C58形蒸気機関車の製作3

 高山機関区に配置されていた蒸気機関車を製作しています。

■炭水車(テンダー)の改造(2)
●水取口
 SL銀河では水取口が右側にありますが、本来は中央に配置されているので、切り取って移動しました。

027C58製作

●石炭庫(コールバンカー)
 SL銀河では石炭庫の後半に重油タンクを積んでおり、TOMIXの製品はそれを再現しています。
028C58製作
▼高山機関区では石炭庫全体に石炭を積んでいたので、パーツの底の穴をふさぎ、周囲をマスキングテープで囲みました。
029C58製作
▼石炭はモーリンの「Rストーン 石炭N」(CL-01)を利用し、盛り付けて整えた後にスーパーフィックスで固着しました。
030C58製作
▼このRストーンは石英を細かく砕いて着色したもので、石炭の山は一つ山と二つ山が見られるので再現してみました。
031C58製作

●テンダー吊り金具
 テンダー本体を吊り下げる吊り金具が省略されているので、銀河モデルの「吊り金具 蒸機テンダー用」(N-332)を利用しました。
032C58製作
▼吊り金具を所定の位置に接着しました。
033C58製作

●暖房管(ホース)
 蒸気機関車から出る熱い水蒸気を暖房用に客車に送るホースがテンダー妻面右下に装着されていました。
034C58製作
▲写真は中津川のD51266号のもの
▼このホースはやえもんデザインの「暖房ホース テンダー用」(Y-068)を利用することにしました。

035C58製作
▼プライマーを塗布してからタミヤのジャーマングレイ(LP-27)を塗って取り付けました。
036C58製作

●架線注意表示板
 妻面の左上に感電事故を防止するため、1957年(昭和32年)12月に運転局から「架線注意」表示板取り付けの通達が出され、車体各部に取り付けられました。
▼写真は福島のC58215のもの

037C58製作
▼この表示板はレボリューションファクトリーの「架線注意シール」(4723)を利用しました。
038C58製作
▼テンダー妻面の所定の位置に貼りました。
039C58製作

●ナンバープレート
 ナンバープレートはTOMIXの製品に付属していますが、高山機関区のナンバーではないので、イラストレーターというソフトで作画しました。
040C58製作
▼金色のシールにナンバーを印刷しました。
041C58製作
▼車体全体をタミヤのフラットブラック(LP-3)を塗装後、ナンバープレートを切り取って貼り付けました。
042C58製作

▼製品(SL銀河)と改造した模型(国鉄戦前型)の比較
043C58製作
▲かなり印象が変わりました。 

 次回は戦後型の舟底テンダーの製作に移ります。(続く)


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C58形蒸気機関車の製作2

 高山機関区に配置されていた蒸気機関車を製作しています。

●製品の比較
 C58のNゲージ(1/150)の模型はいくつかのメーカーから発売されています。
▼C58(2010)(KATO)

010C58製作
▲1990年に発売された古い製品で、国鉄時代の戦前形を再現しています。

▼C58 239(2009)(TOMIX)
011C58製作
▲その33年後の2023年12月に発売された製品で、復活蒸機のSL銀河を再現しています。
▼製品の大きさ比較

012C58製作
▲KATOの製品(上)は当時の主流であった約1/140ですが、TOMIXの製品(下)はモーターの小型化でモーターがボイラー内に収まっており、1/150の大きさになっています。

●製作方針
 扇形車庫のジオラマでは、蒸気機関車を並べたいと想定しているため、縮尺を1/150に揃える必要がありました。(既に9600形とD51の模型は完成しています。)
 しかし、KATOのC58では同社のD51より大きいため、どうすべきか悩んでいましたが、TOMIXのC58の発売により、その問題を一つ解決することができました。
 それでも、まだ問題が残されています。TOMIXのC58は東北仕様で再現されており、高山機関区に在籍していたC58とはいくつかの相違があります。TOMIXのC58は将来的に国鉄時代の標準型も発売される可能性がありますが、いつになるのかわからないので、この製品を利用して改造することにしました。

■炭水車(テンダー)の改造
 まずは、テンダーを改造します。
▼こちらが製品で、ライトが点灯します。

013C58製作
▼工作しやすいように車体を注意深く分解しました。
014C58製作
▼まずは妻面(後部)の工作です。妻面に取り付けられているパーツを取り外し、その穴をプラ棒で埋め、標識灯を残して電気コードの配線を削り取りました。
015C58製作
▼0.2ミリの燐青銅線でコの字形の手すりを取り付けました。
016C58製作
 後照灯と標識灯の電気コードを再現しますが、その配置はいろいろあるようです。
▼こちらは215号車の妻面の電気コード

017C58製作
▼電気コードは0.2ミリの真鍮線を利用し、レボリューションファクトリーの「割りピン(0.2mm用)」(4983)で固定しました。
018C58製作
▼こちらは216号車の妻面(写真は白井からの提供)
019C58製作
▼216号車の妻面を再現
020C58製作
▼228号車の妻面
021C58製作
▼228号車の妻面を再現
022C58製作
▼開放テコを再現します。(写真は美濃太田の280号車)
023C58製作
▼KATOの「D51 498開放テコ」(Z02-1541)を利用し、マッハ模型の「割りピン(0.4mm)」で取り付けました。
024C58製作
▼連結器(カプラー)はアーノルドカプラーから製品に含まれているTNカプラーに換えました。
025C58製作
▼各パーツを取り付けてテンダーの妻面の工作が終わりました。
026C58製作

 次回はテンダー改造の続きなります。(続く)

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C58形蒸気機関車の製作1

 高山機関区に配置されていた蒸気機関車を製作しています。

●C58形蒸気機関車とは
 8620形と9600形の後継機として設計された車輌で、国鉄では初めて密閉式の運転室が採用されました。
 1938年(昭和13年)から1947年(昭和22年)までの間に431両が汽車製造と川崎車輌の2社で製造され、「シゴハチ」の愛称で親しまれています。
 なお、この機関車は大きく戦前形と戦後形の2種類に分類されています。
▼京都鉄道博物館の1号機

001C58製作

●高山機関区での配備状況

 高山区の開業当時(1934年)に配備されていた蒸気機関車は客車牽引用の6760形3両と8620形8両、貨物車牽引用の9600形5両でした。
▼京都鉄道博物館の8620形

002C58製作

 輸送量の増加により、1941年(昭和16年)から6760形と8620形に代わり、C58形12両が配備されるようになり、1945年(昭和20年)以降は9両体制で運行されました

●お召し列車
 1947年(昭和22年)、戦災復興視察と石川県国体のお召し列車として高山区のC58368が使用され、同年11月2日には高山本線を走行しました。
 また、1958年(昭和33年)、富山県国体のお召し列車用にC58216が浜松工場で整備されて七尾区に貸し出され、高山本線(富山-岐阜間、下呂一泊)でも走行しました。
ました。
▼1958年10月26日撮影(白井氏提供)

003C58製作

 また、同車は翌年の皇太子ご成婚に伴う伊勢神宮等の参拝用のお召し列車(名古屋-亀山間)として使用されました。
※この2両は現存していませんが、ナンバープレートはJR東海で保存されているようです。


●さよなら運転
 1969年(昭和44年)10月1日、蒸気機関車の引退セレモニーである「さよなら運転」が雨天の中、行われました。
▼高山駅2番ホームを出発するC58389(白井氏提供)

004C58製作
 選ばれた車体はC58389で、高山市立南小学校の児童330人を乗せた客車4両(オハ61、オハフ61など)を牽引し、中山中学校のブラスバンドが演奏する「蛍の光」に送られて午前11時14分発(臨客7872レ)で高山-飛騨古川間を往復運転しました。(高山市民時報の記事参照)
▼さよなら列車に乗車する児童(白井氏提供)

005C58製作
【注】私の母校である南小学校の2022年度の全児童数は326人ですが、私の在校時は1,000人を超えるマンモス校で、乗車した330人は2学年分だったと思われます。

●高山にいた現存車輌
 高山機関区に在籍したことがあるC58は4両が現存しています。
▼C58215(福島県河沼郡会津坂下町)

006C58製作

▲過去記事はこちら

▼C58228(宮城県石巻市)
007C58製作
▲過去記事はこちら

▼C58280(美濃加茂市)
008C58製作
▲過去記事はこちら

▼C58389(浜松市天竜区二俣町)

009C58製作
▲過去記事はこちら

 次回から模型の製作に移ります。(続く)

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転車台の製作(6)

 高山機関区のジオラマを作っています。

■転車台の塗装
●主 桁

 主桁は橋桁と同様な色で塗装されていましたが、高山区の主桁は残されていたカラー写真から明るいグレーで塗装されていたようです。
 そこで、模型ではクレオスの灰色9号(97)を全体に吹き付けました。

057転車台製作
▼主桁の明暗をくっきりさせるために暗部にスミ入れをしました。
058転車台製作
▲また、やぐら上部の受電装置を中心に黒色を吹き付けて、蒸気機関車の煙突から排出される煤煙の煤汚れを再現しました。

●牽引車
 操縦室内に操作員を配置したかったので、KATOの「構内掛1:入換」(24-269)の中からフィギュア一体を利用することにしました。
059転車台製作
▼操縦室に入れましたが、ほとんどわかりません。
060転車台製作
▼牽引車にある四方の窓ガラスは透明プラ板で再現しました。
061転車台製作
●転車台抗(ピット)
 上部はガイアノーツのニュートラルグレーⅡ(072)を、下部はニュートラルグレーⅢ(073)で塗装しました。
 なお、周囲の四角い茶色はレールを固定する枕木を表現しています。

062転車台製作
▼コンクリート特有の汚れを塗装で再現してみました。
063転車台製作
▼ピットには排水口が一箇所設けられており、写真の美濃太田の転車台の排水口を参考にしました。
064転車台製作
▼模型では排水口を黒色で塗り分けました。
065転車台製作
▼ピットに主桁を取り付けて完成です。

066転車台製作

 次回はC58形蒸気機関車の製作です。

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プロフィール

高山のキューロク

Author:高山のキューロク
岐阜県高山市在住で、高山駅の歴史を調べたり、それを鉄道模型で再現することをライフワークにしています。

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