渓谷と紅葉 ~「ねえ、紅葉を見に行かない?」~
- 2021/11/30(Tue) -
天竜峡030

先週の土曜日の朝のことだ。
「ねえ、紅葉を見に行かない?」
珍しいことを言うもんだと思った。
前日夕方のローカル番組で紹介されていた景勝地に行ってみたいのだと。
私には予定があった。
でもたまにはいいかと、了解した。
晴天だ。
すぐに支度をした。

車を走らせ40分ほどで着いた。
公園内の駐車場に車を置いて川に沿った遊歩道を歩く。
天竜川の浸食によって造型された奇岩断崖の峡谷美が続く。
そのところどころに紅葉が張り出す。
紅の鮮やかな時期は過ぎてはいたが、どこを切り取っても絵になる。

さらに段差のある狭い道を進むと吊り橋に出た。
多少揺れるが気にはならない。
その中程で上流と下流側を眺める。
どちらも見事な景観だ。
対岸に出て、周遊する形で駐車場に戻る。
ゆっくり歩き、立ち止まり、眺めておよそ40分。
家人は満足気の顔。

少し遠回りしてめったに通ることのない東岸の道路に出る。
縄文時代から古墳時代にかけての住居跡のある遺跡など見て帰路に就く。

「お昼は蕎麦でいい?」
「うん」

   しきりの言葉聞きつつ歩く渓谷の紅葉見葉の色は少し褪せて  (上武旋転子)

天竜峡031

天竜峡031-2

天竜峡032

天竜峡033

天竜峡034

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マメガキ(豆柿・小柿) ~小さなデザート~
- 2021/11/29(Mon) -
豆柿の収穫031

マメガキの多くが黒紫色になりました。
渋が抜けていることを示しています。
食べ頃です。
一回目の収穫をすることにしました。

高枝鋏を使って実付き枝を剪ります。
小山ができました。
そして一つ一つを手で摘み取り、籠に移します。

さっそくデザートとして一皿分を用意しました。
ねっとりとして甘いんです。
家人もニコニコしながら口に入れています。
また明日も採りましょう。

きょうは仲間の会があります。
休憩時間用に持って行くことにします。

   重ならぬ二つの心感情の高ぶるを抑えて豆柿採れば空に白い月 (上武旋転子)

豆柿の収穫032

豆柿の収穫033

豆柿の収穫034

豆柿の収穫035

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ヤツデ(八手の花) ~下弦の月~
- 2021/11/28(Sun) -
八つ手の花031

南アルプスを越えた陽が東に。
そしてもろもろに降りそそぐ。
咲き出した八つ手の花にも。

花の一つひとつは小さくて白い。
それがいくつも集まり、球形を成す。
小さな花びらは下に反る。
蕊はぐんと上に伸びる。

目を上に向ければ下弦の白い月。
空は青く澄みわたり風もなく気持ちのいい朝だ。

   八つ手の上に弦月泛く澄みし朝  (奈美あや)

八つ手の花032

八つ手の花032-1

八つ手の花033

八つ手の花034

八つ手の花035
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ナンテン(南天の実) ~絨緞を~
- 2021/11/27(Sat) -
南天の実031

南天にも多くの実があります。
つやつやした鮮やかな赤です。

上の方はだいぶ欠けています。
ヒヨドリかもしれません。
下の方はまだ房の形を保っています。
これはそのままにしておいてくれるとありがたいのですが。
いつも白実のと併せて紅白で正月飾りに使うのですから。

今日の最高気温は9℃の予報です。
絨緞を敷くことにします。

   南天の赤き実を見つつ箒持つ心鎮めよ穏やかなれよと  (居山聞涛)

南天の実032

南天の実032-2

南天の実033

南天の実034
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マユミ(檀の黄葉) ~隙間から光芒が抜けて~
- 2021/11/26(Fri) -
真弓の黄葉031

取りかかっていた仕事が仕上がった。
8日かかった。
細部にはまだ手を入れるべき箇所も見られるが、ひとまず終えることとした。
あとは折々の中で少しずつ手を加えていけばいい。

アトリエを片付けて外に出るとちょうど陽が沈むところだった。
黄葉する檀の隙間を光芒が抜けて届く。
逆行で見る虫喰いの葉にも妙味。

右手の中指に痛みを感じた。
見ると爪の横に赤い小さな傷があった。
作業していて知らないうちに怪我したらしい。
薬を塗って絆創膏を貼った。

また新たな構想へ取りかかることに。

   一仕事終えて陽の沈む庭に出てみれば枝にとどまる病葉揺るる (上武旋転子)

真弓の黄葉032

真弓の黄葉033
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フウチソウ(風知草の黄葉) ~その粧いはまさに草もみじ~
- 2021/11/25(Thu) -
風知草の黄葉031

夏、さわさわと風になびき、涼を与えてくれた薄緑の風知草。
今それは黄朽葉(きくちば)色に。
その粧いはまさに“草もみじ”。
中には麦のような形のおびただしい小穂。

朝陽を受けて連なる薄葉が輝く。
その上に“墨田の花火(紫陽花)”が一つ咲いている。

   季節外れの紫陽花一つ冬隣 (奈美あや)

風知草夏031-1
                                     21年6月
風知草の黄葉032

風知草の黄葉033

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風知草の黄葉035

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風知草の黄葉037
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イロハカエデ(いろは楓) ~一人紅葉に遊ぶ~
- 2021/11/24(Wed) -
イロハカエデの紅葉031

イロハカエデが紅葉する。

近寄り見ればその色模様もさまざま。
まだ黄色いもの、まだらのもの、すべて真紅になったものなど。
葉の位置する外側や内側や重なりによる日当たりの差なのだろう。
逆光で見たり、下に入って見上げる様もまた趣がある。
そしてすでに地面にも少しのイロハニホヘト。

一人遊ぶ霜月の庭。
誰か訪ねてこないか。

   今日はさわやかに空も晴れて紅葉を美(よ)しと愛(め)でる独りの庭  (上武旋転子)

イロハカエデの紅葉032

イロハカエデの紅葉033

イロハカエデの紅葉034

イロハカエデの紅葉035
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ビワ(枇杷の花) ~下を通れば~
- 2021/11/23(Tue) -
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枇杷の花は白い。
それは寒さの中で咲く。
下を通ればほのかに香りが降りてくる。

花は冬を越す。
それは夏の暑さの中で黄色の実となる。
およそ半年かけてじっくりと甘さを蓄え。

   色褪せた文庫本に殴りの書き込み吾にもありき情熱の懐かし  (居山聞涛)

枇杷の花032-2

枇杷の花033

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枇杷032
                                     2021年夏
枇杷033
                                     2021年夏
枇杷031
                                     2021年夏
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カンギク(寒菊) ~林檎を送りました~
- 2021/11/22(Mon) -
寒菊031

ギャーギャーとうるさい声がしました。
窓を開けると桜に椋鳥が群れでとまっていました。
久しぶりに見ました。
そしてすぐにまたどこかへ飛んでいきました。

朝夕、だいぶ冷え込むようになりました。
庭では赤い寒菊が咲いています。
牡丹のそばにあります。

親戚や友人に林檎を送りました。

   心何か追われるものありて庭に出れば赤い寒菊陽に冴えて  (上武旋転子)

寒菊032

寒菊034

寒菊035
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ナンテン(白実南天の実) ~懸案事項が片付いて~
- 2021/11/21(Sun) -
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玄関横に房になった白実南天の実があります。
白というよりは象牙色に近い淡い黄色味を帯びた色です。
ところどころなくなっているところがありますが、きっと小鳥たちが食べたのでしょう。
昨日も番いの尉鶲が近くにいましたから。

庭に軽トラが入ってきました。
小松さんです。
洋梨のルレクチェと林檎のサンフジを持ってきてくださいました。
今は収穫の最盛期で大忙しとのことでした。
その合間を縫って来てくださったようです。
いつもありがたいことです。

5年前からの懸案事項を片付けることができました。
ずっと心の片隅にあったことです。

気持ちのいい青空が広がっています。
まだ落ち葉掃きが続きます。

   箒目に寒山拾得思い浮かべて穏やかなる秋独り  (上武旋転子)

白実南天の実032

白実南天の実033

白実南天の実034
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コモレビソウ(木漏れ日草) ~そんな花になりたく~
- 2021/11/20(Sat) -
木漏れ日草031

木漏れ日草が咲いています。
大きさは2mmほどととても小さな花です。
気をつけてみなければ見逃してしまいそうになります。

伸びた細い茎に柔らかな葉がたくさん乗ります。
少しの風でたおやかにゆれます。
そうした素朴な佇まいがまた惹きつけます。

時に、そんな花になりたくなります。

   新しい用具を買い求め大掃除を始める11月下旬空は青く少しの汗  (上武旋転子)

木漏れ日草032

木漏れ日草034
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ダイモンジソウ(大文字草) ~13年前の10月下旬~
- 2021/11/19(Fri) -
大文字草031

13年前の10月下旬、私は岐阜県にある『熊谷守一つけち記念館』を訪ねた。
1999年に彼の画文集『ひとりたのしむ』を手にして以来、ずっとその作品を直に観たいと思っていた。

行ってよかった。
展示内容、その他諸々の意味において十分心を満たすことができた。
そして”熊谷守一”をいっそう好きになった。

その時、立ち寄った近くの道の駅でポット苗の大文字草を買った。
大文字草はそんな思い出を伴う花である。

実はうまく育てられず何度も駄目にしている。
今のでたぶん5代目になるか。
この花も文化勲章を辞退した守一同様に頑固で一途で繊細?

   大文字草に腰を屈めればさまざまに思い出甦り秋はまた静かに深まる (上武旋転子)

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ツワブキ(石蕗) ~ひっそりとしてちょっと寂しくて~
- 2021/11/18(Thu) -
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石蕗が咲いています。
木漏れ日入る中庭の雪柳の下です。
周りにまぎれてひっそりと。
その佇まいはなぜかちょっと寂しくもあって。

気温もだいぶ下がり、枯れ色の多くなった晩秋です。
そんな季節を己の時として咲く花たちに深い趣を感じます。。
”花の感傷”といいたくなるような。

   静かなる晩秋の木漏れ日は我が心にも深く差し込んで石蕗眺む (居山聞涛)

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チェリーセージ(Cherry sage) ~いつの頃からだろう~
- 2021/11/17(Wed) -
チェリーセージ0321

「髪を切って」
「わかった」

いつの頃からだろう。
家人が私にヘヤーカットを頼むようになったのは。

ハサミを入れるその髪は今ではボリュームも減り、色もすっかり変わってしまった。
仕上げに襟足をカミソリでそり上げる。
裏に鏡を廻して見せる。
「いいね。バッチリ。ありがとうございました」
およそ30分。
秋陽が部屋に差し込む。

5月に咲き始めたチェリーセージがまだ咲いている。
数は少なくなったが息の長い花だ。

私も理容店に行ってこよう。

   髪切ってお茶二人渋皮煮一つずつの小皿に秋陽差す  (上武旋転子)

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マンサク(満作の黄葉) ~予防接種~
- 2021/11/16(Tue) -
満作の黄葉031

隣町のクリニックでインフルエンザの予防接種をした。
町内のかかりつけ医にお願いしたところ、12月半ば過ぎになると言われた。
年末まで待ってもどうかと思い、そのクリニックに電話すると、「都合のいいときいつでも来てください」と。
それで電話の後、すぐに出かけた。
そこで、受診するのは初めてである。

大きな水槽の中で熱帯魚が泳ぐ、明るくて広い待合室には8人居た。
受付で電話でお願いした旨を伝える。
10分程して名前が呼ばれる。
問診票による先生の所見、そして看護師による接種、会計とスムーズに流れた。
家人も数日前にある病院でやってきたが、1時間半ほどかかったと言っていたので、思いのほか短時間で済み気分が良かった。
ここ10年近く、インフルエンザに罹ったことはない。
でも自らの年齢や現下の諸般の状況を考えて、早めにやっておくのが得策と判断した。
ともあれひとまず、安心である。

満作も黄葉する。
虫喰い穴や崩れた形の葉もいかにも秋らしくて。
枝には蕾もたくさん。
秋、木々はすでに春の備え。

   インフルエンザの予防接種する小春の日黄落の向こうには冠雪の山なみ  (上武旋転子)

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サザンカ(山茶花) ~待ち合わせ時刻は~
- 2021/11/15(Mon) -
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きょうは親しい画家が案内をくれた美術会小品展。
鑑賞の待ち合わせ時刻は午後1時。
彼女は最近は彫刻も積極的に手がけるようになった。
その旺盛なチャレンジ精神と探究心には敬服する。
どんな作品が出品されているのだろう。
そして幅広い豊かな見識と芸術に関わるさまざまな情報を持つ彼女との会話も楽しみ。

ハナノキの下の赤い山茶花も咲き出した。
山茶花は花期が長いのもうれしい。

   秋を「ひたぶるにうら悲し」と詩人は言い「浄化と美や優しさが生まれる」と友人は言う  (居山聞涛)

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マメガキ(豆柿・小柿・信濃柿) ~びっしりと~
- 2021/11/14(Sun) -
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枝にびっしりと豆柿です。
名前の通り、1㎝~2㎝ほどの小さな柿です。
薄茶色の今はまだ渋くて食べられません。
しばらくたてば色は黒紫に変わります。
そうすると収穫です。
多くは種は入っていませんが、大きいものには2~3個入っていたりします。
ねっとりとして、上品な和菓子のような甘さになります。
一口サイズの手間いらずのデザートです。

放射冷却でだいぶ冷えました。
青空が広がる清々しい天気でした。
南アルプスの山々も多くが冠雪です。

モズが桜の上でしきりに鳴いています。
私はチューリップを100個ほど植えました。
ジョウビタキが近くに降りてきて遊んでいます。

   チューリップ植えつつふと口に出る「赤色エレジー」私の誠実とは (居山聞涛)

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カラタチ(枳殻の実) ~トゲトゲの中にまろいまろい金のたま~
- 2021/11/13(Sat) -
枳殻の実031

カラタチはナンジャモンジャノキの下にある。
それに今ミカンを小さくしたような黄色の丸い実。
香りがする。
でも食べられない。
木枝全体には固いトゲ。
長く太く鋭くいろいろな向きで。

その中にアゲハの幼虫たち。
頭には飾り模様ヘヤーバンド。
首の後ろにはライトブルーのネッカチーフ。
目には赤いカラーコンタクト。
顔は幼な児のようにも見え。
かわいい、かわいい。
これから蛹に形を変え冬越しするのだろう。

 ♪からたちのとげはいたいよ
 ♪青い青い針のとげだよ

 ♪からたちも秋はみのるよ
 ♪まろいまろい金のたまだよ
                      (北原白秋 「からたちの花」から)

   棘の中春四月のかれんな白い花は「まろい金のたま」となりて信濃の秋  (上武旋転子)

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ベニシダレ(紅枝垂の紅葉) ~「裏紅葉(モミジ)」「影紅葉(モミジ)」~
- 2021/11/12(Fri) -
紅枝垂れ037

先日、知人が高遠のウオーキング会に参加してきたとメールを送ってきてくれた。
ご主人とお二人で、美しく色づく木々と道々の石仏をを見ながら、19000歩、14㌔を走破したと。
また、実家が県境にある友人は「中馬街道の山々の紅葉が見事だよ」と伝えてくれる。
紅葉前線はだいぶ降りてきて里でも見頃となる。

見たいものやりたいことががあれば遠方までさっさと出かけるHさんのアクティブな生き方を見習いたいものだと。
たまにはドライブがてら名所にでも出かけてみようかとも思ったりするが、なかなか行動に結びつかない。
このところ、すっかり行動半径が狭くなった私である。

庭では紅枝垂が色鮮やかな紅葉を見せてくれている。
差し込む光が鋸歯の先々までくっきりと浮かび上がらせる。

   木の下に入り一人見る「裏紅葉」「影紅葉」のしみじみ   (居山聞涛)

紅枝垂れ031

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ナシ(梨の花) ~十一月だというのに~
- 2021/11/11(Thu) -
秋の梨の花201

梨の花がまた咲きました。
昨日気がつきました。
少し離れた枝にあわせて二輪です。

通常はいくつもの花がひとかたまりの房となって咲きます。
でも、晩秋の今は枝の付け根から一つだけです。
そして花びらはいくぶん小さめでしょうか。

薄紅色の雌蘂と黒い小さな尾蘂は春と一緒です。
それらが花びらに影絵を作っています。


冬隣です。
落ちた花の木の葉が庭の小径を覆います。

   梨の花咲いて木の葉裏表ヒラヒラ冬隣 (居山聞涛)

秋の梨の花202

秋の梨の花203

秋の梨の花204

花の木落葉
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ヌバタマ(射干玉) ~「百合根持ってきたけど……」~
- 2021/11/11(Thu) -
射干玉031

黄色い車が入ってきた。
穂波さんだ。
「百合根持ってきたけど、いるう?」
「もちろん。うれしい。サンキュー」
「このあいだ妹と『春草展』観てきたよ。「黒き猫」も「王昭君」もよかったあ~。チケットありがとうね。じゃあ」

車が去ったあと「洗ってね」と家人。
百合根はかなりの久しぶりだ。
これまでなら茶碗蒸しが多かったが、今回はどう使ってくれるんだろう。

八月盆の頃、桧扇は朱の花を咲かせていた。
晩秋の今、それは黒い玉に姿を変えた。
私は『万葉集』を学んだ学生時分にヒオウギとヌバタマを好きになった。

   “ぬばたま”にある万葉人の歌と心と私の青春 (上武旋転子)

射干玉032

射干玉033

射干玉034

射干玉035

桧扇033

桧扇031
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フジバカマ(白花藤袴) ~半年ごとの定期検診~
- 2021/11/10(Wed) -
シロバナフジバカマ031

歯医者さんに行った。
若い頃から自主的な定期検診を半年ごとにしている。
歯垢、歯石、歯肉の点検と、お茶やコーヒーなどによる付着した色のクリーニングや磨きをしてくださる。
それゆえ虫歯での治療はほとんどしたことがない。
今回も比較的短時間ですんだ。
歯周病の心配も全くないとのことで安心。

待合室には三枚の絵画。
受付するのは院長先生の奥様。
会計を済ませて少し芸術談儀。

庭では今頃になって白花の藤袴が咲き出している。
常は十月半ば頃の花。
その横の染井吉野はすべての葉を落とした姿になっている。
そして近くの里山も粧う。

   藤袴に想うことあってひとりごと  (奈美あや)

シロバナフジバカマ032

シロバナフジバカマ033
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ドウダンツツジ(満天星躑躅の紅葉) ~木々の色づきを見れば~
- 2021/11/09(Tue) -
満天星躑躅の紅葉030

塩見岳の横から上った朝陽が庭に入る。
低い角度で紅葉した満天星躑躅に当たる。

少し眺める。
それぞれの葉が下の葉に影を作る。
逆光で見る。
内側を覗く。
空を背にすれば、その上には紅い蔓薔薇。

また竹箒を動かす。

「秋」の語源の一つに「紅(あか)」が転じたとする説もあるのだとか。
周りの木々の色づきを見ればそう思ったりする。

   箒持つ手も手袋をはめて晩秋の庭 (奈美あや)

満天星躑躅の紅葉032

満天星躑躅の紅葉033

満天星躑躅の紅葉034

満天星躑躅の紅葉035
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芸術の秋 ~友と語らう三人の時は瞬間移動して~
- 2021/11/08(Mon) -
作品1

いい天気だ。
高台にある温泉施設のレストランに11:30。
50年来の友、3人で会食。
学生時代、新卒の頃、社会人としてのキャリア、そして現在と話は弾む。
時は瞬間移動していろいろな場面の映像となる。
二人は早期退職して新たな路を切り拓いた。

場所をK君の作品展が開催されている小さな美術館に移す。
石を彫り、木を彫って組み合わせた大きな野外彫刻。
中央アルプスと天竜川を背景に取り込み、作品が映える。
館内のホールには石と金属を組み合わせた小品が並ぶ。
発想の豊かさと生命力と温かさを感じさせる。
作品を前にしてそのコンセプトや制作への思い、これまでの道のりを語ってくれる。

遠方より家族や友人を伴った一団でのK君は次の予定。
15:00、またの再会を約束して別れる。

もう一人の版画家の彼は帰りに家に寄ってくれる。
長い付き合いだが、実はこれまで相互に家を訪ねたことはない。
初めての来訪である。
さらに1時間の語らい。

芸術の秋。
迸る青春が甦る秋。
また新たなエネルギーが供給された秋。

   三人の頭髪の色形変わるも向き合う顔は青春そのものに熱を帯びて秋の美術館   (居山聞涛)

作品2

作品3

作品4
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カリン(花梨の実) ~暦には~
- 2021/11/07(Sun) -
花梨の実031

たくさんの黄色い大きな実が木にあります。
カリンです。
また一つ、晩秋の光景です。
季節外れのリラが咲いていて、紅葉する花の木があって、黄色い花梨の実があって、暦には「立冬」の文字です。

テーブルクロスを冬用に替えました。
ムートンのラグを出しました。
フットヒーターも用意しました。

「栗の皮を剥いて」と言っています。
どうやらきょうも栗ご飯のようです。
ところで今年のカリンはどうするんでしょう。

   ムートンのラグ五枚干す冬隣  (奈美あや)

花梨の実032

花梨の実033

花梨の実034

花梨の実035

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ハナノキ(花の木の紅葉) ~時の思い出に拾う~
- 2021/11/06(Sat) -
花の木の紅葉031

庭の木々の紅葉も進む。

ハナノキも。
全体が一律ということでなく、高さや場所によってその色合いには差異がある。
すでに紅く色鮮やかなもの、移る途中の朱や黄色のもの、まだ緑を残すもの。
その微妙なグラデーションにもまた趣があっていい。
そして穴の空いた葉や胴吹きの葉には寂びた味わい。

今年もいい色、いい形のものをいくつか撰んで残しておこう。

   何することでもなくただ時の思い出に拾う花の木の葉  (居山聞涛)

花の木の紅葉032

花の木の紅葉033

花の木の紅葉034

花の木の紅葉035

花の木の紅葉036

花の木の紅葉037

花の木の紅葉038
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ハナイソギク(花磯菊) ~磯菊は自然交配して~ 
- 2021/11/05(Fri) -
7花磯菊2038

筒状花だけの磯菊はほかの菊などと自然交配して花磯菊になる。
そうして生まれた花磯菊には少しずつ変わった形が出るようである。
我が家では3種類のバリエーションが見られる。

一番多いのは申し訳程度の短い白い舌状花が付いているもの。
紫陽花の下にあるのはその舌状花がしっかりと発達していて一見八重の小菊にも見える。
さらにそれが長い小さな浜菊のようなのもある。

この先、もっと違った形のが見られるのかもしれない。
ただ周りの磯菊はこの先も本来の磯菊の姿のままで咲いてほしい。

   柿の根元に広がる枯れ韮刈ればふと悔いの言葉浮かび止まる刻あり  (上武旋転子)

1花磯菊2031

2花磯菊2032

3花磯菊2033

4花磯菊2035

5花磯菊2036

6花磯菊2037
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ニシキギ(錦木の紅葉) ~「いつものようにはみ出しだけど」~
- 2021/11/04(Thu) -
錦木の紅葉031

アトリエで作業をしていると窓の外に手を振る小松さんの顔があった。
ドアを開けると、手にレジ袋を二つ提げていた。
「洋梨。いつものようにはみ出しだけど」と差し出す。
「ラ・フランスは色が変わったやつはもう食べれるでな」
「ル・レクチェはあと一月ばかあ追熟させて黄色が濃くなってから食べてな」
お礼を言うと、会話もそこそこにさっさと軽トラに乗って去って行く。
洋梨の収穫期で、出荷用の選別に追われているらしい。
長年こうして規格外のものだといっては持ってきてくださる。
見た目の形やキズ、大きさなどが基準から外れているということなのだろうが、当然おいしさには変わりはない。
そしてお返しするものがない私。

庭では錦木の紅葉も始まっている。

   鮮やかな錦木から何か聞こえそうな気がして十一月  (上武旋転子)

1洋梨031

2ラ・フランス

3ル レクチエ

錦木の紅葉032

錦木の紅葉033

錦木の紅葉034
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キク(黄菊) ~剪定鋏と玄関の袋~
- 2021/11/03(Wed) -
黄菊031

剪定鋏を買った。
前のがどこかに行ったきり出てこない。
しばらくいろんなところを探したが諦めた。
私以外に使う人はいないのだが。
それで新しいのを。

帰った来たら、玄関に大きな袋が置いてあった。
大根が3本はみ出ていた。
中にはヤーコン10個と里芋が40個ほど。
そしてビニール袋に丁寧に摘まれた春菊。
どうやら穂波さんが来てくれたようだ。

生垣のレッドロビンの枝を切ってみる。
切れ味がよく満足。

黄菊も咲いている。
その花の上にヒラタアブがいる。

ラジオでは「野菊の墓」を朗読していた。

   菊の花に「母のことを思い出して涙ぐんでいます」という友人からのメール (居山聞涛)

黄菊032

黄菊033

黄菊034
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スギ(北山杉) ~何かを得るということは~
- 2021/11/02(Tue) -
北山杉

庭に形のいい円錐形をした杉がある。

若い頃に植えたのは北山杉の1㍍程の苗木だった。
実を作らないので花粉症の人でも安心ということだった。
たしかにそうだった。

そして高く伸びてだいぶ大きくなった。
その分、家を覆う影も気になるようになった。

少し前から考えていた。
そして伐った。
辺りが明るくなった。
空間が広くなった。
いい姿の木がなくなったのは寂しいが。

何かを得るということは他方の何かを失うことでもある。

   木を伐れば心も日当たり良くいい風通る白秋  (上武旋転子)

杉の伐採10311

杉の伐採10312

杉の伐採10313

杉の伐採10314
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ハナイソギク(花磯菊) ~十一月という~
- 2021/11/01(Mon) -
花磯菊031

今年もあと二ヶ月。
いや、まだ二ヶ月。
すべきことをいっぽ、いっぽ。

たくさんの花磯菊が咲いている。
雌のツマグロヒョウモンがとまった。

   自分を深く見つめ直させる十一月という霧のような響き (居山聞涛)

花磯菊032


花磯菊033

花磯菊034

花磯菊035

花磯菊036
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