅の冬蕾)  ~雨雫の中に~
- 2020/01/24(Fri) -
冬の梅蕾0211

朝から雨でした。
一月も下旬です。
本来なら完全装備のうえ、車の往来がある前の薄暗い時間から雪かきをしていたのでしょう。
きっとすでに数回はやっていたはずです。
でも雨です。
まだ一度も雪かきの出番がありません。
“庭は一面白く覆われて…”はまったくなく、季節感が感じられず少し寂しくもなります。

傘を差して外に出ました。
梅は枝に沿って蕾をつけています。
それらのそれぞれに雨雫が垂れます。
そしてその中には周りの景色が映し出されます。
梅の一枝を取り込んでいるのもあり、趣があります。
でも考えてみれば、雨だから梅の蕾と一緒に見える情景です。
雪ならそれはなかったことです。

傘が枝に当たりました。
多くの雫が落ちてしまいました。
しばらくするとまた同じ様子になるのでしょうが。
家に入ることにしました。

部屋では家人が電気カーペットの上に横たわって寝ていました。

   冬芽には光とどめて雨雫 (稲畑汀子)

冬の梅蕾0212

冬の梅蕾0213

冬の梅蕾0214

冬の梅蕾0215
この記事のURL | 自然・菜園・風景 | CM(0) | ▲ top
ライラック(lilac・リラの花の蕾) ~間違えた~
- 2020/01/23(Thu) -
834.jpg

リラにも固い芽がありました。
その枝の中にカマキリの巣もありました。

昨晩のことです。
毎月定例の会合に行く準備をしていました。
早めに夕食を済ませ、会費と筆記具を用意しました。
ダウンのジャケットも出しました。
そしてそろそろ出かけた方がいい時間になったところで、開いてあった新聞の日付が目に入ったのです。
「あれっ。今日は22日?」
「そうよ。」
「えっ。違った。明日だ」
「私もおかしいなと思ってた。いつ変更になったんだろうって」
何十年も出ている会です。
日を間違えたのは初めてのことです。
パジャマに着替えました。

そんなことが多いこのごろの私です。

   冬木の芽明日は待たるるためにあり   (新明紫明)

リラの花の蕾202

リラの花の蕾204

リラの花の蕾205
この記事のURL | 日常・おはなし・他 | CM(0) | ▲ top
フクジュソウ(福寿草) ~土を割って~
- 2020/01/22(Wed) -
福寿草の蕾201

最寒の時期とは思えないような陽気。
目に映るものにも“冬”は少なく。
いつもなら大きな氷のかたまりの美しい造形を見せる下の川も、光をきらきらと跳ね返して流れている。

そんな中、かたまってある福寿草の蕾を見つける。
土を割って出る様は小さなたけのこにも見える。

春も間近と笑みがこぼれる。

   福寿草競ひしごとくふくらめり (小池とみを)

福寿草の蕾202

福寿草の蕾203

福寿草の蕾204
この記事のURL | 自然・菜園・風景 | CM(0) | ▲ top
シジュウカラ(四十雀・great tit) ~蝋梅の枝に~
- 2020/01/21(Tue) -
蝋梅にシジュウカラ201

部屋から居ながらにして望めるところに臘梅がある。
距離にして4メートルほど。
そこは小鳥たちのお気に入りの場所。

シジュウカラもよくやってくる。
ツツピーツツピーと軽やかに高い声を刻む。
その枝にはたくさんの蕾。
まだ小さくて固い。

止まった位置がちょうど陰になるところとなって、顔がはっきりと見ったのはちょっと残念。

   寒禽の嘴(はし)をひらきて声のなき  (長谷川櫂)

蝋梅にシジュウカラ202
この記事のURL | 草と花と鳥と | CM(0) | ▲ top
ミツマタ(三椏・三叉) ~その分枝の姿から~
- 2020/01/20(Mon) -
三椏の蕾201

寒さの中で蕾をつける草木。
三椏にも艶のある毛に包まれたのが。

枝はほぼ同じ角度で三本ずつに分枝する。
それで“三つの又”とわかりやすい。

聞こえる「春遠からじ」の声。

   枝をさしのべている冬木 (種田山頭火)

三椏の蕾202

三椏の蕾203
この記事のURL | 自然・菜園・風景 | CM(0) | ▲ top
クリスマスローズ(蕾) ~"待つ時”~
- 2020/01/19(Sun) -
小径20161

いかにも冬らしい色褪せの庭。

春に備えて少しずつ作業。
レーキで整地する。
小径のエッヂを切る。
その輪郭に沿うようにクリスマスローズを植えてある。
見れば多くで蕾が顔を出している。
まだ花を開いているのは一つもないが、今年も他に先駆けて彩りを施してくれそう。

今の静かな枯れ色の庭も好きである。
いかにも"待つ時”という感じがして。

   枯るゝ庭ものの草紙にあるがごと (高浜虚子)

小径20162

クリスマスローズの蕾20162

クリスマスローズの蕾20161

クリスマスローズの蕾20163

この記事のURL | 草と花と鳥と | CM(1) | ▲ top
一月の畑(冬野菜) ~ほどよく育ち~
- 2020/01/18(Sat) -
タアサイ201

畑にはまだいくらかの野菜がある。
朝には霜が降り土は凍てつく。
しかしそれに耐え、強いと感心。
そしてありがたい。

高くなった陽が畑を暖め土が溶ける。
籠と包丁を持つ。
歩く長靴はぐちゃぐちゃで滑る。
紫カリフラワーとタアサイと丸大根を収穫する。

白菜は二つ残してある。
「花を食べたいから、取らずに春までそのままにしておいてね」と言われた。
テレビかなんかで、白菜の花の料理を見たらしい。
食べたことはない。
どんなんだろう。

少しだけだが、朝の来るのが早くなり、日の入りが遅くなったのを感じる。

早速浅漬けに。

   吾が畑の冬菜ほどよく育ちけり  (村山春子)

紫カリフラワー201

冬野菜の収穫201

大根の浅漬け

この記事のURL | 自然・菜園・風景 | CM(0) | ▲ top
メダカ(目高) ~凍る鉢の中には~
- 2020/01/17(Fri) -
冬の目高201

朝は睡蓮鉢にも氷が張る。
そして少し日が高くなるとそれは溶ける。
すると水底から目高が出てきて泳ぎ出す。
時々水面近くまで浮かび上がってきたりする。
目はその名の通り顔から高く飛び出る。
尾びれをゆっくり左右に揺らしながら浮遊する姿が愛らしい。
私が体を少し動かすと、さっと下に潜ったりするのも面白い。

凍る冬でも小さい目高は外でも元気に生きている。
冷え性の私は厚手の防寒ブーツを履いてそれを見る。

   羅漢彫り目高の池で骨休め  (笠原ひろむ)

冬の目高202

冬の目高203

冬の目高204
この記事のURL | 自然・菜園・風景 | CM(1) | ▲ top
レオコ(レオパードゲッコウ・脱皮) ~一月も半ば~
- 2020/01/16(Thu) -
レオコの脱皮200

昨日の夕刻だった。

「レオコが脱皮している」と家人。
覗くとすでに前半身まですんでいた。
兄のレオパもそばにきて、励ますかのように体を寄せる。
レオコは少しずつ食べながら皮を脱いでいく。

何を思ったのか、「手伝ってやる」と言い、中から取り出す。
彼女自身に任せればいいのにと思ったが、手に持ち皮を剥き始める。
3分ほどで全てがきれいに剥け、「ほら」といって、その皮をテーブルに広げた。
後肢やしっぽの方もそのままの形に。
肌のぶつぶつの痕も。

そして、レオコを住処に戻し夕食の支度を始めた。

   五指の爪玉の如くに女正月 (飯田蛇笏) 

レオコの脱皮201

レオコの脱皮202

レオこの脱皮203

レオコの脱皮204

レオコの脱皮205
この記事のURL | 日常・おはなし・他 | CM(1) | ▲ top
ジョウビタキ(尉鶲) ~小正月~
- 2020/01/15(Wed) -
ジョウビタキ201

クリスマスローズの周りの落ち葉を片付ける。

隣の柿畑で山田さんの奥さんが枝の剪定をしていた。
切っては少し眺め、そして次を切る。
秋の実りをイメージしながら、その間隔や伸びる向きを確かめて切り落としているらしい。
きっと長年蓄積されたノウハウがあるのだろう
時々、脚立から降りて、剪定枝を集めて焼く。
その煙が我が家の方向に流れてくる。

ツッツッツッ。
花水木にジョウビタキがいた。

   小正月に寂然として目をつむる  (飯田蛇笏) 

ジョウビタキ202

ジョウビタキ203

ジョウビタキ204
この記事のURL | 草と花と鳥と | CM(1) | ▲ top
コブシ(辛夷・拳) ~寒さに向き合いその時を待つ~
- 2020/01/14(Tue) -
コブシの冬芽1

夢を見た。
目の手術をして、病室に戻ったら、40年ほど前の知人がいた。
同じように目の手術をしたという。
一言二言言葉を交わしたところで、目が覚めた。
親交があるわけでもないのに、どうして夢に現れたのだろう。
そしてなぜ、目の手術なのか。
左眼の白内障手術は一昨年の4月に無事済んではいるが。

庭の辛夷にも花芽の膨らみが見えるようになってきた。
咲くのは4月初旬。
今はしっかり寒さに向き合い、その時をじっと待つ。

   真直ぐに行けと冬芽の挙(こぞ)りけり  (金箱戈止夫)

コブシの冬芽2

コブシの冬芽3
この記事のURL | 自然・菜園・風景 | CM(0) | ▲ top
オレガノ(oregano) ~冬はつとめて~
- 2020/01/13(Mon) -
霜オレガノ201

ラジオでは「初雪がまだない」とか、「例年の2%しか降っていない」とかと、雪不足を伝えている。
たしかに私もまだ今冬は雪かきを一度もしていない。
大雪も困るが、雪の少ないのも味気ない。

霜はそれなりに降りてオレガノの葉も白く覆われてはいるが。

ところで昔の人は雪や霜を趣深い景物として取り上げ、季節の味わいとした。
たとえばその繊細な感性は、今のような温暖化に見られる様々な現象をどのように書き綴るのだろう。
「冬はつとめて…」

   影むらさき霜を染めなす旭かな  (杉山杉風)

霜オレガノ202

霜オレガノ203

霜オレガノ204

枕草子(第一段春はあけぼの)
この記事のURL | 自然・菜園・風景 | CM(0) | ▲ top
ル レクチエ(木彫洋梨) ~初彫り~
- 2020/01/12(Sun) -
木彫洋梨1

果樹農家の小松さんが洋梨の“ル レクチエ”を持ってきてくださったのは12月の中旬だった。
「しっかり追熟させてから食べなよ」と言われていたので、置くことにした。
それらを見ていると彫ってみたいと思いが湧いてきた。
年が明けてから色が濃くなってきたので食べることにした。
香りと甘味があってとても美味しかった。
一つだけは彫るモチーフにするために別に取って残しておいた。

そして今年の初彫り。
材は 家にあった榀(シナ)の角材。
面で大きく荒取りする。
彫刻刀で丸みを出していく。
思いの外、すいすいと彫り進む。
きのう着色して完成した。

次は半年前から温めてある構想の制作を。

   初彫や作り馴れたる翁面  (伊藤逗子)

ルレクチエ1

木彫洋梨4

木彫洋梨4-1

木彫洋梨5

木彫洋梨6

木彫洋梨7

木彫洋梨8

木彫洋梨9

木彫洋梨10
この記事のURL | 彫刻を作る | CM(4) | ▲ top
ヒヨドリ(鵯) ~ラジオを聞きながらの作業~
- 2020/01/11(Sat) -
鵯201

きのう。

ラジオを聞きながら作業をする。
番組は初春スペシャル“懐かしき紅白歌合戦”。
トップバッターは並木路子で「リンゴの唄」。
タイガース、西城秀樹、安室奈美恵、サザンオールスターズ…。
「♪忘れられないの~♪」と、リアルタイムで聞いていたピンキーとキラーズの歌に合わせて口ずさむ。
しみじみとした西田敏行の「あの街に生まれて」に涙が出そうになる。
山口百恵の「いい日旅立ち」はいつ聞いてもいい。
白組のトリは実際の紅白に一度も出たことのないという石原裕次郎で「粋な別れ」。
オオトリは美空ひばりが「川の流れのように」を歌う。
紅組が勝った。

コーヒーブレイク。
窓の外からピーッ、ピーッ、ピーヨ。
染井吉野に鵯。
「君は年中元気だなあ」
そんな彼でも少しは“季節”を感じるのだろうか。
桜は「見る」より、「食べる」ものらしいのだから。

作業ははだいぶ進んだ。
きょうで終わるはず。
指先が少し痛い。
ファイト!

   彫初の工具諸々塵もなし (中島築邦)

鵯202
この記事のURL | 日常・おはなし・他 | CM(0) | ▲ top
『正月飾り』 ~子ども頃の遊び~
- 2020/01/10(Fri) -
『正月飾り』

まだ家の中には“おしょうがつ”がある。
それは叔父手作りの紙細工「正月飾り」。
昔の正月に欠かせない遊びや道具などが並ぶ。
一月いっぱい飾って季節感を楽しむ。

きわめて小さな作品である。
小屏風の高さは6㎝。
同様にほかのどれも数㎝ほどの大きさ。
凧、独楽、竹橇、毬、羽根突き(羽子板)。
加えて寒椿も。
それらがディテールにもこだわり精巧に表現されている。
寒椿の花粉、橇の引き綱と座布団、凧の文字や糸巻き…。
繊細な仕事だ。

♪おしょうがつには たこあげて こまをまわして あそびましょう♪
♪おしょうがつには まりついて おいばねついて あそびましょう♪

   つく羽の音のつゞきに居る如し (中村汀女)

凧

独楽

毬

羽根突き

橇

寒椿
この記事のURL | 日常・おはなし・他 | CM(2) | ▲ top
アシ(蘆・葦)  ~枯河原~
- 2020/01/09(Thu) -
枯蘆201

家のすぐ横は川。
今は蘆の広がる枯河原。
時折その中から鳥が飛び立ったりする。

家人が5泊6日の旅から帰ってきた。
ほっとする。

   枯蘆やはたはたと立つ何の鳥  (寺田寅彦)
 
枯蘆202

枯蘆203

枯蘆204
この記事のURL | 自然・菜園・風景 | CM(0) | ▲ top
『五穀豊穣春秋の図』 ~一月の雨~
- 2020/01/08(Wed) -
五穀豊穣1

きのうは雨だった。
しっかりと降った。
気温が上がらなかった。
一日寒かった。

床の間には『五穀豊穣春秋の図』。
元日から一月いっぱいは毎年それを掛けることにしている。
いろいろな意味において実り多き年になるように…そんな思いを込めて。

そして今日も朝から雨。

   一月や道の窪みに雨踏んで  (野路斉子)

五穀豊穣2

五穀豊穣4

五穀豊穣5

この記事のURL | 草と花と鳥と | CM(1) | ▲ top
ジョウビタキ(尉鶲) ~七日正月~
- 2020/01/07(Tue) -
ジョウビタキ201

『たけくらべ』を読んでいた。

ジョウビタキの声が聞こえたので外に出た。
すぐに見つけることができた。
コムラサキの細枝に止まっていた。
わずかな残り実のそばを脚で掴んでいる。

距離を保って見る。

顔をちょこちょこ動かしながら辺りを見回している。
頭を下に向け脚下の実に目を遣る。
どれにするか選んでいるようだ。
決めたらしい。
そして一つを口に含んで飛びたった。

まだいくつかあるのでまた来てくれるだろう。


家人はまだ旅の途中だ。
七草粥など望むべくもない。
セブンイレブンのおかゆにしよう。

   七種を祝ふ一人の膳につく  (稲畑汀子)

ジョウビタキ202

ジョウビタキ203

ジョウビタキ204

ジョウビタキ205

ジョウビタキ206
この記事のURL | 草と花と鳥と | CM(0) | ▲ top
デンドロビウム(Dendrobium ・フィズ)  ~「シャキッと」~
- 2020/01/06(Mon) -
デンドロビウム201

西日が部屋に入り込む。
デンドロビウムにあたり、その強いコントラストが色と形を際立たせる。
壁に映る影も濃く。
そんな陽射したっぷりの日が続く新しい年。

背骨を立てて「シャキッと」。

   紙の舞ふごとくに過ぎぬ松の内 (福田紀伊)

デンドロビウム202

デンドロビウム203
この記事のURL | 日常・おはなし・他 | CM(1) | ▲ top
レオパ(レオパードゲッコウ・豹紋蜥蜴擬) ~脱げましておめでとうございます~
- 2020/01/05(Sun) -
脱皮20

それは3日のことでした。

気がついたときにはレオパの脱皮が始まっていました。
脱いでは食べ、脱いでは食べています。
時々、ペコちゃんのように舌を出したりしながら。
あるいは目を細めていかにも美味しいという顔をして。
その様子を妹のレオコちゃんも見に来ます。

完全に脱皮が終わったのは翌日でした。
レオパにとって12年目になる正月です。

   金色のものの減りたる五日かな  (櫂未知子)

脱皮201

脱皮202

脱皮203

脱皮204

脱皮205

脱皮206

脱皮207
この記事のURL | 日常・おはなし・他 | CM(0) | ▲ top
クリ(霜の栗) ~早や四日~
- 2020/01/04(Sat) -
栗に霜1

冷え込む朝。
栗の毬や葉も霜を纏う。
それぞれに現れるその付き方や形。
そんな様子を見るのはおもしろい。
冬の朝にはポエムやアートがある。

家人は5泊の旅。
食事に悩む私。
こういうときには手料理のありがたさをしみじみと感じる。

   早や四日小さき野心温めをり  (保坂加津夫)

栗に霜2

栗に霜3

栗に霜4

栗に霜5

栗に霜6
この記事のURL | 自然・菜園・風景 | CM(1) | ▲ top
初詣 ~願ふより謝すこと多き…~
- 2020/01/03(Fri) -
初詣190

初詣は由緒ある古刹へ行く。
その山門からは宝剣岳や千畳敷カールなどが望める。
境内に入ってすぐ左手のお札販売所に寄って、古い破魔矢とお守りを収め、新しいのをいただく。
時間的によかったようで、まだ人影はまばら。
杉並木の参道を進み、中門を潜って、手水舎で清め、本堂に上がりお詣りする。
降りて山から流れ来る延命水を飲んだあと、おみくじを結び、三重塔の横を下りて鐘楼に出る。
鐘打し、さらに自らを戒め励まし手を合わせて仕上げとなる。

雲一つない清々しい天気だった、
右手に中央アルプス、左手に南アルプスのくっきりとした雪嶺を見ながら家路につく。

   願ふより謝すこと多き初詣   (千原叡子)

初詣191

初詣192

初詣193

初詣194

初詣鐘楼
この記事のURL | 日常・おはなし・他 | CM(1) | ▲ top
おせち(お節料理・喰積) ~「来年もこれでいいわ」~
- 2020/01/02(Thu) -
お節

ささやかな家族の元旦。
三つのお重を開く。
そして「来年もこれでいいわ」と。

目を歩かせて、少しずつ箸を伸ばす。
「うわー美味しい。味付けばつぐん。見事な食感ね」
「とてもじゃないけど私じゃこうはいかないわ。さすがね」
「よくカタログの写真や説明と実際が違うといったことが多いけど。これは料理人の腕を感じる」
「彩りもさ、いかにも着色したといった感じがなくて自然だし」
「デパートの信用ということもあるしね。どれも最高よ。よかった」
「変ないい方だけどこのおいしさはこれまでで一番かもしれない」
「もう来年のことを言っちゃうとおかしいけど。来年もここへ注文するわ」
これまでの自分の手に依るのと比べて発しているのだろう。
たしかにその味わいは一つ一つの食材が見事に活かされ、私の未熟な舌をも驚かせるものであった。

自分の注文した“おせち”に大満足し、水仕事もすることなく、言葉も穏やかに、ゆったりといい顔して正月を過ごす家人である。

   喰積の箸丈長にいはいけり  (籾山梓月)

1.jpg

お品書き一

2.jpg

お品書き二

3.jpg

お品書き三
この記事のURL | 日常・おはなし・他 | CM(1) | ▲ top
マサキ(柾の実) ~胸に去来するもの~
- 2020/01/01(Wed) -
柾の実201

まだ暗い静かな元朝。
いつもと変わらずに目覚める。
だが瑞気に満ちてすがすがしい。

私なりの決意。
胸に去来するものをたしかめつつ、冷えた服を着る。
只今の初心に自分の可能性を信じて。

皆まだ睡っている。

   年いよいよ水のごとくに迎ふかな  (大野林火)

柾の実202

柾の実203

柾の実204
この記事のURL | 日常・おはなし・他 | CM(0) | ▲ top
| メイン |
  翻译: