機関車清掃2021.12

 2021年(令和3年)12月12日(日)、ポッポ公園(高山市昭和町2)に保存されている9600形蒸気機関車の今年最後の清掃活動に参加してきました。

▼今回は清掃のみとなりました。

01清掃202112
▼これまで使用していた高圧洗浄機が前回の清掃で使用できなくなり、古くて部品の交換ができないことから、別の洗浄機で行いました。
02清掃202112
▼上部から洗浄し、次に足まわりを行い、最後は運転室内を行いました。
03清掃202112
▼埃と鳥の糞で汚れていた車体が綺麗になりました。
04清掃202112

 今回の清掃は、木下さんと鉄道写真家グループ「飛騨鉄会」の4人、そして私の6名が参加しました。参加されたみなさん、お疲れ様でした。
 
 さて、清掃と塗料の塗り直しだけでは車体保存に限界があるため、本格的な整備を高山市にお願いすべく、要望書の案を私が作成し、木下さんに見て頂きました。
 この要望書では修復された富山市の機関車を見た感動が反映されたものになっており、さらにライトの点灯や汽笛の吹鳴、防犯カメラの設置についても要望に加えています。
 今後、文書の校正を重ね、来年には市に提出できればと思っています。

美濃加茂市の保存蒸機

 2021年(令和3年)11月13日(土)、美濃太田駅開業100周年を記念して美濃太田運輸区と車両区が一般公開された際に、市内に保存されている2両の蒸気機関車を見に行ってきました。

○C58280号車

 この機関車は1941年(昭和16年)3月に製造され、4月に高山機関区に初めて配車された後、1943年(昭和18年)10月に美濃太田機関区に移り、1969年(昭和44年)9月に同機関区にて廃車となるまで、高山本線のみを走行した生え抜きの車両です。
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 保存展示されている場所は美濃太田車両区の道路向かいにある古井小学校の敷地内ですが、道路から見えないので地元の人と蒸機に興味がある人以外はあまり知られていません。
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 この車両の保存整備は、元国鉄職員やJR東海、長良川鉄道の社員有志でつくる「古井小学校SL保存会」が担当し、年2回清掃されているようです。
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 前回訪れたのは2015年(平成27年)でしたが、車体が塗り替えられたようで、相変わらずきれいな状態に保たれていました。
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 説明看板が新しくなっていました。
▼旧看板

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▼現看板
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 なお、2022年2月20日(日)には保存会のみなさんによる説明会の開催が予定されているようです。(事前申込み必要)

○D51409号車
 もう一つ気になっていたのが、ヤマザキマザック(株)(本社・愛知県)が所有しているD51形蒸気機関車でした。
 この車体は廃車後、1987年(昭和62年)から約20年間、滋賀県甲西町の駅前に保存展示されていましたが、駅前整備のために不要と判断されて撤去が決まり、その譲渡先を公募したところ、同社に決まった経緯があります。(無償譲渡でしたが、運搬などの経費は同社が負担)
 2008年(平成20年)9月に同社の美濃加茂市内の事業所構内に搬入されましたが、その後は一般公開がされてきませんでした。
 しかし、同社が創業100周年を記念して2019年(令和元年)11月に工作機械博物館を開館し、この車両を間近で見学できるようになったとの情報を得ていたので、美濃加茂市に来たついでに見てきました。
▼看板後方のピラミットが博物館入口

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 展示室は地下2階で、地熱を活用した空調により温度・湿度が一定に保たれており、保存環境は私が知る限りでは最高レベルの理想的なものでした。
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 同社がこの車両を入手して展示している理由をガイドさんに尋ねたところ、同社の工作機械により作られた部品が多用されているからだと教えていただきました。
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 修復はJRが協力し、破損・欠損部品は同社が復元したようで、細部まで綺麗に再現されています。
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 また、キャブ内の見学が可能で、汽笛を鳴らすことができます。
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▼石炭が燃えている様子が再現されています。
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▼テンダー(炭水車)にはレプリカの石炭が載せられています。
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▼ライトは常点灯しています
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▼欠損していた後照灯のレンズは復元され、ナンバーブレートの地色は赤から黒に塗り替えられていました。
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 この車体は高山本線とは縁がありませんが、大手企業が真剣にこのような鉄道遺産を保存展示し、それが岐阜県内で見られることに感謝したいと思いました。


ヤマザキマザック工作機械博物館
○場 所
 美濃加茂市前平町
○開館時間
 10:00-16:00
○休館日
 月曜日、年末年始
○入館料
 大人500円
 高校生・大学生300円
 小・中学生200円
○開館主旨
 創業100周年を迎えて、社会を支える工作機械の存在をより広く伝えるとともに、モノづくりに対しての関心を高めるため、世界的にもめずらしい工作機械に特化した博物館を開館

※博物館情報は2021年時点
プロフィール

高山のキューロク

Author:高山のキューロク
岐阜県高山市在住で、高山駅の歴史を調べたり、それを鉄道模型で再現することをライフワークにしています。

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