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食べる事と、命をいただく事について考えます。 狩猟、素潜り、釣り、採集、手作り等々

今年の猟期も終了。そして狩猟をして良かったことを想う。

私にとって8年目の猟期が終猟しました。
2017.03.23終猟1
(ワサビの若葉。もう少ししたらワサビ漬けを作るために葉っぱを採取する時期)

(詳しくは書きませんが)無事にとは言えませんでしたが、なんとか猟期が終わってホッとしています。
今年の猟期を振り返ると、狩猟の恐ろしさなんかを改めて感じさせられたシーズンでした。


「8年にもなるともうベテランだろう?」
などと狩猟の事を知らない人から尋ねられたりしましたが、まだまだヒヨッコであることは自分が重々分かっています。

私はサラリーマンハンターで、基本的に休みの土日・祝日しか出猟できません。
対して教えていただいているベテランハンターの方々は、キャリアが30~40年以上ある上に、定年退職などで「さぁ、気兼ねなく山を駆け回るぞ!」と、毎日のように出猟されている方々ばかりなのです。

私の方が年齢的に体力はあると言えど経験値は低いし、差は開く一方と言えますね。
それに毎日のように出猟されている先輩ハンターの方々の方が体力もありそうだし・・・(笑)。


猟期の休みの日のほぼすべて出猟。
ゆっくりと休む暇もなく、平日は仕事をし(仕事をしているフリとも言う)、家の用事は片付けられないまま山積。
クタクタにくたびれて夜は泥のように眠る。

同じ年頃の人々がネオン煌びやかな夜の繁華街に繰り出して行くのを横目に、たまに光の浴びる山に行ったかと思えば汗と泥と血にまみれる生活・・・。

一般の方から見ると不可解な事なのでしょうね。
「理解できない」とか「信じられない」と面と向かって言われたことが何度かあります(笑)。


しかし「それで幸せなの?」と聞かれれば、胸を張って「幸せです!」と答えます。
だって40歳も半ばを過ぎてこんなに夢中になれることがあって、世代を超えたたくさんの仲間がいるんだもの。


それにもう一つ「良かった」と思うことがあります。

先に述べたように40代半ばで8年経験しただけなんて、ハンターとしてヒヨッコです。
世間一般では「高齢者」と言われるような方々がバリバリと現役で山を駆け回り、たくさんの知恵と経験を授けていただけます。

「人間力」という言葉が自然と浮かんできます。

私が社会生活を暮らす上で触れ合う数人の「肩書き」というものなんかに頼り切って、威張り散らしている人たち。
この人たち、「肩書き」というものがなくなったらどうなるんだろう?


山を歩き、野生動物と対峙し、先達から教えを乞う。
そんな事をしていると生命体としての自分の小ささや弱さを考えずにはいられません。


「一兵卒として頑張ろう!」
休みが終わり仕事が始まる月曜日の朝、素直にそんな事を思います。


狩猟をしていて良かった。


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アクセルを踏めっ!!

ドゴーンッ!

山中に鳴り響く一発の銃声。

猟隊の方が大きな鹿ゲット♪
2017.03.17アクセルを踏め1


しかし狙っていた本命のイノシシには包囲網を突破され、猟犬と共に隣山へと移動。

獲物も競り終ったので待ちを解き、車に乗って犬探しに走ります。


一時期はパタリと止まっていたイノシシや鹿の動きも大きくなり、だいぶ人里付近の山での痕跡が見られますね。
2017.03.18アクセルを踏め3
(これはイノシシや鹿が道路を横断した跡。山の中の獣道の泥をアスファルトの上に落としています)

1月終盤からの寒気で気温の低い山の高い場所にいるのが厳しくなったのと、平地では餌となる草木の新芽やタケノコなどが一斉に芽吹き出したからでしょう。


皆で周囲を探すと私の探していた場所からかすかに聞こえる鈴の音。
「お、帰って来たな!」

車を停めて外に出ると鈴の音も大きくなり、山の中から聞こえるガサゴソ音。

「こっちにおったよ~」
皆に連絡。

道路で犬を呼んでいると、ガサゴソ音と共に山の斜面から落ちてくる岩。
「??? でっかいイノシシじゃんっ!!」

しかし猟銃は銃カバーを掛けてすぐに取り出せる状態ではありませんし、公道上なので当然ながら撃てません。
「どうしよう?イノシシが反対側の山に入ってもすぐに逃げ去ってしまうだろうし」

そこへ犬探しをしていた勢子副長の車が到着!
「なんてグッドタイミング! 行け!そのまま撥ね飛ばせっ!!」
(↑こんなことしちゃダメです)

しかし副長の車は急ブレーキ!

「副長ならあのままアクセルを踏み込んでくれると思ったのに・・・」
「バカたれ!あんなデカいイノシシ、軽自動車で撥ね飛ばすくらいでどうにかなるもんか。こっちの車がガチャガチャに壊れて終わりよ」

まあ、冷静に考えるとそうですよね(笑)。
少なく見積もっても80kg以上の大きな体格だったし、アスファルトの上を走っている時にブルンブルンと脂肪が揺れてたから、下手したら100kg超えだったかも・・・。

(もう時効だから話しますが、イノシシを撥ね飛ばして車の修理費に70万円ほど掛かった人を知っています。
ちなみにイノシシは平気な顔で山の中に逃げて行った)←こんなことしちゃダメです。


副長が車を降りるのと同時に猟犬も山から出てきました。
「まだあのイノシシを追っていたんだね。すまんすまん」

「いやぁ、それにしてもデカかったなぁ」
「後ろから見ると軽自動車の車幅より大きなイノシシでしたよ」


あの大きなシシが獲れなくて残念だった。
しかし貴重なものを見ちゃったなぁ(笑)。


今日も自然の恵みに感謝です。


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絶賛脱輪中!!

「待ち(包囲網)を突破された!動くよっ!!」
猟犬がイノシシを追いかけて待ちの外に出たので、待場を外して動くことを他のメンバーに伝えます。

車に乗り込み隣山へ移動。

かすかに聞こえる犬の吠え声。
「立ててる(啼き止めている)な・・・。」

急いで車を降り銃に弾を込め啼き声方向へ向かいます。


忍んで山中を進んで行くと、遠ざかる猟犬の啼き声。

「くそ、高い山に移動した」
一旦車へ戻り、移動した方向へと急ぎます。


現場は細い未舗装道路。
緩いカーブ。
2日前に降った激しい雨でぬかるんだ地表。

特に無理な運転をしていたわけではありません。
四輪駆動も入れていたし、道幅は充分余裕があるつもりでした。

ズッ!!
斜め前に滑る車体。
2017.03.04脱輪中2

ガコンッ!!
「あっ!」と言う間に傾くドライバーシート。
2017.03.04脱輪中1

四輪全てが斜め横に滑り、道路脇の用水路に左側の前後車輪が脱輪。
降りて状態を見ますが、車の腹も地面に付いてかなり厳しい感じ。

私のストラーダにはデフロック機能が付いて、四輪駆動モードに「ハイ・ロー」のモードがあるので、ローモードにギアを入れてとりあえず脱出を試みますがダメ。

(ヘタクソだったけれど)昔モトクロスをしていたので、スタックし慣れていた経験もあり「無理」と判断。
「これ以上自力で脱出を試みても土砂崩れを起こして状況が悪くなるだけだ。応援を待とう」

猟が一段落ついてメンバーの方に応援を頼みます。


状態を見て皆さん絶句・・・。
「こりゃ~車体も重いし引っ張ってもとても上がらんぞ。JAF呼んでジャッキアップしてもらった方が早いんじゃないか!?」
と言いつつも一番馬力のある4WD車の方に引っ張ってもらいます。

静かにアクセルを吹かしながらクラッチミート。
あらかじめベタベタに空気圧を落としていた左前輪が上手く土を掴み、一発で引上げ成功!!

引き上げてもらった車の方はバックで引っ張ってもらったのでドライバーの方の顔が丸見え。
「うおっ!上がった!!」
「(私も)ホントに上がった!!」
互いにビックリした表情(笑)。

互いの車がパワーと信頼性のある4WD車で、幅広の大きなタイヤを履いていたから上がったのでしょう。
とりあえずJAF呼ばなくてよかった♪


良かった♪良かった♪と話していると他のメンバーから応援要請!
「スタック(はまり込んでいる)しているから助けて~!!」
2017.03.04脱輪中3

こちらは一見大したことなさそうでしたが、荷台が軽いことによる前後輪の車重バランスの悪さとタイヤの小ささやエンジンの非力さで、引き上げるのに相当苦労しました。


猟果の方は子イノシシが1頭のみで親イノシシには逃げられてパッとせず。
2017.03.04脱輪中4

ションボリ・・・。


まあしかし、ケガ人もなく無事に皆さんが帰ってくることが出来たので良しとしましょう。

いやいや、獲物に恵まれなくてもそれが一番大切なことですね。
(実際に猟銃や車の事故や人・猟犬のケガはシャレになりません)


(いるかどうかは別にして)山の神様、ありがとうございます。


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川中の逃走!

今日の待ちはこんな感じ。
2017.02.26水際1


巻狩りの包囲網は待ち(射手)が獲物の逃走経路を待ち伏せるように線状に配置するのが原則ですが、この日は変則的な配置に布陣します。

というのも何度かどこからともなく獲物に逃げられて失敗していたからです。
次に繋がるように逃走経路を確認しますが、いつもはっきりせず。
「なぜ?どこから逃げたんだ!?」

そこで今回は後方に待機するメンバーの方に対して、私がずっと前方に張り出した地点に待場を構えます。
獲物の寝屋のすぐ側なので少しの物音も立てないように密やかに慎重に接近・・・。

比較的耳も足も良い私がその場所に待機した理由は、いわば斥候(見張り兼情報伝達役)。
寝屋から飛び出した獲物の情報を、状況によって自分も撃てるよう待機しつつ後方の待ち(射手)に伝える役割です。


勢子役が猟犬を放して巻き狩り開始!

「ここは小さな山だ。獲物がいたらすぐに出るはず」
気配を殺してジッと待ちますが獲物は出ず。

猟犬が近くまで来たので勢子役にそのことを伝え、勢子役は入り跡(犬を入れた場所)に引き返します。
「空山(獲物がいない山)だったか・・・」


いつも攻めている小さな山だったので、競り返しても獲物が出る確率は低く、半ば諦めムードで待機し続けます。
「足跡も新しかった。孟宗竹のタケノコを食べた稼ぎ(食べ物を食べた痕跡)もあった。どこからか逃げ出した足跡を拾えなかったのかもしれない」

そんな事を考えていると
「出たよ!啼いた!!待ちに向かっているからみんな気を付けてっ!!」

勢子役からの連絡。

いつもは寝ていない場所に寝ていたようです。
一気に高まる緊張感。


そして近付く犬の啼き声。
「来るぞ・・・」

安全装置解除。
銃を構えて音のする方向に照準を合わせます。

しかし普通なら枯れ竹や枝を踏み折るバキバキという音が聞こえるはずなのに、途中でフッと音が聞こえなくなります。
「獲物が進路を変えて引き返した!?いや猟犬の追い鳴きは続いている。集中しろ・・・」


ジャブジャブジャブ・・・。

水の中を進む音。
2017.02.26水際2
(左下に川がある)

「川だっ!川の中を逃げてるよ!!」

ドゴーンッ!
直後に一発の銃声。


他のメンバーの方と事前に作戦会議をして、私が合図をしたら待機場所を移動して川を進む獲物を待ち受けられるように示し合わせていたのです。


60kgのよく太ったメスイノシシ。
2017.02.26水際3


「ふう、上手くいった。だけど敵ながら大したものだ」

自分の身が隠せ、逃げても物音がしない川中を逃走経路に選んでいた老獪な相手。
いつもやられていましたが、今回は人間側の知恵が上回りました。


今日も自然の恵みに感謝です。


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油断

「イノシシが出たな!」

猟犬の啼き声。
獲物は複数出たようで、猟犬が3方向に分かれて追跡。
2017.02.20油断2

待ち(射手)にはかからず、弓(待機した包囲網)を突破して追って行きます。
勢子役はまだ山の奥にいたので「行ってくれ!」と応援要請。

すぐに猟犬が獲物を追いかけた方向にダッシュ!
急いで駆け付けると川の側で猟犬の啼き声と鈴の音。

15kgにも満たないような子イノシシを川に追い落としています。

「急いで止めないと!」
2頭の猟犬に動きを封じられているので近付きますが、猟犬が絡んでいる上に石やコンクリート護岸のある場所なので、跳弾の危険性から銃は使えず。
銃を置きナイフを抜きます。

止め刺しをしようと左手でイノシシのタテガミを掴みますが、勢いに乗って獲物に嚙み付く猟犬。
ナイフの刃が犬に触れないように、鎖骨の内側に右手を伸ばします。

ガブッ!
「痛てっ!!」


小さなイノシシだと油断して、不用意に差し出した右手の親指を噛みつかれたのです。
ジンジンと痛む指先。

すぐに狙いを脇腹に変え、肋骨の隙間にナイフを滑り込ませます。
2017.02.20油断1

「すぐに止めてやれなくてすまなかった・・・」
必死に反撃してきた子イノシシの事を思うと、少し心が痛みます。


「バラ肉にナイフを入れると血肉になって痛んでしまうな」
そしてそんな助平心を出してしまった結果、自分もケガをしてしまうことになりました。

手袋をしていたのと、子イノシシだったのでほんの掠り傷。
それでも親指の爪の下が内出血していました。
これが子イノシシじゃなかったらと思うとゾッとします。

イノシシの武器はオスの鋭い牙だけではありません。
前歯は爪切りの様になっていて、太い葛の根(澱粉を食べる)も簡単に噛み切断することが出来ます。
実際にイノシシから尻尾を食い千切られた猟犬がいました。

「これくらいで済んでよかったなぁ。親イノシシだと良くて骨折、下手したら指先を持って行かれたかもしれない・・・」
最近止め刺しも慣れてきたので、油断していたと猛省。


この日はオス鹿もゲット♪
2017.02.20油断3

立派な角という訳ではないけれど、これもまた危険度高い獣の武器です。


今回は少し経験を積み、するともなしに心の奥底でどこか油断していた自分自身への戒めとなりました。
反省。


狩猟に行くと色々なことが起こります。


今日も自然の恵みに感謝です。


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プロフィール

じゃん

Author:じゃん
幼少時より食い意地の張った子供で、今でも野生の動植物を見る時には
「美味いか不味いか?」
が大きな判断基準を占める。

素潜り、釣り、手づかみなど様々な方法にて「タダの食料」を捕獲することに情熱を燃やしています。
2009年より狩猟界にデビュー。タンパク質自給率100%達成なるか!?

E‐mail
capturefood@yahoo.co.jp
お気軽にメールくださいね♪

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