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食べる事と、命をいただく事について考えます。 狩猟、素潜り、釣り、採集、手作り等々

葛(くず)害

葛(くず)という植物を知っていますか?
2023.08.25葛5

日本人にとって古くから馴染みのある植物で、秋の七草の一種であり、万葉集には21首もの葛に関する詩が詠まれているそうです。
葛の地下茎からは良質のデンプンが摂れ、和菓子の材料などに使われています。
「葛餅」や「葛切り」なんてご存じの方も多いのではないでしょうか。

また、一昔前はその繊維は貴重品で、葛布や和紙の原料としても利用されてきました。
ツルを乾燥させて編み籠など手芸品の材料にしたりしていた方もたくさんおられました。
そして、地下茎からはデンプン以外にも生薬成分が得られ、「葛根湯」という漢方薬などの原材料になります。

で、今回なぜわざわざこの植物をテーマとして挙げたかというと、葛の繁茂が間違いなくイノシシや鹿の増加の一因となっているからです。
2023.08.25葛6
(孟宗竹林の放置も同じくらい問題だと感じています)

上記の様に、日本人の生活に深く関わって有効活用されてきた葛ですが、山間部や里山に人が減り、誰も葛の根を掘り起こしたり、蔓を使って編み物なんて作らない現代社会では様相が一変します。

もともと繁殖力が旺盛な上に地下茎と蔓草で生息範囲をあっという間に拡大することができる葛は、海外では「世界の侵略的外来種ワースト100」という最強最悪レベルの不名誉な生物リストに入っています。
2023.08.25葛4
(擁壁の下に向かって伸びている様子。上に向かっても伸びます)

これは2~3メートルの高さの雑木林の様子ですが、木の上を完全に葛が覆って支配していますね。
2023.08.25葛1
これくらいは可愛いもので、山を見上げると山全体の半分ほどが葛に覆われている様な場所もあります。


この事の何が問題かというと、葛が樹木を押しつぶして天然のテントの様な有様になってしまうのです。
雨風は凌げるし、外敵は接近できない。逃走経路も豊富。獣の要塞の様になってしまいます。

空家なんかも1~2年でこんな感じ。
2023.08.25葛3
この写真は私の通勤途中の国道側の空き家です。
あと2~3年もこのままだと、完全に葛に覆われてしまうでしょう。

人の目に付く場所ですらこのような有様なので、人の目が届かない場所は推して知るべしですね。
猟期に入る山間部の耕作放置されたビニールハウスの鉄骨やブドウ棚、鶏舎なんかは酷いものです。

葛の柔らかい葉っぱは鹿のエサになります。
おまけにエサが乏しい時期でも根っこには豊富なデンプンが蓄えられています。
秋のドングリが終わり、新春のタケノコが出るまでの寒い時期は、あちらこちらで葛の根っこを食べるためにイノシシによって地面が掘り起こされています。
2023.08.25葛7


現在、全国各地で増えすぎた獣や鳥類を対象に有害鳥獣駆除が行われています。
一連の報道で、獣などが増えた原因として「ハンターの高齢化」や「ハンターの減少」などの理由ばかりが取り上げられていますが、ほぼほぼ見当違いなことです。

イノシシや鹿などの獣が極端に増えた一番の理由は山へ人が入らなくなったことです。
一昔前は小さな山も近隣の集落での環境整備が行われていましたし、林業も盛んだったので頻繁に人が山へ入り下草狩りが行き届いていました。
寝屋や産屋となる藪も無く、必要以上に獣をおびき寄せる里山近くの植物相が無いようにきちんと整備されていたのです。
それに加えてハンターが山へ入っていたので、獣たちは「人は怖いものだ」ということを知っていたのだと思います。

イノシシや鹿などの農業被害や住宅地への出没を減らすには
・人が山へ入って下草を刈って寝屋や産屋となり、身を隠せる藪を無くす。
・エサの供給源となる耕作放棄された果樹園の樹木、竹林や葛原などを伐採する。
・里山近くの草刈りをしっかりと行い、人の生活圏と獣の生活圏を明確に区別する。
などの対策がまず必須だと考えます。

そういった事をしっかりと行った上で、ハンターによる有害鳥獣駆除を実施するのであれば確実に駆除効果が出ると思います。

下草刈りなどは誰でもできるので、過疎化に悩む田舎にもある程度の雇用が期待出来るでしょうしね。


ま、そうは言っても「獲っても獲っても獲物に困ることがない今の状況」に満足しているハンターが一定数いることも事実ですし、それが悪いことだとは思いません。

有害駆除と違い狩猟って個人の趣味ですし、何より獲物が獲れなくてはおもしろくないですもんね。


難しいですね。


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かわいそうなふじ

皆さんは『かわいそうなぞう』という物語を知っていますか?

第二次大戦中、動物園で飼育していたライオンや虎などの猛獣や巨大な象などは「逃げ出すと危険だから殺すように」という軍からの指令により、殺される運命を辿ります。

その多くは毒を混ぜたエサを与えられ殺されました。
しかし象は賢く鼻が利く生き物だったので、それらの毒エサだけを見分けてきれいに避けてしまったのです。

しかたなく馬などに使われる注射器を使っての毒殺が試みられましたが、硬く頑丈な象の皮膚を貫くことが出来る注射針はありませんでした。

そこまでして飼育員は「賢い動物なのだから人間を襲う事は絶対にない」と延命の懇願をしますが、その願いが軍部に聞き入れられることはありませんでした。
その当時の軍部の命令は絶対だったので、殺す方法がなく飼育員は困り果てます。

仕方がなく飼育員は、水もエサも与えずに餓死させることにします。
それまではエサを与え可愛がって飼育していたのに、自らの手で飢えさせて殺すことになるなんて本当に酷なことだと感じます。

水もエサも与えられず瘦せ細りフラフラになった象たち。
象は賢い動物なので「芸をすると褒めてエサをもらえる」という事を理解していて、飼育員の姿を遠くに見かけると前足を上げたり鼻を振ったりと懸命に仕込まれた芸を披露するのです。

「もうやめてくれ!!」
苦悩する飼育員たち。

しかし戦争という残酷な現実の前では、誰も象たちを救えずに弱り切って死んでしまうことになるのです。
ほんの数十年ほど前に日本で実際に起こった出来事です。

この話を読んだ時、私は涙が止まりませんでした。


「ふじ、キミは丸々と太った体でエアコンの効いた室内で涼しげに寝転んでいるけれど、ほんの少し前の日本でそんな悲しい話があったんだよ」
室内で怠惰な生活を送っているふじに話しかけます。
2023.07.31可哀そうなふじ7

「勉強になりました…」
尻尾の先だけをパタパタと動かし、愁傷な顔でしんみりと聞くふじ。


そして私がその日の晩御飯を食べていた時の事です。
食べ終わりになるとどこからともなく近付いてくるふじ。

その口にはワンコ用のおもちゃが咥えられています。
2023.07.31可哀そうなふじ1

「さ、スペシャルな迷彩柄のヤツよ。美味しいイサキフライをくださいな♪」
2023.07.31可哀そうなふじ4
おもちゃを高く掲げ、ウキュウキュと必死に芸を披露してくれます。

「ん~、どうやら誤った事を学んでしまったようだね…」

ふじにイサキフライなんてカロリーが高いものは食べられないことを説明しますが、更におもちゃを高く上げ「お手」も繰り出して訴えかけます。
2023.07.31可哀そうなふじ2
「ウキュウキュ!!早くイサキフライをください♪」

「も、もうやめてくれっ!!」
心ボキ折れるチョロい飼主…(笑)。

まんまとイサキフライにありつくふじさん。
2023.07.31可哀そうなふじ6

ふじの圧勝ですね(笑)。

ああ、心強くありたいなぁ…。


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幸せの笑顔♪

少し前の話ですが、イサキ釣りに行ってきました。
2023.07.31可哀そうなふじ8

イサキは珍しく夏に旬を迎える魚で、この時期のイサキは脂がのってとっても美味いのです。
2023.08.01イサキ美味い2

丸々と太ったイサキがたくさん釣れました。
2023.08.01イサキ美味い3

船長さんは「クーラーいっぱい釣って帰ってもらう」と言われていたので釣果に満足されていなかったのですが、私としては大満足の結果でした。


帰宅してワンコさん達のお魚見学会。
2023.08.01イサキ美味い4
(手前よりふじさん、カヤさん、モリさん)

イトちんは得体の知れない生き物にちょっぴりビビリ気味(笑)。
2023.08.01イサキ美味い6
(手前よりカヤさん、モリさん、ふじさん、イトちん)

その中でもふじの顔が「ぱぁぁ~」と輝き、ニコニコの笑顔になります。
2023.08.01イサキ美味い5
「あ!これはあの美味しいお魚ね!!」

そう、ふじは何度かイサキを食べたことがあるので、その美味しさを知っているのです。
覚えているもんなんだね~(笑)。

「犬は飼主に似る」なんて言われていますが、食い意地の張ったふじを見ると全く否定できませんね。

旬のイサキ、とても美味しかったです♪


今日も自然の恵みに感謝です。


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プロフィール

じゃん

Author:じゃん
幼少時より食い意地の張った子供で、今でも野生の動植物を見る時には
「美味いか不味いか?」
が大きな判断基準を占める。

素潜り、釣り、手づかみなど様々な方法にて「タダの食料」を捕獲することに情熱を燃やしています。
2009年より狩猟界にデビュー。タンパク質自給率100%達成なるか!?

E‐mail
capturefood@yahoo.co.jp
お気軽にメールくださいね♪

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