「待ち(包囲網)を突破された!動くよっ!!」
猟犬がイノシシを追いかけて待ちの外に出たので、待場を外して動くことを他のメンバーに伝えます。
車に乗り込み隣山へ移動。
かすかに聞こえる犬の吠え声。
「立ててる(啼き止めている)な・・・。」
急いで車を降り銃に弾を込め啼き声方向へ向かいます。
忍んで山中を進んで行くと、遠ざかる猟犬の啼き声。
「くそ、高い山に移動した」
一旦車へ戻り、移動した方向へと急ぎます。
現場は細い未舗装道路。
緩いカーブ。
2日前に降った激しい雨でぬかるんだ地表。
特に無理な運転をしていたわけではありません。
四輪駆動も入れていたし、道幅は充分余裕があるつもりでした。
ズッ!!斜め前に滑る車体。
ガコンッ!!「あっ!」と言う間に傾くドライバーシート。
四輪全てが斜め横に滑り、道路脇の用水路に左側の前後車輪が脱輪。
降りて状態を見ますが、車の腹も地面に付いてかなり厳しい感じ。
私のストラーダにはデフロック機能が付いて、四輪駆動モードに「ハイ・ロー」のモードがあるので、ローモードにギアを入れてとりあえず脱出を試みますがダメ。
(ヘタクソだったけれど)昔モトクロスをしていたので、スタックし慣れていた経験もあり「無理」と判断。
「これ以上自力で脱出を試みても土砂崩れを起こして状況が悪くなるだけだ。応援を待とう」
猟が一段落ついてメンバーの方に応援を頼みます。
状態を見て皆さん絶句・・・。
「こりゃ~車体も重いし引っ張ってもとても上がらんぞ。JAF呼んでジャッキアップしてもらった方が早いんじゃないか!?」
と言いつつも一番馬力のある4WD車の方に引っ張ってもらいます。
静かにアクセルを吹かしながらクラッチミート。
あらかじめベタベタに空気圧を落としていた左前輪が上手く土を掴み、一発で引上げ成功!!
引き上げてもらった車の方はバックで引っ張ってもらったのでドライバーの方の顔が丸見え。
「うおっ!上がった!!」
「(私も)ホントに上がった!!」
互いにビックリした表情(笑)。
互いの車がパワーと信頼性のある4WD車で、幅広の大きなタイヤを履いていたから上がったのでしょう。
とりあえずJAF呼ばなくてよかった♪
良かった♪良かった♪と話していると他のメンバーから応援要請!
「スタック(はまり込んでいる)しているから助けて~!!」
こちらは一見大したことなさそうでしたが、荷台が軽いことによる前後輪の車重バランスの悪さとタイヤの小ささやエンジンの非力さで、引き上げるのに相当苦労しました。
猟果の方は子イノシシが1頭のみで親イノシシには逃げられてパッとせず。
ションボリ・・・。
まあしかし、ケガ人もなく無事に皆さんが帰ってくることが出来たので良しとしましょう。
いやいや、獲物に恵まれなくてもそれが一番大切なことですね。
(実際に猟銃や車の事故や人・猟犬のケガはシャレになりません)
(いるかどうかは別にして)山の神様、ありがとうございます。
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