人生のコスパを語りたいなら、まず人生のベネフィットを語ってみせろ@シロクマの屑籠より

 子供は人生で一番高い買い物だと思う

 

 私はコストパフォーマンスという考え方が半分好きで、半分嫌いだ。少なくとも、この考えが適用しやすい分野と適用しにくい分野があると思っている。~中略~
 でも、コストパフォーマンスが適用しにくい分野もある。子育てや家族、友達関係といった分野でコストパフォーマンスを論じ始めると、とたんに具合が悪くなる。具合が悪くならない人も稀にいるようだが、はてなブックマーク上の反応をみてもわかるように、コストパフォーマンスという発想が馴染まずにアレルギー反応を起こしている人がいるのがみてとれる。だから、リンク先の文章はよくできた釣り針だなぁと思う。

最近コスパという言葉の使われ方がおかしいfs garageより

最近、コスパって言葉が乱用されているという話をFacebookのタイムラインで見かけてから気になっていたんだけど、確かにコスパという言葉の使い方で、不可解に思う記事が増えてきた。

コスパが悪い? 結婚ほど不確実なものはない – Yahoo!ニュース

上の記事とそのネタ記事は、その代表例。タイトルからして意味がわからなくて読めてないんだけど、要するにコスパという文字で釣れる層がいるってことですよね。ある意味、意識高い層、ということなんでしょうね。

でも、とりあえず、何のパフォーマンスが悪いんだろう。逆に言うと、お得なパフォーマンスとは何なのだろうか?

 さて最近立て続けに「結婚や子供はコスパが悪い」と言う論説への反論が出てきて興味深いなぁと思っています・・・。何がかと言うと「結婚や子供はコスパが悪い」と言う論説ではなく、わざわざ「コスパ」ではないと反発してしまうその反応が。

年貢の納め時 ネングノオサメドキコトバンクより
《租税の滞納を清算する時の意から》悪事をしつづけた者が、捕まって罪に服する時。転じて、物事をあきらめなくてはならない時。「独身生活を謳歌したが、そろそろ―だ」
 結婚をコスパで考えて逃げ出そうと考える・・・、一見これは2015年現在いきなり出てきたように思えますがよく考えたら年貢の納め時なんて言い回しがあるように結構前、少なくとも昭和の頃くらいからからこういった考え方はあったように思います。ただあの頃は少なくとも「結婚や子供はコスパではない」等と言う反論する人はいなかったように感じますし、またそんなことを考えていた人の大半は結婚したのではないでしょうか?では何が変わってしまったのでしょうか?
40年前に比べ、学費の家計に占める負担は4%から20%に上昇していたtogetherより
岩上安身 @iwakamiyasumi 2014-01-27 23:42:22
今から約40年前の1975年当時、国立大学の授業料は3万6千円だった。現在は53万5千円。約15倍である。40年前のサラリーマンの平均年収は205万円。現在は409万円。2倍にしかなっていない。学費の家計に占める負担は4%から20%に上昇している。
大西宏 @hronishi 2014-01-28 15:54:28
そう、高校の授業料よりも安くバイトでも十分賄えた RT @h_okumura その数年前は1万2千円だった RT @iwakamiyasumi 今から約40年前の1975年当時、国立大学の授業料は3万6千円だった。現在は53万5千円…


 一番大きいのは社会の変化のような気がします。公教育の授業料なんかは象徴的ですが、子供にかかる金額が激増しているというよりきつい言い方をすれば将来の担い手として行政をはじめ社会全体で大切に投資されていた子供や若者が現在は親や祖父母世代からお金を引っ張る為の存在に変わったように感じるのは私だけでしょうか?

1 離婚の年次推移厚生労働省より

(1)離婚件数の年次推移

昭和25年以降の離婚件数の年次推移をみると、42年までは6万9千組~8万4千組で推移していたが、59年から63年に減少したものの、平成14年の29万組まで増加傾向となった。平成15年以降は減少に転じ、20年は25万千組となっている。(図1、統計表第1表)

 そして男性にとっては離婚数増加で明確になってきた結婚制度の問題も見逃せません。まず離婚数の推移をみると今の団塊ジュニアの生まれる前の昭和42年には年間7~8万組にとどまっていた離婚数は21世紀に入るころには4倍近くに膨れ上がり今や3組に1組が離婚をするというリスク面で無視できないレベルになっています
父親が親権を取るには?名古屋ブレイブハート法律事務所より

ある統計によりますと、調停・審判を分析しますと83パーセントがお母さんに親権者に指定されており、12パーセントがお父さんに親権者に指定されており、兄弟が複数いる場合においてそれぞれが引き取り合うということが5パーセントというのが実態です。~中略~

お子さんの健やかな成長には経済的基盤が欠かせません。こうした点はお父さんに有利なことが多いのですが、養育費制度がありますので経済的基盤での優位性は養育費が高くなるほど薄れていくという関係にあります

ポイントとしては、すでに子どもにつき実質的に面倒をみているのはどちらで不都合は生じているのか、乳幼児における母性優先の原則、子どもの意思の尊重の原則、兄弟不分離の原則、他方当事者が不適当である理由が挙げられます。

 さて離婚した場合それまで一生懸命働いて育ててきた子供に関する権利はどうなるでしょうか?現状では子供のそばにいる時間が長い母親の方が圧倒的に有利であり、かつ親権が無くても養育費は払わなくてはならないというのが一般的な判断だそうです。今の制度だと一回結婚して子供を作ってしまうと離婚して子供に関れなくなっても金だけは払い続けなければならないという理不尽な事になっています。私の知り合いにもそう言った状況にあっている人はいますが個人的には良く払い続けているなと感心してしまうくらいです。良く養育費の支払い状況は20%以下と言う話は聞きますが極端に言えばこれだけ何もリターンも無い事にお金を払い続けているなと感じずにいられません。変な言い方をすると今の日本の結婚と言う制度は男性が女性を妊娠させるのは犯罪で一生かけて賠償金を払っているようなものととれるくらいです
【悲報】男は妻に先立たれると寿命がみじかくなる?より

しかし、高齢での妻との別れは辛い。
実際は、良く知られているように、妻に先立たれた夫は短命となる。

夫に先立たれた妻は1年くらいは(普通の場合)落ち込むが、それ以降は、桎梏(しっこく)から解き放たれてのびのびと暮す場合が多いという。

50歳からの平均余命は、妻のいる男性で約30年妻のいない男性は約21年という。

このデータが見つからなかったので国立社会保障・人口問題研究所の「配偶者有無での40歳時に平均余命」を下図に示す。

夫は妻に死別すると5年、離別するとさらに酷く、10年寿命が短くなる。それでも、妻も5年程度短くなるのが、せめてものなぐさめだ

60歳以上の自殺による死亡者数は離婚した男性が妻のいる男性に比べ46倍も多い。(厚生労働省)

 そして離婚後の人生はやはり悲惨で掲載はしていませんが引用先のグラフによると一生独身の人よりも離婚経験のある男性の寿命は短いそうです。離婚しなければ良いともいえますが、しかし離婚と言う状況がいぶりだす結婚と言うものひとつの側面はは非常に悲惨です。まとめるとそれこそ労働の対価のほぼすべてつぎ込まなくてはならないが少なくない確率で離婚があり、離婚をするとそこまでつぎ込んだ全てが実質無駄になりかつ離婚後も少なくない額を支払い続けなくてはならない・・・。そう考えるとコスパと言う軽い言葉で収まりきらないがその言葉くらいでしか語れない何かがわかるのではないでしょうか?

 一方個々の事情、特に離婚や親権に関するものは仕方ないとしか言いようのない事情もある・・・、こういった中でコスパに関する返答は「コスパではない」と言う精神論ではあってはならないと思うのですが如何でしょうか?