雪の山(南駒ヶ岳・田切岳・空木岳など) ~いたるところから煙が上がって~
- 2022/02/28(Mon) -
中央アルプス南部0421

朝8時、いたるところから煙が上がっています。
年に一度だけこの時期に行われる町内一斉土手焼きの日なのです。
風もなく煙はほぼ真っすぐに伸びていきます。
トンビがゆっくりと空を旋回しています。
のどかな風情です。

広報が何度も注意を呼びかけます。
「風が強い場合は止めてください」
「必ず防火用水をそばに置いて行ってください」
「その場からはけっして離れないでください」
「午前中までには終了してください」
「火が完全に消えたのを確認してください」

私は梨と林檎と柿の剪定枝を畑で燃やしました。
部屋に戻ると服には煙の匂いがしっかりと染み込んでいました。

   諸処に草焼きの煙り鳶は翼広げて朝うらら  (実野滸人)

中央アルプス南部0422-2

中央アルプス南部0423

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『雛図』(掛け軸) ~季の趣を楽しむ~
- 2022/02/27(Sun) -
雛図041

掛軸も水墨「竹図」から「雛図」に。
立ち姿の男雛と女雛。
目を細くして微笑んでいるようにも見える。

雛祭りが近づく。
女の子のないわが家だが、こうして季の趣を楽しむ。

   水温む川に鶺鴒の脚を入れて鳴く廣󠄄がる思ひごとおいてしばし眺む  (上武旋転子)

雛図042

雛図043

雛図044

雛図045
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宝剣岳(2,931m) ~正面に~
- 2022/02/26(Sat) -
宝剣岳2253

昨日は用があり、午後から駒ヶ根へ出かけた。
久しぶりに雲一つない良い天気だった。
目的の案件は20分ほどで済んだ。
国道バイパスから上段の広域農道へ出て帰途に就く。
その途中、正面に宝剣岳があった。
車を停め、降りて畦道に立って見る。

見事なV字谷。
鋭く尖った山頂。
その下に広がる千畳敷カール。
左手にはロープウェイ駅とホテル千畳敷。
冬晴れの中のくっきりとしたそれらの様を何枚か収める。

家に着き、午前に来られたHさんからの手土産、「はるみ」みかんを二人でいただく。
初めてだったがなかなかおいしかった。

   老いてなお知らないこと増えて雪嶺はやわらかに慰める  (上武旋転子)

宝剣岳2252

宝剣岳2251
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ジョウビタキ(雌尉鶲) ~訪問客のある日~
- 2022/02/25(Fri) -
雌尉鶲2

庭に立つと李の幹の間からは雪の山が見えます。
その手前には茶枯れの杉山です。

雌の尉鶲が柿の木にやってきました。
鮮やかな朱と黒の雄に比べて地味な色合いです。
近寄っても気にせず、人なつっこいかわいい鳥です。
いつもなら三月末に帰って行きますので、まだしばらくは折々顔を見せてくれるはずです。

今日は二人の訪問客がある日です。
資料を整えておきましょう。

   ひと片の爪を拾ひて屑かごに落としぬ冬の光の中に (恵)

尉鶲雌1


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ジョウビタキ(尉鶲) ~部屋の模様替え~
- 2022/02/24(Thu) -
尉鶲2231

外にジョウビタキの声がしました。
見ると薩摩紅梅にとまっていました。
彼はしばらくそこに居ました。
私は飛び去るまで部屋から眺めていました。
枝の蕾はまだ小さくて固く、咲くのはだいぶ先のようです。

ほんの少しですが部屋の模様替えをしました。
いろいろに春色がほしいこの頃です。

   「青い空を見ていると何でもできる気になる」とラジオのゲストが話すそうかと窓を開ける  (居山聞涛)

尉鶲2232
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キンモクセイ(金木犀) ~諦念あるいは達観~
- 2022/02/23(Wed) -
冬の庭掃き041

地に葉が広がっていました。
金木犀が落としています。
この時期にどうしたのでしょう。
寒さの影響があるのでしょうか。
掃きました。

今季の「冬君」はいつになく立ち去るのをためらっている感があります。
「春さん」もそれを眺めながら少し離たところで遠慮がちに待っているようです。

   「やがて希望も未来も感情も『無』になって諦念の中で生きていく」という友がいて二月下旬 (上武旋転子)

冬の庭掃き041-2

冬の庭掃き042

冬の庭掃き043
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雛飾り(紙細工) ~叔父の小さな季節飾り~
- 2022/02/22(Tue) -
1雛飾り

玄関に雛飾りを置きました。
叔父手作りの小さな紙細工です。
男雛女雛は3㎝、屏風の高さは10㎝、雛壇の壇幅21㎝。
雪洞、橘、桜、若い右大臣、老いの左大臣、それに膳と菱。
それぞれが持つ扇や弓、矢、刀なども細かに作られて。
その叔父の器用さ。

我が家には女の子はいませんが、こうして季節飾りとしてを楽しみます。

   「今年の冬は長いね」「そうだなあ」と語りつつ雛飾り (上武旋転子)

2雛飾り男雛

3雛飾り女雛

4雛飾り右大臣

5雛飾り左大臣

6雛飾り膳 菱
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シジュウカラ(四十雀) ~神社掃除~
- 2022/02/21(Mon) -
四十雀2201

神社の掃除でした。
諏訪大社の末社になりますので、そのお宮でも今年は7年に一度の御柱(おんばしら)祭が行われます。
境内には杉の葉がたくさん落ちています。
掃きます。
きれいになりました。

終了後「蔓延防止措置が出ていますので、今月の定例会は中止とします」と自治会長さんの挨拶。
これで2カ月続けての中止です。

御柱の里曳きは4月3日です。
式年祭が無事に開催できるのを願いたいと思います。

    「コロナが終息したら昼食会をしましょう」とのメールにいつになるか分からずも「はい」  (上武旋転子)

四十雀2202

四十雀2203
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フクジュソウ(福寿草) ~落葉の中に春一つ~
- 2022/02/20(Sun) -
福寿草2191

福寿草が一輪咲いています。
重なる落葉の中です。

つやつやとして。
明るい笑顔のようで。

いつもならそこには10輪ほどの家族が揃って顔を出します。
みんなより早く目覚めたようです。
お母さんでしょうか。

   福寿草のそこにあるささやかな幸せと時を知る喜び  (奈美あや)
 
福寿草2192
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レオパードゲッコー(ヒョウモントカゲモドキ・豹紋蜥蜴擬) ~床暖房~
- 2022/02/19(Sat) -
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レオパが脱皮していた。
一年に何度もする。
ひと月に二度の場合もある。
若い頃は比較的短時間で済んだが、老体となった今はなかなかスムーズに脱げない。
見ていて疲れるのではないかと気の毒に思ったりする。
そんなときは家人が手に持って剥くのを手伝っている。
おとなしい性格なので、その際はされるがままに静かに身を任せている。

そばでは若いレオコが舌でペロペロとなめるようにして水を飲んでいた。

レオパードゲッコーの本来の故郷はインド周辺の温暖な地域なので寒さには弱い。
それでケージの下にはパネルヒーターを床暖房のように敷いてある。
こうしてもう10数年も一緒に暮らしている。

餌がなくなった。
彼らは何も食べずに一週間ほどは水だけでも過ごせる丈夫な体ではある。
でもそろそろ注文してやらなくては。

   一人お茶を飲む雨水(うすい)の文字のある静かな朝4時  (奈美あや)

レオパ2172

レオパ2173

レオパ2175
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ツグミ (鶫) ~なかなか融けない~
- 2022/02/18(Fri) -
鶫2171

探鳥会は青葉若葉の5月の連休の頃に行われるのが多い。
でも今もまた絶好の時期といえる。
なぜなら、木々に葉がないので、その姿をまるごと見るごとができるから。
そして秋の渡り鳥はまだいるし、新たに春の渡り鳥も加ったりと種類も増えて。
昨日、桜には一羽の鶫。

庭のいたるところに雪が残っている。
冷え込みが続きなかなか融けない。
   
   庭に聞こえる「もういいかい」春はかくれんぼ「まだだよ」   (奈美あや)

鶫2172
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コゲラ (小啄木鳥) ~「ギィー、ギィー、ギィー」~
- 2022/02/17(Thu) -
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「ギィー、ギィー、ギィー」。
その特徴的な声はコゲラ。
桜にいた。
花芽を啄んでいる。

コゲラは留鳥。
折々、庭の木にやって来て目を楽しませてくれる。

   冬空に鳥たちしより裸木の黒き無数の枝の総揺れ  (恵)

コゲラ2162
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メジロ (目白) ~一安心~
- 2022/02/16(Wed) -
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揃って三回目のワクチン接種を済ませました。
今のところ副反応はなく、まずは一安心です。
もうこれで終わりになるといいのですが。

目白が臘梅にやってきて、膨らみ始めた蕾を食べています。
すかっとした青い空がほしいこのごろです。

   目白来て臘梅こぼすを窓越しに立って眺めている3分 (上武旋転子)

目白0422

目白0423
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『落葉の頃(仮題)』(木彫レリーフ) ~彫り終わる~
- 2022/02/15(Tue) -
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制作する仲間の会がある。
日本画、洋画、彫刻とジャンルを越えた数人で、年代も20代から70代までとさまざま。
そこで11月下旬、知人の女性をモデルにスケッチした。
しかし、諸般の事情で次回は三月頃となった。

冬になり、それを木彫レリーフで表現してみようと思った。
粘土と石膏によるレリーフはこれまでもやったことはあるが、木彫でははじめてだ。
チャレンジ。
材はストックしてある朴を用いる。

19㎝×21㎝の方形に切る。
位置、大きさを決めて板に人物を描く。
その輪郭を真っ直ぐに落とす。
鑿を打って背景を一気に彫り下げる。
この先、どういう手順で進めればいいか思案する。
やりながら考えていけばいい。
できたところで次を決めればいい。
とりあえず後頭部から丸味を出す。
徐々に前面に向かって彫っていく。
ほぼ立体感が出てきたところで、顔の部分の細かな表現に入る。
最後に髪を三角刀で表す。

昨日の午前で一応彫り終わる。
道具や部屋を片付ける。
このまま置いて眺め、しばらくしてから気になるところなどを手直して完成させよう。

窓の外でギィーギィーギィーとコゲラの鳴き声がする。

   バレンタインの「バ」も出ず黙々と「麻婆茄子」の昼食老い二人 (上武旋転子) 

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ツグミ(鶫) ~「唯一の失敗とは……」~
- 2022/02/14(Mon) -
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ラジオから耳に入った言葉です。

「唯一の失敗とは挑戦しないこと」
「誰かの靴で歩くより自分のサンダルで歩きたかった」

誰が語った言葉だったかは覚えていませんが、頭に残っています。
しないこと、できないことの言い訳はしないことです。
人のせいにしないことです。

柿の木に鶫もやってきました。

   柿に鶫がいる素足で冷えないのか私は使い捨てカイロを貼っているというのに   (居山聞涛)

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ヒヨドリ(鵯) ~選り取り見取りです~
- 2022/02/13(Sun) -
ヒヨドリ2131

柿の木に鵯がやってきました。
木には取り残しの実がたくさんあります。
それはしわしわですがとても甘いのです。
彼らにとっては栄養たっぷりの食事になります。
誰に邪魔されることなく、選り取り見取りです。
嘴でつつき、喉に運びます。
そして「ピーッ」と満足げに大きな声を上げて飛び去っていきました。
実があるかぎり、そんな光景が見られます。

    「南岸低気圧」が大雪を降らすと予報士が伝える湯気立つ鍋の夕べ  (居山聞涛)

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ヒヨドリ2133

ヒヨドリ2134

ヒヨドリ2135
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ムスカリ・クリスマスローズ・シャガなど(雪の中の草花) ~なぜかうれしさを感じて~
- 2022/02/12(Sat) -
雪の日のムスカリ

前日の雪が庭を覆っています。
朝食を早めに済ませ、雪かきです。
まずは駐車スペース周辺から始めます。
朝の冷え込みでガチガチとなったところがあります。
そんな箇所はグッグッと剥ぎ取っていきます。
全体、雪の表面が固くなっています。
雪かきショベルで、一つのかたまりに割ったりしながら土手に落としていきます。
暑くなりました。
防寒着を脱ぎ、マフラーを取ります。
だいぶ時間はかかりましたが、なんとかすべてを終えることができました。

道具を片付けて一回りすると、ところどころには花の備えをしているムスカリなどの姿です。

今朝起きたら、腰に少しの痛みがあります。
その体を使った感覚になぜかうれしさを感じています。

   黙々とひたすら雪をかくザクザクガサガサスーッが修行の「声」に聞こえ  (上武旋転子)

雪の日のクリスマスローズ

雪の日の著莪

雪の日の山茶花
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上雪(かみゆき) ~やめました~
- 2022/02/11(Fri) -
上雪041

予報通りの雪となりました。
今季一番の積雪です。
早朝、頑張って雪かきをしました。
全体が終わる頃には、最初にやったところにはまた積もっています。
ひとまず終わりにします。

半年に一度の眼科検診の日です。
余裕をもって早めに行きました。
技師の方が駐車場を雪かきをしていました。
いくつかの検査結果を見ての先生の診察では、今のところ特に問題はないとのことでした。
目薬を5本出していただきました。
「お気をつけてお帰りください」と声をかけてくださいます。
まだ雪は降り続いています。

午後からまた雪かきです。
庭の木々の枝が撓んでいます。
この時期特有の水分を多く含んだ「上雪(かみゆき)」です。
朝よりもさらに重くなり、なかなか押せません。
体を痛めそうです。
無理しないことにしました。
郵便屋さんや宅配便さんなどが通れる幅だけにしてやめました。

着替えてアトリエで仕事の続きです。
もう一息です。
目薬を差します。
  
   梨の木に枝の形の雪のあるうれしたのしおもきつらし二月   (上武旋転子)

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チューリップ・スノードロップ・フクジュソウ ~小さな春の姿~
- 2022/02/10(Thu) -
チューリップの芽041

土を割ってチューリップが芽を出していた。
小さなスノードロップの花も一つあった。
枯れ葉の中にはフクジュソウも生まれて。

春も姿となって少しずつ。
次に冬の眠りから目覚めて顔を見せてくれるのは……。

   下を見て歩く春さがし一つ二つ三つ「萌」の姿にウフフフフ  (居山聞涛)

スノードロップ

フクジュソウ
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エナガ(柄長) ~また来てくれた~
- 2022/02/09(Wed) -
柄長2041

桜の細枝にやってきたのはエナガ。
ちょうど掴むにはいい太さのようだ。

柄のように長い尾。
ふっくらとしたやわらかな胸。
ぬばたまのような小さな丸い目。
そして横になったり、上下を逆さにして止まったり。
エナガは姿も動きもかわいい。

このところ、鳥の姿が増えてきたような気がする。
彼らも春の兆しを感じはじめているのかもしれない。

   桜枝に一羽の小鳥来て「様々な葛藤を鎮めてくれる」冬の朝   (上武旋転子)

柄長2042

柄長2043
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メジロ (目白) ~予定より遅れている~
- 2022/02/08(Tue) -
目白0421

小刻みな鳥の声がする。
一休みしよう。

メガネをかけて庭に出る。
ピチュピチュピチュのする方を見ると桜に目白が2羽いた。
チョコチョコとしきりに枝を移る。
くっついたり離れたりしながら。
楽しそう。

作業は予定よりだいぶ遅れている。
でもそれでいい。
丁寧にやってのことだから。

   無心に細心にひたすら刀を動かす冬の時窓の外には鳥の声  (上武旋転子)

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目白0423
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ジョウビタキ(尉鶲) ~素朴な疑問符~
- 2022/02/07(Mon) -
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寒い。
まだ寒い。
尉鶲がいる。
何を考えているのか。

昨夜、寝る前に横になって開いた吉野弘の詩集の一つ。

   素朴な疑問符

 小鳥に声をかけてみた
 小鳥は不思議そうに首をかしげた。

 わからないから
 わからないと
 素直にかしげた
 あれは
 自然な、首のひねり
 てらわない美しい疑問符のかたち。

 時に
 風の如く
 耳もとで鳴る
 意味不明な訪れに

 私もまた
 素直にかしぐ、小鳥の首でありたい。

私は私自身に?ばかり。
素直に首を……。

   幸せそうな顔の内にため息と嘆きがあるのを知っている冬鳥は枝の先 (上武旋転子)

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ヒメコブシ(姫辛夷の蕾) ~落ちたかもしれない~
- 2022/02/06(Sun) -
姫辛夷の蕾041

朝、庭に出ると百舌が地面の上でもがいていた。
近寄ると私に目を向け、威嚇するかのように口を大きく開けて激しく声を上げた。
羽がかなり傷んでいる。
飛べなくなったらしい。
どうしたんだろう。
かわいそうに。

小径の真ん中だったので、金木犀の下に移してやろうと思った。
防寒手袋で包むように持つと、右手のそれを鋭い嘴で強く噛む。
引き剥がそうとするがなかなか外さない。
力尽くで離した。
そっと根元に置くと、飛べない羽をバタバタと動かした。

カメラを取って戻ると、姿はなくなっていた、
羽を動かしながら地べたを移動したのだろうか。
金木犀の下は川になっている。
落ちたかもしれない。

風が強かった。
作業に入る。

   昭和歌謡の特集が流れて手はサクサクサクとリズミカルに動く脚は冷える  (上武旋転子)

姫辛夷の蕾042

姫辛夷の蕾043
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仙丈ヶ岳(風景画) ~冷たい空気の中で~
- 2022/02/05(Sat) -
仙丈ヶ岳遠望
                                                                        (仙丈ヶ岳遠望)
「恩師に風景画を依頼されていて、天気の良い午後は黒田へ通い仙丈岳を描いています。冠雪の山は気高くて……」
「雲がピンクに染まると筆をしまい、冷たい空気の中て大スペクタクルを堪能してから帰宅します……」
そんなメールが届いたのは一月の初旬。
それからおよそ三週間後、「2点仕上がりました」と写真を添えてまたメール。

同年の彼女はこの寒空の下でキャンバスを立てて描いたと。
四季問わず年中旺盛な制作の姿。
見習うべきその意欲とエネルギー。

昨夕に電話があり、それらの作品は今日(5日)の午前、恩師の家へ届けるのだと。

Hさん。
私もがんばるよ。
そして学び合い高め合う仲間としてこれからも……。

   去った日は帰らず来る明日は分からず「ただ今を生きる」二月の朝  (居山聞涛)

黒田より仙丈ヶ岳を望む
                                                                 (黒田より仙丈ヶ岳を望む)
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ハクモクレン(白木蓮の蕾) ~こよみは「はる」~
- 2022/02/04(Fri) -
白木蓮の蕾0411

白木蓮は家の西の隅にあります。

今それに艶のある蕾です。
覆っていた皮を剥いて。
筆のようなやわらかな形で。

暦は立春です。
「はるよ~」
「はるは~」
「はるに~」
「はるが~」
「はるの~」
言葉が頭の中で踊ります。

   暦に「立春」の文字少し嬉しく少し楽しくて紅茶三杯目  (郷羽 三矢子)

白木蓮の蕾0412

白木蓮の蕾0412-2

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鬼やらひ(節分)  ~叔父手作りの『季節飾り』~
- 2022/02/03(Thu) -
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金棒を持つ青鬼君と赤鬼君。
朱塗りの台には桝に山盛りの豆。
そして柊鰯とお多福さん。

かわいい節分飾りは叔父の手作り。
数年前にご自宅にお邪魔した折にいただいた。
「今年11月でいよいよ満で90になるんだに」とにこやかに話されて。
以来、毎年箱から出して季節感を楽しむ。

なかなかお会いできない。
一人暮らしで不自由はないか。
三回目は打ったのだろうか。

家人は袋に入った豆を買ってきた。

   鬼よ私の中の苦しみも追い出してくれないかいまだ悩みは多いのだ (上武旋転子)

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鬼やらひ043

鬼やらひ044

鬼やらひ045

鬼やらひ046
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エナガ(柄長) ~私も元気~
- 2022/02/02(Wed) -
エナガ041

チュリュチュルリュ。
チュリュチュルリュ。
賑やかな鳥の声です。
エナガでした。
10羽ほどの群れです。

ブルーベリーや雪柳の細枝に。
梨の木に。
李にとせわしく移動します。

そしてチュリュチュルリュの声とともに揃ってどこかへ飛んでいきました。
また来てくれるのを楽しみにしましょう。

   賑やかなことだ冬枯れの小枝に柄長の群れ私も元気と答える  (居山聞涛)

エナガ042

エナガ044

エナガ043
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『季のめぐり』(歌集) ~天に召され~
- 2022/02/01(Tue) -
季のめぐり

流されて過ぎゆくわれに或る日ふとささやくものあり「死の備へせよ」 (百)

「金○さんがお亡くなりになりました」と義姉から電話がありました。
享年97才でした。
早くにご主人を亡くされ、長年お一人暮らしでした。
妻の従姉妹にあたり、義姉の言葉を借りるなら「いつも穏やかで、生き方すべてに気品がおありの方でした」。

三年前に歌集『季のめぐり』を刊行され、いただきました。
私がここに書く記事の末にこれまで(百)の名で載せてきた歌はその歌集に収録された金○さんの作品です。

もろもろを包みて温かき陽の光危ふき冬の心を放つ (百)
昨日に変はる新しき風頬に受け裡なる過去に終止符を打つ (百)
忘れたき我を呼び戻す過去達よ明るき歌の生まるるは何時  (百)
重荷ひとつ下ろし夜のオリオン座ひときは澄みてわれにまたたく (百)
もろもろを包みて温き陽の光危ふき冬の心を放つ (百)  
クリスマスの夜を祝ひつつ飢餓の国・動乱の国こよひ如何にと (百)
記憶とはおぼろなるもの確かなる記録に過去はよみがへりくる (百)
追はれるごと心乾ける師走の町赤きシクラメン抱きて帰る (百)
昨夜よりやや傾きてわれに近し年果つる夜のオリオン星座 (百)
一面の純白の野に朝日射し雪積めるものみなまろやかに (百)
過去の修羅埋め尽くしたる雪深き朝光のわれにまぶしき (百)
老年は冬枯れにあらず人生の充実期といふ声のうれしく (百)
くよくよと煩ふ勿れ高きを見よゆったりと舞ふ青空の鳶 (百)
「一日一生涯」とふ言葉沁むわが変哲もなき明け暮れを (百)
こだはりを捨ててゆるし仰ぎみる空の深さよ限りなき碧  (百)

熱心なクリスチャンでした。
たしかな「死の備へ」をされて逝かれました。
安らかにお昇りください。

季のめぐり2
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