C58形蒸気機関車の製作7

 高山機関区に配置されていたC58形蒸気機関車を製作しています。

■完 成

 各パーツをタミヤのフラットブラック(LP-3)で塗装しながら組み立て、ナンバープレートなどを貼り、完成することができました。
 それでは、1962年(昭和37年)当時、高山機関区に在籍していたC58を模型と車歴でご紹介します。

▼C58108

103C58製作
【車歴】
 1939年(昭和14年) 汽車製造大阪で製造
 1944年(昭和19年) 多治見区から高山区へ
 1967年(昭和42年) 高山区から沼津区へ
 1970年(昭和45年) 廃車(遠江二俣区)

▼C58109

104C58製作
【車歴】
 1939年(昭和14年) 汽車製造大阪で製造
 1944年(昭和19年) 多治見区から高山区へ
 1968年(昭和43年) 高山区から敦賀第一区へ
 1971年(昭和46年) 廃車(敦賀第一区)

▼C58116

105C58製作
【車歴】
 1939年(昭和14年) 汽車製造大阪で製造
 1944年(昭和19年) 多治見区から高山区へ
 1955年(昭和30年) 飛騨金山での事故により破損
 1967年(昭和42年) 高山区から沼津区へ
 1970年(昭和45年) 廃車(沼津区)

▼C58153

106C58製作
【車歴】
 1939年(昭和14年) 汽車製造大阪で製造
 1944年(昭和19年) 稲沢区から高山区へ
 1967年(昭和42年) 高山区から沼津区へ
 1973年(昭和48年) 廃車(志布志区)

▼C58215

107C58製作
【車歴】
 1940年(昭和15年) 川崎車輌兵庫で製造
 1944年(昭和19年) 稲沢区から高山区へ
 1966年(昭和41年) 遠江二俣区へ
 1973年(昭和48年) 廃車(小牛田運転区)
 1973年(昭和48年) 福島県坂下町で保存展示開始

▼C58216

108C58製作
【車歴】
 1940年(昭和15年) 川崎車輌兵庫で製造
 1944年(昭和19年) 稲沢区から高山区へ
 1958年(昭和33年) お召し列車(富山県国体)
 1959年(昭和34年) お召し列車(皇太子こ成婚)
 1969年(昭和44年) 高山区から七尾区へ
 1970年(昭和45年) 廃車(七尾区)

▼C58266

109C58製作
【車歴】
 1941年(昭和16年) 川崎車輌兵庫で製造
 1944年(昭和19年) 稲沢区から高山区へ
 1961年(昭和36年) 第一種休車
 1969年(昭和44年) 高山区から七尾区へ
 1971年(昭和46年) 廃車(七尾区)

▼C58368

110C58製作
【車歴】
 1944年(昭和19年) 川崎車輌兵庫で製造
 1944年(昭和19年) 高山区へ
 1947年(昭和22年) お召し列車(戦災復興視察)
 1969年(昭和44年) 高山区から美濃太田区へ
 1971年(昭和46年) 廃車(七尾区)

▼C58389(戦後型)

111C58製作
【車歴】
 1946年(昭和21年) 汽車製造大阪で製造
 1956年(昭和31年) 函館区から高山区へ
 1969年(昭和44年) さよなら列車を運行
 1969年(昭和44年) 高山区から遠江二俣区へ
 1971年(昭和46年) 廃車(遠江二俣区)
 1971年(昭和46年) 天竜二俣で保存展示開始

 次回は2025年(令和6年)3月に発売されたKATOのC56160を使用して「SL飛騨路」号を再現します。(続く)


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C58形蒸気機関車の製作6

 高山機関区に配置されていたC58形蒸気機関車を製作しています。

■標識類
●ナンバーブレート

 名古屋鉄道管理局は1951年(昭和26年)10月29日付けの通達で、機関車番号板地色塗粧(ナンバーブレートの色)を局内の機関区ごとに色分けするように浜松工場に通達しました。
▼名古屋、美濃太田(赤)

085C58製作
▼大垣、中津川(青)
086C58製作
▼稲沢、高山(黒)
087C58製作
 この他に多治見、米原(緑)がありました。
▼模型ではイラストレーターという描画ソフトでプレートを作画し、金色のシートに印刷して作成しました。

088C58製作

●架線注意表示板
 高山区のC58には次の位置に表示板が取り付けられていました。(写真はC58215)
▼前照灯下

089C58製作
▼蒸気ドーム前踏み板
090C58製作
▼発電機取付台座
091C58製作

●区名札差
 運転室(キャブ)の側面には所属を表す区名札差が取り付けられていました。
 札差はホーローで、多くは黒地に白文字でした。
▼美濃太田区「美」

092C58製作
▼中津川区「中」
093C58製作
▼高山区は「高」ではなく「山」
094C58製作
▼富山区は「山」ではなく「富」 
095C58製作
▼製品では「盛」が印刷されています。
096C58製作
▼製品の区札をスキャナーで読み込んでテンプレートとし、イラストレーターで作画しました。
097C58製作

●スノウプロウ
 高山区では車両ごとにスノウプロウにナンバープレートと同じ番号が白字で描かれていました。(白井氏提供)
098C58製作
▼ナンバープレートのデータを利用してイラストレーターで作画しました。
099C58製作

■模型での再現
▼車体前部の架線注意表示板
100C58製作
▲スノウプロウの車体番号 
▼車体側面の架線注意表示板

101C58製作
▼運転室のナンバープレートと区名札差
102C58製作

 次回は完成した高山機関区のC58の模型をご紹介します。(続く)

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C58形蒸気機関車の製作5

 高山機関区に配置されていたC58形蒸気機関車をTOMIXの製品を改造して製作しています。

■機関車前部
●スノウプロウ(雪かき)

 製品のパーツは東北タイプですが、高山区では東海道タイプが装着されていました。
▼模型ではKATOの「D51標準長野集煙 スノープロウ」(Z02-2443)を利用しました。

065C58製作
▼模型メーカーが異なりますが、改造して取り付けることができました。
066C58製作

●予備前灯(副灯)
 製品では給水温め器にシールドビーム(LP405)が副灯として一体成形されています。
 この副灯は1963年(昭和38年)頃に東北地方でタマ切れ対策として採用されたものですが、高山区には装備されていないので切り取りました。

067C58製作

■ボイラー本体
 製品では配管カバー付きですが、高山区ではカバーが無いのでパテで裏打ちしてからカバーを削り取りました。
068C58製作
069C58製作
▼公式側(車体左側面)のパイプは蒸気排気管
070C58製作
▼非公式側(車体右側面)のバイブは蒸気排気管(上)と送水管(下)
071C58製作
▼パイプは0.3ミリのプラ棒で再現しました。
072C58製作
●罐逆止弁
▼罐逆止弁(かんぎゃくしべん)はボイラー上部では高温高圧の蒸気で漏洩亀裂などが起こり易いため、ボイラー側面に移されました。
 高山区ではC58 389号のみボイラー側面に取り付けられていました。

073C58製作
▼製品では2本のパイプが一体化されているので2つに分けました。
074C58製作
▼罐逆止弁に直結するパイプは0.28ミリ径の銅線で再現しました。
075C58製作

●蒸気タービン発電機
▼現存するC58 389号のボイラー上部には2つの発電機が設置されています。
076C58製作
▼模型で再現する車両はATS用発電機を搭載前の時代設定なので、ボイラー上部の配線類を全て削り取りました。

077C58製作
▼製品では2つの発電機が一体成形されています。
078C58製作
▼発電機パーツを2つに分けました。
079C58製作
▼発電機の排気管は0.3ミリ径真鍮線を利用しました。
080C58製作
▼発電機用の3本の配管(蒸気管、排水管、電線管)を金属線で再現し、改造した発電機パーツを取り付けました。
081C58製作

■運転室前部
082C58製作
▼製品では旋回窓付きですが、模型の時代設定では旋回窓は取付前なので、削り取りました。
083C58製作
▼運転室に窓パーツを取り付けました。
084C58製作

 次回は最終組立と塗装になります。(続く)


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C58形蒸気機関車の製作4

 高山機関区に配置されていた蒸気機関車を製作しています。

■船底形炭水車(テンダー)とは
 高山機関区に配置されたC58の中で唯一戦後型なのがC58 389号車です。
 戦後型は1946年(昭和21年)から1947年(昭和22年)までに汽車製造が製造したC58 383からC58 427までの42両をいい、特に炭水車に外観上の違いがあります。
 戦後型炭水車は6-17型(石炭6t、水17t)から10-20型(石炭10t、水20t)に大型化され、構造は資材節約と生産工程を簡略した船底型に、台車は板枠ボギー台車から、生産が容易な鋳造製の菱形ボギー台車に変更されました。
▼浜松に現存するC58 389号

044C58製作

■模型による再現
 TOMIXの製品は戦前型なので外観上に違いがあるため、そのままでは使えません。
 しかし、2024年(令和6年)2月にやえもんデザインから「C58船底型テンダーベースセット」(YS-20)が発売されたので、この製品を使用することにしました。
▼製品は真鍮製のエッチングパーツで構成されています。

045C58製作
▼本体のパーツは船底を再現するために折り目が付けられています。
046C58製作
▼389号車は後部が戦前型と同様に切り欠けがあるタイプなので切り取りました。
047C58製作
▲調べたところ、切り欠けがある車両は405号車までで、406号車以降は確認できませんでした。
▼妻面(後部)は2枚の板を重ねて組み立てますが・・・

048C58製作
▼389号車は後部に切り欠けがあるタイプなので、上部を2ミリ切り取りました。
049C58製作
▼パーツが出来たら組み立てます。
050C58製作
▼接合部はハンダ付けをして強度を持たせました。
051C58製作
▼底部に組立説明書を参考にしてパーツを取り付けました。
052C58製作
▼前部に手ブレーキハンドルと石炭取出口、3つの取水コック、タイヤ水まきコックを取り付けました。
053C58製作
▼妻面(後部)は389号車を参考にしました。
054C58製作
▼手すりは0.2ミリ径の燐青銅線、電気コードは0.2ミリ径の真鍮線、解放テコは0.3ミリ径の真鍮線とし、製品に含まれていない吊り具は銀河モデルの「吊り金具」(N-332)から、ブレーキホースは銀河モデルの「エアホース」(N-301)、暖房管はやえもんデザインの「暖房ホース」(Y-068)を取り付けました。
055C58製作
▼石炭庫(コールバンカー)は製品のパーツを組み立てました。
056C58製作
▼石炭はモーリンの「Rストーン 石炭N」(CL-01)を利用し、スーパーフィックスで固着しました。
057C58製作
▼戦後型の特徴である鋳造製の菱形ボギー台車は389号車を参考にしました。
058C58製作
▼台車のパーツは製品に付属している3Dプリント出力のレジンパーツを利用しました。
059C58製作
▼塗料の食い付きをよくするためにプライマーを塗布し、タミヤのフラットブラック(LP-3)を塗装してから、タイヤを取り付けました。
060C58製作
▼炭水車本体をタミヤのフラットブラック(LP-3)を塗装してから台車を取り付けました。
061C58製作
▼戦前型と戦後型の台車比較
062C58製作
▼妻面にレボリューションファクトリーの「架線注意シール」(4723)を、ナンバープレートは自作シールを貼り、完成としました。
063C58製作
▼戦前型と戦後型の比較
064C58製作
▲戦後型は一回り大きいことが分かります。

 次回はボイラー部の製作に移ります。(続く)


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C58形蒸気機関車の製作3

 高山機関区に配置されていた蒸気機関車を製作しています。

■炭水車(テンダー)の改造(2)
●水取口
 SL銀河では水取口が右側にありますが、本来は中央に配置されているので、切り取って移動しました。

027C58製作

●石炭庫(コールバンカー)
 SL銀河では石炭庫の後半に重油タンクを積んでおり、TOMIXの製品はそれを再現しています。
028C58製作
▼高山機関区では石炭庫全体に石炭を積んでいたので、パーツの底の穴をふさぎ、周囲をマスキングテープで囲みました。
029C58製作
▼石炭はモーリンの「Rストーン 石炭N」(CL-01)を利用し、盛り付けて整えた後にスーパーフィックスで固着しました。
030C58製作
▼このRストーンは石英を細かく砕いて着色したもので、石炭の山は一つ山と二つ山が見られるので再現してみました。
031C58製作

●テンダー吊り金具
 テンダー本体を吊り下げる吊り金具が省略されているので、銀河モデルの「吊り金具 蒸機テンダー用」(N-332)を利用しました。
032C58製作
▼吊り金具を所定の位置に接着しました。
033C58製作

●暖房管(ホース)
 蒸気機関車から出る熱い水蒸気を暖房用に客車に送るホースがテンダー妻面右下に装着されていました。
034C58製作
▲写真は中津川のD51266号のもの
▼このホースはやえもんデザインの「暖房ホース テンダー用」(Y-068)を利用することにしました。

035C58製作
▼プライマーを塗布してからタミヤのジャーマングレイ(LP-27)を塗って取り付けました。
036C58製作

●架線注意表示板
 妻面の左上に感電事故を防止するため、1957年(昭和32年)12月に運転局から「架線注意」表示板取り付けの通達が出され、車体各部に取り付けられました。
▼写真は福島のC58215のもの

037C58製作
▼この表示板はレボリューションファクトリーの「架線注意シール」(4723)を利用しました。
038C58製作
▼テンダー妻面の所定の位置に貼りました。
039C58製作

●ナンバープレート
 ナンバープレートはTOMIXの製品に付属していますが、高山機関区のナンバーではないので、イラストレーターというソフトで作画しました。
040C58製作
▼金色のシールにナンバーを印刷しました。
041C58製作
▼車体全体をタミヤのフラットブラック(LP-3)を塗装後、ナンバープレートを切り取って貼り付けました。
042C58製作

▼製品(SL銀河)と改造した模型(国鉄戦前型)の比較
043C58製作
▲かなり印象が変わりました。 

 次回は戦後型の舟底テンダーの製作に移ります。(続く)


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プロフィール

高山のキューロク

Author:高山のキューロク
岐阜県高山市在住で、高山駅の歴史を調べたり、それを鉄道模型で再現することをライフワークにしています。

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