2008年08月

知の物量戦の時代



写真:前橋地区の幹線バス路線前橋駅~高崎駅線

紹介 - 異色対談 小飼弾vs勝間和代「一言啓上」@404 Blog Not Foundより
というわけで、やっとこさ掲載されましたのでお報せします。
異色対談 小飼弾vs勝間和代「一言啓上」|ダイヤモンド・オンライン
勝間和代vs小飼弾 異色対談第5回 「天才デフレ」の時代

勝間和代vs小飼弾 異色対談第5回 「天才デフレ」の時代@ダイヤモンド・オンライン

 有名ブロガーの小飼弾さんが勝間和代さんと面白い対談をやっているみたいです。
 この「天才デフレ」と言う言葉を聴いてふと思い出したのがタイトルにある「知の物量戦」と言う言葉、思い出したと言っても個人的に勝手に作った言葉なのですが、漠然とこんな言葉で形容できる時代になりつつあるのではと感じています。
ガソリン価格高騰から見えるもの~潜在的交通弱者について~
 例えば上のリンクの論文を作った際例えばバスの状況だったらバス協会のHPで詳細な時刻表を調べ、スーパーの営業時間だったらスーパーのHPから簡単に調べられます。しかも内容としても例えばバスで言えば
 前橋駅~渋川駅線
始発6:41、終バス:22:25、昼間本数22本/10:00~16:00発、昼間間隔:10~25分毎、総本数:60本/日
 位のデータは少しの手間をかければどこ(この論文に関しては前橋在住時の作成だが)にいてもあっという間に作れます。 また同じように少し加工すればちょっとした時刻表サイト(と言うより時刻表リンク集だが)や横須賀から前橋の情報発信実験も以外にやってやれないことは無いです。
 かつてであればここまで調べるとしたら現地で直接時刻表を書き写すくらいのことをしなければ不可能で大体「東京のバス並みに頻繁に走るバス路線」と言うくらいの意味合いでプロレベルでも本格的な論文でもない限り認識され議論されていたと思います。そしてこの程度の少ない情報でも有効な分析のできる手法が高度な分析手法としてもてはやされ、また利用が少なければ「地方は車社会だから本数が多くても利用されない」と言った結論に陥っていたと思います。しかしこれくらい情報があると見えるものもあります。例えば始発と終バスを見れば「ちょっと早出や残業をすればバスが走らないので通勤客は利用しないだろうな」とか本数に関しても「最大25分も開くなら歩く人も当然出てくるだろうな」とかこう言った生活感から出る見方はどうしても詳細な情報を前提としないと出てこないと思われます。
 逆に言えばジャンルによる濃淡はあるものの正確で決め細やかな情報が集まりやすくなった分かつての高度な分析手法が段々無効化されそれに依存していた人たちにとっては苦しくなってきたともいえます。
 その光景はかつての太平洋戦争で高度で精密な武器を持った日本軍が物量とロジスティックで大きく勝る米軍に結局大敗を帰した光景に似ているなとふと感じます。
 またこの論文を作った際にたまたま2chのバス板から来た人が感想を書いててその伝でバス板を見に行ったのですがある意味でこの物量戦の局地を見ているような気がしました。
 良く良識ある知的な人たちが2chを批判しているのですが良く考えたらこの物量戦に勝ち目の無い状況を把握しているからではないかなとふと感じます。


イベント情報@8/28~

カーフリーデーで活躍するベロタクシー

写真:昨年のカーフリーデーでは大活躍でした@横浜日本大通

8月30日(土)
横浜カーフリーデー2008&モビリティウィーク交流サロン「横浜カーフリーデーとつなげよう」
場所:かながわ労働プラザ(JR石川町駅 徒歩3分)
時間:14:00~20:00
内容
「シティネットの活動から交通テーマの取組み」ベルナディア イラワティ チャンドラデウィさん/シティネット事業部長
「使いやすい電車、バスとは?」本間秀明さん/神奈川交運労協
「脱クルマ社会」杉田 正明さん/クルマ社会を問い直す会 代表
「人が安心して移動する権利・交通権について」上岡直見さん/環境自治体会議
「地産地消、フードマイレージ」新田啓子さん/かながわのあすを築く生活運動協議会
コメント:今年も行われるカーフリーデーのプレイベント多士済々の演者の公園も注目です。
参考
イベント見聞録~横浜カーフリーデー2007~
イベント見聞録:8月25日横浜カーフリーデープレイベント

8月31日(日)
0468スタイル・お笑いライブ 4周年記念スペシャル
場所:横須賀市立青少年会館ホール(京浜急行「横須賀中央駅」下車5分)
時間:開場16:30開演17:00
チケット:1000円(高校生以下無料)
出演:チキンジョージ/人間チョップ/梶田ガクシ/ボーノ/二輪明宏/ミスマッチグルメ/MEGWIN 
コメント:横須賀で地道にお笑いを極める集団の4周年ライブ、第2の上地裕輔は現れるか






女性の非婚化は何を物語るか



写真:惨劇の現場となった渋谷駅前

[殺人未遂]東京・渋谷で女性2人刺される 79歳女逮捕@毎日新聞8/23

 渋谷でまた痛ましい事件が起きました。セイフティネットから零れ落ちた人による「監獄による生活保障」の為の犯罪と言うのは悲しい事ながら良く聞くのですが、食い逃げ等の軽犯罪が多く通り魔と言うのは聞かない話です。
 またホームレスやこう言った貧困の話と言うのは主に男性と言うイメージがありますがもしかしてこのイメージと言うのは大いなる勘違いになりつつあるのかもしれません

 さて先日は非婚化に関して男性の変化と言う視点で少し書いて見ましたがその女性版ではないですが少し書きたいと思います。

 さてネットでは相変わらずこんなニュースが溢れています。
「年収260万円」と言ったら彼女の両親に馬鹿にされた男性…ネットで話題に @痛いニュース
「年収260万円」の男性 結婚無理なのか、がネットで話題@J-CAST NEWS

 良く結婚の条件として男性は経済力、女性は家事能力について語られます。逆に言えば結婚できないとなると男性は家事、女性は経済力を自分の努力で補完する必要が出てくるわけです。さて男性の家事については前回書いた通りなので今度は女性の経済力について書きましょう。
 さてまずはデータを見ていきましょう。今回もお馴染みの民間給与の実態調査を基に考えていきます。もしより使いやすいデータがあればご指摘願います。
     年収
20代前半 231万円
20代後半 294万円 
30代前半 299万円
30代後半 294万円
40代前半 280万円
40代後半 278万円
50代前半 266万円
50代後半 264万円

 さて勤労女性の年収推移のデータを見るとピークは30代前半の299万円で以降低下傾向になっています。男性のピークが50代前半ですから30代後半以降の女性は結婚をして仕事をセーブしても男性の収入増加でそれを補っていられると考えられます。
 一方非婚化が進んだここ最近の女性の収入動向はどうでしょうか?
年収 2002 シェア 2006 シェア 成長率(単位:千人)
~300万円  10592 63.8% 11490 66.1% 8.5%
300~1000万円 5890 35.5% 5738 33.0% -2.6%
1000万円以上 128 0.8% 164 0.9% 28.1%
合計 16610 100.0% 17393 100.0% 4.7%
 全体では就労者が増加し、特に年収1000万円以上の層が3割増と激増し確かにこの2点を見れば女性は社会進出した、強くなったと言えそうです。しかし年収1000万円以上の層は全体から見れば僅か1%弱しかなく、中間層といえる年収300万円~1000万円の層は2.6%減少、年収300万円未満の層は8.5%増加となっていて年収300万円未満の層が全体の2/3を占める事態となっています。
 このデータそのものが結婚・出産等で職場をいったん退職し、パート等で復帰した女性の収入を含んだものなので独身女性だけならもう少し状況は良いと言えそうですが注目したいのはやはり年収300万円以上の層が減少し300万円未満の層が激増していることです。言うなれば新規参入した若い独身女性の年収は減少し多くの女性が年収300万円未満と言う状況にあり、所謂自立とは縁遠い状況にある独身女性が増えていることです。

独女も独男も「いつかできるだろう」では、一生結婚なんて無理!?【独女通信】
ではなぜ今、「婚活」が、必要なのだろうか? 山田氏は、「社会的経済的状況が変化しているにも関わらず、女性は男性に経済的に依存したいと考え、男性は「家のことは妻に任せた」的な考えが抜けず、前世代の負の遺産を引き継いでいる。さらに両親世代がそうだったから、「自動的に結婚できるはず」と、今だに考えている節がある。しかし今や、経済格差が結婚格差を生み、一部の男性のところに女性が集中する社会になっているからだ」と、その理由を著書内で語っている。
もう1人の著者である白河桃子さんも、こう語る。
「『結婚や子育てはいつでもできるわ~』とタカをくくっている独女や独男はとても多いのですが、それはもはや、いつでも誰でもできるものではないんです。「社内恋愛」や「お見合い」、「おせっかいおばさん」など日本人を結婚させてきたシステムが崩れ、自由恋愛市場に放り出されてしまったことで、かえって恋愛しづらくなってしまった。「自然な出会いからの結婚」「いつか結婚できるだろう」は、もはや幻想でしかないし、それができるのは運のいい少数派だけ。だから独男と独女には、“結婚できない危機感”を持ってもらいたかったんです」(白河さん)


 しかしこの非婚化を語る論者には恐ろしくこの「女性の年収低下」と言う問題に無頓着です。年収300万円未満と言うと車所有が必須の地方では収入の実質半分が車の保有費で消えてしまい実家暮らしでも家に生活費を入れられない、即ち誰かに経済的に依存しないとやっていけない水準にあると言えます。都市部でも家賃を考えると上京は一緒でしょう。男性の家事能力に関しては前回書いた様に結果的には状況は大きく改善されこの流れは止まらないだろうと思われますが、一方女性の経済力は悪化していて状況は年々悪化する一方と思われます。
 しかしながら非婚化と言う現状は結婚と言う形でのフォローが期待できなくなっていることを示しています

ワーキング・プアから抜け出せないシングル・マザーたち@女子リベ  安原宏美--編集者のブログより
 「日本のシングルマザーの特徴は、きわめて高い就労率にあります。これは他の国では例を見ません。イギリスのマジェラー・キルキーの分類によれば日本は育児に専従するのではなく、就労しているにもかかわらず低賃金のために貧困リスクをかかえている国々のグループに分類されています。しかもアメリカ、ドイツなど、このグループの平均就労率は60%程度であるにも関わらず、日本は実に87%と突出した数字になっています」
 右記分類の理由は、母子世帯の平均年収が、212万円(03年11月現在)という事実で、一目瞭然だろう。
 これは公的扶助である児童扶養手当や、養育費を加えた額で就労収入となるとわずか162万円にすぎない。この年収も98年と比べて17万円減少しているが、これは非正規雇用の拡大がシングルマザーを直撃したからだ。現にこの5年で「常用雇用者」の比率は50.7%から39.2%減少、逆に不安定な就労である「臨時・パート」が38.3%から49%に増加している。ちなみに02年度の一般世帯の平均年収は589万円だから、その半分にも及ばない低収入労働と子育てのはざまで喘いでいるのがシングルマザーの現状なのだ。02年11月、国は児童福祉手当の減額措置を決定、いまや母子家庭への所得保障という最後の砦も取り払おうとしている


 そしてこの無頓着な視点は貧困に陥る女性たちにとってマイナスにはなってもプラスにはならないと思います。上の引用は独身ではないですが貧困の逆風をもろに受けているシングルマザーの現状に関するものです。平均年収212万円で子供まで育てると言うのは相当厳しいですがそんな彼女らにすら財政再建の波でセイフティネットによるフォローはより細まっていってます
 となればシングルマザーより確実に恵まれている独身女性たちの貧困問題に行政が手を差し伸べてくれる可能性は殆どないと考えたらよいでしょう。

大田駅南口の光景

写真:群馬県太田市の太田駅前の光景、人通りは少なく風俗店の看板だけが目立つ

昔なつかし「演歌のデュエット」。@Espresso Diary@信州松本より
松本の駅前では、キャバクラやスナックに対して看板を12時で消すよう、警察の指導が厳しくなっているそうです。風営法を厳格に適用するという話でしょうが、私は地方の歓楽街が海外に流失するのではないか?と考えています。その予兆は、すでに幾つかあり、昨日流れた日経のニュースも、そのひとつ。
日本路線開設を表明しているマレーシアの格安航空会社、エア・アジアX(クアラルンプール)のアズラン・オスマンラニ最高経営責任者(CEO)は19日、日本経済新聞記者と会い、「片道約1万円からの運賃設定にする」との考えを示した。2010年3月開港予定の茨城空港(小美玉市)や福岡空港、新千歳空港などを候補に、5年以内で2―3路線を就航させる意向も示した。
往復2万円で東南アジアに行くことができるなら、3連休に海を渡る人は増えると思います。海の向こうで風営法は通じませんが、日本語の通じる場所は増えている。いまは東京や横浜でキャバクラを展開する会社が、中国の大連あたりに進出している時代です。


星国話いちおうの完結@日の出工房より
 前置きが長くなってしまいましたが、地方在住者のボクらが高い金払ってでも渡星する理由は上記のような地方の現状からです。月に4回、一晩あたり1万円ほどの飲み代で地元の酒場をふらつくのなら、月に1回松本で4万円使った方が満足度は高い。経済学で言うところの「効用の最大化」をはかっているわけです。この思考の延長線上にあるのがボクらにとってのシンガポールなのです。例えば今回のボクらの旅行、彼の地でなら帰国前日の晩はこんな過ごし方ができます。

 またあまり綺麗な話ではないですが、女性のセイフティネットと言うことで浮かんでくるのは所謂夜の商売、これも様々な規制で前途が危うくなりまた諸外国との競争も激しくなってくるのではと見られています。写真は群馬県細大の歓楽街である太田市の南一番街の裏通りの光景、昼間の写真ですが夜にしても規制が厳しくなって全盛期からは程遠い状況になっています。そしてこれは何も地方だけでなく横浜の黄金町等大都市圏の歓楽街でも見られる減少で状況は最後のセイフティネットとしての夜の街すらその機能を低下させています。

 まとめると多くの独身女性たちにとって基本的な労働による収入は減少し、それを補うセイフティネットにしても親世代は引退して年金生活に入り、男性は非婚化、行政は財政事情で期待できず、夜の街も衰退して年々その厳しさを増して言っているように感じます。
 非婚化と言うとこれまでは少子化と共に語られる存在でしたが今後は女性の貧困問題として語られるかもしれません。
 そして求められていくのはこれまで女性を経済的に支えていた各種の存在がなくなっていくことでの真の自立ではないかと思います。果たしてこの問題がどのような展開を見せるのか注目する必要があるように思います。


WANTではあってもNEEDではなくなったもの

【眼光紙背】収入が少ないから結婚できないという説は本当か?
年収400万円の結婚生活は悲惨か!?【独女通信】
結婚したいけどできない男性が増えた原因は?@Livedoor世論調査より
生涯未婚のままで過ごす人の割合(生涯未婚率)が毎年上昇、現在では15%を超えるまでになっています。
また、30~34歳男性の未婚率も50%に接近しており、少子化の原因としても晩婚化が深刻な問題になっていますが、背景には、意識の変化から「あえて結婚しないという男性がいる一方で、結婚したくてもできないという男性の増加もあるようです。
一般的には男性が結婚できない大きな理由として「経済力」があげられ、非正規雇用や収入の少ない男性が増えていること、女性の社会進出が進み、高い経済力を持つ女性が増えていることが未婚率を上昇させているという分析もあります。一方で、自分の世界や理想にこだわり、女性に過剰な期待を抱いている男性が増えているのではないか、という男性側の意識の問題を指摘する意見もあります。


 さて何故か本日Livedoorで結婚を扱うネタが多かったので便乗してみます。しかし何となく感じるのは「女性は社会進出し強く変化したのに男性は非正規雇用が弱くなってかつ昔のようなサービス満点の結婚を求めている」みたいな論調が相変わらず幅を利かせているなと言うこと。
 確かに自分自身低所得のサラリーマンでかつ結婚はおろか彼女もいないのでその当事者としてある一面では間違ってはいないと思いつつ微妙な違和感を感じています。
 確かに「結婚したいですか?」と言うアンケートをした際に今も昔も「したい」と答える独身男性が大半だと思いまし私自身もそう答えるでしょう。ただ一方でこの「したい」と言うことの中身は相当変わっているのではないかと思います。言うなればタイトルにあるように昔の「したい」はNEEDよりのものだったのが今はWANTよりになっていると言ったところでしょうか?



写真:一人暮らしの際にはお世話になりました@郊外の深夜営業スーパー

 個人的にそんな風に感じたのは実は群馬で一人暮らしをしていたのがきっかけでした。
 お金が無くかつ職住接近だったのが理由ですが基本的に自炊で毎日御飯を炊いて(麺類の日も多かったが)お味噌汁作って、適当におかず(何故か写真のスーパーでラム肉が売っていたので良く食べていました)を準備してと言うのは基本的に不便無くやっていました。
 特に料理好きと言うわけでも実家で料理をするわけでもなかったのですが何故出来たかを考えると
・深夜営業(24時間なんてところもあった)のスーパーが多く、多少残業しても買い物に不便は無かった(とは言え買い物は定時で上がれる金曜あるいは土・日にまとめてと言うことが多かったが)
・お惣菜や冷凍・チルド・レトルト・カット済み生鮮品等半分完成していてかつそこそこ食べられる食品が充実していた
・電子レンジで御飯を炊いていたので20分くらいで御飯・味噌汁・おかずの全工程を並行処理で上手くまわせた
・何より食欲旺盛な方なので作るのを苦にしなかった
 と言った感じで、ハイクオリティを求めなければ実に簡単に作れたわけです。荒いものに関しては水を張った桶につけておいて盛り付け前に洗うと言う形をとっていたのでこれもそれほど苦になりませんでしたし、洗濯に関しても週末にまとめて洗濯機にかけて風呂場乾燥機(がある部屋だった)で乾燥させていたのでこれもそれほど時間も手間も掛かっていません。よくよく考えれば1日にかける家事の時間は実質3~40分だったと思います。要は多くを求めなければ家事は何とかなるのです。バブル崩壊前後で多くの大手企業の社員寮が廃止になりまかないつき下宿も殆ど見かけなくなりましたが多くの独身男性が単身生活し要ることを考えると多くの男性がこう言ったことを感じているのではないでしょうか?
 そう考えると、今でも独身男性がかつての専業主婦のような家事のクオリティを女性たちに求める気持ちと言うのが見えてくるのではないでしょうか?要は「最低限のことは一人で出来るからそれ相応のクオリティが得られないと結婚する意味が無い」と言った感じでしょうか?
 かつてを考えるとそうではなかったと思います。ちょっと残業すればスーパーは閉まり、便利なお惣菜等の半完成の食料品はせいぜい缶詰か冷凍、電子レンジのような便利な調理機材も無いとなればまかないでもあれば別ですが「家に帰って御飯と味噌汁とおかずのあるちゃんとした食事を取るには結婚するしかない」となったと思います。
 言うなれば独身男性にとって結婚はNEEDからWANTな存在に代わったのではないでしょうか?言い換えれば「結婚したいけど出来ないならできないなりに何とかなる」。だから無理してまで結婚しようとは思わなくなったのだと思います。
 確かにアンケートで答える内容は変わってないかもしれませんが男女雇用機会均等法などで女性の社会進出が言われるようになって20年以上たつのですが、それくらいの期間があれば代わるのは何も女性だけではなく社会インフラも相当変わる筈です。
 そこを無視して「男性は情けなくなった」と言っても無駄に感じるのは私だけでしょうか?

追記
さすが2ch面白すぎる
男は結婚するべきではないスレのまとめwiki
 ばらけている感はありますが、これだけ真面目にやっている研究者って日本にいるのだろうかと言う疑問は他の分野も含めて思う。




銚子電鉄黒字化おめでとう



写真:ある意味で銚子電鉄の今を切り開く原動力となったつり広告by2ch

「ぬれ煎餅」銚子鉄道2年連続黒字 「観光鉄道」へ転換図る@J-CAST NEWS8/18より
資金難から経営危機を迎えている銚子電鉄(千葉県銚子市)だが、ウェブサイト上で「ぬれ煎餅」の購入を呼びかけたところ注文が殺到し、あっという間に全国的に知られることになった。乗客も増え、会社全体としても、2年連続での黒字を記録した。~中略~
それでも、踏み切りや枕木などの設備に不備があり、関東運輸局から事業改善命令を受けたことから、07年1月には支援団体「銚子電鉄サポーターズ」が発足。募金活動などをとおして支援を続け、07年4月には枕木交換費用として970万円を、08年5月には踏切看板設置費用として640万円を贈った。
この成果は着実にあがっている様子で、08年7月に同社が発表した07年度の決算によると、利用者は前年度を16%以上も上回る82万9793人。鉄道部門は1470万円の赤字だが、06年度の5965万円に比べると4分の1にまで減少している。一方、毎年のように黒字を続けている「ぬれ煎餅」を中心とする副業に目を転じると、07年度の損益は前年度比24%増の1億1553万円。会社全体としても、前年度比194%増の9812万円の利益が上がっており、2連連続の黒字を記録している。


 当ブログでも何度も取り上げた銚子電鉄ですがとうとう黒字決算と言う到達点に達しました。濡れ煎餅騒動以降でみても鹿島鉄道を始め廃線となる路線が相次いだだけにこの健闘は正直な所嬉しいところです。更に書くともともと前社長の着服騒動で黒字はおろか決算書もまともに作れない状況だっただけによくぞここまで漕ぎ着けたボランティアを含む関係者には正直に敬意を表したいところです。

 濡れ煎餅騒動が2006年11月に始まったのでもうあれこれ2年近くになりますが未だ積極的な活動が行われているのも注目したいところです。

銚子電鉄の濡れせんべい

写真:すべてのきっかけ、濡れ煎餅
銚子映画製作委員会
銚子市が舞台の地域発信型映画製作が決まる。あの銚子電鉄の実話が映画に。銚子映画製作委員会。@コンテンツツーリズムの研究

 「ぬれ煎餅買ってください!」あの、銚子電鉄の実話をもとにした心温まる物語映画化決定!
 との事です。2009年公開予定との事で乞うご期待と言った感じでしょうか?確かに人口十万人弱の銚子市があれだけ注目され、また2年近くたった今でも注目されたり動きがあったりすると言うのは中々他では見られなかったことだけに見てみたいです。

銚子電鉄1002型

写真:銚子電鉄1002型電車

[銚子電鉄]7月13日の銚子電鉄の様子@赤い情熱と安らぎの緑~satorudの何でもブログ
 また個人的にはある意味で一番注目しているお掃除ボランティアは今も続行中みたいです。銚子に言った際地味ながらもっとも印象に残った部分なのでやはり存続していると聞くと素直に脱帽です。

[銚子電鉄]車内結婚式開催(車両に関するお話)@赤い情熱と安らぎの緑~satorudの何でもブログ
銚子電鉄車内結婚式~5/25@銚子電鉄の風景~あの物語の舞台へ
列車内人前結婚式 @向後功作の銚子散歩
シャワ-シャワ-シャワ-@星野佳世の all my loving☆

 またそんな注目していたボランティアですが、長くやっているからかカップルが誕生し、みなに祝福されながらトレインウェディングと言うすばらしい結婚式を挙げたそうです。末永くお幸せにとおいのりすると共に本当にすばらしい活動をしてきたんだなと外から見て尊敬だか羨ましいんだかの感想を思わず持ってしまいます。

JR特急しおさい号

写真:銚子電鉄活性化の影のキー、JR特急しおさい号

 また少し前ですが千葉県のHPにて千葉県の鉄道利用者数の最新データ(2006年度まで)が公表されました。銚子電鉄に絡む部分を上げると
     1日の乗車人員 対前年増減率
銚子電鉄 1876人     5.2%増加
うち定期外1270人     14.4%増加
うち定期 606人     10.0%減少
JR銚子駅 3605人     2.4%減少
うち定期外1312人     1.7%減少
うち定期 2293人     2.8%減少
総武本線         0.4%減少
 銚子電鉄は濡れ煎餅の効果で観光客等切符を買うお客さんは激増しているものの、お得意様の地元の定期券利用者が減っているみたいです。確かに銚子電鉄は日中観光に使うには1時間に2~3本は本数があり比較的利用しやすいですし、始発電車は5時代と充実しているのですが終電が21時台と例えば会社帰りに銚子のおいしい魚介類に舌鼓を打って飲み会としゃれ込もうとするととたんに電車で帰れなくなるのは非常に残念なところで、サラリーマン等の勤め人には少し利用しづらい面があります。
 ガソリン代も相当高騰している今は通勤客をつかむチャンスなので是非とも頑張っていただきたいと感じます。

 またより頑張って欲しいのはやはりJR総武線、銚子電鉄が銚子の観光客を増やしているのにそれを全く生かせずにいるのは非常に残念ですし、千葉県の鉄道利用者数動向を見るとJRの改善が進まない為高速バス全盛となり、銚子だけでなくいすみ鉄道、小湊鉄道といったローカル鉄道の苦戦を招いていると言う側面があります。千葉のJRの使いづらさは相当昔から言われているだけに、銚子電鉄等ローカル私鉄の頑張りやガソリン価格高騰による車への逆風を生かすべく県とも力を合わせて頑張ってほしいと思います。


新幹線2題



写真:九州新幹線800系「つばめ」号

 さて新幹線がらみで色々ニュースが入ってきたので少し取り上げてみましょう。
ひかりレールスター廃止へ 九州新幹線全線開業に合わせ@MSN産経8/14
 まずは山陽~九州新幹線がらみの話から九州新幹線博多開業に合わせて山陽新幹線の人気列車ひかりレールスターが廃止されるそうです。ひかりレールスターと言うと700系のぞみがデビューした直後にその車両を用いて運転した新大阪~博多間の速達型のひかり号で古くは0系を利用したウェストひかりや2階建て車両4両を連結し食堂車も営業、最高速度230km/h運転を始めて行ったグランドひかりなどのJR西日本の山陽新幹線のみ(グランドひかりは東京直通)で運転する速達ひかり号の集大成として車内放送を殆ど行わないサイレンスカー、大型テーブルとPC用コンセントを備えたオフィスシ-ト、またコンパートメント車両等が原則指定席のみで利用できる大盤振る舞い列車だったのですが、300km/h運転かつカーブ通過速度を向上させたN700系のデビューでスピード面で陳腐した事、また九州新幹線直通が新大阪発着の為、JR九州共々N700系ベースの新車を導入して対応するとの事です。



写真:九州新幹線800系内装

 個人的には後継となる新車はJR1デザインとサービスに凝るJR九州との共同制作だけにどれだけすばらしいものになるかが楽しみです。レールスターの様々なコンセプトを引き継ぎつつどれだけすばらしい車両を生み出せるのか注目したいところです。
 また後継車両はN700系ベースと言うことでスピード面でも期待できます。
 現在のN700系のぞみの新大阪~博多間は2時間23分、それに博多~鹿児島中央間は300km弱で新神戸~広島間とほぼ同距離ですから、その所要時間(69分)を加えると3時間32分と新幹線と飛行機が互角に戦える所要時間となります。
 また燃料費高騰によるリストラで航空便の神戸~鹿児島線が減便になる等の追い風も吹いているのですばらしいデザイン、サービス、スピードで鹿児島方面へのアクセス向上を期待したいところです。

新横浜駅に入線する新幹線700系

写真:東海道新幹線を走る700系のぞみ号

[JR東海]日本車輌製造にTOB 一貫体制築く@毎日新聞8/15

 続いてはもっとビッグなニュース、JR東海が自社の新幹線車両や今後開業が予定されているリニア用車両の製造も行っている鉄道車両製造会社、日本車両製造を262億円をかけてTOBし買収するそうです。現在の日本の主要鉄道車両製造会社会社は以下のようになっているのですが
近畿車輛
・近鉄系、関西の鉄道会社に強い、また海外向けの受注も少なくない
東急車輛製造
・東急系、関東私鉄及びJR東日本に強い
川崎重工業車両カンパニー
・メーカー系、NY市等海外向け車両を積極的に受注している
日立製作所
・メーカー系、イギリス・アフリカ等海外からの受注実績も多い
新潟トランシス
・メーカー系、国内のディーゼル車市場の大半のシェアを誇る
日本車両製造

 その中で川重や日立のような知名度が無く、近畿や東急のような後ろ盾も無く、トランシスのようなニッチ市場も持たない日本車両はガソリン高で好景気に沸く鉄道車両業界の中で苦戦を強いられ昨年度の決算も赤字と言う状況でした。

JR東海の通勤用車両313系&キハ75系

写真:JR東海を代表する通勤車両313系&キハ75系

 その中でリニアやN700系等の最先端技術の集積とも言える車両から写真にある313系等通勤電車までありとあらゆる車両の生産を発注し日本車両最大のお得意様であるJR東海にとっては最先端プロジェクトにも参加するパートナーが外資に買収されるリスクを避ける為と言うのがまず出てきます。
 
激安「新幹線」乗って天津へ! 反町ジャパンの観戦旅行=「北京五輪」脱力ルポ(15)@LivedoorPJより
 帰りはいよいよ中国版新幹線の旅です。とはいっても、たった40分程度の乗車時間ですが。運賃は120キロで46元、日本円でなんと736円です。往路のような立ち席ではありません。ちゃんとした普通の指定席です。1000円以下で新幹線に乗れるのは驚きでした。けれども、日本の新幹線のイメージがだいぶ違いました。屋根のない雨ざらしのプラットホームに新幹線が入線してきた時には、「高級感が無いなー」と思いました。
 中国ではこの新幹線のことを「CRH」と呼んでいます。この車両は日本の川崎重工業から購入したもので「和諧号」と呼ばれています。形は東北新幹線などで使われているE2型の兄弟車です。日本ですべて製造した車両や中国で日本製部品を組み立てた車両、そして中国国内のノックダウン製造車両があるようです。この車両の購入条件として、中国側は完全な技術供与を求めました。そのためか、中国政府は新幹線を「中国の技術」で作っていると中国人民に喧伝(けんでん)しているそうです


 また北京オリンピックで注目された新幹線に代表される海外向け市場への対応と言うのも忘れてはなりません。実際に電車を動かすノウハウのある鉄道会社や海外で有名ブランドとなっている大手メーカーの後ろ盾の無い日本車両にとってJR東海と言う新幹線から通勤電車まで一揆痛感で運営する鉄道会社の後ろ盾を得ることは原油高によって今後成長が期待できる海外市場への展開に大きくプラスになるでしょう。これは今後リニアを作っていくにあたって資金調達のため収益増加を求めるJR当会にとってもシナジーが期待できる分野でもあります。

 そう言った意味でJR東海とタッグを組んだ日本車両がどこまで仕掛けていくのか、またJR東海がこれまで培ってきたノウハウをいかに海外でのビジネスに結び付けていくのか、典型的な国内向け産業と言われてきた鉄道産業の新たな展開に期待したいところです。


シリーズ夏休みの課題図書その2~ターニングポイントとしての2005年~

 さてさて1回で終わるかと思われたシリーズの第2回、今回はターニングポイントとしての2005年をテーマにお送りいたします。
 最近ふと思うのは2005年と言うのは相当大きなターニングポイントだったのではないかと言うこと、
 例えば当ブログでよく取り上げるガソリン価格の問題が顕在化し始めるのは2006年ですし、また日本でもっとも大きな問題の一つである少子化問題に関しても2006年、2007年と出生率が回復傾向にあります。また萩国際大学の経営破綻があり、またLivedoorによるフジテレビの買収騒動があったのもこの年です。そう言った意味で様々な事がこのターニングポイント振りを示しています。と言うことでこのとしに起こったことなどをテーマに色々読み解いてみましょう。



 一冊目に取り上げるのは香山リカの「テレビの罠」、テーマはこの都市最大のトピックとも言える衆議院選挙の自民党圧勝と言うトピックです。そしてこの本は「精神科医と言う立場から日本社会の批判的検討を試みてきた著者が、”勝ち組・負け組”、”視聴率政治”、”市場原理主義”、”ポピュリズム”等、コイズミ減少の背後にある「空気」を読み解く」とあるようにネガティブに書いたのがこの著作です。
 章立てとしては
第1章 「軸」は混乱した
第2章 考えられない出来事の数々
第3章 視聴率・テレビ・政治
第4章 ”翼賛”化する日本
第5章 三島由紀夫の予言
第6章 新しい「大衆社会」の出現
第7章 ポストモダン社会の悪夢
 となっています。この本のに流れる空気としては
リベラル派の嘆き
~前略~
また浅田彰氏は、長年田中氏(注:前長野県知事田中康夫氏)と続けている雑誌の対談で、以下のように状況を”看破”したとの事だ。~中略~
「「負け組」の弱者たちは、「勝ち組」に抵抗するどころか、小泉に与する事で自分も「勝ち組」に乗ったかのような錯覚を覚えている。結局は自分の首を絞めることにしかならないのに」、「真の「強者」に抵抗するんじゃなくて自分たちよりちょっと上の連中に嫉妬して引き下ろそうとする」。「高級官僚や六本木ヒルズ族を妬む以上に、雇用の安定した郵便局員なんかを妬んで、小泉の郵政民営化を支持した」

P038~039
狙われた「B層」
実際にそうかどうかは別として「高IQ」に分類されている「テレビ関係者」や評論家でもある「大学教授」は、始めから「対象外」だったのだ。もっと言えば、小泉政権はテレビを利用しながら、テレビ関係者やスタジオの識者たちの頭の上を素通りして、その向こうにいる「B層」にのみ、話しかけていたと言うわけだ。

 と言った感じできついまとめ方をしてしまえば「小泉はTVをぼ~っとみている知的程度の低い「B層」むけにアピールをし、それを無批判で受け入れた「B層」のせいで日本はえらいことになってしまった」と言った感じでしょうか?
 個人的にこの本を読んで感じたのは問題は「B層」の人たちにあるのではなくて「高IQ」に分類されている「テレビ関係者」や評論家でもある「大学教授」にあるのではないかと思います。私自身この選挙で小泉氏を支持したかは別(地元だとどうせ小泉氏は当選すると言う前提で投票せざるを得ない)にして、小泉氏が若者を中心に大きな支持を得た背景は結局「国の財政事情を考えるとどの道いつかは負担増にならざるを得ない、だからどれだけ負担が増え福祉が減退するのか早い時期にはっきりさせて欲しい」と言う気持ちが大きかったのではないかと考えています。だからこそ相当批判されながら反対をする人を切り筋が通らないと言われながらも勝負に出れた小泉氏が政策以上に実行力を買われて勝利したのだと感じます。最近も知り合いと話している際に「小泉氏が勝利してやっと状況がはっきりして負担は増えるかもしれないけどとにかく先が読めるようになったのに・・・」と愚痴られたのが印象に残っています。
 この本では小泉氏をヒトラーやファシストに定義している言説が多く紹介されるのですが実際にナチズムに絡む本を読むとむしろ国家がすべて抱え込むファシズムとは逆方向(誰一人「小さな政府」を目指すファシズムと言う矛盾に言及していないと言うのは逆の意味で怖いし、むしろ政策的には小泉に反論する勢力は結果的にナチスの政策をそのまま出している)にあるわけでそんな基本的なことにすら気づかない状況は知的階層の劣化ではないかと感じるのです。
 しかしながらこう言った言葉はTVに出る大学教授のような人たちからは全く出てきません。相変わらず「負担が増えた・・・」と言った批判しか出てこない状況は正直な所こう言った人たちが劣化したように思えます。更に性質の悪いのはそれを受け入れない若い世代をこう言った層が排除するように見受けられるところです。ロストジェネレーションと言う言葉が現れたのが翌年だったと言うのも何か関連しているのでしょう。
 そう言った意味で知的階層の劣化を見るのにもっとも最適な一冊です。



 続いては少子化絡みの問題と言うことでこれもメジャーどころですが取り上げてみましょう。章立ては以下のような感じです。
東京で起こることは全国で起こる
「純愛」の消滅
生存・依存・保存
母と娘の間
勝ち組の主婦たち
「VERY」な生き方
「VERY」から「STORY」へ
新しい働き方
秋保仁美さんの謎
だめんず・うぉ~か~
腰掛総合職
娘の結婚は父親と国で決まる
恋愛とフェティッシュ
「うっかり・しっかり・ちゃっかり」の法則
拝啓、西村知美様
夢追う男

 みもふたも無い描写で話題になった結婚本です。例えば
結婚相手に求める条件は「自分がOLだったときに年収300万円貰っていたので、自分より年収が上で、しかも私が家庭に入って失うことになった300万円を上乗せした収入つまり年収700万から800万円の人」
P35
結婚が保証してくれる3大特典-保証された年収・達成義務からの解放・豊富な余暇時間-は決して手放さず、その上に立って、社会から認められ、仲間に羨ましがられる仕事につきたい。
P51
「私が結婚相手に望む経済力はそんなに大きなものではありません。~中略~そしてこども2人を私立大学に生かせてやれるくらいの給料を求めます(だって私もそうしてもらったので当然だと思います)。月に一回は外食し(もちろん回るおすし屋さんではなくお洒落なイタリアンとかです。)、年に一回は海外旅行に行く。そう言う程度の経済力です。」
P181
 そんな身も蓋も無い女性たちの欲求にあまりにも鈍感だから非婚化=少子化は解消しないのだというのがある意味での主張だったわけです。
 そしてもう1つ特徴的な記述として例えばこんな記述があります。
現在世界で合計特殊出生率の低い国を順に挙げていくと、イタリア(1.15)、ドイツ(1.24)、そして日本(1.32)となる。これは、どこかで聞いた組み合わせではないか。そう、第2次世界大戦の枢軸国3国である。~中略~少子化は、政治における何らかの問題の予期せぬ結果だと考えるのが妥当である。日・独・伊は戦前から女性に母性と主婦性を強要する国でもあった。その国で女たちは結婚することと母になることに静かに反乱を始めているのだ。
 特徴は2つ1つはフェミニズム(では無いと否定は多い著作なのだが)の特徴か、国家・政治への依存、もう1つはソースのいい加減な引用です。
 前者は上の「テレビの罠」にも共通していますが、財政の赤字や高齢者の増加による福祉の負担増を考えると過剰な依存は難しいと言う前提条件を無視しているのは致命的でしょうし、後者に関しては前に書いたのでそれを引用しますと
取り敢えず掘り下げてみようより
 続いて世界の動向をみますと
1位香港   0.79
2位マカオ  0.81
3位ウクライナ1.06
4位ロシア  1.16
5位スペイン 1.17
 大まかに言うと香港等のアジア経済発展地域、ロシアを中心とする旧共産圏、スペインを中心とする南欧地域が世界3大少子化先進地域と言えそうです。

 実際取り上げられていた日・独・伊はトップ3どころか最高位のイタリアが12位と言った感じです。これも致命的な話で多分こう言った知的階層が「便所の落書き」と言う2ch等のネット掲示板では通用しないレベルの論と言えます。
 そして今少なくとも少子化のボトムを過ぎて思うのは女性たちの欲求を無視しても少子化が解消の方向に向かっている事を考えると結局別の問題が重要だったのではないかと思います。

独身王子に思うより
 さて続いてどうせなので独身女性についても少し考えて見ましょう。同様に試算すると上のようになります。寿命は80歳と仮定しているのですがその分生活資金が伸び、さすがに15年だと中古でなく新築のマンションとなるので独身男性の3.5倍もの負担となります。これだときちんと退職金の出る正社員なら何とかなりますが非正規雇用だと貯金額が年間140万円、必要年収だと560万円、これは民間給与の実態調査の年収500万円以上の人は10%程度なので相当厳しい数字になります。
 収入の少ない男性は結婚と言う選択肢を捨てることで生き抜いていく資金を確保できますが、収入の少ない女性にとっては独身と言う選択肢は老後の資金繰りを破綻させかねない状況にあると言えます。

 また基礎データの読み込みの甘さと言うのも怖い点です。上は前に書いた独身女性の老後生活のシミュレートのものですが、女性の年収データを見ると当然浮かび上がってくる「独身女性の資金調達の問題」と言うのは華麗にスルーされています。
「テレビの罠」にも共通しているのですがこう言った大学の先生のような人たちの論調は自分の属する分野の主張で偏向しているわけでそれを補正する頭脳がこれからますます求められるであろうことを確認する意味でもこの著作はお勧めです。


 続いては「大学サバイバル」です。章立ては
第一章 学生が集まらない
第二章 「学力低下」を考える
第三章 変わる学生気質
第四章 揺らぐ「基盤」
第五章 国立大学は変われるか
第六章 合衆連衡の時代
第七章 岐路に立つ短大・女子大
第八章 多様化する学びの時代
第九章 早慶戦・番外編
 となっております。最近半分近い私立大学で入試の定員われが言われ、淘汰の時代を迎えている大学について書かれた著作です。1,7章では地方や短大を中心とした学生不人気による経営難の問題、2,3章ではよく言われるところの「学力低下」の問題やサークル等の人間関係を苦手とする学生の増加等の学生の変化、4章では入試ミスに代表される大学運営全体の問題、残りの章では国立大学の法人化、大学同士の連携、社会人向け大学院や日本を代表する私大である早慶の改革等生き残りをかけた試行錯誤について取り上げています。
 ポスドク等雇用関係の問題は弱いですが大学問題の総論を知るには良著です。
 


 続いては「新聞社―破綻したビジネスモデル」です。章立てとしては
第一章 新聞の危機、その諸相
第二章 部数至上主義の虚妄
第三章 新聞と放送、メディアの独占
第四章 新聞の再生はあるのか
第五章 IT社会と新聞の未来図
 となっています。この作品は著者が元毎日新聞の役員と言うことで特に注目され、よくあるメディア批判とは違った視点が提供されているのが注目されます。
 例えば押し紙に代表される販売会社の問題であったり、新聞とTVの系列の問題であったり経営者ならではの問題点が提示されています。
毎日新聞社内で何が起きているのか(上)
毎日新聞社内で何が起きているのか(下)
 特に最近毎日新聞と言うと「Wai Wai」問題で大きく揺れていてそこで浮かび上がったのは上の佐々木俊尚のレポートにあるようにメディアとしての価値が低下していて広告代理店からも見捨てられつつある状況なだけに注目です。

 さてこれらの事実は高IQといわれた先生たちやメディア関係者を支える基盤が弱ってきていることを示しています。その上で必要なのは単に偉い先生のいうことだから信じると言うよりも自分たちの判断をきちんと磨いていくことの重要性です。これから先ぼ~っとTVを見て偉い先生の言うことを鵜呑みにする危険性をこれらの著作から感じていただければ幸いです。


独身王子に思う



 さて先月辺りから上の著作が注目されています。
【独女通信】独身男性は既婚男性よりも、約9年早く死ぬ!より
既婚男性の平均寿命は79.06歳。なのに未婚男性の場合は、70.42歳――。
こんなショッキングなデータから始まる本、「独身王子は 早く死ぬ?」が16日、プレジデント社から発行された。


 さて実はこの本を読んでいないのですが特に太字の部分を触れて感じたのは「これは(多分)独身男性に結婚を勧めるつもりで(筆者は)書いたのだろうが一歩間違えれば非婚の薦めになるのでは」と言う事。
 注目したいのは平均寿命70歳と言う言葉、仮に65歳を定年と考えると老後に必要な資金は以下のようになるのではと感じます。

 独身男性
年金補填分の生活資金:100万円*5=500万円
老後の終の棲家(中古マンション):500万円
合計:             1000万円
年間貯金額(40歳から始めると仮定):40万円
退職金:            2000万円
退職金を含めた年間貯金額:   0円 

 既婚男性(夫婦合計)
年金補填分の生活資金:150万円*15+100万円*5=2750万円
老後の終の棲家(一戸建て):5750万円(4000万円+金利1000万円+修繕費750万円)
子供の教育費(2人):2000万円*2=4000万円
合計:           12500万円
年間貯金額(40歳から始めると仮定):500万円
退職金:            3000万円
退職金を含めた年間貯金額:   380万円 

 既婚男性における教育費と一戸建ての負担は貯金するわけではないですが、費目としては同様なので費目として加えています。
 さて各項目の説明をまず生活資金に関しては大まかに年金が独身男性年間150万円、夫婦合計250万円で計算しています。その上で現役時代より生活費は減るものの、介護・医療等の負担を考えるとそれぞれ250万円(月20万円)400万円(月30万円強)位は必要だろうと、そして夫婦合計では奥さんの側が5年長生きするのでその分は独身男性に準じて計上しています。
 終の棲家に関しては独身男性に関しては5年前後と割り切ってしまえば安い中古マンションで十分なのに対し、夫婦に関しては子供2人くらいはいるだろうと言う仮定で、そうすると一戸建ての必要はないにしてもマンションでも大きなものになるし、また住む期間が長くなる分修繕費が必要になります。また子供がいれば教育費も必要になるのでよく言われる額を計上しています。
 こうして見ると夫婦2人分との比較ですが10倍近い大差がつきます。独身王子には収入が低くて・・・と言う人も多いであろう事を考えると、これは非常に大きいような気がします。仮に収入の1/4を貯金可能額と考えると独身男性に必要な年収は160万円、夫婦だと2000万円となります。仮にこれを30歳基準にしても貯金額357万円、必要年収1429万円と結構な額になります。
 そこで退職金を含めて考えると独身男性では貯金の必要はなくなります。夫婦の場合貯金額380万円、必要年収は1520万円、30歳基準でも1086万円となり現実的な数字ではありますが、それでも奥さんも正社員でないと満たせない数字と言えます。
 仮に奥さんの年収400万円と考えるとに取り上げた民間給与の実態調査から計算すると勤労女性では上位18%にもなる狭き門となります。
 そう考えると独身男性の寿命70歳と言うのは退職金さえもらえれば悠々自適にいけると言う選択を示す数字なのではないでしょうか?そう言った意味で非婚の薦めと感じてしまうのです。
 逆に非正規雇用の男性でもきちんと年金を納め、一定額の貯金を出来る体質(土浦の通り魔事件ではフリーターの容疑者は40万円と少ないながらも貯金をしていたと言うのは忘れてはなりません)さえきちんと身につけておけば絶望する必要は全くないとも言える数字です。

 独身女性
年金補填分の生活資金:100万円*15=1500万円
老後の終の棲家(新築マンション):2000万円
合計:             3500万円
年間貯金額(40歳から始めると仮定):140万円
退職金:            2000万円
退職金を含めた年間貯金額:   60万円 

 さて続いてどうせなので独身女性についても少し考えて見ましょう。同様に試算すると上のようになります。寿命は80歳と仮定しているのですがその分生活資金が伸び、さすがに15年だと中古でなく新築のマンションとなるので独身男性の3.5倍もの負担となります。これだときちんと退職金の出る正社員なら何とかなりますが非正規雇用だと貯金額が年間140万円、必要年収だと560万円、これは民間給与の実態調査年収500万円以上の人は10%程度なので相当厳しい数字になります。
 収入の少ない男性は結婚と言う選択肢を捨てることで生き抜いていく資金を確保できますが、収入の少ない女性にとっては独身と言う選択肢は老後の資金繰りを破綻させかねない状況にあると言えます。
 第一次産業が衰退し自給自足と言う言葉は実質死語の昨今、これは致命的なことで独身女性も増えている事を考えると独身王子の寿命を語るのも良いですが独身姫の経済状況は一層深刻な状況にあるような気がするのは私だけでしょうか?



 

隠れた主力列車に注目~羽田~成田直結列車に思う~



写真:新高速では使われなさそうですが・・・30周年です@成田空港アクセスの主力京成スカイライナー

成田-羽田連絡鉄道、検討へ=65分程度に、10年度にも着手-国交省@時事通信8/9より
 国土交通省は9日、成田、羽田両空港を短時間で結ぶ鉄道の整備に向け、2009年度に本格的な検討に着手する方針を固めた。10年度に開業する成田新高速鉄道の活用や既存路線の改良を通じて、両空港間のアクセスにかかる時間を大幅に短縮する。早ければ同年度の事業着手を視野に入れている。09年度予算概算要求に関係経費を盛り込む。
 成田と羽田は、発着枠拡大に向けた工事がそれぞれ10年中に完成する予定。これに伴い同省は、羽田の国際便を増やすなど、首都圏の国際航空機能を強化するため両空港の一体活用を進める考え。~中略~
 国交省が検討しているのは、東京・日暮里-成田間を36分で結ぶ成田新高速鉄道と、都営浅草、京急両線をつなぐルート。都営線内(押上-泉岳寺)に専用の追い越し施設を整備するなど、既存路線も改良しアクセス時間を65分程度に短縮する。丸の内や品川といった都心から成田までの移動時間の大幅短縮も期待できる。
 

 成田空港アクセス鉄道プロジェクトで影で注目されていた羽田ー成田両空港アクセスについて国土交通省が実現に向けてGoサインを出したようです。
 成田空港アクセス鉄道に関してはこちらもどうぞ
新型スカイライナーが現れるので・・・走る地域について少し書いてみる

 ちなみに現状の成田ー羽田直通列車は平日に関しては以下のような感じになっています。
羽田→成田:5本、最速107分
成田→羽田:1本、最速109分
 運行時間帯は成田行きは夕方の帰宅ラッシュ、羽田行きも朝の時間帯とどちらも両空港アクセスと言うよりも都営線直通の通勤列車の発着地が空港になったと言うイメージがあります。当然直通しない列車は主に京成の青砥駅で空港アクセス列車同士での連絡が行われ実質的に使える列車そのものは多いのですが京急羽田空港開業時80分毎に運行された両空港直通列車であるエアポート快特は低迷して実質なくなってしまった感じです。
 その理由としては両空港間のアクセスバスの存在があります。
AirportLimousineより
羽田ー成田線()内は両空港直通列車
所要時間:75分(107分)
日中間隔:10~20分毎(80分毎)
料金:3000円(1610円)
 これでは所要時間、本数共に勝負になりません。今回のスカイライナーでの直通では確実に所要時間では優位に立て、かつ定時性が確保できると言うのが強みで今回の決定に結びついたのだと思われます。

空港第2ビル 0分
青砥    (27分)(第2ビル~日暮里間36分、青砥~日暮里間9分より算出)
押上    33分(第2ビル~青砥27分、青砥~押上6分で算出)
日本橋   40分(第2ビル~押上33分、押上~日本橋7分で算出)
泉岳寺   49分(第2ビル~品川51分、泉岳寺~品川2分で算出)
品川    51分(両空港間65分、品川~羽田空港14分より算出)
羽田空港  65分  

 上は現状走っている各種列車の所要時間と計画されている所要時間から算出した想定の所要時間です。第2ビル~日本橋で41分、仮に計画は良く出てくる浅草線の東京駅接着が行われた場合、計画では空港アクセス鉄道も込みで40分と言われているのでこの前後の所要時間となると見られます。また泉岳寺・押上に関しては事業者の境目と言うことで停車の可能性は高いので上げさせてもらいました。
 さて都心と言える日本橋までの所要時間は40分、確かに羽田からの25分に比べて時間はかかりますが実質時間短縮のない羽田方面に比べ10分以上(JRのNEXが51分)の短縮になるのは大きいと思われます。
 ただしネックとなりそうなのは成田空港アクセス鉄道の成田NT北から先が単線の為本数がスカイライナー20分毎が限度でそれを上野方面と振り分けること、それをいかにフォローするかが鍵になりそうです。

京成快特成田空港行き

写真:京成空港アクセスの影の主力快特成田空港行き

 そのフォローを考える際にポイントになるのは現在でも主力となっている空港アクセスの一般列車の存在です。

成田国際空港アクセス交通実態調査より(2005年3月調査)
        出発旅客  全入港者
NEX     5966  6867
その他JR   1776  4313
スカイライナー 3375  4305
その他京成   5660 11231

 実際全入港者では圧倒的なシェアを誇り、出発旅客でもJRのNEXとほぼどうレベルのシェアを誇っています。リムジンバスやJRが3000円前後かかるのに対し1000~1500円程度で主要地域へのアクセスが可能なのは大きくエコノミーな層にとっては嬉しい列車です。
   
押上:半蔵門線(→東急田園都市、東武伊勢崎線)
浅草橋:総武線・中央線
東日本橋:都営新宿線(→京王線)、総武快速線(→横須賀線)
人形町・東銀座:日比谷線(→東急東横、東武伊勢崎線)
日本橋:東西線(→中央線)
三田:都営三田線(→東急目黒線)
品川:東海道線

 また両空港間アクセス列車と言うことで浅草線を経由するのですが上の票にあるように郊外から来る各線と接続しているのが分かります。これらの各線と新宿や渋谷等のターミナルで接続すると規模が大きいために移動距離が長く混雑も激しいので大きな荷物を持っての乗換は負担ですが、直通先の地下鉄等で乗り換えるとなれば場所によっては不便な場所もありますが基本的に混雑も移動距離も少なく荷物の多い場合利用しやすくなると言う利点があります。
 スカイライナーの場合だとチケットの確認等の関係で停車駅が絞られますが一般列車の場合、それが無い為基本的に乗換駅では停車と言うやり方が出来るのは時間がかかるデメリットもありますが大きな利点となりうるのではと感じます。
 また両空港間の所要時間に関してもアクセス鉄道での時間短縮が15分程度と見られますから他も合わせて20~25分程度、80分程度でリムジンバスに対しても十分競争力があるのではと思われます。

 そう言った意味で隠れた主力列車である一般特急をどう扱うか注目されるところです。

 

リストラの時代~ガソリン価格185円に~



写真:ガソリン高騰を受け短距離輸送が好調なJR西日本の象徴新快速@新大阪

[ガソリン価格]最高値更新185・1円 卸値引き上げ響く@毎日新聞8/6

 またしてもガソリン価格が値上がり、最早月初めの恒例行事と化しています。ただしこれまで月10円/lペースで上がっていたのに比べるとややペースダウンとしたのは不幸中の幸い…

原油価格が急落、米原油先物は一時3カ月ぶり安値の118ドルに@ロイター8/5

 ではなく原油価格の急落と言う事情もあるのかもしれません。さて今後の展開はどうでしょう?

原油バブル崩壊のメカニズムが働き始めたのか @大西 宏のマーケティング・エッセンスより
相場急落を警戒した売りが増えたということは、売りがさらに売りを呼び、価格が落ちていくスパイラルとなる可能性もあります。ちょうど日本のバブルが弾けたときがそうでした。
FOMC終われば原油高再開か @佐藤秀の徒然\{?。?}/ワカリマシェンより
今度もFOMCが終了すれば再び原油高ラリーが再開され、今度はどこまで上がることやら。再び原油高ドル安だから、円もつられて円高にぶれそう。仮想日米金利差拡大が解消されるのだから、そういうことになる。こういうパターンは日銀金利が梃子でも動かない状態である限り、当分続きそう。

 結構割れています。90年代のバブルのようにこのまま崩壊すると言うある意味経験をベースとした勘による予測、今の原油高騰は有望な資金運用先が無い為それが出来るまでは続くと言った理論的な予測、どちらが正しいかと聞かれればちょっと答えようが無いです。
 取り敢えずこのまま1バレル100ドルへ向かうか、150ドル突破へ向かうかは何とも言いがたい状況です。ただ個人的には1バレル100ドル割れはないと見ています。

トヨタ第1四半期決算…減収減益 売上4.7%減の営業利益38.9%減@response8/7
東電が08年度経常赤字4250億円を予想、原発停止など直撃@ロイター7/28


 個人的に注目したいのは段々この原油高時代の影響が企業の活動に影響を与えつつある事です。

トヨタ九州、派遣社員をリストラ@MSN産経8/7
[航空2社]ANA11路線、JAL21路線 廃止・減便へ@毎日新聞8/6
貨物航空から撤退 佐川急便@8/5J-CAST NEWS

 実際トヨタは生産調整のため、派遣社員をリストラし、航空業界ではJAL/ANAの大手2社が引き続き東北を中心に路線のリストラを行い、また航空貨物参入を目指した佐川急便は燃料価格の高騰の影響をもろにかぶり撤退を決めています。

橋下知事「伊丹空港廃止を含め検討」@J-CAST NEWS8/1
[橋下知事]大阪府庁を三セクビルに移転検討@毎日新聞8/3

 一方リストラを進めているのは企業だけでなく財政の悪化した自治体もそうです。何かといわれる橋下知事が新たに2つのリストラ策を表明しました。どちらもこれまで便利な場所にあった施設を不便な場所に移すと言うことで反対意見が多そうな施策です。

2008年08月02日(土) 関西空港を廃止しましょう! @江草 乗の言いたい放題より
今ここに古びたダイヤと新しいウンコがあるとして、古いからダイヤには価値はないと言う人がいるだろうか。いくら新しくてもウンコはウンコである。関西人にとってまるで使えない関西空港はウンコみたいなものである。あんなものなくなってくれと大勢の人は思っているんだぜ。

 実際言葉は悪いですがこんな反論もあります。実際大手航空会社のリストラでも伊丹線より関空線の削減が多いのも事実です。
 ただ知事の立場に立ってみればまずお金のかかる空港を2つ持つのは財政上厳しい、じゃぁ1つにする際に伊丹1つのときよりは確実に増えている需要を満たせるのは騒音問題の負担が大きく拡張は殆ど不可能な伊丹でなく関空しかない、と言った感じなのでしょう。

 多分これから迫られるのはこんな選択ではないでしょうか?いかに自分の持つリソースを活用していくか、そして不要なリソース、特に維持費のかかり役に立たないリソースは切っていくか、言うなればリストラの時代となっていくのでしょう。

JR近距離伸び最高@読売新聞7/24

 そこで考えなくてはならないのはトヨタや東電、航空会社のように経済状況の変化によって苦戦する企業があるのなら逆に利する業界・企業もあると言うこと、ガソリン高騰によって短距離~中距離の乗客が移ってきたJR西日本のケースはその典型と言えるでしょう。活況を呈した鬼怒川の光景も同様です。

 こうして考えてみるとガソリン高騰を期に新しいパラダイムが始まり定着しつつあるように感じます。その中で問われるのは「いかに新しいパラダイムに対応する為に生活をリストラクチャリング(再構築)」していくかになっていくのではないでしょうか?
 生き残っていく為にいかに自分のリソースと世の中の流れを見極めどこから撤退し、どこに注力していくか?
 最近周りを見ていると会社を辞めたと言う人が多いのですが、聞いていると意外に大きなテーマなのはどこで働きどこで生きるか、単純にガソリンが高いからと言って都心に行くのではなくやりたいことがあるから都会に住み都会で働くだったり、地の利を生かすため田舎である地方に戻るとか様々な選択をしています。
 あなたはどんな選択をしていきますか?


ブログ意見集 by Good↑or Bad↓ 総合経済対策で原油高を支援




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