さて仕事が忙しく取り上げることがなかなかできなかった都知事選挙ですが、自民党所属の元環境相の小池百合子氏が当選となり初の女性都知事が誕生しました。小池氏、無党派層にも浸透 女性初の都知事誕生@朝日新聞2016/7/31より
東京都知事選が31日投票され、元防衛相の小池百合子氏(64)=無所属=の初当選が確実となった。いずれも無所属新顔の元総務相の増田寛也氏(64)=自民、公明、日本のこころを大切にする党推薦=、ジャーナリストの鳥越俊太郎氏(76)=民進、共産、社民、生活の党と山本太郎となかまたちなど推薦=らを破った。小池氏が政党の枠を超えた幅広い支持を集めた。
まずは3週間にわたる長くかつ熱い選挙を戦った全候補者及び応援・支援者の皆様お疲れ様でした。
平成28年 東京都知事選挙 開票結果@東京都選挙管理委員会2016/7/31 22:30より
11 小池 ゆりこ 1,555,376 無所属
5 増田 ひろや 989,770 無所属
4 鳥越 俊太郎 753,794 無所属
さて投票日22:30段階での開票状況です。所謂主要3候補の小池氏、増田氏、鳥越氏の得票を見ると小池氏が鳥越氏の倍以上、増田氏の1.5倍以上の得票を得ている事がわかります。元々鳥越氏は民進党・共産党・社民党・生活の党の4党からの支持、増田氏は小池氏が所属し圧倒的な支持率を誇る与党自民党・公明党、及び日本の心を大切にする党の推薦を受け、きちんとした支持基盤を持っていました。それなのに何故小池氏に逆転を許しこれだけの差がついてしまったのでしょうか?
平成28年 東京都知事選挙 投票結果 (20時 00分)@東京都選挙管理委員会より一番大きいのはやはり投票率、前回の46.14%から59.73%と実に14%近い大幅な向上が図られています。東京都のの有権者が1000万人以上いることを考えると実に140万票以上、140万人もの人たちを投票所に足を向けさせたという意味で非常に大きなものがあります。これが全て小池氏が掘り起こした訳ではないですが、有力な支持基盤を持たない増田氏、鳥越氏以外の候補がいかに一生懸命新たな有権者の支持を掘り起こしたかと言う事の証明ではないでしょうか?
東京都 開票区 当日有権者数
(人)投票者数
(人)棄権者数
(人)投票率
(%)前回投票率
(%)東京都計 11,083,306 6,620,407 4,462,899 59.73 46.14
舛添都知事、辞職願を提出 政治資金問題で引責@共同通信2016/6/15よりとは言え当初この都知事選挙は舛添前知事が4年間の任期途中で政治資金流用問題の責任を問われて辞任に至り行われたもので、更に1代前の猪瀬知事も議会の反発で途中辞任と、2代続けて知事が安定して任務を全うできなかったこと、そしてそれを一部の人かもしれませんがソーシャルゲームのガチャになぞらえられる状況(しかもあたりは無い)を考えると特に与党側の低投票率を見越して「地味かもしれないが議員たちが納得できる人選」と言うのは意外に一理あったような気がします。
東京都の舛添要一知事は15日、政治資金流用問題などによる都政混乱の責任を取り、川井重勇都議会議長に辞職願を提出した。辞職は21日付。
山本一郎(やまもといちろう)@kirikさて、働く都知事が出てくるのか50億かけてガチャを回す時間がやってまいりました。
東京都知事選・増田寛也候補 Q&A @togetherより
増田寛也(ますだひろや) @hiroyamasuda 2016-07-17 14:14:22また与党の増田候補に関しては最終得票数が確定していないので何とも言えないですがただ予想される票数は低投票率を前提とすれば当選ラインに届く数字であり、結果にifは禁物ですが、小池氏をはじめとする実に21人もの立候補者が出る選挙にならなければ横綱相撲になりえたのかもしれません。個人的には増田氏に関して感心したのは上のQ&Aを比較的早い時期にやった事、岩手県知事時代の実績に関して様々な突込みがある中、それに逐一答えていたのは候補者としての誠意を感じました。Q 岩手県知事時代、借金を倍の1.4兆円にしたというのは本当ですか?A 新幹線の誘致によって整備費の地元負担が発生。また岩手県立大学の4学部一斉開学の実施によって負担額が増加しました。このどちらも将来へ向けた人材育成と経済の発展のための投資でした。続 #都知事選 #増田寛也
藤野 英明(横須賀市議会議員・無所属)一方でいただけなかったのは野党側の統一候補である鳥越氏、個人的には76歳と言う年齢は4年後には80歳であり、男性の平均寿命に匹敵する年齢であり、はっきり言えば任期中に寿命を迎えるリスクがある候補を2回連続で知事が任期途中で辞任し知事の安定性が大きな課題となっている選挙に投入すると言うのはそもそもおかしいわけで更にもともと直接関連のない宇都宮前候補の立候補を断念させたり(小池候補に関してはそもそも党内での調整の話であり立候補断念までさせてはいない)、他の主要候補の1/3程度の演説回数や、政策面では反原発や憲法の話など主張自体は否定しないものの本来地域の首長が取り組まなければならない地域の生活・経済・利害調整のような様々な具体的な課題を後回しにしているととられかねない状況はさすがに疑問符が浮かばざるを得ません。実際前の参議院選挙で野党統一候補を熱心に応援した横須賀の藤野市議のような人物に「「民主主義って何だ?」「これだ」と言い続けてきた人たちが、実はすごく民主主義的な存在では無かったことを、今回も改めて感じさせられた」とまで言わせたというのはものすごい事であり、これは非常に重い事ではないかと思われます。@ycc_hf 5 時間前ああ、やっと都知事選挙が終わる。前回の時もひどかったけど、今回はもっとひどくて本当に嫌気がさしてしまった。「政治家はどんな選挙でも寝ない(=誰かしら必ず応援をする)」ことを先輩議員から学んで以来、横須賀に利害を及ぼす選挙では必ず動いてきたけれど、今回ばかりはその原則も曲げた。
藤野 英明(横須賀市議会議員・無所属)@ycc_hf 5 時間前「民主主義って何だ?」「これだ」と言い続けてきた人たちが、実はすごく民主主義的な存在では無かったことを、今回も改めて感じさせられた。きっと開票が終われば、選挙前・最中と同じように「敗因はおまえらだ」と押し付けてくるのだろうな。でも違うから。勝てばドヤ顔でその正当性を叫ぶのだろう。
さてそんな中で知事になった小池氏ですが逆に言えば猪瀬氏や舛添氏と同様かそれ以上の逆風をうけての船出となります。果たして猪瀬氏や舛添氏の2の舞にならずに済むか今後注目されるところです。