本日は大物猟のグループにお断りして、地元猟友会の有害鳥獣捕獲活動です。
猟期に参加させてもらっている大物猟のグループは、車で2時間近くかかる実家に近い場所を活動の拠点としているので、猟行道具すべてを持って行き来するのはかなり大変なものがあるのですが、思うところもあり地元猟友会の有害鳥獣捕獲に参加。
土曜日にレギュラーグループの大物猟に参加、終わってすぐに自宅にとんぼ返り。
場所はいつもの島(笑)。
この島は通常は鳥獣保護区になっていて狩猟期間も狩猟をすることができません。
狩猟が出来る可猟区だったら、イノシシが多くても他のハンターの皆さんにお任せするのですが、保護区で有害鳥獣捕獲が出来るのは有害駆除隊のメンバーだけなのでこちらを優先。
狩猟期間は趣味の狩猟を楽しみたいところですが、有害鳥獣は猟期など関係無しに被害をもたらします。
ハンターの出来る社会貢献という意味で、出来る限り参加です。
「美味しいお肉を食べたい!」という理由で始めた狩猟ですが、短い期間ながらも有害鳥獣捕獲活動に参加し、農業・林業の方がどれだけ困っているかの現状が身に沁みて解ったのが大きな原因です。
若手の私は、今回は撃ったイノシシを担ぎ出す要員としての役割がメインです。
夏場は地元漁協の若い漁師さんに引っ張り出すことをお願いしましたが、冬場は海が時化ることが多く
「貴重な凪の日に漁師さんの手を煩わせられない」
との有害鳥獣捕獲隊隊長の考えです。
実の兄貴が漁師をしている私には、その状況が良くわかります。
それに有害鳥獣捕獲隊メンバーの皆さんもご高齢の方が多いですしね。
さて、なんとか海の状態も良く有害鳥獣捕獲隊出動です!
今回は市農林土木課の有害鳥獣対策担当職員の方も同行します。
この島は小さく見えても傾斜が急で、山の手入れなんて誰もしないので鬱蒼とした藪が多くありますね。
おまけにイノシシも追われ慣れてきたのか、以前は簡単に獲れていたのに、最近ではかなり狡猾になってきた感じです。
島の中央を走る林道に沿って待ち(射撃手)を配置。
待ちの左右に勢子が犬を連れて入り、追い出したイノシシを撃ち取る作戦です。
若手の私は一番上の待ちに付き、待ち受けるのに良さそうな獣道を探してみますが、そこらじゅう獣道だらけで途方にくれそうになります。
「こりゃー、どこを通ってもおかしくないなぁ」
と思いつつ、新しい足跡がたくさん付いている獣道を探し、本命と見て撃ちやすい場所で待機。
犬を入れてすぐにあちらこちらでイノシシを起こす鳴き声が聞こえますが、待ちにはかからず…。
2時間以上経った頃、私の待ちにも犬の鳴き声が近付いてきます。
待っていた獣道ではなく、2本下の獣道を40kg~50kg程のイノシシが2頭通過。
藪が深いのと矢先の安全が確認できなかったため撃てず。
それからしばらくして「倒したよ~、引っ張りに来て」と、64歳の勢子の方(仲良しです)からの無線連絡。
同い年の若手ハンター腹口くん(仮名)と急坂を下って現場に向かいます。
獲れたのは70kg程のメスイノシシ。
さぁーて、引っ張り下ろそうかとしていたら
「この下は断崖絶壁。引き上げるしかないよ~」
あんた鬼だ!言葉を無くして二人して今来た道を見上げます。
ハンターをしているから「坂」という部類に入る傾斜ですが、こりゃあ一般の人から見たら「崖」に入る角度だよなぁ。
大まかに解体して何往復かしようかとも考えましたが、血が滴る肉塊を入れるような袋などもありません。
結局、このまま引き上げるしかないという結論に達し、少しでも軽くするために内臓を取り出し、泥が入らないよう縫い合わせます。
それからは只ひたすら気合と根性(笑)。
ガラガラと崩れ落ちる足場にしがみつく様にして、ジワジワと二人で引き上げます。
この写真を撮った辺りまでは余裕もありましたが、滴り落ちるほどに流れていた汗もやがて出なくなり、全身の筋肉が痙攣します。
谷間に入っていたので無線が通じず、尾根まで上がって無線が通じるようになって応援を頼みます。
応援部隊と合流し、皆で林道まで引き上げてから港へイノシシを運搬。
山から下ろして海水中で冷やしておいた超貴重品のイノシシ(笑)。
肉を食べるって本当に大変なことだ!と再確認した一日でした(笑)。
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