どこかで書いたかもしれないし、どこにも書いてないかもしれませんが、乃木坂3期生がずっと苦手でした。いや、嫌いといってもよかったです。わざわざ書かなくても、雰囲気でわかった方も多いと思いますが。
なんだかそれまでの乃木坂が壊れて、もう以前のような感動に出会えなくなりそうで怖かったんです。変化を極端に恐れていました。
なので、『三番目の風』をはじめて聞いたときも嫌悪感しかありませんでした。「なにこれ。乃木坂じゃないじゃん。3期生というグループの曲じゃん」とけちをつけたのを覚えています。
でもそれは、ただのこじつけ。わかっていたんです。どんなに否定しても、3期生は乃木坂であると。ただそれを受け入れると、いよいよ乃木坂の変化を認めてしまいそうで怖かった。変わることは避けれないのに。
良い歳したおっさんがなにを意固地にと思うかもしれませんが、当時は、それだけ過去の乃木坂に固執していたんです。
3期生は、そんなバカな自分の心を徐々に開いてくれました。乃木坂を見ていれば、おのずと3期生の活躍も飛びこんできます。なんだ良い子たちじゃん。上から目線でそう思いはじめ、改めて『三番目の風』を聞き、絶叫したのです。
3期生、最高じゃないか!!
笑えよ……笑ってくれよ……おらがバカだった……
そう、『三番目の風』、すげー良い曲なんです。こんな良い曲を、心にバリアをはって弾き飛ばした自分は本当に愚かでした。
歌詞を見るとまるで少年マンガの熱血ストーリー。その世界に、無垢な3期生が挑む。それだけで心が揺さぶられます。イントロの一瞬で一体感を生むのもすごい。3期生の躍進は、この曲に引っ張られてる感すらします。それだけ強い力をもった曲でした。
歌詞やメロディーはもちろん、フリも好きなんですよ。とくにこの部分。
『僕たちは恐れてない』でぴょんぴょんと一列になり、『希望の使命は』でメンバーが左右にわかれ、中心から大園桃子が顔をだす。『そう 光を作ることさ』でそれぞれが違う空を指す。この一連のフリを考えた人と握手したい。最高です。
そんな『三番目の風』で、心に残っているパフォーマンスがあります。
それが、『乃木坂工事中』の『ファンが選ぶベストソング』で、19位にランクインしてパフォーマンスしたとき。
あのときのスタジオは独特の雰囲気でした。メンバーやバナナマンの前でパフォーマンスをする。照れるメンバーや、スイッチを切り替えて本気モードに入るメンバー。それぞれの個性がでました。
『三番目の風』を先輩の前で披露する。和やかな空気であったのは確かです。そこに風が吹きました。風は言いました。『僕たちは恐れてない』。乃木坂に吹いた風の、その堂々とした宣言は、何度見ても胸が熱くなります。
さらに、こうも言いました。
『希望の使命は、光を作ること』だと。
そして、
『4番目の光』が生まれた……
流れない水は腐ります。停滞は下降と同じ。つねに坂道を上るには変化が必要です。3期生の加入は、乃木坂を加速させるために必要な存在だった。やっとそう思えるようになりました。
でも「希望の使命」はまだ終わっていません。むしろこれからです。
三番目の風……3期生がこれからなにを生み出すか。
しかと見届けましょう。
……最初嫌いだったやつがうるせーよって言わないで!!