友人御夫婦から、例年お誘いをいただいている夏ミカン狩りに行ってきました。
ここの夏ミカンは素晴らしく美味しいのです。
近隣にたくさん夏ミカンを植えている農園があるけれど、猿やイノシシやアナグマやアライグマやカラスやヒヨドリが真っ先に狙うのがこの農園。
(これは別の時に捕獲されたアライグマ)
野生生物たちも美味しいものは良く知っていますね(笑)。
(これはカラスに啄ばまれたミカン)
脱サラして専業農家として柑橘類を作っている友人御夫婦ですが、今年は少し異変が…。
昨年、旦那さんが髄膜炎(脊髄に雑菌が入る病気)になり、ほとんど寝たきりの状態に。
しかし治療が功を奏し、重いものを持ったり前屈みになるのは無理ですが、なんとか農園に出られるまでに回復されたとのこと。
「なんとか間に合ったよ!」
「おお、良かったですねぇ~♪」
しかしやっぱり重労働である、ミカンの収穫や出荷作業は出来ず…。
かと言ってそのまま放置しておくと、近隣の野生鳥獣を呼び寄せることになるので、生った実は収穫して持って帰って欲しいとのこと。
「本当にねぇ、動物や鳥も食べるだけなら黙って持って行っても良いんだけど、イノシシは苗木の枝ごと折っちゃうからね…」
(中央部分がイノシシに折られた枝)
参加する皆さんが集合するまで、ミカンの木の下で夏ミカンを食べながら暫し談笑。
青い空にミカンの黄色、葉っぱの緑色、可憐な白いミカンの花が映えます。
「さぁ~って、始めようかね!!」
メンバーが揃い(皆さん猟友会の若手。と言っても平均年齢50歳くらいですが…)、収穫のためにミカンに木の下に入ると、爽やかな柑橘類の香りに全身が包まれます。
高枝切りバサミで収穫しながら、美味しさの秘密を教えていただきます。
「ウチのミカンは摘果して一本の樹に実らせる果樹の数も少なく、木の枝を適度に間引いて風通しや肥料の効きを良くしている。だからミカンの一つ一つに栄養分が行き渡るんだ。
それに多少皮の表面がデコボコしたり色が付いたりするけれど、樹に付いたまま完熟させるから甘いの。
(一般的なものは表面がきれいなうちに収穫して追熟させるそう)
あ、そうそう。成熟した古い樹が多いのも美味しい理由だよ。若い樹に生る実は、やはりそれなりの若い味にしかならない」
休憩をはさみながら、フウフウと汗をかき、上を向いて大きな夏ミカンを収穫します。
次第に首や肩の筋肉は固まり、高枝切りバサミを握りしめる掌の握力は無くなります。
何度もやるけれど、相当な重労働だと思います。
(私はとても好きな作業なので集中して楽しめます)
「本当になぁ、農家さんにしても漁師さんにしても畜産業の方や林業の方にしても、第一次産業は超が付くほどの重労働だと思う。
でもそんな方々がいるおかげで、皆さん健康で文化的な現代生活が享受出来るんだよなぁ…」
それは猟期に山中をヒーヒー言いながら駆けずり回って、僅かな肉を不安定的に食べている自分にとって、実感として思わざるを得ません。
この農園に生る柑橘類も、契約農家として多くが料亭などに引き取られていましたが、コロナ禍で需要が全く無くなってしまったとのこと。
「食べる人がいるなら全部引き取ってね。どうせ出荷する先も無く、腐らせるだけだから…」
脱サラして専業漁師になったけれど、コロナ禍で自分の漁船を売らざるを得なかった私の兄貴の姿と重なります。
「本当になぁ、何十年もかかってこんなに美味しいミカンを作って来たのに…」
ありがたく大量のミカンを頂戴して車に積み込みながら、流れる汗に紛れて目から少し塩水が出ていたのは内緒です。
コロナ禍で営業自粛を求められた飲食業界だけではなく、それを支えていた第一次産業の方々や関係業界の方々にも手厚い保障がなされることを願って止みません。
今日も自然の恵みに感謝です。
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