2011年02月

2010年代中産と下流の時代~プロローグ1980年代に始まった非婚化・草食化が語るもの~その3



2010年代中産と下流の時代~プロローグ1980年代に始まった非婚化・草食化が語るもの~その1
2010年代中産と下流の時代~プロローグ1980年代に始まった非婚化・草食化が語るもの~その2

さてこれまで書いてきたこのシリーズですがタイトルにある「中産」も「下流」もなく坦々とバブル期前後の状況と非婚化しか開いてませんのでまず「中産」「下流」といった社会階層についてまず纏めつつ進んで行きたいと思います。

社会階層@wikipediaより
マルクス主義的な社会階級では、生産手段を保有するものを資本家、そうでないものを労働者とし、その中間(小規模な生産手段を持つ自営業など)を中間層とする。


 さてまず階層と言う事で多分第一人者であろうマルクスさんの定義付けを持ってきました。かつては中流と言う言葉が使われなかったので、中間層は中産として取り敢えず各項目を書くと
資本家(=上流):大規模生産手段を保有するだけで遊んで暮らせる人達(大企業の大株主、大地主等)
中産:小規模生産手段を保有し、労働も行う事で比較的豊かに暮らす人達(中小企業のオーナー社長、商店主、自作農等)
労働者(下層):生産手段を保有せず、誰かに借りるか雇われるかで暮らしている人達(工員、小作農等)
 さて、これだけでは少し分かりづらいので表にしてみましょう。

  生産手段 労働 投資 消費 属性
上流 ◎   Ⅹ  ◎  ◎  大企業の大株主、大地主等
中産 〇   〇  〇  〇  中小企業のオーナー社長、商店主、自作農等
下層 Ⅹ   〇  Ⅹ  △  工員、小作農等

 項目としては左2つが収入の項目、右2つが支出の項目です。上流の人達は働いている可能性もあるのですが労働=生活の為に働く事なので働いていても労働とは言えないでしょう。それでもリッチな生活が送れると言うのが上流の所以とも言えます。中産に関しては生産手段+労働の2馬力で相対的に豊かな生活を送る層、下層は生産手段を持たない事で相対的に貧乏生活を送る層と言う区分けです。

  生産手段 労働 投資 消費 属性
?? ?   ?  ?  〇  サラリーマン等

 さてここで重要なのは現在の日本でマジョリティと言えるサラリーマンを中心としたホワイトカラーは全く無視されている事です。
 そして2つ言えるのは、かつて無かった中流と言う階層のコアの部分は彼ら(自分もそうですが)であり、そして中間層に位置づけられる事から少なくともこの図表で言えば消費に代表される生活水準は中産階級並みでそれは収入が中産階級並みである事を示しています。

  生産手段 労働 投資 消費 属性
中流 ?   ?  ?  〇  サラリーマン等
 
 さて他の部分を考えて行きましょう。ここで重要なのは生産手段となります。何故かと言えば生産手段が決まれば投資が決まり、そして残りの労働の部分は他との兼ね合いで決まってくるからです。

生産手段=??

 さてマルクス流に言う所の生産手段に一番近い言葉とは資産ではないかと思います。ただあくまでそれは近い言葉でしかないと思います。

パラサイトシングル女性の陥った落とし穴~豊中餓死事件に思う~

 何故かと言えば単なる資産は扱いを間違えると悲惨な事になりかねないからです。それは先月起きた豊中の餓死事件を見ても分かる事です。

[コラム・エッセイ編]京都の「一代果て(いちだいはて)」という言葉をご存じですか?@不動産投資と金融・ファイナンスブログより
京都では、「一代果て(はて)」なる言葉があるそうです。
これも京都で3代続くある経営者に聞いた言葉です。
つまり、京都では、一代で会社が終わることをあまりよしとしない、というより全く尊敬されなといった風潮が昔からあるようです。
~中略~
更に先の若女将さん曰く、
「東京の社長さんは、少し儲かったら(背伸びをして)車でも最高級車を買いますが、関西の社長は敢えて3段ぐらい落とした車を買います」
と「かつそれを美徳としている」
というのです。


 そう考えると資産に加えてそれを上手く扱うノウハウ・知恵・生き方と言うのも重要になってきます。上の引用は不動産やさんのblogから引用したものですが、結構お金持ちの話を聞くとこう言ったお金や生き方へのこだわりが聞かれます。こう言ったこだわりを持っているサラリーマンは決して多くないのではと感じます。
 そう言った意味で考えると中流層は生産手段と言うよりも労働で豊かになった、言い換えればずば抜けた労働生産性があるから中産層に劣らない生活水準を維持できたといえるのではないでしょうか?

  生産手段 労働 投資 消費 属性
上流 ◎   Ⅹ  ◎  ◎  大企業の大株主、大地主等
中産 〇   〇  〇  〇  中小企業のオーナー社長、商店主、自作農等
中流 Ⅹ   ◎  Ⅹ  〇  サラリーマン等
下層 Ⅹ   〇  Ⅹ  △  工員、小作農等

 と言う事でまとめると中流層と言うのは生産性が高いので生活水準そのものは中産階級に近いですが、本質的には稼ぎが良くなった下層と言えるのではないでしょうか?

2010年代中産と下流の時代~プロローグ1980年代に始まった非婚化・草食化が語るもの~その2より
そして何故結婚し子供を作った2人が一戸建てを建てたかは、上の引用を見てみれば明確です。要は大きくなった子供に普通に子供部屋を与えようとすれば賃貸では無く一戸建てなりそれなりの規模のマンションを所有するしかないと言うわけです
2010年代中産と下流の時代~プロローグ1980年代に始まった非婚化・草食化が語るもの~その1より
さてもう1つ重要な点を上げるとすればそれはバブル経済です。上の表は大卒初任給の推移と東京圏最大のベッドタウンとも言える横浜市の住宅地価を比較したものです。それを見ると1980年段階で横浜市の1.31m2に価していた初任給が1990年には0.42m2分と1/3にまで激減していることがわかります。これが語る事は「一生働いても一戸建てが手に入らないかもしれない」言い換えれば優良な家族向け賃貸住宅の少ない日本において「子供を育てるための十分な環境が普通に働くのではてにはいらない」と言う事です


 さて当シリーズがこれまで書いてきたバブル期に戻りましょう。サラリーマン=中流層を成り立たせていたものがその際立った生産性にあるのならバブル期の地価高騰が示すものはなにでしょうか?
 それはサラリーマンの生産性向上が中レベルの生活を築くまでの水準に追いつかなくなり始めた事ではないでしょうか?

効率が10倍アップする新・知的生産術―自分をグーグル化する方法
堀江貴文のカンタン!儲かる会社のつくり方

 それは言い換えるなら下層への転落を意味する事であり、それを避ける為の動きの活発化する事となります。
 1つは更なる生産性の向上、これは様々な資格を取ったり、あるいは実力主義の外資系で働いて高収入を目指すなど、正直な所いろんな人が色んな事を書いているので多くは書きませんが、勝間和代さんがスターダムにのし上がったのは結局そう言った空気の中での正統派の成功者だからだと思われます。
 そして資産を生かすと言う意味での中産への道、言うなれば生産手段を保有する道です。そして色んな意味で目立ったのはベンチャー起業の道、これもホリエモンと言うスターを生み出しました。

パラサイト・シングルの時代 (ちくま新書)

 とは言え多くの人達が現実的な選択として選んだのは既存資産を生かすこと、そしてその一番現実的な生かし方は生活費の多くを占める家賃を親と同居する事で節減する事だったのではないのでしょうか?
 そしてその中で特にバブル期以降の豊かな生活をした人達は「パラサイトシングル」と言う言葉を生み出し90年代後半以降度々議論の的となりました。


若者受難の時代@agoraより
年功序列を良い事に、企業には中高年が大量に滞留している。膿の塊の様なものであり、辺りには腐臭が漂っている。
若者が此れに耐えられないのは、鼻の機能が正常な為で、何ら若者事態に問題は無い。寧ろ機能が正常であり、喜ぶべき事である。

独裁者のいない日本 @Joe's Laboより
ニューヨークタイムズが「日本の世代間格差」を取り上げたので紹介。僕も少しコメントしている。
内容は、雇用における新卒一括採用の弊害から、社会保障における一億円にも上る世代間格差の存在まで。一通りの論点について取り上げてくれている。
さて、僕はこの手の問題で何社か海外メディアとコンタクトをもったことがあるが、年功序列や世代間格差について、彼ら外国人に説明するのは実に骨が折れる。
で、理解してもらうと、決まってこんな質問が来るのだ。
「そんな無茶苦茶なシステムがなぜいまだに続いているんですか?」
いや、なんででしょうね……

雇用制度はもちろん、実質的に破綻状態の年金制度まで、政権交代してからまったく争点にすらなってないんですけど。


 ただ今これだけ識者が世代間格差を叫び、嘆いて多くの若者達がそれほど大きくその是正を求めてこなかったのは多分その格差を親世代との連結化で緩和したからで、少なくとも現段階でそれが間違っていたようには思えないと言うのが個人的な感想です。

支出を制する者が投資を制する@ノマドライフ2.0  年収300万円からの資産形成より
最近は株価の上下に一喜一憂しなくなりました
一番の原因は支出を極限まで減らすことが出来たから・・・かな

お金を増やす方法は
1 収入を増やす
2 支出を減らす
3 金融資産の運用
でしたよね?
私は収入を増やすことを簡単にアドバイス出来ません
基本、駄目人間ですから
ただ、支出を減らすことなら出来ます
今の基本生活費(住居費、光熱費、通信費、食費+雑費)
は、月75000円ほど年間で90万円
目標の年間生活費120万円まで落としてきました
ここまで来ると精神的に楽です
株価が下がろうが多少の不景気が来ようが、ドンと構えていられます
矢でも鉄砲でも来い!
ってな感じです
支出で減らすポイントは住居費 保険費 車 ギャンブル+煙草です


 ただ未来を考えていった際ポイントになるのは次の一手をどう考えるか、まず出てくるのは投資、投資と言うと株や通貨を買ってその値段の上げ下げや細かい経済ニュースに一喜一憂すると言うギャンブル的なイメージがありますが、その第一歩は種銭を作る事、そしてその為には生活を見直していくことが必要になります。家をどうするのか、車をどうするのか、保険をどうするのか・・・。
 こう言ったことを考えるきっかけとして考えていくと結構無視できないものがあります。実際私自身交通系のイベントに出たことは多くありますが「交通が便利になって車を手放した」人は見たことはありませんが、「投資をやるようになって車に使うカネが無駄だとわかって手放した」と言う人には会った事があります。
 こう言った人はやはり強い、いざなんかしらの理由で失業したとしても資産はあるし、また何よりも安く生活できると言う事は給与が安い仕事でも大丈夫と言う事、そうすると仕事を選ぶ上でも済む場所を選ぶ上でも選択肢が広がると言う事、そしてそれは配当や売却益等本来投資で得られる利益抜きでも成り立つ事であり、それに多少不安定でも配当や売却益が入ると言うのは鬼に金棒です。



 もう1つは何か作る流れ、上の動画の作者は2年以上200本以上その作品を投稿しているのですがそれは言い換えるなら顔の見えない視聴者に投げかける事をその期間続けていると言う事とも言えます。
 動画サイトの性質上お金にはならないものの、個人的には多少は動画投稿をしたので分かるのですが、作るには思った以上に時間がかかりますし、また向上を続ける品質を見ると、それなりに動画を作る為の勉強も続けている。また動画サイトのSNS的な側面を見るとソースのやり取りをする同好の氏やファンとの付き合いもあるでしょう、言うなれば「お金のやり取りのない」商売をやっているようなもので、お金のように明確ではないもののかといって勉強で身につけるスキルとも違う中産化のための無形の力を蓄えている様な気がします。

高望みしているわけじゃないのです・・@「結婚できない」はずがないっ!!より
自分が大学を出ているなら、やっぱり相手も大学を出ていてほしいし、自分の年収450万円あるなら、相手は同じか少なくともそれ以上はもらっていてほしい(^_^;)。
年齢的にすぐに子供を作りたいから、どうしても外で働くことは難しい。しばらくは専業主婦。だから所得が高い人に越したことはないし、普通に考えて今のご時世、男性の親(まだ元気なうちは)との同居は考えられない。
連結家計 連結資産の時代@ノマドライフ2.0  年収300万円からの資産形成より
ようは、貧乏人はさっさと結婚した方が得!!
ただ、一つ問題があって、低所得者ほど無駄なことにお金を使い女性の中(男もだが)には価値観の転換が出来ていない、特に私と同世代は
なんだよなぁーー
って、ことで解決策を一つ
日本男児よ!!パートナーはアジアを目指せ!!


 さてそろそろ纏めに入ります。結局の所一言で纏めれば上の引用の太字の部分に集約されていると思われます。
 自分なりに言い直すと、バブル期以降中流社会が崩壊していく中で、独身男性が段々中流から中産化への道を歩み始めるのに対し、女性は結局中流であり続けたいと変われなかった事、そして段々そう言った女性たちを抱えきれないと男性たちが結婚から逃げ始めた事がこの非婚化・草食化の本質のように感じます。


安い税金を望むのは当然。@Espresso Diary@信州松本より
税金は1円でも安い方が良い。再選された河村市長の話は、いかにも名古屋らしい。いま全国には公務員の待遇をうらやむ声があふれているので、「税金を払う人が苦しんで、税金をもらう人が楽をする社会は間違っている」という言葉が多くの人の胸に落ちるのは当然です。進む円高で製造業の雇用が脅かされているのは信州も同じなので、私は愛知県の人たちの選択に納得ができます。


 最近中東を初め様々な場所が大きく揺らいでいます。日本ではその筆頭になるのが上で挙げた名古屋市、ここで起きているのは、税金と言う強固な基盤で支えられたある意味で中流最後の牙城公務員の中流としてのポジションへの大きな揺さぶり、そして中東も含めそのゆれが終わった後何が起こるかはわかりませんが、そこで中産化した彼らが何を示すのか、そしてパラサイトでひと段落着いていたのが支えきれず中流から下流へ流れ落ちる人達がどれくらい出てくるのか、2010年代、そこが注目されるのではないでしょうか?


2010年代中産と下流の時代~プロローグ1980年代に始まった非婚化・草食化が語るもの~その2


ネタフリありがとう・・・と言う事で宣伝

夫が妻の「家を買いたい!」を断れない理由@Chikirinの日記より
「35年ローンで家を買うなんてあり得ないでしょ」とこれだけ布教してまわってるちきりんの周りにも、長いローンを組む人がたくさんいます。
他人事なので判断自体はどうでもいいのですが、多くの人がそうするってことは、彼らには彼らなりの理由があるわけで、それは何なのか考えてみました。で、とりあえずの結論はこれ↓
35年ローンで家を買う人の多くは既婚者で、小さな子供がいる
・多くの場合、夫は心の底で長期のローンに不安を感じている。
・でも妻は強く「家を買おう」と主張する。
・夫はそれを拒否できない。
~中略~
一方の女性側にも「家が持ちたい」と思い始める理由があります。上記のような経緯により、職場キャリアが自分の“メインの活動場所”でなくなった段階で、それに代わる「自分の活躍分野が欲しい」という欲求がでてくるんです。これはごく自然な感情です。
自分にとって仕事は“サブ”になってしまったけれど、“家”はメインで取り仕切る!という意欲がでてくるんです。“家”のマネジメントにおいては、自分がメインで夫がサブになる。夫はもちろんその立場を(前述した罪悪感から)謹んで受け入れるわけで。


 さて最近有名ブロガーちきりんさんが良いネタフリをしてくれたので1月ぶりに続きを書きます。ちなみに前回の話はこちら
2010年代中産と下流の時代~プロローグ1980年代に始まった非婚化・草食化が語るもの~その1
 さてこのシリーズを書き始める前の年末とある用事で学生時代のサークルの仲間8人ほどで飲む機会がありました。大体30台前半~中盤8人揃ったわけなのですが個人的に驚いたのは8人の内訳
・8人中6人が未婚(ちなみに学生時代彼女持ちは4人)
・残り既婚2人はともに女房・子供・一戸建て持ち(ちなみにパラサイトシングルは4人)

 と言う事でちきりんさん(男女ネタとなると古臭く感じるのは私だけだろうか?)の想定とは裏腹に私の周りの30代男性を見ると「35年ローンを組んで一戸建てを買う」と言う人は非常にまれになっています。ただし結婚し家庭を作る人は例外ですがその割合は前回も書いたようにちきりんさんよりも少し年上の世代から急激に減少しています。 


「サラリーマンのためのお金サバイバル術 家・車・保険、「人並み」な買い物が破滅を招く (朝日新書) 」P63より
多くの人が住宅やマンションの購入を考えるのは、子どもが大きくなってくるからです。(残念ながら、値上がりが見込めるから・・・と言う理由ではありません)子どもが大きくなって子供部屋が必要だから、借りるマンションを変更しようとした場合その数は限られてしまいます。
 ある不動産仲介サイトで、そうした物件を探してみたところ、埼玉県の南浦和で総件数が1263件あるのに対して、子供部屋を設ける余裕のある物件(80m2以上)は、23件1.8%しかありません


 そして何故結婚し子供を作った2人が一戸建てを建てたかは、上の引用を見てみれば明確です。要は大きくなった子供に普通に子供部屋を与えようとすれば賃貸では無く一戸建てなりそれなりの規模のマンションを所有するしかないと言うわけです。
 言い換えるならばいつからか普通に結婚して子供を生んで育てると言う行為は最悪35年ローンを組んででも住宅を保有すると言う事とセットになってしまい,してバブルと言う存在はその普通の結婚のあまりにも莫大になったコストを大きくクローズアップさせた事で普通の結婚から距離を置く草食系男性を生み出し大きく育てたと言えるのではないでしょうか?


コミックマーケット公式サイト
コミックマーケット@wikipedia
バンドブーム@wikipedia

 またこの時期で注目したいのはコミックマーケットとバンドブームと言う所謂専業企業でなく、アマチュアの個人個人が物を作り売っていくやり方での大きなブームが起こった事です。その後を見ると最終的にメジャー化して大ヒットを飛ばすと言うゴールがあった後者が下火になったのは象徴的ですが一ついえるのは個人が仕事や家庭以外で何かを作り残していくと言う事が大きく行われるようになった事、そして何よりも仕事以外の時間の使い道が大きく広がったのは大きいのではないかと思います。

NTT株を100株以上買って放火@kyupinの日記 気が向けば更新 (精神科医のブログ)より
NTT株はかつては政府が全株を持っていたが、民営化されたこともありバブルの始まった当時の1986年11月、119万円で初回放出された。
この時、一般の投資家たちから値上がり必至と思われていたため、人気が集中しハガキで応募しないと1株も買えなかったような記憶がある。僕は当時はまだ株を買ったことがなく、日経新聞で読んだ範囲の話だ。


 そしてもう1つ注目したいのは財テクと言う言葉が流行ったように投資が大きく注目された事です。バブルの本質ともいえる土地バブルではワンルームマンション投資も大きく注目されました。
 これは株やマンション等を買うと言う視点で言えば物を買い消費すると言う以外のお金の出口であり、売却や配当で儲けると言う視点で言えば労働以外にお金を得る手段と言うわけです。

 ここで纏めてみると1980年代、特に後半のバブルの時代に起こったことは、1つは地価高騰により結婚の値段も高騰した裏でコミケに象徴されるような仕事以外で時間をかけて何か物を作っていく事が言うなれば時間の使い道、株やマンションに象徴されるお金の使い道が増えた中で男性の草食化=非婚化が始まり大きく進んだと言う点です。
 これが意味している事は何なのでしょうか?また続きます。


小さなLRTは歩きづらい街をかえるのか~東京中央区LRT構想に思う~

本題に入る前にイベント情報です。

2月5日(土)
2011地域公共交通フォーラム 横浜のコミュニティバスを考える
場所:横浜みなと博物館訓練センター第1教室(みなとみらい線みなとみらい駅、JR・市営地下鉄「桜木町」駅下車)
時間:14:30(開場14:00)~17:45
参加費:資料代1000円
内容
基調講演  「コミュニティバスのこれから-都市部におけるコミバスとは-」 鈴木文彦氏(交通ジャーナリスト)
市内各地事例紹介 戸塚区小雀地区/泉区下和泉地区/港北区錦が丘地区
横浜市の交通政策紹介 横浜市都市整備局都市交通課
パネルディスカッション 「コミュニティバスがコミュニティをつくる」
                    鈴木文彦氏
                    市内各地で導入に関わった方々他
問合せ:事務局 小田部(090-6544-1422 )
参考
イベント見聞録:2009/6/20横浜LRTフォーラム
横浜の公共交通活性化をめざす会
横浜にLRTを走らせる会
横浜市地域交通サポート事業
地域住民の力で送迎活動やコミュニティバスを自主運営 神奈川県横浜市泉区 下和泉住宅自治会@「まち むら」103号
コミバス市民の会

銀座に路面電車47年ぶり復活へ@日刊スポーツ2月3日より
 東京・銀座に路面電車がよみがえりそうだ。東京都中央区が明日4日、11年度予算案に「次世代型路面電車(LRT)整備調査費」として1500万円を計上する。順調に計画が進めば、銀座から築地市場に入り、晴海地区までの約2・8キロのコースを走る路面電車が、早ければ2018年に開業する。銀座から路面電車が姿を消した1971年以来、47年ぶりに復活する可能性が出てきた。
 銀座を抱える東京都中央区の11年度予算案に意外な項目が加えられた。「次世代型路面電車整備調査費」。1500万円が計上される予定だ。複数の候補はあるが、銀座4丁目の交差点をスタートして、13年春には新築されているであろう歌舞伎座をかすめて、築地市場の正門から場内市場に入り込んでいく。新設される2本の橋を渡って晴海地区に到達する約2・87キロのコースが現実味を帯びてきている。





 昨年の松江に続き今度は東京都心のど真ん中でLRTプロジェクトが出てきました。
 銀座・築地・歌舞伎座・晴海と出てくる名前のゴージャスさにも圧倒されます。
 
京急品川駅

 東京の街と言うと上の写真の品川等もそうなのですが、言い方は悪いですが新宿等巨大鉄道ターミナルの付随物と言う印象が深くあります。駅の存在が小さく歩いて回る街とも言える自由が丘や下北沢等でも駅名が街の名前となっているのが象徴的といえるのではないでしょうか?
 これが他の街、例えば大阪で言えば心斎橋、横浜で言えば伊勢佐木町・中華街・元町、名古屋で言えば栄、福岡で言えば天神と言った感じにどこも地下鉄駅はありますが、JRや私鉄の駅名ではないと言うあくまで街が主で駅はその付属物といったイメージになっています。
 こう言った鉄道優位の状況は鉄道好きとしては嬉しい反面、街歩き好きとしては物足りないものを感じてしまうのは気のせいではないでしょうか?

さいか屋横須賀店


 もう1つ東京の街と言うと歩いていて気がつけばとなりの駅にたどり着く事が少ないと感じるのも特徴ではないでしょうか?上の写真は私の地元横須賀の中心部のものなのですが東京に比べてはるかに小さい横須賀ですら気付くと隣駅という市街地を持っています。歩く街と言うのはこういった構造を持っているのではないでしょうか?

IMG_6078


 さてそんな東京でターミナルでない一大拠点銀座を基点としたLRT、僅か3km弱の小さな路線ではありますがもしかしたら歩きづらい街、歩くサイズから外れた東京と言う街を変えるの起爆剤になってくるかもしれません。

 果して今後どんな展開になるのか期待しつつ、今夜の筆を起きたいと思います。

 script type="text/javascript">

パラサイトシングル女性の陥った落とし穴~豊中餓死事件に思う~

60代姉妹遺体:1人は餓死か 大阪・豊中のマンション@毎日新聞より
 大阪府豊中市のマンションで姉妹とみられる女性2人の変死体が見つかった事件で、2人は12月22日ごろ相次いで死亡していたことが、府警豊中署の司法解剖で分かった。姉の死因は心疾患とみられ、妹の死因は不詳とされたが、栄養失調状態で体重が約30キロしかなく餓死の可能性がある。
 同署によると死亡した姉妹は、この部屋に住む姉の奥田紀代美さん(63)と妹久美子さん(61)とみられる。室内を調べた結果、室内や冷蔵庫に食料はなく、財布に90円しかなかった。妹名義の銀行通帳は6月以降、0円だった。



 お久しぶりでございます。相変わらずシリーズ物のプロローグの続きを書かず放置プレイ状態なのですがまた脱線します。しかもおよそ1月前のニュースでまた恐縮です。
 まずは死亡した姉妹のご冥福をお祈りして始めたいと思います。

60代姉妹遺体:1人は餓死か 大阪・豊中のマンション@毎日新聞より
 親族の男性(67)によると2人は独身。実家は、土地を多く所有する資産家だったが、20年ほど前に父親が亡くなり、数年後に母も死亡。近所の人らによると、姉妹は40代後半まで学校の事務員などの仕事に就き、マンション向かいの実家に居住。マンションのオーナーでもあった。その後、家は競売にかけられ、姉妹はマンションに転居。マンションは空き家も目立った。親族の男性は「借金があったようで、父親の仕事がなくなってから特に苦しかったのではないか」と話す。



 餓死と言うショッキングな言葉、誰にも見取られず孤独に死する高齢者と言う結論は確かに大きいものの個人的に引っ掛かったのはむしろその過程、資産家だった父が死に、その遺産で優雅な暮らしが出来る・・・上の引用を見るとそんな姉妹の当時の気持ちが浮かんでくるようです。両親が死んだ時期と、仕事をやめた時期が一致しているように見えます。そして一見優雅な生活をもたらしてくれるように見えた遺産こそ、結局彼女たちを餓死と言う悲惨な結末に導いてしまった・・・そんな風に感じるのは私だけでしょうか? 


家主さんの餓死――豊中60代姉妹死亡事件を読み説く②@大家さんのつぶやきより
私の実家もバブル期に延納を選択した相続税が払いきれなくなって、数年前に自宅を含むほとんどの土地を売却しました。ちょっとだけ残った所に今住んで、商売やってます。商売も引っ越しと事業縮小が必要でしたが、どうにかうまくいきました。
このままでは破たんする、なにとかしなきゃ、で家族会議をした時点で、マンションを建てることのできる土地は、実は残ってました。
そこに「マンションを建てる」という提案は誰もしませんでしたし、幸いにして提案を持ち込む業者もありませんでした。
実家は不動産以外の事業収入がありましたし、子ども(私の兄弟)もそれぞれ幸いそれなりの収入を得ています。
でもこの姉妹のように不動産収入のみだったら? 
「活用できる土地があるんだから、それでなんとか」
と誰かがきっと思ったでしょう。
そこに一見うまくいきそうな事業計画書が提案として持ち込まれたら?
きっと建てていたと思います。


 さて優雅な生活をもたらしてくれる筈の遺産が結果的に餓死と言う最悪の結論へ姉妹を誘導してしまったのでしょう?詳細に関しては上のblogに実体験を踏まえたすばらしい分析があるので詳細は書かないのですが、ただ感じるのは「不動産は怖い財産だな」と言う事です。
 私自身株に少なからないお金(他から見ると取るに足りない額だと思うが)を投資している身なので、当然最悪の事も考えています。
 この場合の最悪とは何でしょう?それは投資先の会社が全て倒産し投資したお金が0になってしまう事です。(投資先が先なのでそうなったら取り敢えず関西や中国・北陸・北九州地方は大混乱になりそうだが)ついでに書くならば配当等日常的な収入(インカムゲイン)も各社が赤字になって配当・優待が全く出なくなる0を想定しておけばそれ以上の損がないわけです。
 それでは不動産と言う資産はどうでしょう。個人的には不動産と言う資産は株に比べて以下の特徴があると考えています。
・固定資産税等保有するだけでかかる税金がある
・マンション・一戸建て等の住居や店舗、駐車場等多かれ少なかれ加工しないとお金の取れる状態にならない為、短期的にはメンテナンス経費、中長期的には回収・修繕・立替等の費用がかかる
 簡単に言えば株が最悪0になる事を考慮すれば良いのに対し、不動産はマイナスが最悪ありうる訳です。

大阪・資産家姉妹餓死事件の裏に銭ゲバ不動産会社(no.644)@激裏情報より
激裏GATE-PRESSに届いたチクリより
======================
 豊中市のマンションで、姉妹が餓死された事件ですが。
相続税が滞っているにも関わらず、 妹さんを言いくるめて、約4億もの借金をさせてマンションを建てさせたのが、大阪にある※○○建設です。
当時の営業マンも、その上司も既に退社していますが、マンション建設という営業成績を上げる為に、コーナン建設が保証人になるという条件付きで、無理やりマンション建設の受注を取りました。
姉妹は常々『※○○建設に騙された!騙された!』と、言っていました。建てた後は、知らぬ存ぜぬで、姉妹に対する何のホローもせず、受注成績を上げるだけが信条の会社です。

※裏が取れているわけでなく該当企業を糾弾したいわけではないので伏字にしました

 そして何より不動産はそれを担保に銀行融資を受けられる事が一歩間違えたらそのマイナスを途方のないものにさせてしまう可能性を内包しているのが最も怖いところです。
 実は私の父はこの姉妹同様親から受け継いだ不動産を持っている(とは言え九州の田舎の農地なので大した価値はないが)のですが一時期不動産・建設系の企業からの電話勧誘が激しかった事があります。
 一度内容を聞いた事があるのですが「建設や手続き・借り手はこちらで探しかつ入居保証をしますので土地の提供と融資の名義人をお願いします。そうすれば安定して(返済をしても)良いお小遣いが得られますよ」と言った感じでした。
 そんな勧誘に関して父は「リスクばかりこちらに押し付けてふざけた提案だ」と憤っていたのですが、結局の所こう言った事業者が付け入る事で更にリスクが増大するわけです。


生活保護制度も変わらなければ@江川(えかわ)珈琲店の出来事

悲惨さを増す大阪府・・・餓死か病死の可能性 マンションに女性2遺体 大阪・豊中@独り言日記

 さて餓死・孤独死と言うキーワードから生活保護の充実を求める声が大きく聞かれますが、果してこの姉妹は生活保護を受けられるほどの低所得者なのでしょうか?
 少なくとも終の棲家であり、自らが所有するマンションの資産価値は上の垂れ込みから考えると億円単位になるでしょうし、また入居率が半分以下としても5件の入居があれば姉妹の(見かけの)所得は月に50万円前後はあったと思われます。少なくとも世界中を探して年収600万円、資産額1億円以上のお金持ちに生活保護を支払う太っ腹な国家はどこにも無いと思います。問題は月50万円の収入があってもそれを超える税金・借入金返済・メンテコスト等の支出があった事で、結局大きく見えても金食い虫以外の何者でもない遺産を手放し自己破産しなければどうにもならなかったのではないでしょうか?
 そしてその為には一定の期間と専門家の介入が必要で、少なくともその間の生活費と専門家を雇う費用で100万円を下らない費用が必要でその費用が負担できるうちに決断できなかった事こそこの姉妹を餓死と言う最悪の結果に導いたものです。

2010年代中産と下流の時代~プロローグ1980年代に始まった非婚化・草食化が語るもの~その1より
それでは男性同様女性の晩婚化・非婚化についても見て行きましょう。男性の晩婚化・非婚化が進んだ1980年代、確かに女性もそれが進んでいるですが、むしろ男性の晩婚化・非婚化がそのペースを緩めて来た90年代、2000年代に急激に進行し21世紀に入ってからは男性を上回るペースで晩婚化・非婚化が進んでいることがわかります。
女性の非婚化は何を物語るかより
全体では就労者が増加し、特に年収1000万円以上の層が3割増と激増し確かにこの2点を見れば女性は社会進出した、強くなったと言えそうです。しかし年収1000万円以上の層は全体から見れば僅か1%弱しかなく、中間層といえる年収300万円~1000万円の層は2.6%減少、年収300万円未満の層は8.5%増加となっていて年収300万円未満の層が全体の2/3を占める事態となっています。


 さて餓死した姉妹と私の父、共に親の遺産を引き継いで生きて来た両者を分けたものは何でしょう。一言で言えば「遺産にしがみつかないですむ経済力を持っていたかどうか」と言う点に尽きると思います。



 そしてこの両者から視点を離して子供世代を見てみると怖い事があります。それはパラサイトシングル女性の問題です。前に書いたとおり21世紀に入ってから女性の非婚化が急激に進んでいるのですが、その一方一定の所得を得て経済的に自立できている女性は決して増えているわけではなくむしろ減少傾向にあるといって良いと思います。極端な結果ではありますが、この姉妹の落ちた落とし穴に彼女たちは刻一刻と近づいてきているように思えてならないのですがいかがでしょうか?


 
読者登録
広告
広告3
広告4
広告2
アーカイブ
アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

ギャラリー
  • 人気記事ランキング202408
  • 令和の鈴木貫太郎岸田文雄首相退任に思う
  • 人気記事ランキング202407
  • 高橋しょうごの言葉を思い出す選挙~都知事選2024に思う~
  • 高橋しょうごの言葉を思い出す選挙~都知事選2024に思う~
  • 高橋しょうごの言葉を思い出す選挙~都知事選2024に思う~
  • 高橋しょうごの言葉を思い出す選挙~都知事選2024に思う~
  • 高橋しょうごの言葉を思い出す選挙~都知事選2024に思う~
  • 高橋しょうごの言葉を思い出す選挙~都知事選2024に思う~
楽天
  • ライブドアブログ
  翻译: